整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

骨折

足部正面像で外果裂離骨折が判明!

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先日、足関節捻挫の患者さんが初診されました。
外果から足部にかけて、かなりの腫脹がありました。



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圧痛の最強点は足関節外側靱帯部およびリスフラン関節部のようです。さしあたって単純X線像を確認しましたが、明らかな異常所見を認めませんでした。



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リスフラン関節部にも明らかな骨折はなさそうです。靱帯損傷なんだろうな~と思っていると、足部正面像で腓骨遠位端に裂離骨折がうつっているではありませんか!




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なるほど、足関節外果部の圧痛はコレだな。。。実はこのようなことは今回が初めてではありません。何度か足部正面像で腓骨遠位端の裂離骨折をみつけたことがあります。


おそらく踵腓靭帯性裂離骨折であれば、足関節正面像でも分かると思いますが、前距腓靭帯性裂離骨折は足関節正面像では分かりにくいのでしょう。


ルーチンで足部正面像を撮像する必要は無いと思いますが、足部捻挫と紛らわしくて撮像する際には、腓骨遠位端も確認した方が良いと思います。








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カルカーの噛みこみ解除法

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先日、新任医師の大腿骨転子部骨折の手術を見学しました。
経験年数は申し分ないのですが、初回手術だったので見に行きました。


骨折部が末梢側に噛みこんでいて、カルカーの皮質骨がコンタクトしていません。このまま骨接合してもそんなに問題ないのですが、この医師は下記の方法で整復しました。


  1.  牽引手術台を一旦弛めて、患側股関節を最大外転
  2.  牽引しながら、再び患側股関節を内転



この一連の操作でカルカーの噛みこみが解除されて、良好な整復位を得ることができました。なかなか素晴らしい方法です。


別の医師と話しをしていると、この手法は比較的オーソドックスであることが判明しました。どうも知らなかったのは私だけのようです。。。


勉強不足と言ってしまえばそれまでですが、やはり他施設の医師と一緒に働きだすと、今までと違ったやり方を学べて勉強になります。


数か月すると同化してしまい、学べることが少なくなるのですが、異動の時期は新たな学びの時期でもあると感じました。






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駄ネタ:若年女性はやはりサイズLで!

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以前、肋骨骨折の若年女性のバストバンドはサイズ L で!というブログを書きました。それ以来、忠実に実行しているのですが、先日興味深い事件に遭遇しました。


外来看護師さんの知り合いの若年女性が肋骨骨折で受診して、バストバンドを処方することになりました。


例によってサイズLで始めようとしたところ、勝手にサイズSから始めようとするではありませんか! 
私には怖くてできないことですが、漫才口調でSから始めようとします(笑)



下手に口を挟むとヤブヘビになりそうだったので、私は知らんふりして電子カルテに診察内容を入力していました。


すると、サイズSでは小さかったようですが、看護師さんのコメントに驚きました。成人女性でサイズSを装着できる人はほとんどいないんじゃない? とおっしゃります。


この日にサイズSを試した感じでは、中・小学生ぐらいしかサイズSは無理らしいのです。ふ~ん、そうなんだ。それなら、尚更サイズLで始めた方が良さそうです。


下手にサイズSで始めると、患者さんの逆鱗に触れそうですね。それにしても、小・中学生で肋骨骨折ってほとんど見たことないな・・・








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橈骨遠位端の不顕性骨折

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先日、2週間前から手関節が腫れて痛むという70歳台の患者さんが初診されました。診察すると、手関節が少し腫脹しています。外傷歴が無いので、手関節水腫だと思いました。



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しかし、単純X線像をみると、何となく普通ではありません。??? と思って、側面像を見ると、橈骨遠位端背側の皮質骨が変な感じです。



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これって、骨折ではないのか? ご本人に何度も念押ししましたが、やはり転倒等のエピソードはないとのことです。受け答えはしっかりしており、認知症でもなそうです。



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念のためにMRIを撮像すると、やはり橈骨遠位端骨折のようです。圧痛点も関節ではなく、橈骨遠位端なので、画像と身体所見が一致しました。


それにしても非荷重肢である橈骨遠位端に不顕性骨折というものが存在するのか? 医中誌で検索すると、数は少ないものの、ある程度まとまった報告がありました。


  • 当院における橈骨遠位端不顕性骨折(occult fracture)の検討 
  • Author:森川 圭造(森川整形外科医院) 
  • Source:骨折(0287-2285)38巻1号 Page22-25(2016.02)



なるほど、小児と高齢者では機転が異なるようですが、非荷重肢であるものの橈骨遠位端にも不顕性骨折は存在するようです。いや~勉強になりました。








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インオペの決断はブルー

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先日、判断に迷う症例を経験しました。
100歳近い超高齢者の大腿骨頚部骨折(Garden stage 4)です。


転倒前のADLは、2mほどの伝い歩きレベルです。認知症はあるものの、俳徊するまではいきません。今回は、肺炎で熱発してしんどくなって転倒したようです。


入院時に結構な炎症所見亢進をみとめたため、即手術は難しいです。肺炎が軽快するまで1週間は要しそうです。


そして、単純X線像をみると、患側大腿骨の骨質が極めて不良です。皮質骨がペラペラで、ステムでも入れようものなら、容易に術中骨折や術後骨折を併発しそうです。


う~ん、困った。。。選択肢はふたつです。

  1.  肺炎が軽快するのを待機して手術を施行する
  2.  インオペにする


肺炎がある程度軽快するまで手術を待機すると、今よりも確実に歩行能力は落ちます。100歳ちかい高齢者が劇的に回復するとも思えません。


また、もともとのADLが伝い歩き2mほどなので、伸びしろが少ないです。ポータブルトイレまでなら偽関節でも行けるのではないのか???


このあたりを勘案した上で、ご家族と治療方針について話し合いました。ご家族としても100歳ちかくまで生きておられるので多くは望まないとのことでした。。。


この結果、今回はインオペにすることにしました。妥当な判断という認識ですが、正直に言って患者さんの歩行能力を奪うことになるので、かなりブルーな気持ちになりました。


おそらく、もう少し若い頃は、手術に決まってる! というスタンスだったと思います。正解の無い医療の現場では医師の決断が患者さんの予後を左右します。う~ん、重い。。。






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