整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

骨折

レビュー:フィットキュア・スパイン

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先日、フィットキュア・スパインを使用してみました。
フィットキュア・スパインは体幹装具の一種です。

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椎体圧迫骨折では、コルセット完成までに数日間かかることが多く、完成までの期間は離床できないことが多いです。


フィットキュア・スパインは外来ですぐに装着できるため、
コルセット完成までの期間にも離床することができます。なかなか素晴らしいアイデアの商品です。


患者の背部形状に合わせたキャストステーを成形するという謳い文句ですが、実際のところキャストステーは不要です。装具だけでも充分固定性があるのです。


しかし、フィットキュア・スパインは「体幹ギプス」の一種という解釈で点数を取るため、キャストステーを使用せざるを得ません。


そして、キャストステーは非常に使い勝手が悪い。水に濡らすことが不要というのがウリのようですが、水袋が全然割れないのです(苦笑)。


体重をかけても全然割れないので、ハサミでついて割ってしまうのが早くて簡単です。実質的にはキャストステーは不要なので、要らぬ労力を使いたくないのが本音です。


フィットキュア・スパインは画期的な商品ですが、点数の取り方が邪道であるにもかかわらず、邪道な点数を取るために医師の手間が取られる部分は改善の余地アリだと思いました。







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自治医科大学准教授の星地先生の経験・知識を余すところなく収めたサブテキストです。定番と言われている教科書に記載されている内容は素直に信じてしまいがちですが、実臨床との”ズレ”を感じることがときどきあります。このような臨床家として感じる、「一体何が重要なのか」「何がわかっていないのか」「ツボは何なのか」を自らの経験に基づいて完結に述べられています。








                        

大腿骨頭のウマイ摘出法

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最近、大腿骨頚部骨折に対する人工骨頭置換術がたくさんありました。いよいよ、大腿骨近位部骨折シーズンの到来ですね。


人工骨頭置換術と言うと研修医の先生の手術のようなイメージがありますが、大腿骨の骨質が悪い症例が多く、意外なピットフォールが多いと感じています。


あまり雑な手術をしていると、術中骨折を併発することがあるので、私的には人工骨頭置換術はあまり好きな手術ではありません。


正直に言うと、 THA の方が簡単な手術であるとまで考えています。さて人工骨頭置換術の際に、骨折した大腿骨頭を摘出するステップに意外と手間取ることがあります。


大腿骨頭を摘出する工夫を2つご紹介したいと思います。ひとつは他の医師から教えていただいたのですが、Garden stage 2~3 では THA のように大腿骨頭を脱臼させる方法です。


この方法のメリットは、うまくいくとあっという間に脱臼して大腿骨頭を摘出することが可能なことです。


もちろん、骨折しているのでうまく脱臼できずに骨折部が開大してしまって大腿骨頭が寛骨臼以内に取り残されることはままあります。


100%うまく脱臼させる方法はないのですが、寛骨臼と大腿骨頭の間にエレバトリウムを挿入して、これで介助しながら脱臼操作するとうまくいくことが多いイメージです。


もう一つの方法は、骨折部が開大している Garden stage 4 の場合に行います。まず大腿骨頚部の骨切りを行います。


そして寛骨臼内に残っている大腿骨頭を摘出するのですが、骨頭抜去器を2本準備します。一つは骨折部から、もう一つは90°角度をつけて大腿骨頭の関節軟骨面から挿入します。


そして、90°の角度がついている 2本の骨頭抜去器をそのまま上に持ち上げることによって、簡単に大腿骨頭を摘出することができます。


今回ご紹介した2つの方法のいずれかで、寛骨臼から大腿骨頭をあっさり摘出することができます。もし大腿骨頭の摘出で苦労している先生がいたら、一度試してみてください。







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慢心に注意!大腿骨頚部骨折見逃し

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整形外科あるあるのひとつに、大腿骨頚部骨折の見逃しがあります。実際には見逃しというよりも、骨折を強く疑うものの画像所見が無いため経過観察を行うというものです。



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昨年末に、転倒後から左股関節部痛が続いているという高齢者が初診されました。疼痛はあるものの歩行可能でした。比較的典型的なエピソードですね。



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大腿骨頚部骨折を強く疑い CTを撮像しましたが、明らかな骨折をみとめませんでした。年の瀬だったのでMRIまで予約できずに経過観察となりました。



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年明けに再診してもらうと、上記のように大腿骨頚部骨折でした。この時点で Garden stage 1 なので、骨接合術の適応となります。


年末の初診時点であっても保存治療の選択は難しかったので結果は同じです。しかし、改めて見直しましたが、初診時点ではXp、CTともに全く骨折している所見がありません。


このような症例であっても10日後には Garden stage 1 になっているのがコワイところです。もう少し放置すると、あっという間に Garden stage 3~4 になって人工骨頭です。


大腿骨頚部骨折の見逃しなんてありえないだろうと思いがちですが、世の中には MRIをすぐに撮像できないことが多々あります。くれぐれも慢心は禁物だと感じました。








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ハンソンピン2本目の刺入位置

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私は大腿骨頚部骨折の骨接合術では、ハンソンピンを使用しています。最近、ハンソンピンの刺入位置で少し悩むことがありました。


2本のピンの間隔は 10mm以上取りたいところですが、小柄な日本人の高齢女性ではなかなか10mm以上の間隔を取ることが難しい症例もあります。


このような症例では、2本目の中枢側ピンの刺入位置を

  1.  大腿骨骨軸に対して後方 45°を維持したまま 2本のピンの間隔を狭めるのか
  2.  大腿骨骨軸に対して後方 30°にして 2本のピンの間隔 10 mmをキープするのか

のどちらを選択するべきなのかが悩ましいところです。


私の場合には、
大腿骨骨軸に対して後方 45°を維持するのではなく、2本のピンの間隔を優先することにしています。


つまり、2本目のピンを 10 mm間隔ではどうしても刺入できない場合には、大腿骨骨軸に対して 30°ぐらいにして、なんとか 2本のピンの間隔を10 mm確保するようにしています。


本当にこれでいいのかどうかはわかりませんが、2本のピンの間隔が広いほどハンソンピンの固定力が増すのではないかと考えています。






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弾性ストッキングの禁忌

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先日、大腿骨転子部骨折の高齢者が入院しました。問診をとると、この方は重度の ASO を併発しており、1か月後に大腿部でバイパス手術を受ける予定だそうです。


他院の循環器内科医師から診療情報提供書を取り寄せると、直近の検査ではABIが 0.4しかありません。これは相当悪いな・・・


通常、大腿骨転子部骨折の周術期には深部静脈血栓症を予防するために、弾性ストッキングをルーチンで履いていただいています。


しかし、今回は重度の ASO を併発している方なので、病棟の看護師さんから本当に弾性ストッキングを 周術期に着用していいのか? という確認がありました。


最初、看護師さんからこの事を問われた時、私は特に何も考えることなく OK という返事をしていました。


しかし調べてみると、弾性ストッキングは今回のような動脈血行障害のある患者さんには禁忌となっているようです。


考えてみれば、弾性ストッキングで圧迫されると、もともと血行状態が良くない部位では、
動脈閉塞部より末梢の血流が極端に悪くなる可能性があります。危ないところでした・・・


その他の弾性ストッキングの禁忌もしくは慎重な使用が必要な傷病名としては、下記のようなものが挙げられます。


  • 動脈血行障害
  • 糖尿病
  • 急性期の深部静脈血栓症
  • うっ血性心不全


上記のうち、深部静脈血栓症は急性期のものや抗凝固療法を施行していない症例が禁忌になるそうです。なるほど勉強になりました。









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