整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

腰椎

腰痛原因の内訳は?

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腰痛の8割は原因が分かる! のつづきです。山口大学整形外科の鈴木先生の報告から、非特異的腰痛は2割程度しかないことがわかりました。


では、腰痛の原因の内訳はどのようになっているのでしょうか? 論文によると、腰痛の原因は下記の表のごとくです。



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Diagnosis and Characters of Non-Specific Low Back Pain in Japan: The Yamaguchi Low Back Pain Study, Hidenori Suzuki et.al.





上から4つ目のSacroiliac joint syndromeまでは良性疾患で、外来で経過観察可能です。ここまでで全体の56.9%のようです。


一方、上から5つ目のLumber compression fracture から Lumber spinal stenosisまでの20.9%は病的な腰痛で、場合によっては手術も必要です。


以上は、保存治療が可能か、手術治療も検討するべきかの視点での分類です。そして、腰痛の原因の頻度順にまとめると、下記の4つで全体の6割を占めるようです。

  • 椎間関節性腰痛 20%
  • 筋膜性腰痛 20%
  • 椎間板性腰痛 10%
  • 腰部脊柱管狭窄症 10%



上記の数字を頭の片隅に置きながら、明日からの日常診療に臨もうと思います。






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自治医科大学准教授の星地先生の経験・知識を余すところなく収めたサブテキストです。定番と言われている教科書に記載されている内容は素直に信じてしまいがちですが、実臨床との”ズレ”を感じることがときどきあります。このような臨床家として感じる、「一体何が重要なのか」「何がわかっていないのか」「ツボは何なのか」を自らの経験に基づいて完結に述べられています。








                        

腰痛の8割は原因が分かる!

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先日、日経メディカルを読んでいると、札幌医科大学整形外科の山下教授の「危険な腰痛を見極めろ」というレポートが目に留まりました。


2001年に海外で原因が明らかではない非特異的腰痛が腰痛全体の80%を占めるという論文が発表されて以来、腰痛は原因の特定が難しいというイメージが一人歩きしました。


しかし、山下教授は「きちんと身体診察していないからではないのか?」と懐疑的な見方をしていましたが、論拠となるデータが無いために反論が難しかったとのことです。


ところが、2016年に山口大学の鈴木秀典先生が、腰痛患者320人を対象に腰痛の原因を精査した結果、約8割は原因が判明して、非特異的腰痛は2割に過ぎなかったと報告しました。



Diagnosis and Characters of Non-Specific Low Back Pain in Japan: The Yamaguchi Low Back Pain Study.Suzuki H, Kanchiku T, Imajo Y, Yoshida Y, Nishida N, Taguchi T.PLoS One. 2016.



nが少ないものの、きっちりした報告だと感じました。診断的神経ブロックなどを日常外来で頻回に行うことはなかなか難しいですが、手間さえかければ診断はつくようです。


腰痛の原因は診断がつかないのではなく、手間さえかければ8割は診断がつくという報告は、海外論文に洗脳されていた私には新鮮な驚きでした。


追記

とぜん先生に教えてあげようと思ったら、2年前(!)にこちらで記事になっていました。さすがです。。。 脊脊ジャーナルですでに採り上げられていたんですね。






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リリカは坐骨神経痛に効果なし?!

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表題違いで恐縮ですが、ケアネットの連載企画【医師のためのお金の話】第4回が本日アップされました。お題は、世界の株式に毎月定額で投資する方法 です。



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第1~3回は、資産形成の総論でしたが、第4回でようやく各論に入りました。要点を簡潔にまとめているので、1分ほどで読了可能です。是非、ケアネットを訪問してくださいね。



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さて本題ですが、m3の海外ジャーナルで興味深い記事がありました。
プレガバリン、坐骨神経痛に効果なし(New England Journal of Medicine)です。




坐骨神経痛患者207例を対象に、プレガバリンの疼痛軽減効果を無作為化プラセボ対照試験で検証(PRECISE試験)。投与8週時における10段階評価(スコアが高いほど痛みが強い)による平均未調整下肢痛スコアは、プラセボ群の3.1に対しプレガバリン群は3.7と両群で差はなかった(調整平均差0.5、95%CI -0.2 - 1.2、P=0.19)。有害事象発生数はプレガバリン群が227件で、プラセボ群の124件に比べて多く、特にめまいが多かった。


【原文を読む】 Mathieson S et al. Trial of Pregabalin for Acute and Chronic Sciatica. N Engl J Med. 2017 Mar 23;376(12):1111-1120. doi: 10.1056/NEJMoa1614292.




これは、ちょっと残念な結果だと思いました。非脊椎医の私としては、できるだけ手術を回避して保存治療で完結したいのが本音です。


リリカはそのための一手段と位置付けていました。ただ、たしかにNEJMの論文の通り、下肢痛に関してはあまり効果が無い印象です。


腰痛に関しては、慢性腰痛はオピオイド+プレガバリンで述べたように、そこそこ効果があります。しかし、腰痛と下肢痛では少し効果に差があるようです。


やはり、下肢痛に対してはEPAを第一選択にして、効果が無ければシロスタゾール、経口プロスタンディン製剤、芍薬甘草湯と進めていくのが王道なのかもしれません。






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一般的で使用頻度の高い、鎮痛薬・睡眠剤・感冒薬・胃薬・止痢薬・去痰薬・便秘薬等の薬剤が、全13章にわたって系統立てて書かれています。それぞれの章の最初に、薬剤の分類図が記載されています。各系統間の薬剤の使い分けも平易な文章で書かれており実践的な書籍です。









姉妹本に『類似薬の使い分け』があります。こちらは全15章からなり、降圧剤、抗不整脈薬、狭心症治療薬、脂質異常症治療薬、糖尿病治療薬、消化性潰瘍治療薬、鎮咳薬、皮膚科疾患治療薬、抗菌薬などが1章ずつ割り当てられています。








腰に最も負担のかかる姿勢は?

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相互リンクいただいている「とぜんな脊椎外科医のブログ」で興味深い記事がありました。腰にとって一番楽な姿勢と一番きつい姿勢って?腰椎椎間板にかかる荷重の変化について です。


整形外科医として腰痛や下肢痛患者さんの診察を行う場面は非常に多いです。そしてその際に、どのような姿勢で居るのが望ましいのか? とよく訊かれます。


何となく座位は良くないと言っていましたが、今回のとぜん先生のブログ記事で非常にすっきりしました。やはり、座位はあまり腰には良くないようです。





日常生活動作における種々の姿勢でL3/4、L4/5椎間板にかかる荷重を比較を示した。 直立姿勢を100とした場合、

  • 背臥位 25(立位の1/4)
  • 側臥位 75(立位の3/4、背臥位の3倍)  
  • 立位 100(基準。背臥位の4倍) 
  • 立位前屈 150(立位の1.5倍、背臥位の6倍!) 
  • 重りを持った立位前屈 220(立位の2.2倍、背臥位の8.8倍!!)  
  • 座位 140(立位の1.4倍、背臥位の5.6倍) 
  • 座位前屈 185(立位の1.85倍、背臥位の7.4倍!) 
  • 重りを持った座位前屈 275(立位の2.75倍、背臥位の11倍!!)  





意外や意外と思われませんか? 座位ではかなり椎間板に負担がかかってます!! 背臥位が腰の椎間板にかかる負担がもっとも軽い姿勢です。


そして前かがみで物を持つ動作というのは本当に腰に悪いんだということがわかります。 たとえ座っていても、、、いやむしろ座位の方が悪い!!


出典は脊椎脊髄病専門医試験集でした。






患者にとって、座位が立位よりも腰に負担がかかることが一番の驚きのようです。長時間の座位は良くないですよと言っているのですが、具体的な数字があれば説得力があります。


とぜん先生のブログは、脊椎をあまり良く分かっていない私のような関節外科医にも、非常にためになる記事が多いです。非脊椎の整形外科医も要チェックですね!







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keegan型頚椎症ではALSも鑑別に!

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先日、内科から興味深い患者さんを紹介されました。内科では高血圧でずっとフォローされていますが、最近お箸を使いにくいとのことで初診されました。


70歳台の男性で、診察すると右上肢の方が著明でした。三角筋には軽度の筋萎縮を認めましたが、 右手の背側骨間筋・母指球筋・前腕尺側筋群が高度に萎縮しています。


しかし、右上肢の知覚障害や下肢の痙性も認めませんでした。Spurling test、elbow flex test、Phalen's testはいずれも陰性でした。巧緻機能障害も無さそうです。


何とも不思議な身体所見で診断に困ってしまいました。頚椎症性筋萎縮症の一種なんだろうけど何か違う。。。ふと、以前にも同じような患者さんを診察したことを思い出しました。



たしか、鑑別診断として筋萎縮性側索硬化症(ALS)を挙げるべきだったような・・・。今回は片側性なのでALSは否定的です。


やはり、頚椎症性筋萎縮症を第一に考えるべきなのでしょうが、頚椎MRI・神経伝導速度・針筋電図を施行しつつ、ALSの除外診断のために神経内科医師の診察を仰ごうと思います。





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