整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

愚痴

毎日新聞は医師の味方

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福生病院の透析中止報道が過熱しています。ほとんどの医師は苦々しい気持ちでこのニュースを傍観していることでしょう。


私もこのニュースを知ったとき「また毎日新聞が部数アップキャンペーンを始めたのか」と思いました。しかし、ちょっと待ってください! 今回の報道の趣旨は下記のごとくです。


  • 透析を中止したのはけしからん
  • 人の命は地球よりも重い
  • 可能なかぎり透析は継続させるべき


これって、透析病院や透析クリニック経営者的には非常に好ましいことではないでしょうか? 客観的にみて、これ以上の追い風はありません。


おそらく今回の報道がきっかけで、透析を途中で中断することは難しくなり、透析導入も積極的になると思います。


今までは医師・人間としての倫理観である程度のバランスを保っていたのが、「とにかく透析!」という倫理に反する方針が公然と要求されるようになること必定です。


思い返せば、毎日新聞は医師のためになるキャンペーンを幾度も繰り返してくれました。大野病院事件では地方の周産期医療を崩壊させて、産科医師を過重労働から解放しました。


また数々の医師バッシング報道は外科などのメジャー科志望医師を激減させ、同時に地域医療崩壊を加速させることで、多くの医師のQOL向上に資することになりました。


私たち医師に「自分を犠牲にしてまで頑張らなくていい、逃げればいいんだ」という気付きを与えてくれた功績は特筆するべきだと思います。


そして、今回の「透析中止けしからんキャンペーン」では、危機的国家財政にも拘わらず医療費増加を後押ししてくれます。そうか、毎日新聞は私たちの味方だったんだな・・・





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今年の10連休をどうしのぐ?

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周知のように今年のゴールデンウィークは10連休です。サラリーマン的な感覚では10連休は良いものです。しかし医療機関にとって、これほど長期連休は大きな問題となります。


10日間も業務が止まってしまうと、その間に患者さんの容態が悪くなったり、外傷患者さんの手術ができなくなってしまうため、医療現場は大変なことになってしまいます。


もちろん、国レベルの目線では医療現場の末端のことなど検討するはずもありません。しかし医療業界の場末に身を置く者としては、10連休というのは由々しき問題です。


10連休の間の対応は医療機関によってまちまちですが、一般的に公的病院では経営陣の力が弱いため、現場の判断に任せるという訳の分からない状況が多発しているようです。


例えば、整形外科として全休にするのか、○○に外来をするのか、手術日を設けるかなどという判断を任されるというわけです。


経営陣が判断するのではなく、一部門レベルが医療サービスを提供するのか否かを決めるという、なかなか馬鹿馬鹿しい茶番劇が全国的に繰り広げられているようです。


傍から見て、誰が好き好んで看護部や事務部といったパラメディカルを敵に回して、連休中に業務を行いましょう! と言うんだろうかという気がします。


それぐらいの責任は上層部がとって欲しいものです。さて実際的には、 4月30から5月2日の間にちょこちょこと外来や手術を行う施設が多いように聞いています。


これはこれで結構なのですが、比較的直前になるまで本決まりしないので、現場の医師としてはなかなか大変なことです。


10連休というのはめったに無い長期休みなのですが、医療機関にとっては試練の期間になるのは間違いないです。そう言いながら私は海外に脱出するのですが・・・





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C 型肝炎治療薬は人工関節より高価!

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先日、腰椎圧迫骨折の患者さんが救急搬送されました。手術適応は無いのですが疼痛のために身動きのできない状態だったので、そのまま入院していただきました。


問診を取って入院時検査をしようとした時にひとつの問題が浮上しました。この方は C 型肝炎だったのですが、ちょうど C 型肝炎治療薬マヴィレットで治療中だったのです。


しかも、マヴィレットを服用し始めて4週目でした。マヴィレットはアッヴィ社が販売している C 型肝炎治療薬ですが、極めて高額であることで知られています。


通常、8週間投与なのですが、薬価ベースでは406万円もします。著効率が 99% とのことで画期的な薬ではありますが、いかんせんとんでもなく高価な薬です。


そして、マヴィレットの治療は途中で終わらすことはできないそうです。ということは、このまま入院すると、マヴィレットの薬代は病院負担になるのでしょうか???


調べてもらうと、マヴィレットは出来高払いで対応できるとのことでした。万が一にも包括医療対応しかできないとなると、この患者さんを入院させると大赤字になってしまいます。


この件に関しては安堵したのですが、出来高払いになるので、この患者さんの売り上げがとんでもない金額になることが判明しました。


つまり、まだ4週間残っているので、 1ヶ月で 200万円もの売り上げになるのです。もちろん、売り上げが大きなだけで病院の利益はほとんどありません。


しかし、医師に対する病院の評価は売り上げで決まります。つまり利益をほとんど無いにもかかわらず、この患者さんの入院で人工関節を上回る売り上げが計上されるのです。


整形外科は手術をして、体を動かしてナンボの世界だと思っていました。しかし、マヴィレットによってその概念がぶち壊されました。なんだか複雑な心境ですね・・・






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胸部打撲は整形外科の範疇なのか?

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胸部打撲を診るのが、外科なのか整形外科なのかは病院によって異なります。今までたくさんの病院で診察しましたが、このことについて明確な基準は無いようです。


実際的には、院内における外科と整形外科の力関係、両科の忙しさの度合い、および医師がどこまで熱心に診療しているのかによって変わっているようです。


胸部打撲で最も多いのは肋骨骨折や胸骨骨折です。外科の医師からすると、まず整形外科が診て、骨折がなかったら俺達が診てやろう的な考え方になっても不思議ではありません。


一方、整形外科医的には、骨折があるだけならバストバンド固定で済みますし、骨折に気胸を併発しているようであれば外科の先生の力が必要となります。


また胸部打撲で肋骨骨折かと思いきや、実は脾臓損傷や肝臓損傷まで合併していたということも時々あります。


このあたりの方を考えると、整形外科医的にはやはり胸部打撲や腹部打撲は、まず外科で診てほしいというのが本音です。


ただこの事に関しては、整形外科医の中でも統一した見解はありません。以前勤めていた病院では、トップが胸部打撲は整形が診るに決まっている!とおっしゃられていました。。。


胸部打撲患者が整形外科を初診するのは未だに釈然としませんが、患者を第一に考えると胸腹部打撲は外科の先生が初療して内臓損傷の除外診断をするべきではないかと思います。






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生活保護に先発医薬品処方すると?

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先日、生活保護の患者さんとトラブルになりました。
トラブルと言っても直接対峙したのは調剤薬局です。


トラブルの内容は一般名処方についてです。ご存知のように2018月2年9日に政府が生活保護法の改正法案を閣議決定しました。


その内容は生活保護の受給者に対してジェネリック医薬品(後発医薬品)の使用を原則として定めるというものです。医療資源の適正配分のためには妥当な法改正だと感じています。


2018年10月から施行となりましたが、無条件で高額な先発医薬品を享受していた生活保護患者さんの中には、ジェネリック医薬品への変更に対して強硬に反発する人がいます。


このような患者さんのひとりが調剤薬局で大暴れしました。困り果てた調剤薬局が病院に電話をしてきたのですが、病院としても法律に従うしかありません。


このため、この生活保護患者さんの威迫には応じず、あくまでも一般名処方という対応を採りました。その後、調剤薬局でこの患者さんがどうなったかは存じ上げません。


もし生活保護患者さんの威迫に屈して、調剤薬局がジェネリック医薬品ではなく先発医薬品を処方したらどうなるのでしょうか?


このことについて少し不安になったので、医事課に問い合わせてみました。私は、薬価差額は病院が負担するのではないかと予想していました。


しかし、予想外にも医事課の答えは国が負担するとのことでした。威迫に屈して先発医薬品を処方しても、現時点では医療機関自体が経済的な損失を負うことはないのです。


もちろん、生活保護患者さんの威迫に屈してはいけないとは思うのですが、このようなことが全国で多発していると思われますので、厚労省の対応を興味深く見守りたいと思います。






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