整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

外来診療の気付き

愚痴:外来リハ前診察は有効か?

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リハビリテーションの分野では、国の政策誘導のために(?)、外来よりも入院リハビリテーションの方が点数が高いです。


外来リハは入院リハに比べて単価が低いにも関わらず、予約時間に来ない・ドタキャンされると収益的に大打撃を受けるなど、医療機関にとってはロクなことがありません。


このため、病院としては外来リハはできるだけ受けないという選択をせざるを得ません。しかし、整形外科で手術した患者さんなどは受けざるを得ないことも多いです。


術後患者さんは例外的に外来リハを施行していますが、ここでも難関が控えています。それはリハ前診察です。単なる儀礼的なモノですが、これを省略することはできません。


建前上は、外来リハが可能か否かの判断を行うことになっていますが、他の医師が担当の患者さんは治療内容がブラックボックスなので形式的なモノにならざるを得ません。


一方、患者さんは診察室に通されるんだから、アレもコレも医師に伝えようとします。しかし、他の主治医の外来リハ患者さんに下手な説明はできません。


更に、外来リハも PT や OT のスケジュールに組み込まれているため、開始時間が遅れるわけにはいきません。遅刻すると、その間の時間が機会損失になるからです。


限られた医療資源を考えると、リハビリテーション特化施設でもないかぎり、意味のある外来リハ前診察を実践することなど不可能です。


理想論ではきっちりリハビリテーション前の評価を行うべきなのですが、医療資源は有限であるという視点が抜け落ちている気がするのは私だけでしょうか?






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就業が全く不可能な期間とは?

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診断書作成の際に、左下欄の「就業が全く不可能な期間」「業務及び日常生活に支障がある期間」について記載する場面が多いと思います。


22 - コピー



一見、「就業が全く不可能な期間」「業務及び日常生活に支障がある期間」は議論の余地が無いように見えますが、具体的にどのような状態が「就業が全く不可能」なのでしょう?


整形外科の場合、左上肢の半肢ギプスなら右利きの事務員であれば就業可能なのではないのか? 考えるほど分からなくなったので少し調べてみました。


下記は、ライフネット生命からの抜粋です。





就業不能状態とは、つぎのいずれかの状態に該当することをいいます。
(1)病気やケガの治療を目的として、日本国内の病院または診療所において入院している状態
(2)病気やケガにより、医師の指示を受けて自宅等※で在宅療養をしている状態

※ 「自宅等」は、日本国内に限ります。また、老人福祉法に定める有料老人ホームおよび老人福祉施設ならびに介護保険法に定める介護保険施設等を含みます。

<在宅療養とは>
病気またはケガにより、医師の医学的見地にもとづく指示を受けて、軽い家事
(注1)および必要最小限の外出(注2)を除き、自宅等で、治療に専念することをいいます。なお、軽労働または座業(注3)ができる場合は、在宅療養をしているとはいいません。 

(注1) 簡単な炊事や衣類程度の洗濯等のことをいいます。
(注2) 医療機関への通院等のことをいいます。
(注3) 軽労働とは梱包(こんぽう)、検品等の作業のことをいい、座業とは事務等のことをいいます。






私は「就業が全く不可能=入院中」という認識でしたが、自宅に軟禁されている状態も就業が全く不可能な状態に該当するのですね。勉強になりました。


職種にも寄りますが、上肢骨折でギプス固定されている程度では「就業が全く不可能」な状態には該当しないようです。もちろん、寿司職人では就労不能という判断でしょう。








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大学の医師はすごい!

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先日、救急で
大腿骨近位部骨折の患者さんが入院されました。問診を取っていると、どうやら母校の大学の複数科でフォローされているようです。


少しややこしそうな基礎疾患だったので、診療情報提供書を取得する必要があると考えました。高齢者の大腿骨近位部骨折では、可能な限り早く手術をする必要があります。


しかし、大学でどのような治療をされているか不明であったため、迂闊に手を出せる状況ではありません。


そこで、手術時期が少し遅れることを覚悟しながら、18時頃に地域連携室を通して大学に診療情報提供書を依頼しました。


すると驚くべきことに、同日の 19時頃に大学から 2通の診療情報提供書が届いたではありませんか! 複数科からの診療情報提供書なので本当に驚きました。


こんなにも迅速に対応していただいたことに驚きましたが、この話を大学から出張してきている医師にお話ししたところ、そんなの当たり前だと言われました。


今回のようなケースでは、ボトルネックは大学の地域連携室だそうです。ボトルネックである大学の地域連携室が 18時の時点で稼働していたことが一番大きかったようです。


担当医師が院内に居ても大学の地域連携室は 17時で終業のため、実質的に外部との連絡はは遮断されてしまいます。


しかし、この日は偶然にも大学の地域連携室はその時間帯でも稼働していたようです。幸運が重なって、この患者さんは翌日に無事手術をすることができました。


この件で、改めて大学で勤務している医師への畏敬の念を抱きました。やっぱり大学の先生方はすごいなぁ・・・







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胸部打撲は整形外科の範疇なのか?

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胸部打撲を診るのが、外科なのか整形外科なのかは病院によって異なります。今までたくさんの病院で診察しましたが、このことについて明確な基準は無いようです。


実際的には、院内における外科と整形外科の力関係、両科の忙しさの度合い、および医師がどこまで熱心に診療しているのかによって変わっているようです。


胸部打撲で最も多いのは肋骨骨折や胸骨骨折です。外科の医師からすると、まず整形外科が診て、骨折がなかったら俺達が診てやろう的な考え方になっても不思議ではありません。


一方、整形外科医的には、骨折があるだけならバストバンド固定で済みますし、骨折に気胸を併発しているようであれば外科の先生の力が必要となります。


また胸部打撲で肋骨骨折かと思いきや、実は脾臓損傷や肝臓損傷まで合併していたということも時々あります。


このあたりの方を考えると、整形外科医的にはやはり胸部打撲や腹部打撲は、まず外科で診てほしいというのが本音です。


ただこの事に関しては、整形外科医の中でも統一した見解はありません。以前勤めていた病院では、トップが胸部打撲は整形が診るに決まっている!とおっしゃられていました。。。


胸部打撲患者が整形外科を初診するのは未だに釈然としませんが、患者を第一に考えると胸腹部打撲は外科の先生が初療して内臓損傷の除外診断をするべきではないかと思います。






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安全策を採るのもほどほどに!

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骨折治療中の患者さんには単純X線像等の画像で外来フォローします。ただ周知のように、仮骨はそんなすぐには見えてきません。


骨折の治療では、特に最初の 2~3 週間が転院しやすい時期という認識なので、この期間に関しては骨折型によって 1 週間もしくは 2 週間毎に診察をしています。


受傷後 2~3 週間は骨癒合をみているのではなく転位しないかどうかを確認しているのですが、このことは患者さんにはなかなか理解してもらえないです。


患者さんから聞かれることの圧倒的一番は「良くなってきていますか?」という言葉です。このフレーズは受傷早期の診察から頻回に発せられます。


しかし、残念ながら私たちが画像で確認したいのは、良くなってきている(=骨癒合の所見)ではなく、悪くなっていないこと(=転位していない)です。


後になって順調だったハズなのに!と誹謗されることを恐れて安全策(?)を採って「まだ骨はできていないですね。。。」と言ってしまい、患者さんをがっかりさせてしまいます。


少し罪悪感を持っていたのですが、最近は受傷後 2~3 週間であっても「良くなってきています」と言うようになりました。要らぬところで身の保全を図る必要は無いなと。。。


画像で骨癒合所見が現れるまで数週間かかりますが、よく考えると骨癒合所見が現れていない初期の段階であっても、どんどん骨癒合が進んでいるはずです。


受傷後 2~3 週間は骨折が転位しないことを確認しているのですが、転位していないということは骨癒合が正常に進んでいる可能性が高いということにもなります。


そこで、私は仮骨が見えていなくても、転位していなければあえて「良くなってきていますね!」と言うようにしています。


そのように言って患者さんを安心させてあげると気持ちよく帰っていただけるので、外来もスムーズに流れていくと思います。


※ もちろん、安心させると無茶苦茶するキャラクターのときはこのかぎりではありません






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豊富な図や画像が提示されているため、ほとんどの骨折や脱臼に対応することが可能です








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