整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

腰椎

若年女性の腰痛は仙腸関節炎の除外診断を!

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先日、20歳台女性が腰痛で初診されました。これぐらいの若年者がわざわざ受診するということは、よほど腰痛で悩まされているのでしょう。


単純X線像では分離症などの明らかな異常所見はみとめず、診察すると仙腸関節部の圧痛のようです。再度画像を確認しましたが、仙腸関節にも明らかな異常所見はありません。


仙腸関節由来の痛みは、看護師さん等の医療・介護系の方に顕著に多い印象です。本症例でも職業をお伺いすると介護職のようでした。


仙腸関節症の診断のためには、仙腸関節痛の誘発テストを施行して仙腸関節由来の痛みであることを確認する必要があります。


各種の仙腸関節痛誘発テストがありますが、特にGaenslen testが有用だと思います。このテストは、患側をベッドの端にして健側下肢の膝を屈曲して胸に抱えるようにします。



無題



そして検者は患側下肢をベッドの端から出して過伸展させます。普段感じているのと同じ部位に同じような痛みが再現すれば仙腸関節由来の疼痛と診断します。


今回の患者さんでは、Gaenslen testおよびFreiberg testとも陽性でした。仙腸関節由来の痛みであった場合には、仙腸関節ベルト を処方すれば痛みが軽快するケースが多いです。


ただし、腸骨を締め過ぎて大腿外側皮神経麻痺を併発しないよう説明する必要があります。成人ならモービック等の長時間作用型鎮痛剤も有用だと思います。







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背部痛の鑑別診断(整形外科のみ)

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先日、Monthly Orthopaedics Vol.33(3) をパラパラ眺めていました。どんなけヒマやねん!と言われそうですが、新型コロナウイルス感染症の受診抑制が続いています...。


さて、今回は脊椎由来の痛み・しびれの診かたという特集でした。その中に、群馬大学の高澤英嗣先生による「背部痛の診かた」という少し珍しい話題がありました。


背部痛を診る機会はそれほど多くないです。整形外科的に背部痛=胸椎疾患なのですが、入り口である単純X線像は軟部組織の存在のため読影しにくく少々苦手意識があります。


内科的疾患の除外は必須なのですが、今回は整形外科疾患に絞った論文でした。背部痛の鑑別診断として下記が挙げられていました。


  1. 硬膜外血種
  2. 転移性脊椎腫瘍
  3. 化膿性脊椎炎
  4. リン酸カルシウム結晶沈着症(CPPD)
  5. 硬膜動静脈瘻
  6. 胸椎椎間板ヘルニア
  7. 成人脊柱変形(ASD)
  8. 成人期の脊椎係留症候群


⑤硬膜動静脈瘻は、私にとって初めてきく疾患です。MRIで脊髄円錐部に特徴的な所見があるので、今後は見逃さないように注意しようと思いました。


⑤硬膜動静脈瘻も含めて、すべてMRIで診断可能だと思います。背部痛で「おかしい」と思ったら、胸椎MRI撮像で問題なさそうです。勉強になりました。


一方、今回の鑑別診断のなかで、多発性骨髄腫が挙げられていなかったのは少し残念に思いました。臨床的には決して稀ではないですが、見逃されやすいと感じているからです。


多発性骨髄腫にかんしては、こちらにまとめています。とぜん先生のブログと併せて、ご参考にしていただければ幸いです。






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腰部の安静時痛には要注意!

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先日20歳台前半の女性が腰痛を主訴に受診しました。
2日前から右側の腰痛が出現したとのことで歩行も少しヨタヨタしています。


「急性腰痛症でしょ
」となるところですが、問診をとると安静時にも腰痛があるそうです。曰く、寝ていても座っていても痛いとのこと...。


このような安静時痛は少し嫌なパターンです。私の中では、安静時の腰痛=レッドフラッグと認識しています。過去には若年女性の腰痛で卵巣軸捻転の経験があります。


下腹部は痛くないですか?と訊くと、腰からお腹に回ってくるような痛みがあるとのことでした。腹部の McBurneyにも圧痛がありそうです。もしかして、虫垂炎???


外科に紹介すると、WBC/CRP 11000/2.5で、腹部CTでは虫垂周囲の脂肪織の輝度が上昇してるので軽度の虫垂炎だろうとの診断でした。


う~ん、やはり腰部の「安静時痛」はクセ者だと再認識しました。安静時といっても、寝返りしたときに痛いのも安静時痛と言う患者さんもいるので要確認ではありますが...。







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腰痛症例では確認したい Modic分類

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椎間板性腰痛は、椎間板および椎体終板軟骨に分けて考えます。MRIで椎間板変性を認める症例は多いですが、すべてに腰痛があるわけではありません。


それでは、椎体終板軟骨はどうでしょうか? 椎体終板軟骨の MRIの評価では Modic分類が有名です。恥ずかしながら、Modic分類は最近まで知りませんでした(苦笑)。


T1強調画像で椎体終板に低信号領域を認めるものは Modic Type 1、高信号領域を認めるものは Modic Type 2です。Modic Type 1は腰痛との関連性が示唆されています。



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上図は L5椎体終板に T1強調画像で椎体終板に高信号領域を認めるため、Modic Type 2に分類されます。実際、この方は腰痛で悩んでいるわけではありません。


私が研修医の頃は、Modic Type 2をみて、もしかして化膿性椎間板炎?!と思ったこともありました。今にして思えば恥ずかしいかぎりですが、MRIの読影も日進月歩です。





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とぜんブログにあった Bertolotti症候群をみた!

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先日、左腰痛を主訴にした50歳台の方が受診されました。単純X線像を確認したところ、何だか違和感を感じます。う~ん、何なんだこの違和感は???



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あっ、第5腰椎の左横突起が肥大して、仙骨翼と関節を形成しています! これは、とぜんな脊椎外科医のブログで紹介されていたアレでは?!


何だか難しい名前の疾患だったような気がしましたが全く病名を思い出せません...。とぜん先生のブログを調べてみるとありました!どうやら、Bertolotti症候群というそうです。


詳細はすべてとぜん先生のブログで紹介されているので割愛しますが、アタマの中のモヤモヤが除去されてすっきりしました!


このような疾患があることを知るきっかけになったのは、ぼんやりではありますが、とぜん先生のブログを眺めていたおかげです。ありがとうございました!





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