整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

腰椎

ギャッチアップ腰椎側面像が有用!!

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先日、2019年JOAで少しお利口さんになったことをご報告しました。日整会から帰って以来、憑りつかれたように座位と臥位の腰椎側面像を撮りまくっています(笑)。


さて、脊椎圧迫骨折の症例では座位で撮影することはかなりの苦痛を伴います。これに対する解決法として、北の整形外科医先生から下記のようなコメントをいただきました。



ギャッチアップできるストレッチャーに乗せて、出来る限りギャッジアップさせて撮影してもらっています



なるほど、これは素晴らしい工夫です! 全国には凄い臨床家がたくさんいらっしゃることにいつも驚かされます。


さて、座位と臥位の腰椎側面像の比較はかなり感度が高く、MRIを撮像するまでもなくザクザクと新鮮脊椎圧迫骨折がみつかります。これは便利ですね!



臥位 - コピー



上記などは第12胸椎が楔状変形しており、陳旧性ではなく新鮮圧迫骨折ではないかと睨んでいました。ところが、座位(ギャッチアップ)の腰椎側面像を撮影すると・・・



座位 - コピー



第2腰椎圧迫骨折だったんですね。う~ん、奥が深い...。狙っていた椎体以外の骨折を見つけるとは思っていませんでした。



いずれにせよ、臥位と座位(ギャッチアップ)で撮影した単純X線の腰椎側面像比較は極めて有用であることを確信しました。







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腰仙部移行椎の頻度

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腰仙部移行椎は腰仙部移行部の形態異常です。患者さんには「背骨の数が多い(少ない)ですが問題ないです!」と説明しますが、実際の頻度を調べてみました。


まず、L5が仙椎化したものと S1が腰椎化したものが存在します。1929年の神中先生の報告によれば、両者を併せた腰仙部移行椎は健常人の 16.9%に認めたようです。


移行椎の頻度に性差は認めるという報告がある一方で、性差は認めないという報告の方が多い印象です。私の実感でも性差は無さそうに感じます。


次に仙椎化と腰椎化の頻度ですが、1995年の大坪先生らの報告では L5の仙椎化:S1の腰椎化=2:3だったようです。たしかに、S1が腰椎化した第6腰椎の方が多い印象を受けます。


一方、2018年の横山先生らの報告によれば、第6腰椎は健常人の 17.4%に存在するようです。仙椎化に言及されていませんが、第6腰椎の頻度が明示されていることは貴重です。


このようにざっくり腰仙部移行椎の頻度をみた場合、おおむね健常人の15%前後に存在するようです。なるほど、ここまで多いと奇形ではなく形態異常となるのですね。





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quotomy - コピー


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伝家の宝刀! エキスパートオピニオン

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昨日の話題は、2019 JOAで拝聴した鳥取大学の荻野浩先生の『骨粗鬆症性椎体骨折の治療  診療マニュアル作成の試み』でした。


荻野先生は骨粗鬆症性椎体骨折では、体位を変えた単純X線の側面像が重要であることを強調されており、実臨床でも非常に有用であると感じています。


ところが、講演の本題である『骨粗鬆症性椎体骨折の治療 診療マニュアル』に関しては、少しいただけないところがあるように感じました。


その理由は、今回は診療マニュアルであって診療ガイドラインではないことが端的に示しています。まず、本診療マニュアルは基本的にはエビデンスベース(のはず)です。


たくさんの論文をベースに、CQに対して下記のような回答がなされていました。

  • 骨粗鬆症性椎体骨折の治療では外固定の種類と治療成績に有意差は無い
  • 骨粗鬆症性椎体骨折の治療では外固定の有無と治療成績に有意差は無い
  • 骨粗鬆症性椎体骨折の治療では受傷後の安静期間と治療成績に有意差は無い


いずれもドキッとするようなことばかりが並んでいます。それなら、今まで私たちがやってきた治療は一体何だったのでしょう???


少しブルーな気分で講演を拝聴していると、最後のまとめで「骨粗鬆症性椎体骨折の治療では12週程度の外固定が望ましい」と結ばれていました...。


う~ん、全く意味が分かりません。講演で聞き逃した点があったのか? それとも私の理解力が極端に低下している(=バカ)なのか???



ところが、質疑応答でフロアから、エビデンスと推奨部分が乖離しているとの指摘がありました。よかった~、疑問に思っていたのは私だけではなかった(笑)。


荻野先生曰く、エビデンスといっても十分な数が無いので鵜呑みにすることはできない。おまけに、エビデンス(?)ベースでは従来の整形外科診療の全否定につながりかねません。


これらの整合性を合わせるために「エキスパート・オピニオン」として無理矢理(?)従来の治療体系との整合性を設けたようです。


エキスパート・オピニオン...なかなか便利な言葉です。エビデンス否定になりますが、十分量のエビデンスの無い状況では現場を混乱させないための必要悪なのかもしれません。





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新鮮圧迫骨折の診断は臥位・座位の比較で!

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2019年JOAでもお座りの刑を耐え忍んできましたが、その甲斐あって少しお利口さんになりました。下記にその成果(?)をお伝えします。


2019.5.11のランチョンセミナーで、鳥取大学の荻野浩先生の『骨粗鬆症性椎体骨折の治療  診療マニュアル作成の試み』を拝聴しました。


荻野先生は骨粗鬆症性椎体骨折では、体位を変えた単純X線の側面像が重要であることを強調されていました。MRIに頼りがちな私には新鮮な言葉でした。


そこで、本日救急で運ばれてきた腰痛患者さんの単純X線像で実践してみました。最初は臥位で撮影したのですがイマイチ骨折の存在に自信を持てません。



臥位 - コピー




しかし、座位での側面像を確認すると、明らかに第12胸椎椎体が圧壊しています! これは新鮮骨折に間違いありません。



座位 - コピー




患者さんが座位での撮影でかなり痛がっていたことは難点ですが、これを除くと座位での単純X線側面像は有用であることを確認しました。





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PLDD医療機関の現状に憂慮

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先日、PLDD(経皮的レーザー椎間板減圧術)の術後合併症の相談を受けました。症例自体はかなりミゼラブルで非常に気の毒な状況です。


ご存知のように、PLDDは保険診療ではありません。合併症が多発しており、全国に悪名を轟かせていた大阪府の M病院(今は存在しません)は多数の訴訟を抱えていたそうです。


今でも PLDDを施行する医療機関はあるようですが、これらの中でネットなどで「日帰り」「低侵襲」をウリにして全国から集患しているところは要注意だと思います。


今回の症例もそのような医療機関で PLDDを施行されましたが、術前に画像をみるだけで PLDD施行する当日が初診という方式でした。


数をこなすことに重点を置いているようで、まともに術前の検討が行われた形跡がありません。しかも、合併症を併発すると近隣の基幹病院へ丸投げするという荒業を行っています。


普段、あまり他の医師の診療方針についてとやかく言うことは無いのですが、さすがに医師としての倫理観の欠如が著しいため要注意の医療機関であると認識しました。


試しに Googleのシークレットモードで PLDDを検索すると、Google Adwordsの上位に表示されました...。おそらく膨大な広告費を投入して全国から集患しているのでしょう。


PLDDが医療と言えるかどうかは微妙ですが、このような営利最優先の医療機関が跋扈している PLDD界隈の状況はいかがなものかと感じました。






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