整形外科医のブログ

投資の成功によって30歳代で経済的自由を達成しました。 医師起業家として年商10億円企業を目指して日々奮闘中

TKA

自分の術中判断は KneeAlign2の信頼度を上回れるか

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連日の手術ピットフォールネタです。
今回は人工膝関節全置換術(TKA)で少々残念なことが発生しました。


大腿骨の骨切り角度の屈曲がやや強めになってしまいました。通常は屈曲3度で骨切りしていますが、今回は7度ほど屈曲がついてしまいました。


私は KneeAlign2を使用していますが、今回のようなケースは初めての経験です。これまでの経験では、
KneeAlign2は極めて正確な骨切りが可能という認識でした。


術中、本当にこの角度で大丈夫かな?と感じた場合であっても、術後単純X線像ではバッチリであることがほとんどだったのです。


このため、術中の自分の判断よりも 
KneeAlign2の性能を信じるようになりました。しかし今回の一件で KneeAlign2と言えども完璧ではないことを思い知りました。


KneeAlign2は基本的には極めて正確な骨切りが可能ですが、KneeAlign2が failureする場合には大きく外れてしまうそうです。今回の症例はまれにこれに該当すると思います。


術中判断の重要さが上昇しましたが、これまでの数多くの症例でほぼ100%近い正確さを示してきた KneeAlign2に対して、術中に異議申し立てするのはかなり勇気が要ります。


KneeAlign2の問題点は、角度の判断軸がブラックボックスであることです。このあたりは AIの判断がブラックボックスであることと近似しているかもしれません。


優秀なデバイスであることは間違いないですが、100%信頼するのは厳しそう...。自分の目よりも正確そうなだけに、術中判断に迷ってしまいそうです。






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創治癒不全には経口抗生剤が利く?

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THAや TKAの症例で、術後1週間を超えても創部から少しずつ浸出液が漏出し続けることをときどき経験します。創部に発赤は認めないものの何となく暗赤色っぽい色調です。


熱発はなく、血液生化学検査でも CRP/WBCとも術後感染を疑う結果ではありません。それにもかかわらず浸出液が少しずつ漏出し続けるのは気持ち悪いものです。


このような症例では、私は思い切ってクラビットもしくはミノマイシンを処方してみることにしています。ICTラウンドで見つかってしまうとキツクお叱りを受けそうです...。


しかし、ほとんどの症例で、処方を開始してから1~2日で創からの浸出液漏出が収まり色調も正常化します。これってマイルドな表層感染なのでしょうか???


本当は浸出液を培養に提出するべきなのかもしれませんが、仮に細菌が検出されてもコンタミと区別することは困難です。


人工関節全置換術後 1週間を超えても浸出液が漏出し続ける場合で明らかな PJIでなければ、マイルドな表層感染と考えて抗生剤処方もアリかもしれないと考えています。


各方面からお叱りを受けそうな過激な意見だと思いますが、チキンな私はやむを得ず抗生剤を処方してしまいます...。






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感染症治療で最もお勧めの書籍です。Grandeと小さいサイズがあり内容は同じです。小さいサイズの方が安いですが、常に携帯する医師を除けば見やすいGrandeがお勧めです。

レントゲンフィルムの生産中止で在庫が枯渇!

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先日、放射線科の技師さんからレントゲンフィルムが供給停止になったため、在庫が無くなってしまった旨の連絡がありました。


大腿骨頚部骨折の人工骨頭のサイズ確認や人工関節のテンプレーティングは、作業時間短縮のためにフィルムに焼いてもらっています。それが無くなるのはとても痛い...。


一般社会に遅れること約10年で、医療業界にも淘汰の波が押し寄せてきたようです。フィルム製造には巨額の設備投資が必要であり、一度廃業すると再生産は極めて困難です。


このため、私たちがレントゲンフィルムを新規で使用することは金輪際無さそうです。どうしても必須ではないのですが、モニターだけだと作図等がかなり不便になります。


もちろん 3Dテンプレートを使用すればいいじゃないかと言う意見もあるでしょう。しかし現実的には、①高額なので導入できない施設が多い ②手間がかかる 問題点があります。


やはりフィルムがあった方が業務効率が向上するので、どこかで入手できないかヤフオクやメルカリを調べましたが、大四などの欲しいサイズのフィルムはありませんでした。


何とか作業効率を落とさないように作図できる手段を考えなければいけません。せめてワンタッチで 110%にサイズを合わせてくれる機能があればなぁ...。





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豊富な図や画像が提示されているため、ほとんどの骨折や脱臼に対応することが可能です








関節注射後 3ヵ月のTKA待機期間でトラブル発生?

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最近、立て続けに近隣開業医の先生からの紹介患者さんで小さなトラブルがありました。それは私のところに紹介される直前に膝関節注射を施行されていたことです。


以前にブログでご報告したように、
術後感染率が有意に上昇するので TKA の術前3ヶ月以内に関節注射を施行するべきではないという論文があります。


この論文の結果を受けて、私は TKAを施行するなら、必ず 3ヵ月以上の待機期間を置いています。しかしどうやら整形外科医の間にもあまり一般的には認知されていないようです。


立て続けに関節注射打ち立てホヤホヤの患者さんが紹介されてしまい、事後対応が少々面倒くさかったです。更に3ヵ月も待たされる患者さんはたまったものではありません...。


しかし安易にすぐに TKAを施行して感染してしまっては元も子もありません。紹介元に類が及ばないように細心の注意を払いながら、なだめすかして 3ヵ月待機しています。


では、紹介元に人工関節目的で紹介するときには関節注射しないでください、と言えばよいのではないかと思うかもしれませんが、チキンな私は残念ながらできていません(苦笑)。


そんな面倒くさいこと言う奴には紹介せん! となることは目に見えているので...。







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KneeAlign 2の内果レジストレーションのTIPS

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先日、人工膝関節全置換術(TKA)がありました。TKAでは携帯型ナビゲーションシステムの KneeAlign 2を使用している施設が多いと思います。


デバイスの精度は驚異的で、KneeAlign 2のおかげでインプラントの設置で画竜点睛を欠くことはほぼ無くなりました。


KneeAlign 2はかなりアバウトにしても非常に精度良くナビゲーションしてくれるのですが、脛骨骨切では足関節内果のレジストレーションが難しいです。


内果のレジストレーションをしっかり行うために、せっかく装着したアルバラードをいちいち外す施設も多いことでしょう。


ところが先日、内果部分のストッキネットを切って内果を直接触知することで精度良くレジストレーションできることを発見しました。


これでアルバラードを着脱する 2分程度の時間を節約できます。手術時間の短縮はこのような小さな手技改善の積み重ねです。これで多少は手術時間が早くなったかな?







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