整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

腰椎

脊柱検診と脊柱健診、どちらが正解?

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先日、側弯症疑いの患者さんが受診されました。学校で医療機関の受診を指示されたそうです。何の変哲も無い日常診療のひとコマですね。


ただ、カルテ記載しようと思って、手が止まってしまいました。この場合、健診なのか検診なのかどっちだったっけ??? 正解は下記のごとくです。


  • 健診: 健康診断の略語で、健康であるか否かを確かめる診察
  • 検診: 特定の病気を早期に発見して、早期に治療することを目的とする


健診は、40~74歳の公的医療保険加入者の特定健診や、学校健診、職場健診などがあります。また、人間ドックや脳ドックも、健康であるか否かを確かめる目的なので健診です。


一方、検診は、乳がん検診や子宮頸がん検診などの「がん検診」が代表例です。目的が、早期発見・早期治療となります。


それでは脊柱側弯症の「けんしん」は、どうなのか?脊柱「けんしん」は、学校健診の一環として実施されます。しかし、脊柱「けんしん」の目的は、早期発見・早期治療です。


このため、学校健診の一環として実施されているものの、脊柱「けんしん」については、検診が正解なのです。つまり、脊柱検診なのですね。う~ん、ややこしい。。。






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多発性骨髄腫は稀じゃない?!

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先日、L5圧迫骨折の高齢者を診察する機会がありました。外傷の既往はありません。胸腰移行部の骨折であれば分かるのですが、下位腰椎骨折なので何となく違和感を感じました。


そして、血液生化学検査で、蛋白分画の γ-グロブリン域にMタンパクを疑うピークが検出されました。以前にとぜんな整形外科医のブログで、血液腫瘍の話題があったな・・・


そこで、総蛋白・アルブミンを確認しましたが、やや低い値です。CBCは軽度の貧血のみです。しかし、追加依頼した免疫電気泳動検査でIgG-λ型Mタンパクを認めました。


多発性骨髄腫なんて今まで当たったことはありません!と思っていましたが、単に見過ごしているだけではないのか? という恐怖感が沸き上りました。



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上記は、国立がん研究センターのHPから転載した、多発性骨髄腫の症状の表です。形質細胞が癌化したものが多発性骨髄腫です。多彩な症状を呈することが分かります。


高齢者の脊椎圧迫骨折患者さんは、非常にポピュラーな存在です。しかし、通常の症例と比べて何か違和感を感じたら、血液腫瘍系の検査を行ってみても良いかもしれません。






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ガイドラインに準拠してわかりやすくコンパクトにまとまった良書です。概論が最初の30ページ程度なので、これはあらかじめ通読するとよいでしょう。各論は原発性骨腫瘍、腫瘍類似疾患、転移性骨腫瘍、軟部腫瘍、骨系統疾患、代謝性骨疾患の6章に分かれています。各章とも疾患ごとに、豊富な写真でわかりやすく解説されています。







ピップエレキバンのアーチファクト

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先日、胸腰椎圧迫骨折疑いの高齢者に対して、胸腰椎MRIを施行しました。自力歩行可能で、単純X線像でも明らかな骨折を認めませんでしたが、疼痛の度合いから骨折を疑いました。


結論的には第12胸椎圧迫骨折だったのですが、放射線技師さんから謝罪の電話がかかってきました。曰く、ピップエレキバンを貼ったまま撮像したとのことです。


もちろん、問診の段階でこのことは確認済みなのですが、患者さんご本人がピップエレキバンを貼っていることを忘れていたようです。。。こりゃ、どうしようもないですね。


ところで、何故ご本人さえ忘れていたピップエレキバンの存在を、放射線科技師が分かったかというと、下図のようなアーチファクトが発生していたからです。



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一見、なんじゃこりゃという所見ですが、よくよく考えてみるとピップエレキバンを貼付したままMRIを撮像した画像をみるのは初めてです。


あんなに小さな鉄粒でも、大きなアーチファクトができるようです。幸い、患者さんに火傷被害はなかったようですが、高齢者の貼り忘れピップエレキバンは要注意だと思いました。






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矢状断を用いた腰椎分離症の診断法

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先日、愛知医科大学・准教授の神谷光広先生の腰椎分離症の講演を拝聴しました。腰椎分離症はときどき診察する機会がありますが、数はそれほど多くないと思います。


講演を拝聴して、腰椎分離症の理解が深まったのでまとめてみました。腰椎分離症は、疲労骨折であることが定説になっています。通常、急性期の単純X線像では異常を認めません。


しかし、分離症が完成すると、斜位像で関節突起間部にヨークシャテリアの首輪像と言われる骨連続性の欠損した所見を認めます。



診 断

診断にはMRIのSTIR画像が有用です。矢状断で横突起基部から椎弓根部の高輝度変化を認めれば、腰椎分離症の急性期と診断できます。



治療予測

一方、治療予測はCTで行います。CTでも矢状断で横突起基部から椎弓根部を観察します。骨折線は腹側から始まり、進行するにしたがって背側に至ります。


椎弓腹側皮質の骨吸収像~背側骨皮質の連続性(+)の不全骨折では骨癒合率78%ですが、背側骨皮質の連続性の無い完全分離では骨癒合率は13%だったそうです。



保存治療

骨癒合を目的とした保存治療を行う場合にはMRIでの経過観察と行います。MRIのSTIR像で高輝度変化が低下して、腰椎伸展時通が消失したらコルセット装着下にランニングを開始します。


骨癒合の判定はCTの矢状断で行います。十分な安定性を得たと判断できれば、骨癒合と判断し、コルセットを除去して運動を開始します。






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ええっ、ASOで腰痛があるの?!

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先日、とぜんな脊椎外科医のブログで腰痛を伴う血管原生の間欠性跛行の鑑別を忘れずに、、、という話題がありました。


ブログを拝読して驚いたのですが、閉塞性動脈硬化症(arteriosclerosis obliterans: ASO)でも腰痛や殿部痛で発症する症例があるそうです。



閉塞性動脈硬化症による間欠性跛行の症状と言えば、てっきり下腿より末梢の症状だと思っていました。何故、私がそう思い込んでいたのかは、定かではありません。。。


本邦の閉塞性動脈硬化症の発生頻度を人口比から検討したものは無いそうですが、仙台市のある地域で平均年齢74歳の住民971 名中2%にASOが発見されたという報告があります。


一方、大阪で重症虚血肢(critical limb ischemia: CLI)を調査した報告では、人口10万人あたり年間1.3肢が切断されており、ASOに占める CLIの頻度は15~20%程度とのことです。
 

そして、CLIの中には血行再建術の適応となる症例があります。血行再建術には、外科的治療と血管内治療があり、その選択に際して参考となるのが大動脈腸骨動脈病変のTASC分類です。



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上記の表をみると、今回のとぜんな脊椎外科医先生の症例はD型病変のようです。たしかに、単純X線像でも総腸骨動脈の石灰化を認める症例を散見します。要注意ですね・・・


このような症例でもABIは有効なようです。これからは、間欠性跛行+総腸骨動脈の石灰化を認める症例では、殿部痛や大腿部痛であってもABIを施行しようと思いました。


いや~、勉強になります。





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