整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

骨折

大腿骨頚基部骨折のピットフォール

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先日、大腿頚基部骨折の患者さんが入院しました。
下の画像のごとく、骨折部がかなり立っています。


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この骨折型では骨折部にすごい剪断力が加わるので骨接合術では成績不良になりそうです。大腿骨頚部/転子部骨折の診療ガイドラインを確認しましたが有用な記載はありません。


治療方針についてかなり悩みましたが、90歳オーバーと超高齢者であったことから人工骨頭置換術を選択することにしました。この場合に問題になるのはカルカーの状態です。


大腿骨頚基部骨折ではカルカーに
スパイク状の骨折線が及んでいる症例が多い印象を抱いています。スパイク下端が小転子高位まで及んでいると近位固定型ステムは厳しいです。



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CTの前額断を精査しましたが、カルカーにスパイク状の骨折はなさそうです。一方、3D-CTでは、骨頭側骨片の頚部が邪魔でカルカーの評価ができません。


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まぁ大丈夫だろうと判断して手術に臨みましたが、実際にはカルカーにスパイク状の骨折を認めました...。う~ん、CTの前額断では判断できないのでしょう。


一応、セメントステムも準備していたので事無きを得ましたが、大腿骨頚基部骨折の難しさを再認識しました。







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舟状骨背側アプローチの注意点

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先日、舟状骨骨折に対してDTJ screwを用いて骨折観血的手術を施行しました。アプローチはいつもどおり背側です。ちなみに舟状骨の背側アプローチはこちらでご紹介しています。


DTJ screwの手技書には計測より 2mm短い screwを選択すると記載されています。しかし、2mmでは長くなりがちなので 4mmの方が望ましいと思います。


しかし、今回は 4mmでも長かったので検討してみました。まず、いつものごとく手関節を掌屈して舟状骨を丸くします。エントリーポイントは円の中央です。



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このままズドンと垂直方向にガイドワイヤーを刺入しました。舟状骨正面を確認しても骨内の位置は問題なさそうです。しかし、 screwを骨内に埋没させるためには注意が必要です。



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それは、エントリーポイントが斜めになっていることです。このため、screwを完全に骨内に埋没させるためには、4mmよりも更に短く 6mmほど短くする必要があります。


もしくはエントリーポイントを円の中央ではなく尺側に寄せることが必要です。screwを最長化するには、計測で調整するよりエントリーポイントを尺側に寄せる方が望ましいです。







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広島大学名誉教授の津下先生による、手の外科における必須の医学書です。特に、「私の手の外科」は津下先生直筆のイラストが豊富で、非常に分かりやすく実践的な医学書です。


 







CTの相談はシネモードの動画撮影で!

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先日、受傷後4週間の舟状骨骨折の患者さんを診察しました。他院からの紹介患者さんなのですが、手関節痛が続くので単純X線を施行したところ、舟状骨骨折を認めたのです。


画像上では骨折に硬化像はなく、また転位もほとんど認めません。しかし、既に受傷から4週間経過しており、その間は外固定を施行していませんでした。


う~ん、普通に考えたらまだ骨接合術でいけそうな感じなのですが、確証を持てません。このような場合、私は餅は餅屋に訊くようにしています。


いつもお世話になっている母校の手の外科の講師にLINEで相談しました。今回のケースではCTが鍵となります。しかし、LINE等でDICOMデータをおくるわけにはいきません。


少し試案したのですが、CTをシネモードでスマホで撮影して、その動画ファイルをLINEで送付することにしました。たくさんの分割画像を送るより視覚的に分かりやすいです。


動画なのでそこそこのサイズになりますが、確認すると7秒で1.75MBでした。これぐらいなら、さほど迷惑ではないのではないでしょうか...。


CTをシネモードの動画で送付するアイデアは、他の先生の実例をみてマネしたのですが、相談するときには有用なやり方だと思いました。撮影も簡単なのでお勧めの方法です。





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ひまわり法の雑感

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先日、膝蓋骨粉砕骨折にたいして、ひまわり法を施行しました。Xp側面像では中枢側骨片が翻転しており、CTでは末梢側が診たことないぐらい粉砕しています。


こりゃヒドイ、、、と言うことで術式について少し検討してみました。私は鋼線締結法で治せない膝蓋骨骨折は存在しないというポリシーの持ち主です。


したがって、かなりの粉砕骨折でも鋼線締結法を選択してきましたが、今回は尋常ではない粉砕程度なので少しビビってひまわり法を試してみることにしました。


ひまわり法は、周知のように鋼線締結法とは少し考え方が異なります。どちらと言えば鋼線締結法のような dynamicな固定ではなく、rigidな固定です。


動画で手術法や考え方を視聴しただけなので、イマイチ術中のピットフォールが分かりません。実際に施行すると、テクニック面では鋼線締結法よりも非常に簡単でした。


簡単というよりもテクニックなど不要?と思うほどです。ただ、問題点がひとつだけありました。それはスリーブに少しでも軟部組織が入るとケーブルが通らなくなることです。


業者の方に言われていたのである程度スリーブは骨から離していましたが、どうやら全然足りないようです。このため、ケーブルを通すことにかなりの時間を費やしてしまいました。


あと、鋼線締結法と異なり「固定しながら整復していくという整形外科的匠の技
」を使用できません。私は骨折手術の醍醐味は固定しながら整復していくだと考えています。


ひまわり法は rigidな固定法なので、完璧な整復位を確保してから固定していかなければ、途中で微調整できません。徐々に整復精度を上げていく私の方式には合わないようです。


最後は少し批判的な表現になりましたが、ひまわり法は誰がやっても及第点に達する術式だと思いました。特別なテクニックを要求されないのは良い点ですね。







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手術に大事なのは立体視と???

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非常に抽象的な話題で恐縮なのですが、手術をスムーズに施行するコツを考えてみました。各科で違いはあると思いますが、「立体視」できることは全科共通ではないでしょうか。


具体的には自分のアタマの中で患者さんの体内を再構成して立体視できるか否かが、スムーズな手術に結び付く要因のひとつではないかと考えています。


最近の傾向として低侵襲手術がさらに進化しています。低侵襲手術=人体の軟部組織への低侵襲なので、必然的に直視で内部構造を判断することは難しくなります。


2D画面からアタマの中で3Dに変換する機会も増えました。こうなると、立体視できる能力の有無が手術技量の差に直結します。


このため、手術技量を努力や経験でカバーすることが難しくなっていくと予想しています。立体視能力があるか否かはやってみないと分からないので、科の選択が難しくなります。


さて、自分の得意な手術を思い返すと、立体視できていることは当然ですが、更に執刀開始から閉創までが「すべて自分のアタマの中にある」という感覚があることに気付きました。


なかなか上手く表現できないのですが、術中風景の詳細な部分までもが全て自分のアタマの中に存在する感覚です。この感覚のある手術は何も考えなくても進んでいく印象です。


他の方がどのように感じているのかは知りませんが、同期でこの話をすると「あ~そんな感じだな!」と同意されることが多いので、あながち間違いではないのでしょう。






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