整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

骨折

肺炎で会話できることは重要!

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高齢者の大腿骨近位部骨折の治療で悩まされる機会は多いです。骨折そのものというよりも、肺炎等の骨折に併発している疾患が問題となります。


私が先輩医師から教わった理論(?)は、高齢者に肺炎併発 → しんどくてふらついて転倒 → 大腿骨近位部骨折 というパターンです。


このパターンを踏襲している症例では肺炎を発症しているので、手術を施行することが難しくなります。


こうなってくると麻酔科医師との協議になるのですが、誰かがリスクを取る必要があります。手術を敢行するなら主治医と麻酔科医師、待機するなら主治医のリスクとなります。


そして肺炎といっても軽度から重度までさまざまです。重度の肺炎ではさすがに手術を施行しようとは思いません。しかし、軽度の肺炎ではどうでしょう?


私は、手術可能か否かの判断材料のひとつとして、患者さんが「しっかり話をすることができるのか否か」を重要視しています。


重度の肺炎患者さんでは会話をすることもできない一方で、軽度の肺炎では呼吸苦も無いため大きな声でしっかり会話できるからです。


先日も肺炎を併発している超高齢者の大腿骨転子部骨折患者さんの手術可否について悩みました。この方は大きな声でしっかり話すので、思い切って手術を敢行しました。


麻酔科医師には迷惑な話だと思いますが、患者さんのことを最優先で考えるとそのような結論になりました。この判断法の勝率は高く、まだ重篤な状態になった患者さんは居ません。


もちろん、個人レベルのエビデンスの無い経験則であり、今後地雷を踏む可能性もあります。しかし医師である以上、ある程度のリスクを引き受けて治療を行うべきだと思います。





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大腿骨近位部骨折での透視の工夫

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大腿骨近位部骨折の手術で透視下に側面像を見る際、健側下肢が邪魔になって肝心の患側大腿骨頭が見えなくなることがよくあります。


最近の機種はオートフォーカス機能がかなり改善されてきている印象ですが、それでも健側下肢に引っ張られてホワイトアウトしたりブラックアウトしがちです。


このような時の対処方法では、できるだけ透視野に密度の高いモノを入れないことがポイントになります。理想は患肢だけが透視野にあることですが、大腿骨近位では難しいです。


次善の策として、イメージのアームを完全水平から10度ほど傾けたり、金属製のバーが透視野に入らないようにイメージの向きやアームの角度を調整することが挙げられます。


特に大腿骨頭の透視では、イメージの電圧を上げてもコントラストが小さいので解決策にはなりにくいです。できるだけ透視野から患肢以外の高密度なモノを除外することが大切です。


側面像で大腿骨頭のど真ん中にガイドワイヤーを刺入するステップが、大腿骨近位部骨折のクライマックスなので、術者的にはついついイライラしがちです。


しかし、ここは冷静になって、透視野から患肢以外の高密度なモノを排除することに集中しましょう。急がば回れがポイントだと思います。





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踵骨骨折後の後遺障害

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先日、踵骨骨折後後遺症の患者さんを診察しました。初回受傷は10年ほど前です。それなりに良好な整復位を得ているのですが、それでも頑固な疼痛が残存しています。


踵骨はその形態が複雑です。CTにより骨片転位の把握が可能であるものの、技術的に完全な解剖学的整復位を獲得することが難しく、変形癒合から後遺障害を残しやすい骨折です。


後遺障害は、主に骨関節、筋腱、軟部組織に由来しています。以下に変形治癒による障害の診断と治療をまとめました。




骨関節

  • 変形性距骨下関節症 → 経年的に疼痛緩和することが多いので足根洞にストロイド注射
  • 足底骨突出変形 → 診断は容易。足底板による突出部の免荷、突出部切除術

筋腱
  • 踵骨外壁の膨隆、横径拡大による腓骨筋腱炎 → 腓骨筋腱腱鞘にストロイド注射

軟部組織
  • 扁平足障害 → 足底板。稀に踵骨隆起弯曲骨切術などの手術療法
  • アキレス腱停止部の骨棘形成 → 足底板、ストロイド注射



今回の方は、踵骨外壁の膨隆と横径拡大による腓骨筋腱炎だったので、腓骨筋腱腱鞘にストロイド注射を施行しました。効果はまずまずでした。


私の経験では、踵骨骨折後の後遺障害として、腓骨筋腱炎が多い印象です。そうであるのなら、やはりストロイド注射がよく効きます。






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術中側面透視カバーのアイデア

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相互リンクいただいている整形外科医のための英語ペラペラ道場で、非常に興味深い記事を拝読しました。整形外科:オススメの術中側面透視カバー です。




整形外科手術では,術中に正面像,側面像の透視を見る機会が多いと思います.

正面は良いのですが,側面を見ようと思うと,不潔なエリアにあった管球が術野に近づいてきますね.側面像をみるたびに,シーツを交換している施設もあるかと.

(逆に回転させると,C-armの弧の部分が術野にかぶさり,ワーキングスペースが制限されます.)

脊椎手術は,最近は経皮的にスクリュー挿入を行うことが多く,2方向の透視をみながらスクリューを挿入します.側面を見るたびに,「術野が不潔になりそうで嫌だな...」とストレスを感じていました.

先日,村中医療器の TIDIアーマー という透視カバーを利用したところ,とても使い勝手が良かったです.

お値段もまずまず.12セット 12万円




TIDIアーマーの動画も一緒に紹介されていました。視聴したところ、非常に分かりやすい動画でした。う~ん、これはいいですね!






ただ、お値段が少々高めです。しかもディスポなので、節約家の私にはどうも性に合いません(笑)。そこで、コンセプトだけ取り入れた何とか安くあげる方法を考えてみました。


THAでDirect Lateral Approach(Hardinge Approach)やOCMを施行する際、二つ折りにしたシーツの両端をテープで貼って大きな袋状にして、脚を落としたことを思い出しました。


この方法だと安価に施行できそうです。村中医療器様には申し訳ないですが、アイデアだけ拝借させていただこうと思います。英語ペラペラ道場主先生、ありがとうございました!





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手指骨折後に抜釘するのか?

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先日、Profyle Comboを用いて中節骨骨折の骨接合術を施行した患者さんから、抜釘術を行うのか? という質問を受けました。



う~ん、なかなか悩ましい質問ですね。。。私は上肢の骨接合術後は、橈骨遠位端骨折の掌側プレートを除いて、基本的には抜釘しない方針です。


先日は、舟状骨骨折術後の抜釘について話題にしました。舟状骨では物理的に抜釘することが非常に難しいので施行していません。しかし、中節骨はどうでしょうか?


前腕部と異なり手指では軟部組織が薄いため、low profileな内固定材料とは言えども、ある程度は手指の可動域に影響を及ぼします。


抜釘術自体も物理的に難しくないため、手術を施行するメリットとデメリットを勘案すると、手指の骨折では抜釘術はアリかもしれません。


そこで、何人かの手の外科医師にヒアリングしてみました。結果は、抜釘するという手の外科医が多かったです。


同一大学の同門医師であるというバイアスが掛かっていますが、手指骨折で用いたProfyle Comboは抜釘する医師が多いようです。私もその方針を踏襲しよう。。。





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