整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

骨折

肩鎖関節脱臼骨折を診た!

このエントリーをはてなブックマークに追加


先日、珍しい(?)骨折を経験しました。
転倒してから左肩が挙がらないという主訴で受診された患者さんです。


単純X線像では鎖骨遠位端骨折のようです。遠位骨片が小さいので、念のために3D-CTを撮像してみました。すると、どうやら肩鎖関節の関節内骨折のようです。



222 - コピー



しかし、私はいまだかつて肩鎖関節脱臼骨折をみたことがありません。そのような骨折型が存在しても不思議ではないのですが、不思議と診たことはなかったです。


半信半疑で手術を施行しましたが、やはり肩鎖関節の鎖骨側が上方に脱臼していました。術野から鎖骨の肩鎖関節関節面がニョキっと出てきたときには、さすがに少し驚きました。


骨癒合さえすれば予後は良いのでしょうが、遠位骨片が小さくて母指の爪甲ぐらいしかありません。遠位骨片の幅も薄いので骨癒合するか否かが
少し心配です。







★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★


豊富な図や画像が提示されているため、ほとんどの骨折や脱臼に対応することが可能です








ボクサー骨折のカンタン整復法

このエントリーをはてなブックマークに追加

先日、ボクサー骨折の患者さんを診察しました。
転位が大きかったので整復が必要でした。


整復方法なのですが、教科書的にはMP関節およびPIP関節を 90度に屈曲して、PIP関節部を背側へ押すことで整復固定すると記載されていることが多いです。


しかし、実際にはこの手技ではなかなか徒手整復できません。私は、結構転位しているボクサー骨折であっても、とりあえず長軸方向に牽引してみることにしています。


この単純な方法でキレイに整復されることが多いです。こちらの方が患者さんに与える苦痛も少なく、あっさり確実に整復できます。


その後の固定肢位が問題ですが、私はMP関節・PIP関節ともに軽度屈曲位でシーネ固定しています。MP関節およびPIP関節を 90度に屈曲して1ヵ月固定とかはしんど過ぎます...。


ご存知のようにボクサー骨折は不安定性が強いので、この肢位で再転位をきたすようであれば経皮的骨接合術の適応だと考えています。





★★ 管理人お勧めの医学書 ★★
 


広島大学名誉教授の津下先生による、手の外科における必須の医学書です。特に、「私の手の外科」は津下先生直筆のイラストが豊富で、非常に分かりやすく実践的な医学書です。


 







骨幹部横骨折ではK-wire髄内釘も考慮!

このエントリーをはてなブックマークに追加


先日、ガレアッチ(Galeazzi)脱臼骨折の患者さんが受診しました。ご存知のようにガレアッチ骨折は不安定性の強い骨折です。


徒手整復を試みましたが、骨片がかみ合わず整復不能でした。やむを得ず全身麻酔下に手術を施行することにしました。


まだ小柄な中学生なので手術方法はプレート固定ではなく、経皮的骨接合術+ギプス固定を選択しました。


この手の経皮的骨接合術は定型的手術ではないため、思わぬところで苦戦することがあります。今回の症例は橈骨骨幹部の横骨折のため、うまくクロスピニングできませんでした。


2.0 K-wireで皮質骨に刺入しようとしましたが、刺入角度を浅くすると皮質骨表面を滑ってしまい、うまく骨内に入りません。


もちろん角度をつければ刺入できますが、これではクロスピニングになりません。このような場合には、クロスピニングにこだわらずに髄内釘でも構わないと思います。


今回は2.0 K-wireで大きめに刺入部を開窓して、先端を少し曲げたK-wireを開窓部から挿入しました。本物の髄内釘を挿入する要領で近位骨幹部髄内にK-wireを叩打・挿入しました。


当初はクロスピニングしようとして往生しましたが、髄内釘に切り替えたところあっさり手術は終了しました。


橈骨遠位端骨折などの骨幹端骨折であればクロスピニングは容易ですが、骨幹部骨折の場合には刺入角度の問題で難しいことがあります。


このような症例ではクロスピニングにこだわらず、髄内釘でもよいと割り切ると、スムーズに手術が進むと思います。






★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★


整形外科医なら誰もが所有している骨折治療のバイブルです。豊富な図や画像が提示されており、骨折手術におけるAOの考え方や基本原則を学べます。








いつもの手術で大汗をかいた...

このエントリーをはてなブックマークに追加


先日の大腿骨転子部骨折で冷や汗をかきました...。なんてことのない症例だと思っていたのですが完全に落とし穴にはまってしまったのです。


この患者さんは他院からの転院症例でした。転院翌日の手術だったので画像資料は前医のものを使用しました。今にして思えば、コレが事の始まりでした。


他院の画像は拡大率が自院のものと比べて大きかったのです。拡大率が 120%だったのですが、このことに術中まで気付きませんでした。


拡大率120%なので、必然的に大腿骨は大きめです。このため、本来よりも大きいネイルを選択してしまいました(といってもサイズ10mmです)。


小転子下まで骨折線があったので、できるだけネイル長を稼ぐため頚体角を130度にしました。コレが第二の判断ミスです。


本来なら 9mm×125度を選択するべきところを、10mm×130度を選択したため、見事なまでに jammingしてしまいました。


14mmまでリーミングしましたが、大腿骨にbowingがあるためネイルがなかなか至適位置まで挿入できません。大汗をかきながら、やっとの思いでlag screwまで挿入しました。


やれやれ、やっと遠位スクリューだとドリリングしたところ、ネイルに干渉してしまうではないですか...。透視で確認すると、明らかにドリルの方向がおかしいです。


このデバイスは不良品だ! という訳はなく、どうやら jammingしているネイルを無理やり挿入したため、ネイルがわずかに変形してしまったようです。


3.0 K-wireで対側皮質をドリリングできましたが、どうしても4.5mmではドリリングできません。この状態で遠位スクリューを挿入すると大腿骨骨折を併発するリスクがあります。


思い悩んだ末、フリーハンドでドリリングすることにしました。2Dのフリーハンドなので、なかなかスリリングでした...。


最終的には何とか事無きを得て手術を終了しましたが、薄氷を踏む思いの手術でした。まさか大腿骨転子部骨折でここまで苦戦するとは思いもしませんでした。


今回の教訓は、時間の無い転院症例であっても可能なかぎり慣れ親しんだステップを踏んで「いつもの」状態で手術を行うべきだというこでした。







★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★


整形外科医なら誰もが所有している骨折治療のバイブルです。豊富な図や画像が提示されており、骨折手術におけるAOの考え方や基本原則を学べます。








医療費削減にも資する traction view

このエントリーをはてなブックマークに追加


先日、大腿骨近位部骨折の患者さんが搬送されてきました。単純X線像では、かなり転位していて微妙な画像です。大腿骨頚基部骨折ではないのでしょうが・・・



before - コピー



もし、大腿骨頚基部骨折であれば、内固定材料の選択を髄内釘ではなくCHSにしなければいけません。正確な判断が求められる局面です。


もちろん、CTを撮像すれば解決する問題です。しかし、コストと迅速さを考えると、そのまま患肢を引っ張って撮影する traction viewを施行すれば解決することが多いです。



after - コピー




今回の患者さんは上図のように、どうやら大腿骨転子部骨折のようです。患肢を引っ張るひと手間だけでほぼ正確な診断と治療方針が決定しました。


最近、脊椎圧迫骨折でも MRIや CTを撮像する機会が激減しました。どうだろ・・・と思っても座位で撮影すると、多くの症例で新鮮骨折であることが判明するからです。


病院経営的には微妙な問題もはらんでいますが、迅速な診断と医療費削減に多少は貢献しているのかなと思います。画像検査の減収分は他で挽回しよう。







★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★


豊富な図や画像が提示されているため、ほとんどの骨折や脱臼に対応することが可能です








アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

医療研究を身近な存在とし、医療の未来を作る


管理人の著書

161228 【書影】医師の経済的自由
管理人によるケアネット連載コラム
log_carenet

医師のためのお金の話

管理人による m3.com 連載コラム
管理人も参加しているオンラインサロン
勤務医のための資産形成マニュアル
築古木造戸建投資マニュアル

医師のための築古木造戸建投資マニュアル 1
REITで実践する不動産投資セミナー
190122
医師のための 金融資産形成術


配送無料! 医学書 購入サイト
プロフィール

自由気ままな整形外科医

・医学博士
・日本整形外科学会専門医
・日本リウマチ学会専門医
・不動産投資家
・超長期金融資産投資家
・ビジネスオーナー
・宅地建物取引主任士

QRコード
QRコード
記事検索
メッセージ
免責事項
免責事項に関して明示することで、当ブログの利用者は以下の事項に同意した上で利用しているものと考えます。 ここに書かれる意見には管理者のバイアスがかかっています。 利用者が当ブログに掲載されている情報を利用した際に生じた損害等について、当ブログの管理者は一切の責任を負いません。 また、当ブログの情報は、あくまでも目安としてご利用いただくものであり、医療行為は自己責任で行ってください。 また、当ブログは医療関係者を対象にしています。それ以外の方が、当ブログの情報から自己判断することは極めて危険な行為です。 必ず医療機関を受診して専門医の診察を受けてください。 当ブログの内容は、予告なしに内容を変更する場合があります。