整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

愚痴

愚痴:健診は人間ドックではない

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先日、知り合いから健診での転移性肺腫瘍の見落としで相談を受けました。企業健診で胸部X線像を毎年施行していますが、血便で精査したところ消化器がんが見つかったようです。


あとから確認すると、昨年の胸部X線像ではわずかに転移性腫瘍の所見がありそうです。毎年企業健診をしているにもかかわらず、発見が遅れたのは見落としだというわけです。


実際、胸部X線像を拝見しましたが、これをもって精査と言い切るのは少し難しそうです。これで有責とされたら、ちょっと厳しいかもしれません。


この方は60歳台ですが、これまで企業健診をタダで受けられる人間ドッグとみなしていたようです...。このため、企業健診での見落としは医療過誤だと憤慨していました。


ガンに罹患したのは可哀そうですが、企業健診を人間ドックと思うのはいかがなものかと感じました。真剣に早期発見したいのであれば、企業健診で満足してはいけないでしょう。


少し気になったので調べてみると下記のような判例がありました。



定期健康診断は、一定の病気の発見を目的とする検診や何らかの疾患があると推認される患者について具体的な疾病を発見するために行われる精密検査とは異なり、企業等に所属する多数の対象者に対して異常の有無を確認するために実施されるものであり、大量のレントゲン写真を短時間に読影することから考えると、異常を識別するために医師に課される注意義務の程度には限界があり、本件レントゲン写真を読影した医師がAの肺癌の存在を見落とし、異常なしとしたことに過失を認めることはできないとした。



極めて妥当な司法判断だと思います。企業健診などの健康診断は、検診や人間ドックとは明らかに性質や目的が違います。


企業健診は人間ドックの代わりではないことを説明しましたが、あまり納得されませんでした。このような認識の人が居るのは少々コワイ気がします...。






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人気取りの緊急事態宣言延長は勘弁してほしい

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緊急事態宣言が延長されそうな雲行きです。
正直言って勘弁してほしいと思っています。


逆張り投資家的な観点からは、緊急事態宣言の期間延長は望ましいと思います。何故なら経済がメチャクチャになって株価や地価が下落するからです。


さすがに過剰流動性だけでは、今のような資産価格の維持は難しいでしょう。そうなると、温存している資金で全力買いに行こうと思っています。


しかし、個人的な損得勘定は抜きにして、純粋にこのような茶飯事はそろそろ止めにしてほしいと感じています。更に1ヵ月延長すると倒産連鎖に歯止めがかからなくなるからです。


堀江貴文氏、自粛期間延長に苦言「人生かけて商売してるみんなは、もっと声を上げた方がいい」



世の中というのは非情なもので一生懸命頑張ってきた人たちが人気取りの政治家にノミのように潰されて、ハイエナ達に漁られるのです。ほんと寂しいことです



堀江氏に対して好き嫌いの感情はありませんが、言っていることは正論だと思います。人生かけてビジネスしている人が虫のように踏みつぶされていくのは、私も正視できないです。


私は、今回のコロナ禍に対する緊急事態宣言は、免疫能の低い人 or 中小企業や個人事業で人生を賭けて戦っている人 のどちらを取るかの二者選択だと考えています。


前者は数字として明らかなので、政治家や専門家の人たちはそちら優先になりがちですが、連鎖倒産で自殺に追い込まれる大量の人のことはほとんど考慮されていない気がします。


もちろん、専門家の人は新型コロナウイルス感染症のことを考えるだけでよいと思いますが、その判断も含めて政治家はどちらの命を救うのかの判断に迫られています。


数で言うと、圧倒的に後者の犠牲者が多いと思いますが、残念ながら統計には「コロナ禍が原因
」とは出ません。弱者保護も行き過ぎはいかがなものかと思います...。






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褥瘡訴訟の敗訴理由

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民間医局のドクターズマガジン(No.247 May)に興味深い記事がありました。医療従事者による褥瘡の発生防止および治療についての義務違反がみとめられた事例 です。


大脳皮質基底核変性症に誤嚥性肺炎を併発した患者さんに発生した褥瘡に対する訴訟で、ガイドライン、看護計画、院内マニュアルに基づく褥瘡管理の徹底が求められています。


原告は下記2点を主張して、判決でいずれも認められました。

  1. 患者の褥瘡発生を防止すべき義務を怠った過失
  2. 患者の褥瘡を適切に治療すべき義務を怠った過失

①にかんしては、看護計画で体位変換を最低 2時間ごとに行うと記載されていたようで、自ら設定した看護計画を遵守しないことは妥当ではないとされました。


最低 2時間ごとの体位変換は、ガイドラインに記載されています。そもそもガイドラインは訴訟の判断材料に使用することを否定していますが、現実には最も重要な判断基準です。


24時間体制で最低 2時間ごとの体位変換など現実離れしていること甚だしいですが、理想が掲げられているので致し方ありません。


看護計画はガイドラインに準拠して策定したのでしょうが、これが仇となりました。ガイドライン記載事項だからと言って実施不可能な事は看護計画に記載しない方が良さそうです。



②は黒色部のデブリドマンや細菌培養に提出しなかったことが敗訴の原因です。徹底的にデブリドマンするならそれなりの医師が必要ですが、この点は考慮されているのでしょうか?


誌面では詳細は分かりませんが、印象としては医療機関に厳しい判決と言わざるを得ません。医療資源は無限にあるという前提で判断されていると感じるのは私だけでしょうか?





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専門バカは社会に害をなす

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日経メディカルで興味深い記事がありました。
クルーズ船での支援活動はいかに困難なものだったのか です。


日本DMATの一員として参加した京都府立医科大学救急医療学の山畑佳篤先生が、ダイヤモンド・プリンセス号に関わる医療支援活動で経験したことを寄稿されたレポートです。


クルーズ船の船内構造から、複雑な権利問題や主権の問題までバランス良く考察・説明いただいており、当時の船内の状況が手に取るように分かります。


この寄稿を拝読すると、厚労省の対応が困難を極めていたことが理解できますし、某専門家の暴走で湧きおこった批判がいかに理不尽で的外れなことであったかが理解できます。


センセーショナルに報道されて国辱モノのニュースが世界に垂れ流されましたが、実際はやはりこのような状況だったのかと得心しました。


今回の寄稿を拝読して感じたのは、医師は専門バカであってはいけないということです。社会的地位のある専門バカほど厄介で社会に害悪を与える存在はありません。


もちろん、今回の山畑先生のようなバランス感に優れた医師はまだ少数派かもしれません。しかし、社会的地位が高いほど、一般教養が必要とされると思います。


たしかに医師の世界で競争に勝ち抜くには専門に特化する必要があります。しかし、地位を得た後も専門バカのままでは、社会に害悪をもたらしかねません。


真に社会に寄与する人材となるためにも、専門バカになってしまわないように一般教養も積極的に学ぶ姿勢が重要だと思いました。





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医療崩壊を誘発する悪しき前例

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非常に残念なニュースだと思いました。
国立循環器病研究センターで外来休診 です。


一応、当初の予定を早めて本日に外来を再開したようですが、天下のナショナルセンターがたった1人の職員の感染者が見つかっただけで外来を閉めたことは到底理解できません。


ナショナルセンターは国民の血税が投入された日本の最高医療機関のひとつです。医療の最後の砦にもかかわらず、たった1人の職員の感染で病院機能を停止するのは不適切です。


国立循環器病センターは悪しき前例をつくりました。天下のナショナルセンターがたった1人の職員の感染で外来を閉めた事実を、他の医療機関は踏襲せざるを得なくなるからです。


国立循環器病センター首脳陣は自院の保身を考えて決定したのでしょうが、全国の医療機関に与える巨大な負の影響を考慮しなかったのは残念でなりません。


私は、大学病院、ナショナルセンター、日赤、済生会、都道府県立病院、市立病院などの公的基幹病院の医療レベルの高さに刮目し、そこで献身的に働く医師を尊敬しています。


それだけに、新型コロナウイルス感染症による医療崩壊を誘発しかねない今回の国立循環器病センターの誤った判断は大きな驚きでした。


残念ながら、日本も地域感染期に入りつつあります。そのような重大な時期に、範を示すべきナショナルセンターが二度と同じ過ちを犯さないことを切に願うばかりです。






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