整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

外来診療の気付き

犬咬創の初療はどうする?

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先日、犬に咬まれた患者さんが初診されました。
飼い犬にやられたそうで、狂犬病の予防接種は受けているとのこです。


ちょうど手背に径5mm程度の咬創がありました。神経・腱損傷はなさそうなので、純粋に犬咬創の治療がメインとなります。


このような垂直型の咬創の場合には、内部に細菌の培地が形成されやすいです。サーフロー等をもちいて咬創内部を洗浄しても、全ての細菌を除去することは不可能です。


このため、いかにして内部が細菌の培地化しないようにするのかがポイントになります。この目的達成のためには、洗浄よりもドレナージが推奨されます。


しかし、径5mmほどの咬創ではドレーン留置やタンポン挿入は不可能です。このような場合には、こちらのようなナイロン糸でのドレナージが有効です。


この手法を知ってからは、ほぼ全例に近いほど咬創の患者さんに対して施行しています。一度、咬創に感染を併発すると治療に難渋しがちです。


転ばぬ先の杖ではないですが、動物の咬創の場合には、ナイロン糸による簡便で安価なドレナージ法を実践することを強くお勧めします。





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その装具は本当に必要ですか?

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先日、アルバイトで夜診をしている際に、脛腓骨骨折の小学生を診察しました。脛腓骨骨折ではあるものの、それほど不安定ではなさそうです。


小学生にしては大柄ですが、保存的に治療できそうです。私自身は初めて診る子供でしたが、前回カルテを確認して目を丸くしました。


1週間前のカルテに、次回はPTB装具採型と書かれていたのです。。。確かに1週間前(受傷後2週)では、単純X線像上では仮骨形成を認めませんでした。


だからと言っていきなりPTB装具というのは少し乱暴のような気がしました。コスト度外視であれば、PTB装具も悪くはないと思います。


しかし、PTB装具は非常に高額で、完成まで時間もかかります。今回の患者さんは特殊な器具をオプション発注されていたので、合計12万円もかかるとのことでした。


受傷後5週で装具完成とすると、実際に装着するのは長くて6週間、通常の経過では4週間程度です。たったこれだけの期間のADL向上(?)のために12万円は高過ぎるのでは???


実際に単純X線を施行して確認すると、骨折部に仮骨形成を認めました。経験的には、これぐらいの患児は受傷後2~3週の間で急激に仮骨形成することが多いです。


もちろんこれに関しては後付けの理論ですが、必須ではないPTB装具を安易に発注する思考回路が問題だと感じました。


私たちの使命は四肢体幹の疾病や外傷を治すことです。しかし、この究極の目的ばかりを追っていると、そこに至るまでにかかるコストにまで気が回らなくなる可能性があります。


今回は高価な装具作成でしたが、手術適応に関してもコストパフォーマンスを念頭に置いて診療にあたるべきではないかと感じています。


昔、” 一人の生命は地球より重い " とおっしゃられた総理大臣が居ましたが、その尊い行動の結果は、テロの凶悪化と激増でした。


同じことが医療でも発生する可能性があります。国民皆保険制度は、現役世代の重い保険料負担の上に成り立っています。


国民皆保険制度という素晴らしい制度をできるだけ長持ちさせるためにも、私たちひとりひとりの医師がコストパフォーマンスも考慮した治療を行うことが重要だと感じました。






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駄ネタ:整形外科カンファレンス必携をゲット!

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先日、中外製薬のMRの方に「整形外科カンファレンス必携」をもらいました。この小冊子はかゆい所に手の届く内容で、若手の頃はよく御世話になりました。



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今回いただいたのは新版の第5版だそうです。そういえば、ひさしく整形外科カンファレンス必携をもらっていませんでした。裏面をみると、平成19年から新版に移行したようです。


内容をパラパラ確認したところ、旧版とほとんど変化無いようですが、新しい内容も追加されていました。関節リウマチでは、ACR/LULAR・2010の新分類基準が収録されています。


しかし、なぜかACR 1987年の関節リウマチ診断基準や1988年の厚生省調査研究班がまとめた悪性関節リウマチの診断基準まで残されていました。


このあたりの整合性はあまりよくありませんが、いいように解釈すると整形外科の歩んできた道が、そのまま残されているとも言えます。


久しぶりに整形外科カンファレンス必携を眺めていると、この小冊子を片手に外来を必死でこなしていた頃の懐かしさを感じました。


初版は平成3年なので、現在50歳未満の整形外科医はほぼ全員お世話になっているはずです。中外製薬様におかれましては、今後も継続的に発行していただきたいと思いました。






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精神疾患は骨癒合促進因子?!

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先日、上腕骨近位端骨折(4 part骨折)の患者さんの治療を行いました。この患者さんは統合失調症の既往があり、現在も寛解状態とは言えません。


私の勤務する病院は心療内科医師が居ないため、統合失調症の患者さんの入院治療は難しいです。しかし、近隣にも心療内科医師の居る医療機関はありません。


まさか、精神科医師を求めて大学病院に送るわけにも行かず・・・。考えた末に、外来で保存治療を行うことにしました。通常なら手術を施行してもおかしくない症例です。


ちょっと無謀ではないのか? と思われるかもしれませんが、実は私には勝算がありました。それは、精神疾患の患者さんは、骨癒合しやすい傾向にあると考えているからです。


精神疾患の患者さんは骨癒合しやすい上に、関節拘縮もきたしにくい印象です。おそらく痛みに強くてどんどん患肢を動かすため、骨癒合が促進されて関節拘縮もきたしにくいのでしょう。


以前、尺骨骨髄炎で尺骨の中央1/2を完全に切除した患者さんが、期せずしてどんどん仮骨形成して、術後3ヵ月で尺骨が再生したことを目の当たりにして確信に変わりました。。。


今回の患者さんは受傷後8週で、4 part骨折が完全に骨癒合しました。手術しなくて良かった。精神疾患の患者さん=骨癒合しやすい、は迷信ではないような気がします。






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ばね指に対するテーピング

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先日の外来で、中指ばね指の患者さんが再診されました。この方には、以前にステロイド含有の腱鞘内注射を施行しています。


腱鞘内注射で、腱鞘炎はかなり軽快しましたが、弾発だけが少し残存しています。痛みは無いそうですが、カクカク引っかかって気持ち悪いとのことでした。


ところで・・・と、その患者さんに相談を受けました。テーピングをすると弾発症状がましになるそうですが、テーピングをしてもよろしいでしょうか? という質問でした。


どのようなテーピングなのか確認すると、単純にPIP関節とMP関節の間の基節骨部をクルクルと巻くだけのものでした。アンカーなどは一切使用していません。


この程度の簡便なテーピングにも関わらず、確かに弾発現象が少し緩和されている印象です。う~ん、こんなテーピングで、そこそこ効果があるとは・・・


ばね指に対するテーピングは何種類かありますが、フィギュアエイト風に巻いたり、アンカーを使用したりと簡便とは言い難いモノが多いです。


一方、今回の患者さんが自己流で編み出したテーピングは、簡便で誰でもできそうです。確かにこの患者さんには効果がありますが、他の患者さんに効果があるかは未知数です。


今度、腱鞘内注射後に弾発現象のみ残存した症例には、今回のテーピングを試してみようと思います。





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オーストラリア理学療法協会のスポーツ理学療法士による実践的な教科書です。
治療的テーピングの概要を学ぶことができます。



 






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