整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

外来診療の気付き

接骨院・部位数稼ぎの現場

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先日、交通事故患者さんで面倒な方が受診されました。外傷性頚部症候群なのですが主訴がやたらと多いです。もちろん、神経学的・画像的異常所見を認めません。


この方の何が面倒かと言うと、診断書記載内容についての細かいリクエストが高度なのです。特に病名についてしつこく、ずけずけと他の患者さん診察中に乱入します。


果てには診てもいない腰椎捻挫も病名に追加しろ!と言い出す始末です。あなた、腰が痛いと診察中に言いましたっけ?


目的ははっきりしており、本人自ら
「接骨院から病名をたくさん記載した診断書をもらってこいと言われた」とおっしゃられます。ナルホド、いわゆる部位稼ぎですね...。


周知のように、交通事故であっても、医家の診断名以外の部位を勝手に施術してもコストを取れません。このため、接骨院は患者さんを通じて多数の診断名を要求するのです。


私は接骨院経営者に仲の良い友人がいるので、基本的に接骨院拒絶派ではありません。ただ内情を熟知しているだけに患者を利用した露骨な利益収奪に嫌悪感を感じざるを得ません。


患者の意図は「治りたい」であり「部位数を稼いで接骨院に利益を献上したい」ではないので、医師法の診断書発行義務も鑑みて、応じることができる部分は対応しました。


ここまで酷い患者さんや接骨院は滅多にみないですが、昔よりも着実に増加している印象を抱いています。医師法の診断書発行義務を逆手に取った新手の利益収奪法ですね。







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初学者が整形外科の外来や救急業務を遂行するにあたり、最もお勧めの書籍です


    



足病医って何だ???

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先日、Medical Tribuneを読んでいると、足関節骨折の手術成績は整形外科医の方が足病医の方が成績が良いという記事ありました。足病医って何だ???


調べてみると、足病医( Podiatrist )とは英米にある足部をトータルにみる医療職であり、医師とは異なる職種のようです。感覚的には歯科医師のようなものです。


守備範囲は足部から足関節より少し中枢までで、その部位に生じる疾患を全て治療します。爪や胼胝の処置も行う足の外科医といったイメージです。


糖尿病患者さんのフットケアが症例としては多く、整形外科(足の外科)・形成外科・皮膚科の知識を横断的に実践するそうです。


日本では足病医制度が入り込む余地は無さそうです。ただ、たしかに足部疾患を横断的に治療できる医師は日本に少ないので、存在すれば有用かもしれません。


外来レベルでは形成外科医が足病医の守備範囲をほぼ網羅しているのですが、わざわざ足病医を名乗って足部に職域を限定するメリットは無さそうです。


英米で足病医制度が成立した経緯は知りませんが、そのような職種が存在して一般に広く受け入れられていることは私にとってトリビアでした。





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広島大学名誉教授の津下先生による、手の外科における必須の医学書です。特に、「私の手の外科」は津下先生直筆のイラストが豊富で、非常に分かりやすく実践的な医学書です。


 







「いい人」と呼ばれる医師はダメ?!

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先日、経営コンサルタントの岡本吏郎氏の書籍を久しぶりに読み返していました。中小企業オーナー向けの「本音トーク全開」の書籍なので非常に参考になります。


その中で、いい人と言われる社長になってはいけないという章がありました。何だか意外感のある主張ですね。


うるさ型の人にはメンドクサイのでしっかり対応しますが、いい人には怒られないのでそれなりの対応しかしないことが理由だそうです。


このため、「いい人」と言われる社長はダメだそうですが、このことは医師にも該当するのではないかと感じました。


勤務医であっても、医師はチームの責任者となります。例えば整形外科医であれば手術室で執刀するときには小さなチームの責任者です。


執刀医が「いい人」だと手術室スタッフも気が緩みます。このため、うるさ型の医師の方がパラメディカルの緊張感が持続してトラブルを併発しにくくなるのではないか?


そのような仮説を立てて周囲を見渡すと、たしかにいい人過ぎるとトラブルが発生しやすい傾向にあることに気付きました。


キャラクター的にうるさ型になるのが難しい人もいるでしょうが、手技を伴う外科系医師に関しては、いい人過ぎるのは問題アリかもしれません。


感情に任せて怒り散らすのは論外ですが、それなりの厳しさをもってパラメディカルに対応するのが理想でしょう。ヘタレな私にはなかなか難しそうですが...






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整形外科医なら誰もが所有している骨折治療のバイブルです。豊富な図や画像が提示されており、骨折手術におけるAOの考え方や基本原則を学べます。








忙しくても健側撮影しておこう!

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最近、他院の症例で症状が残存しているとのことで、セカンドオピニオン目的で受診する患者さんを診察する機会が多くなりました。


主に外傷による骨折症例が多いのですが、そのようなトラブルを抱えている症例の多くに共通することに最近気付きました。それは健側の評価をしていないことです。


例えば、橈骨遠位端骨折で健側を全く撮影していない症例が目立ちます。もちろん、初診は救急医が診ることも多いので、健側を撮影していないことは責められません。


しかし、整形外科初診時にそのまま患側画像で治療を開始するのはいかがなものかと思います。このような症例は当然ですが保存治療例に多いです。


健側を撮影していないと思わぬ落とし穴にはまることが多いです。徐々に骨折部が圧壊してulnar plus varianceになっても気付かないことがあります。


さらに、手関節部痛が続くのでおかしいな~と言って受傷後1年で健側を撮影すると、外傷性変形性関節症に移行していた等の症例が本当に多い印象を受けます。


後医は名医とよく言いますが、それを割り引いても健側撮影しない整形外科医が多いことに驚かされます。救急病院で忙しくても、1回ぐらいは健側撮影しておきましょう!







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豊富な図や画像が提示されているため、ほとんどの骨折や脱臼に対応することが可能です








「痛くない」腱鞘内注射のコツ

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先日、大学の手の外科の先生から、ばね指に対する腱鞘内注射で興味深いお話をお伺いしました。それは「痛くない」腱鞘内注射のコツです。


腱鞘内注射は痛いことで有名です。施行前に患者さんにあらかじめ痛いことを言うのですが、実際に施行しても痛いので患者さん的には嫌な注射です。


ところが、
腱鞘内注射をそれほど痛くなく施行することが可能だそうです。その手法とは、手指の基部側面から刺入して、基節骨の背腹中央にコツンと針先を当てます。


基節骨に針先を当ててから少し引き抜いて、やや掌側に向けて針先を腱鞘内に進めます。針先が腱鞘内に到達した時点で薬液を注入するという手法です。


なぜ痛みがマシなのかというと、手指の側面は手掌と比べて知覚神経の密度が低いからだそうです。というか、手掌には異常なほど多くの知覚神経終末が集中しています。


このため、手掌に注射を施行するとトンデモなく痛いのです。手掌を回避するだけで、
腱鞘内注射がずいぶん楽になります。なるほど、患者さんには朗報の手技ですね!








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