整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

TKA

防水テープは意外に防水だった!

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最近はTHAやTKAの術後後療法が速いので、術後2~3日でも個人浴に入れるぐらいの患者さんがいます。


しかし、実際には創の問題があるので、なかなかそこまで早期から、個人浴に入る方は少ないのが現状です。


私はCDCガイドラインに準じて創が乾燥した段階でガーゼを除去しますが、まだ創から浸出液が漏出している段階では、カテリープなどの防水テープを創部に装着しています。


防水テープは、シャワー程度なら全く問題ありません。しかし、浴槽に完全に浸かるとどうでしょうか? 今までは習慣的に、防水テープでは入浴していませんでした。


しかし、創からの浸出液が多くない限り、少なくとも外部から水が浸入する可能性は低いのではないのか? と思うようになりました。


ちょうど、転倒して下腿に防水テープを貼付する機会があったので、自ら実験台になって人体実験(?)を行いました。


結論的には、10分程度であれば全く問題ありませんでした。10分間ずっと浴槽に下腿を浸けていましたが、お湯は全く防水テープ内に侵入しませんでした。


今まではシャワーまでに留めるように患者指導していましたが、これなら浴槽に多少浸けても問題なさそうです。


夏場はいいですが、冬場は寒いのでシャワーだけでは辛い。。。患者さんにとっては朗報ではないでしょうか。





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KneeAlign2をうまくキメるコツ

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先日、人工膝関節全置換術(TKA)がありました。2015年以降は、人工膝関節置換術用ナビゲーションシステムの KneeAlign2 を用いています。



1111 - コピー



KneeAlign2は非常に精度の高いナビゲーションシステムです。術中の目測で、ちょっと内反気味かな? と思っても、
KneeAlign2を信用して骨切りすると大抵ばっちりです。


KneeAlign2の特徴は、非常に正確であるか、もしくは大ハズレのどちらかだそうです。このため、見た目に問題外でない限りは、基本的に信用して良いと思います。


そんな術者の強い味方であるKneeAlign2ですが、ひとつだけ問題点があります。それは、なかなか大腿骨側のレジストレーションが決まらないことです。


10回やっても20回やってもレジストレーションできないことがあり、手を変えるために助手の先生にやってもらったこともあります。


私の中では、
KneeAlign2に対して苦手意識があるですが、ひとつの解決策を教えてもらいました。それは、レジストレーションの際に骨盤部を押さえてもらうことです。


おそらく、下肢を動かしているときに骨盤が動くために、KneeAlign2が大腿骨頭の位置を定めることができないことがレジストレーションできない原因なのだと思います。


確かに、レジストレーションの際に助手の先生に骨盤部を押さえてもらうと、成功率が高くなりました。


私のように、
KneeAlign2の大腿骨側レジストレーションに苦手意識を持っている方には、骨盤部を押さえる方法をお勧めします。






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SSI予防における手術室設備と環境

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日整会誌92: 5-9 2018に興味深いシンポジウムの論文がありました。SSI予防における手術室等の設備、環境に関するエビデンス です。要旨を下記に記載します。



この論文では、国際コンセンサスと新JOAガイドラインの2つのガイドラインを中心に、手術部位感染(surgical site infection, SSI) 予防のトレンドについて概説されています。




術野毒薬について

整形外科の清潔手術における術前皮膚消毒は、グルコン酸クロルヘキシジンとポピドンヨードのどちらでもよいが、使用する際はアルコールを併用した方がよい




粘着ドレープについて

消毒後、時間依存性に残存菌は再増殖する。ポビドンヨード含有ドレープではSSIのリスクが減少する可能性があるが、非含有ドレープではリスクが減少するエピデンスはない。




手術室換気能について

バイオクリーンルー ムの有用性に関しては、世界的に認識が変容している。国際コンセンサスでは、手術室への人の出入りは最小限にとどめることを推奨している。


国際コンセンサスでは、「バイオクリーンルームの 有用性は不明であり、人工関節置換術は必ずしもバイオクリーンルームで行う必要はない」とし、宇宙服も同様とまとめている。




手術室入室時の履物の変更について

手術室内で外履き用一般シューズを利用することはSSI リスクである可能性が残ると考えられるが、質の高いエビデンスがあるわけではない。




抗菌縫合糸について

術野汚染は手術の後半ほど多く、特に閉創時に術野汚染率が高くなる。そのため術野汚染リスクの高い閉創時に抗菌活性のある縫合糸を用いることは、理にかなった対策と言える。




除菌について

Perlらは、黄色ブドウ球菌による SSI の約 85% (33/39 例)が 術前鼻腔から同定された菌と一致したと報告した。黄色ブドウ球菌の保菌部位は、健常者では鼻腔が27%と最も高い。


そのため、鼻腔保菌着に対して鼻腔だけでなく全身の除菌も同時に行うことで深部SSIが予 防できたとする報告がある。


国際コンセンサスでは、術前の皮膚除菌は「有用である。術前に皮膚をグルコン酸クロルヘキシジンで除菌するべきである」としている。


また、鼻腔除菌については「黄色ブドウ球菌(MSSAおよび MRSA)についての術前スクリーニングと検出例に対する除菌は、SSI 発生割合を減少させると認識している」としている。


「鼻腔内へのムピロシン短期投与が、MRSAおよびMSSA除菌の方法として、現在最も広く受け入れられている」とまとめています。

      




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部分荷重で患者さんのアク抜きを!

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THAやTKAなどの人工関節全置換術は、非常に完成度の高い治療法です。基本的には手術翌日から全荷重歩行を開始しますが、ときどき免荷を強いられる症例もあります。


このような症例では、周囲の患者さんがどんどん全荷重でリハビリテーションを進めていくのに、自分だけなぜ免荷なのか? とブルーになりがちです。


免荷が必要なこと頭では分かっていても気持ちの面での整理がなかなかつかないのです。このような時、私は患者さんの気持ちの「アク抜き
」を考えます。


具体的には、1/3 PWBや10kgまでの荷重を許可するのです。この程度の荷重であれば、実質的には免荷しているのと大差ありません。


しかし、患者さんの気持ちになると、荷重を開始するということは治療が前進したことを意味します。つまり、自分の状態が快方に向かっていると・・・


このようにして患者さんの気持ちのアク抜きをしつつ、実質的な免荷を継続します。このようにすることで、患者さんの気持ちが前向きになり、主治医も治療をやりやすくなります。


杓子定規に 免荷!免荷!ではなく、少し工夫を加えることで、治療の経過もやりがいのあるものに変わるのではないでしょうか?





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CDCガイドライン2017

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先日、日整会広報室ニュースを読んでいると、CDCガイドライン2017という記事がありました。国際医療福祉大学医学部整形外科主任教授の石井賢教授が執筆されています。


感染症対策では1999年のCenters for Disease Control and Prevention(CDC)ガイドラインが使用されてきましたが、2017年に18年ぶりに改訂されました。


本ガイドラインでは1998~2014年に発表された5759論文からエビデンスの高い170論文を抽出して構成されています。下記の2つのセクションで、項目別に記載されています。


  1. 外科手術全般のSSI予防のコアセクション
  2. 整形外科領域に特化した人工関節置換術セクション




以下に、気付いた点を抜粋します。


予防抗菌薬
  • 加刃時の血清と組織の抗菌薬が殺菌濃度に達するように投与する
  • 閉創後はドレーン留置の有無に関わらず抗菌薬投与を施行しない
  • 創部への抗菌薬投与の意味は少ない
  • トリクロサンコート縫合糸(バイクリルプラス等)使用を推奨

血糖コントロール
  • 糖尿病の有無に関わらず、周術期では血糖値<200mg/dlを維持する

体温
  • 周術期は正常体温を維持する

酸素化
  • 正常の肺機能患者では、術中と抜管後はFiO2吸入酸素濃度を増加させる

皮膚洗浄・消毒
  • 術前日に石鹸あるいは消毒液を用いた全身シャワーや全身浴を実施する
  • 術中の皮膚消毒にはアルコールベースの消毒液を使用する(禁忌を除く)
  • プラスティックドレープの感染予防効果は少ない

免疫抑制剤による全身治療
  • コルチコステロイドや免疫抑制剤の全身投与されている人工関節全置換術の患者であってもドレーン留置の有無に関わらず、閉創後は抗菌薬投与を施行しない
  • 術前の関節内コルチコステロイド注射の使用とタイミングの有用性と有害性は不明
  • 人工関節全置換術における整形外科サージカルスペーススーツの有用性と有害性は不明
  • 人工関節全置換術セメント利用の有用性と有害性は不明



だいたい既に実践していることが多いですが、術翌日の抗生剤投与を止めることは、勇気が無くて実行できそうにありません。


あと、サージカルスペーススーツやプラスティックドレープは惰性で(?)使用していますが、感染予防効果のエビデンスは無いとのことです。本当かな???








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