私は腰痛持ちです。
ときどき軽い腰痛を自覚しますが、基本的には経過観察です。
ところが先日、いよいよ疼痛が増悪してきたため腰椎MRIを施行することにしました。軽くセルフ問診してみたところ、意外なほど現病歴の的を得ていないことに気付きました。
例えば、腰痛で受診した患者さんには「いつから痛いですか」「どの部位が痛いですか」「だんだん痛みがひどくなってきていますか」等をルーチンで聴取します。
外来では時間があまり無いので、これらの質問に対して「あーでもない、こーでもない」という優柔不断(?)な患者さんには、正直に言ってイライラします。
しかし、イザ自分が答えようとすると、「えっ、いつから痛いかな???」「痛みの度合いは悪くなっているとも言い切れないないな・・・」と、かなり優柔不断です(笑)。
よく私は「痛いのは1ヵ月前からですか? 3ヵ月前からですか? 半年前からですか?」とマシンガンのようにまくしたてますが、自分の立場ではいつからか分からないです。。。
なるほど、患者さんの身になると、現病歴をよどみなく教科書的に答えることはできないと考える方が自然なのかもしれません。
自治医科大学准教授の星地先生の経験・知識を余すところなく収めたサブテキストです。定番と言われている教科書に記載されている内容は素直に信じてしまいがちですが、実臨床との”ズレ”を感じることがときどきあります。このような臨床家として感じる、「一体何が重要なのか」「何がわかっていないのか」「ツボは何なのか」を自らの経験に基づいて完結に述べられています。