整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

外来診療の気付き

忙しくても健側撮影しておこう!

このエントリーをはてなブックマークに追加


最近、他院の症例で症状が残存しているとのことで、セカンドオピニオン目的で受診する患者さんを診察する機会が多くなりました。


主に外傷による骨折症例が多いのですが、そのようなトラブルを抱えている症例の多くに共通することに最近気付きました。それは健側の評価をしていないことです。


例えば、橈骨遠位端骨折で健側を全く撮影していない症例が目立ちます。もちろん、初診は救急医が診ることも多いので、健側を撮影していないことは責められません。


しかし、整形外科初診時にそのまま患側画像で治療を開始するのはいかがなものかと思います。このような症例は当然ですが保存治療例に多いです。


健側を撮影していないと思わぬ落とし穴にはまることが多いです。徐々に骨折部が圧壊してulnar plus varianceになっても気付かないことがあります。


さらに、手関節部痛が続くのでおかしいな~と言って受傷後1年で健側を撮影すると、外傷性変形性関節症に移行していた等の症例が本当に多い印象を受けます。


後医は名医とよく言いますが、それを割り引いても健側撮影しない整形外科医が多いことに驚かされます。救急病院で忙しくても、1回ぐらいは健側撮影しておきましょう!







★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★


豊富な図や画像が提示されているため、ほとんどの骨折や脱臼に対応することが可能です








「痛くない」腱鞘内注射のコツ

このエントリーをはてなブックマークに追加

先日、大学の手の外科の先生から、ばね指に対する腱鞘内注射で興味深いお話をお伺いしました。それは「痛くない」腱鞘内注射のコツです。


腱鞘内注射は痛いことで有名です。施行前に患者さんにあらかじめ痛いことを言うのですが、実際に施行しても痛いので患者さん的には嫌な注射です。


ところが、
腱鞘内注射をそれほど痛くなく施行することが可能だそうです。その手法とは、手指の基部側面から刺入して、基節骨の背腹中央にコツンと針先を当てます。


基節骨に針先を当ててから少し引き抜いて、やや掌側に向けて針先を腱鞘内に進めます。針先が腱鞘内に到達した時点で薬液を注入するという手法です。


なぜ痛みがマシなのかというと、手指の側面は手掌と比べて知覚神経の密度が低いからだそうです。というか、手掌には異常なほど多くの知覚神経終末が集中しています。


このため、手掌に注射を施行するとトンデモなく痛いのです。手掌を回避するだけで、
腱鞘内注射がずいぶん楽になります。なるほど、患者さんには朗報の手技ですね!








★★ 管理人お勧めの医学書 ★★
 


広島大学名誉教授の津下先生による、手の外科における必須の医学書です。特に、「私の手の外科」は津下先生直筆のイラストが豊富で、非常に分かりやすく実践的な医学書です。


 







接骨院との連携

このエントリーをはてなブックマークに追加

先日、同門の重鎮の先生に御馳走になりました。私の立場から見ると雲の上のような存在の方なので、どんな話題になるのか興味津々でした。


参加者は6名だったのですが、医療も含めていろいろな話題が出てきました。その中で接骨院についての話題に及びました。


周知のように整形外科医と接骨院は犬猿の仲(?)です。接骨院に対して苦々しく思っている整形外科医は多いと思います。


かく言う私も当初は接骨院にあまり良い感情は抱いていませんでした。素人が何を言っているんだと・・・


しかし、接骨院経営者との飲み会に何度か参加してから考え方が変わりました。彼らの中にも真面目に取り組んでいる人がたくさん居ることに気付いたのです。


もちろん、施術士間の実力差は大きいのですが、技量の高い人は侮れないのです。それは自費でも一定数の支持を得ていることからも垣間見れます。


そのようなことを日々感じているのですが、驚いたことに当日の参加者の半数が私と同意見でした。そして、一般的には考えにくいのですが、接骨院と積極的に連携しているのです!


かくいう私も実力者とは積極的に患者さんの紹介をし合っています。整形外科医側にもメリットは多く、手術適応患者さんの紹介を受けることも多いです。


接骨院を毛嫌いすることなく、本当に実力のある施術士とは連携することでお互い良い関係になるのではないかと、その日の出席者の半数は感じていたのです。


このことは驚くべきことだと思います。整形外科医の中では接骨院と連携するなど、半ばタブー視されていますから...。


しかし、お互いの武器は異なるので、足りない所は補強し合うのが患者さんの役に立つのではないかと感じています。同じ考えの医師が居ることを知って少し安心しました。






★★ 管理人お勧めの医学書 ★★
  


オーストラリア理学療法協会のスポーツ理学療法士による実践的な教科書です。
治療的テーピングの概要を学ぶことができます。



 






あなたは積極的に再診予約する派?

このエントリーをはてなブックマークに追加


私は外来で初診で診た患者さんはできるだけ再診予約するように努めています。初診患者さんを再診予約するか否かは、各ドクターの方針で大きなばらつきがあるように思います。


できるだけ再診予約をとらない医師も散見し、このような医師の外来は予約が無くてスカスカです。ただ、予約数が少ない=外来患者数が少ないというわけではありません。


予約無しで再診する患者さんは多いのです。医師にとっては予約を取らない方が少しは患者数が減って楽なのですが、予約を取得していない患者さんはたまったものではありません。


予約取得をできるだけ回避する医師は、トラブルが多い印象を抱いています。患者さんがイライラしがちなのも理由のひとつですが、医師の気持ちに問題があるケースも多いです。


このようなことを考えながら、私はできるだけ再診予約するようにしています。そして私が
初診患者さんを再診予約する理由は 3つあります。


まず第一の理由は、一度診ただけで 100%確実な診断は難しく、思ってもいない変化が起こることが時々あるからです。リスク回避のために再診を促すのです。


第二の理由は、再診予約することで患者さんに安心感が生まれるからです。再診予約せずに突き放すよりは、しっかりフォローしますというメッセージを与えるからです。


第三の理由は、再診予約すると患者さんの待ち時間が減るので、患者さんのストレスも少なくなります。いい感じの雰囲気で外来が始まるのでお互いハッピーです。


このような多くの利点があるので、敢えて
私は初診した患者さんは可能な限り再診予約することにしています。


予約をすると、どんどん外来患者数が増えるのではないかと思う方も多いでしょう。しかし、実は再診患者さんはそれほど労力を要しません。


初診時にしっかり診ているので 2回目以降の受診は現状確認でOKだからです。再診にはあまり
労力が必要ないので、患者数多くなるものの実際の負担はそれほどでもありません。



一方、初診患者さんは一切予約しない派の医師はどうでしょうか? 調子が悪くて受診した患者さんは延々と待ち続けるので、非常にイライラ感が募っているケースが多いです。


また、患者さんが
他の医師に流れる確率が高まるため、その医師の評判は必然的に落ちます。他から流れてきた患者さんを診ることほど不信感を熟成することはないですから...



このような理由があるので、多少しんどくても初診患者さんは再診予約してしっかり診ていくスタンスの方が、長い目で見るとそのドクターに資すると思うのです。






★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★

 
初学者が整形外科の外来や救急業務を遂行するにあたり、最もお勧めの書籍です


    



蜂窩織炎のカンタン治療効果判定法

このエントリーをはてなブックマークに追加


外来をしていると蜂窩織炎の患者さんを治療することがあります。しかし、自分の外来出番の関係で、適切な日に受診してもらうのは難しいのが実情です。


例えば本来なら3日後に再診して創の確認をしたいところなのに、次回は1週間後にしか直接診察できない等はザラにあります。このような時には他の外来医師の受診を促します。


しかし、カルテ記載だけでは蜂窩織炎が軽快しているのか否かは判断できないです。当初は発赤範囲を計測してカルテ記載していましたが、再現性に難があり実用的ではありません。



66 - コピー




そこで最近実践しているのは上記のような方法です。蜂窩織炎の辺縁を油性マジックでマーキングしています。これだと蜂窩織炎の範囲が縮小しているのかが一目で判断できます。


カルテにごちゃごちゃ記載する必要もありません。油性なので入浴しても数日程度なら問題なく残っています。こうすることで現在の治療で問題無いのか否かの判断を行います。


副次的なメリットとして、患者さんご本人にも治療効果が一目瞭然であることが挙げられます。蜂窩織炎の患者さんを見かけたら実践することをお勧めします。






★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★

 
感染症治療で最もお勧めの書籍です。Grandeと小さいサイズがあり内容は同じです。小さいサイズの方が安いですが、常に携帯する医師を除けば見やすいGrandeがお勧めです。

アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

医療研究を身近な存在とし、医療の未来を作る


管理人の著書

161228 【書影】医師の経済的自由
管理人によるケアネット連載コラム
log_carenet

医師のためのお金の話

管理人による m3.com 連載コラム
管理人も参加しているオンラインサロン
勤務医のための資産形成マニュアル
築古木造戸建投資マニュアル

医師のための築古木造戸建投資マニュアル 1
REITで実践する不動産投資セミナー
190122
医師のための 金融資産形成術


配送無料! 医学書 購入サイト
プロフィール

自由気ままな整形外科医

・医学博士
・日本整形外科学会専門医
・日本リウマチ学会専門医
・不動産投資家
・超長期金融資産投資家
・ビジネスオーナー
・宅地建物取引主任士

QRコード
QRコード
記事検索
メッセージ
免責事項
免責事項に関して明示することで、当ブログの利用者は以下の事項に同意した上で利用しているものと考えます。 ここに書かれる意見には管理者のバイアスがかかっています。 利用者が当ブログに掲載されている情報を利用した際に生じた損害等について、当ブログの管理者は一切の責任を負いません。 また、当ブログの情報は、あくまでも目安としてご利用いただくものであり、医療行為は自己責任で行ってください。 また、当ブログは医療関係者を対象にしています。それ以外の方が、当ブログの情報から自己判断することは極めて危険な行為です。 必ず医療機関を受診して専門医の診察を受けてください。 当ブログの内容は、予告なしに内容を変更する場合があります。