整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

骨折

非定型大腿骨骨折の健側治療は?

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非定型
大腿骨骨折...

なかなか骨癒合しない嫌な骨折ですね。


できればあまりお目にかかりたくないですが、延々とBP製剤を投与されている症例も散見され、今でも一定頻度で発生している印象を受けます。


骨折に至った症例は手術するしかないのですが、反対側に無症状の骨膜肥厚が存在する場合には悩むことが多いです。


骨折してしまうと難治性なので、主治医的には手術しておきたいところですが、無症状の骨膜肥厚に対して手術を提案しても拒否される可能性があります。


一応、ベストと思われる選択肢は、

  1.  無症状の骨膜肥厚に対して予防的に髄内釘
  2.  BP製剤中止
  3.  PTH製剤投与

と思われますが、①はやはりハードルが高い印象を受けます。


主治医的にも無症状の症例に対して予防的に手術を施行するのは憚れることではあります。それでも他医で
BP製剤が投与されていたのでがなら、まだ強く勧めることも可能です。


非定型大腿骨骨折症例の健側の治療はなかなか難しい論点があると感じています...。







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脛骨高原骨折による HTOその後

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先日、脛骨高原骨折後の患者さんを診察しました。
こちらの症例なのですが、80歳台の受傷で当初は不顕性骨折でした。


骨粗鬆症で定期的に通院しているのですが、最近少し膝関節内側痛が出現したとのことで久しぶりに単純X線像を撮像してみました。



1 - コピー



こちらが2年前の画像です。脛骨外側関節面が少し陥没してしまっています。しかし、ちょうどHTOを施行したような感じになっており、内側への負担が軽減しています。


このためか、骨折する前には痛かった左膝関節内側部痛が消失していました。そして2年経過して、最近少し左膝関節内側が痛くなってきたので撮影してみました。



2 - コピー




外側・内側ともほとんどOAは進行していないように見えます。決して狙ってできるものではないですが、高齢者の軽度の脛骨高原骨折ではこのようなパターンもあるようです。






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久しぶりの AO小創外固定

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先日、小学生の橈尺骨遠位骨端離開の手術を施行しました。橈骨側のみS-H type 2だったので、橈骨に関してはそれなりの解剖学的整復が必要となります。


極度の不安定性があったので、クロスピニングだけでは難しそうです。しかし、掌側プレートを小学生に施行するのは憚れるのでかなり悩みました。


餅は餅屋ということで、大学の手の外科の先生や、元上司の手の外科の先生に相談したところ、たくさんの有益なアドバイスをいただきました。


そのアドバイスの中で創外固定があったので、ありがたく採用することにしました。ただし、AO小創外固定を施行するのは 15年ぶりです。


ロッキングの掌側プレートが普及して以来、AO小創外固定は過去の遺物だと思っていましたが、このような症例ではまだまだ有用であることを学びました。



キャプチャ - コピー



術後の単純X線像はこんな感じなのですが、やはり解剖学的な整復位を獲得するのが難しかったです。オープンにすればあっという間なのでしょうが、経皮的には難度が高いです。


ただ、AO小創外固定器の設置自体は全く問題なく施行できました。その理由は、15年前の手術記録に手術のピットフォールを詳細に記載していたからです。


ケアネットでも述べたように、クラウドでデータ管理しているといつでも取り出すことができて非常に便利です。私はアタマが悪いので外部記憶をふんだんに利用しています。






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広島大学名誉教授の津下先生による、手の外科における必須の医学書です。特に、「私の手の外科」は津下先生直筆のイラストが豊富で、非常に分かりやすく実践的な医学書です。


 







大腿骨頚基部骨折で CHSを選択する理由

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先日、大腿骨頚基部骨折の患者さんが入院されました。
大腿骨頚基部骨折は、骨折線が関節包内外にまたがります。






大腿骨頚部/転子部骨折診療ガイドライン では、大腿骨転子部骨折の治療に関しては、sliding hip screw (CHS)と short femoral nail の両者を推奨しています。


しかし大腿骨頚基部骨折では、sliding hip screw のみが推奨されています。大腿骨頚部/転子部骨折診療ガイドラインには、short femoral nail を非推奨の理由が記載されていません。 


多くの整形外科医の間では、大腿骨頚基部骨折では sliding hip screw を選択するべきというコンセンサスだと思われます。しかし、その理由は何でしょうか???


何だっけな?と思い出そうとしましたが何もアタマに浮かんできません。仕方ないので本ブログ内を検索してみました。すると思いっきり自分で記載していました
(苦笑)。




理由1

大腿骨頚基部骨折でshort femoral nailを選択すると、ネイルが骨折部に来るため骨片間の接触面積が小さくなります。 このため、short femoral nailでは偽関節化する危険性が高まります。


理由2

大腿骨頚基部骨折でCCSなどのスクリュー固定を選択すると、大腿骨頭の回旋に対する十分な固定性が得られません。



上記の2つの理由によって、大腿骨頚基部骨折の術式では sliding hip screwのみが推奨されているようです。比較的珍しい骨折ですが手術の際にはCHSを選択するようにしましょう。


それにしても、なぜ大腿骨頚基部骨折では CHSを選択するべきなのかをいつまで立っても覚えられません。う~ん、能力が低いのかヤル気が無いのかどちらなのでしょうか...。



   


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整形外科医なら誰もが所有している骨折治療のバイブルです。豊富な図や画像が提示されており、骨折手術におけるAOの考え方や基本原則を学べます。








大腿骨近位部骨折でも CT撮像が有用

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先日、Monthly Orthopaedics Vol.33(1) をパラパラ眺めていました。大腿骨近位部骨折の治療という特集でした。整形外科医であれば誰もが我こそは! と思うジャンルです。


そうは言っても、最近はさまざまな種類の内固定材料が上梓されており、とてもすべてに精通できているわけではありません。


初心に戻って謙虚な気持ち(?)で読み進めると、自分がかなり時代遅れになっていることに気付きました。どうやら大腿骨近位部骨折はかなり進歩しているようです。


最も大きな気付きは、手術難易度を予想するためにはCTでの評価が必須であることです。周知のように外側壁骨折を併発すると予後不良となります。


外側壁骨折併発リスクは CTで評価できます。具体的には CTの冠状断で無名結節から前方骨折部までの距離を測ります。2.1cm以上あると外側壁骨折併発リスクは低下します。


つぎに大腿骨転子部不安定型骨折の治療戦略ですが、ここでも CTが威力は発揮します。生田分類の Subtype Pは、
Subtype AやNと比べて有意にスライディングして予後不良です。



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上図の右端が Subtype Pですが、大腿骨近位骨片前方骨皮質が遠位骨片の後方に位置しています。これを、エレバトリウムや K-wireを用いて、左端の Subtype Aに整復します。


この操作を行うことで不安定型骨折がやや安定化して、過度なスライディングを併発するリスクが減少するとのことです。


術前 CTを撮像することで、整復操作が必要か否かをあらかじめ確認しておく必要があります。これまで大腿骨近位部骨折で CT撮像など医療資源の無駄遣いだと考えていました。


世界的には CT撮像しない地域の方が多いです。しかし、不安定型が予想される近位の粉砕骨折に関しては、症例を選んで CTで精査することが望ましいと感じました。








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