整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

外来診療の気付き

近隣開業医と win-win関係を!

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最近では新型コロナウイルス感染症の新規発症者数も漸減しており、仲間内では話題にあがることも少なくなりました。外来患者数もコロナ前に近いレベルまで回復しています。


今年は6月ころまで苦しい状況が続いていましたが、そんな中でも手術数の下支えをしてくれていたのは近隣の整形外科開業医の先生方です。


昨年6~8月に近隣の基幹病院や開業医に営業したのですが、その際に懇意になった開業医の先生から、苦しい時期にも手術適応の症例を紹介していただきました。


医局内の医師は黙々と紹介された症例をこなしていますが、私はこっそり彼らを監視しています(笑)。紹介元に失礼が無いように、そして win-win関係を維持することが目的です。


ありがちなのは「手術適応ではない」と言って、せっかく紹介してもらった患者さんを突き返すことです。勤務医アルアルですが、これは最低の対応だと思います。


たしかに医学的にみて手術適応ではない症例も散見されます。しかし、無下に紹介元に送り返すと、開業医の面目は丸潰れです。下手すると紹介患者さんからクレームまできます。


このような対応をすると、当然の帰結としてせっかく苦労して築いた関係が破綻してしまいます。この場合の正解は、こちらで保存的に外来フォローするです。


勤務医は患者さんしかみていないケースが多く、開業医への配慮に欠ける人が非常に多い印象です。卒業年次に関係なく、このような失態を犯す人が存在するので注意が必要です。


あと、リハビリテーションが必要な患者さんは、積極的に近隣の開業医に紹介するように、事あるごとに医局内で言っています。クドいほど言い続けないとなかなか浸透しません。


このような地道なフォローを続けていると、今回のようなコロナ禍で困ったときにも、近隣の開業医から助力を得られると思います。






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テニスエルボーサポーターはネット購入が吉

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昨年11月からボクシングジムに通っています。自宅の斜め向かい前のビルの地下にあるので、雨の日でもあっという間に行けるので重宝しています。


ジムでは、前半にボクシングのトレーニングをして、後半はマシーンを使用した筋トレをしています。筋トレはかなり追い込んでやっているので、腕に自信が出てきました(笑)。


しかし、週2回ペースで限界までやっているので、肘関節がとても痛くなります。上腕骨外上顆炎を疑い自分で診察するのですが、chair testや middle finger ext. testは陰性です。


そうは言ってもおそらく上腕骨外上顆炎なのだろうと判断して、メイン勤務先でテニスエルボーバンドを処方してもらうことにしました。


病院で 1045円で購入したのですが、自費扱いです。よく考えると自費であればネットで購入しても同じではないのか? 調べてみると、アマゾンで同じモノが売っていました!





価格も同じく税込みで 1045円です。これなら、診察などせずにネットで購入する方が、時間もお金もかからなくて良いではないですか!!!


もちろん、自分で診断をつけられるという特殊な状況ではありますが、整形外科医であれば、わざわざ医療機関を受診して購入しなくてもネットで購入した方が安上がりです。


受診手続きをして、窓口で診察料を支払った時間と費用が無駄だったことを知って少しがっかりです。整形外科医が自分で診断をつけるのであればネット購入が吉かもしれません。



<注意>
当ブログは医師を対象にしています。もしあなたが一般の方であれば、今回のブログ記事を決して参考にしてはいけません。かならず整形外科を受診しましょう。







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尾骨骨折の画像所見が分かりにくい理由

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身体所見で骨折の有無を判断する部位として、肋骨骨折と尾骨骨折が挙げられます。どちらも単純X線像の所見はさほど重要ではありません。


その理由のひとつは、両者とも骨折があっても画像上の所見を見つけにくいことだと思います。肋骨骨折の場合は、腹側に近いほど肋軟骨に移行するので骨折が分かりにくいです。


そうは言っても、整形外科医であれば肋骨骨折の画像所見は日常的に目にする機会が多いことでしょう。しかし、尾骨骨折についてはいかがでしょうか?


私は20年以上整形外科医をしていますが、実は尾骨骨折については「これは明らかに骨折している」と確信できるような画像所見をあまり診たことがありません。


画像所見が多少怪しくても、身体所見ではっきりと骨折の有無が分かるので特に困りませんが、常々なぜ尾骨骨折は画像所見で分かりにくいのだろう?と疑問に思っていました。


ところが、先日の症例では、(少なくともここ数年では初めて)尾骨の椎体部分で明らかに骨折が存在すると確信を持てる画像をみました。


身体所見は通常の尾骨骨折と変わりませんが、単純X線像で明らかな新鮮骨折です。尾骨骨折の画像所見はあまり記憶にないので、患者さんには悪いですが少し感動しました(笑)


その画像所見を改めて観察しながら、尾骨骨折が分かりにくい理由を考察してみました。尾骨骨折の好発部位は、尾骨の椎体間(?)だと思います。


この部分で「く」の字状に変形するので骨折の存在を疑いますが、骨折ではなく脱臼(?)に似た状態なので、椎体部で折れている所見をみることが少ないのではないでしょうか?






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豊富な図や画像が提示されているため、ほとんどの骨折や脱臼に対応することが可能です








側臥位の MRI撮像がダメな理由

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先日、腰椎椎間板ヘルニアの患者さんが受診されました。放射線技師さんから、かなり下肢痛がキツイため仰臥位での撮像が難しそうとの連絡を受けました。


このような症例はときどきありますが、長時間の仰臥位不可は致し方ありません。そこで、側臥位もしくは半側臥位での撮像をお願いしました。


さてさて、出来上がってきた画像を確認しましたが、案の定画質が悪いです。何とか読影に耐えうるレベルではありましたが、肝心の椎間孔レベルの情報が判然としません...。


その後、この時の放射線技師さんとの雑談で、なぜ側臥位で MRIを撮像すると画質が悪くなるのかを議論しました。


放射線技師さんの意見では、側臥位や半側臥位の場合は身体の固定が十分ではないため、呼吸性の動きを制御できないからではないかとのことでした。


半側臥位であればまだ呼吸性の動きをある程度制御できるかもしれませんが、たしかに側臥位ではなかなか厳しいと思います。


高齢者の椎体骨折の有無程度であれば多少画質が悪くても実用性に耐えますが、椎間孔の観察等が必要な症例では、やはり可能なかぎり仰臥位での撮像が望ましいようです。


MRIの撮像では、側臥位や半側臥位では呼吸性の動きを制御できないため、画質の悪い検査しか施行できないことを改めて認識しました。






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あはきの同意書依頼

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ときどき、鍼灸・あん摩・マッサージ・指圧の施術の同意書を求められることがあります。健康保険をつかってこれらの施術をうけるためには、医師による同意書が必要なのです。


さすがに整形外科医に同意書を求める患者さんはほとんど見かけませんが、かかりつけの内科医師に対して同意書の交付を求める人は散見されます。


これらの要求に対して、安易に同意書を交付してもよいのでしょうか? この問題を考えるためには、まず保険診療でのルールを知る必要があります。


そもそも論として、保険診療の対象となる疾患は限られています。具体的には下記の6つしかありません。

  • 神経痛
  • 関節リウマチ
  • 肩関節周囲炎
  • 頸肩腕症候群
  • 腰痛症
  • 頚椎捻挫後遺症


これらの保険病名があればOKではなく、医療機関で医師が治療を行なっても効果が無かった場合に限られます。したがって、初診でいきなり同意書交付は明らかなルール違反です。


もともと、いわゆる「あはき」は国家資格です。このため、整形外科医としても無下にその存在を否定するものではありません。


しかし、実臨床では同意書交付は難しいと考えています。何故なら、治療に全く反応しない患者さんは滅多にいないことと、同意書交付先にどんな人が居るか分からないからです。


整形外科の現場では、施術を受けて肋骨骨折を併発してしまう症例を診る機会が多いです。私が経験した最悪の症例は、腫瘍塞栓を併発してしまい救急搬送されたものまであります。


もちろん、全員がトラブルメーカーとは言いませんが、こちらからはあはきや柔整師の顔が見えないため、怖くて同意書交付などトンデモないというのが本心です。


尚、飲み友達で接骨院経営者が居ますので、実力や人柄を知っている人であれば患者さんを紹介することはあります。あっ、開業医の先生から怒られそう(笑)。






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