整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

外来診療の気付き

関節注射時の「プスッ」音の習得法

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以前、膝関節注射の際に注射針を抜く際の音で、関節内に入っていたか否かの判断を行っていることをご報告しました。



関節内から勢い良く注射針を引き抜くと「プスッ」という小さな音がします。この「プスッ」という小さな音が聞き取れると、注射針が関節内に入っていたことが分かります。


この「プスッ」という小さな音が発生する原因は、関節内が陰圧であることだと考えています。さて、この「プスッ」音は、教科書等には書かれていません。


私の経験では、聴取できる確率は 60~70%程度です。どのような患者さんや部位で聴取できるのかをまとめてみました。


  • 膝蓋上嚢>肩峰下滑液包>FT関節
  • 正常解剖>OAの強い関節


最も聴取しやすいのは、OA変化の少ない膝関節の膝蓋上嚢から関節注射を施行したときです。この場合には高率に聴取可能なので、そこで「プスッ」音をマスターします。



OA変化の少ない膝関節の膝蓋上嚢で「プスッ」音をマスターした後には、肩関節やOA変化の強い症例にもチャレンジするとよいでしょう。




 


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若年女性の腰痛は仙腸関節炎の除外診断を!

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先日、20歳台女性が腰痛で初診されました。これぐらいの若年者がわざわざ受診するということは、よほど腰痛で悩まされているのでしょう。


単純X線像では分離症などの明らかな異常所見はみとめず、診察すると仙腸関節部の圧痛のようです。再度画像を確認しましたが、仙腸関節にも明らかな異常所見はありません。


仙腸関節由来の痛みは、看護師さん等の医療・介護系の方に顕著に多い印象です。本症例でも職業をお伺いすると介護職のようでした。


仙腸関節症の診断のためには、仙腸関節痛の誘発テストを施行して仙腸関節由来の痛みであることを確認する必要があります。


各種の仙腸関節痛誘発テストがありますが、特にGaenslen testが有用だと思います。このテストは、患側をベッドの端にして健側下肢の膝を屈曲して胸に抱えるようにします。



無題



そして検者は患側下肢をベッドの端から出して過伸展させます。普段感じているのと同じ部位に同じような痛みが再現すれば仙腸関節由来の疼痛と診断します。


今回の患者さんでは、Gaenslen testおよびFreiberg testとも陽性でした。仙腸関節由来の痛みであった場合には、仙腸関節ベルト を処方すれば痛みが軽快するケースが多いです。


ただし、腸骨を締め過ぎて大腿外側皮神経麻痺を併発しないよう説明する必要があります。成人ならモービック等の長時間作用型鎮痛剤も有用だと思います。







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自治医科大学准教授の星地先生の経験・知識を余すところなく収めたサブテキストです。定番と言われている教科書に記載されている内容は素直に信じてしまいがちですが、実臨床との”ズレ”を感じることがときどきあります。このような臨床家として感じる、「一体何が重要なのか」「何がわかっていないのか」「ツボは何なのか」を自らの経験に基づいて完結に述べられています。








                        

装具が 100円ショップで購入できる時代?!

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先日、TKAを施行した患者さんと雑談しているときに、意外なことをおうかがいしました。前提条件として、この方は反対側も TKA予定で約1㎝の脚長差があります。


脚長差のため歩容がやや不安定なので、非手術側の補高が必要ですね~とお話ししたところ、担当の理学療法士から「100円ショップで売ってますよと言われたそうです。


周知のように、医療用装具は補高と言えども侮れない価格です。しかも全症例で効果が確実にあるとは言い難いため、強く勧めることははばかれます。


それが100円+税で手に入るのであれば、気軽にお勧めできるかも...。理学療法士に確認したところ、たしかに100円ショップで売っているそうです。


ためしに近所のセリアに行ってみたところ、たしかにインソールやシリコン製のヒールパッドが100円+税で売っていました! ある程度の機能性があるものまで売られています。


  • インソール → 軽度の脚長差のある症例
  • ヒールカップ → 踵部脂肪褥炎


今まではネットで購入することをお勧めしていましたが、高齢者が多いことがネックでした。しかし、近所の100円ショップで購入できればこれに越したことはありません。


100円ショップなので常に商品があるわけではないのですが、それなりに規模の大きな店舗であれば100円+税でゲットできる可能性があります。


100円+税だったら効果が無くても痛手はありません。これからはネット購入ではなく、100円ショップに行くことを勧めてみようと思いました。





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オーストラリア理学療法協会のスポーツ理学療法士による実践的な教科書です。
治療的テーピングの概要を学ぶことができます。



 






勤務医のリモートワーク

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新型コロナウイルス感染症で働き方が少し変化しました。世の中では「リモートワーク」化の流れが加速していますが、医師ではどうでしょう?


多くの科において、医師の業務は患者さんと接する必要があります。したがって、本質的に医師とリモートワークは相容れないと思われます。


ただし、実務レベルでは「これって、もしかしてリモートワークかな?」と思うことがあったので話題提起させていただきます。




患者さん家族への病状説明


入院患者さんを受け持つ勤務医の業務のひとつに患者さん家族への説明があります。従来は、家族に来院してもらって直接面談していました。


しかし、昨今のコロナ禍で面会制限がかかっているため、家族に病室までお越しいただくことができません。このため、電話で病状説明する機会が劇的に増加しました。


実際に電話で病状説明しているとこちらも非常に楽です。医局で端末のモニターを見ながら電話で話すだけなのでダラケた姿勢で話していてもOKです(笑)。


しかも、電話交換手に家族へ電話してもらうだけなので、移動時間のロスが全くありません。敷居が低くなったので家族への説明機会も増え、評判の上々(?)です。




時間外患者さんの検査対応



時間外の患者さんを診察することは非常に時間的ロスになります。たった1名の患者さんのために外来まで赴き検査依頼して、しかも検査の待ち時間まであります。


しかし「患者さんとの接触機会減」の大義名分のもと、堂々と電話問診で検査依頼することができるようになりました。


これまでは患者さんも診ずに...という負い目がありましたが、コロナ禍対策における国を挙げての接触機会減の錦の旗の下ではOKな感覚になりました。


おかげで外来に 2度赴く時間や検査の待ち時間ロスが低減できたので、業務効率がかなり向上しました。こういうのも「リモートワーク」というのでしょうか???






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60歳台でも反応が悪ければ難聴を疑おう

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先日の外来で、60歳台の男性が右肩痛で初診されました。診察したところ、普通に肩関節周囲炎のようです。1週間前の発症なのでどんな治療法も選択できそうです。


治療方針として、

  1.  まずは消炎鎮痛剤で経過観察する
  2.  肩峰下滑液包注射を施行する
を提案しました。


治療方針の説明をし終わったあと、返答を訊こうと身構えていましたが、一向に答える素振りを見せません。おかしいな???インテリジェンスは低くなさそうなのですが...。


何度かうながして、ようやく消炎鎮痛剤で様子をみるという返答を得ました。診察終了後に外で次回受診等の説明をした看護師さんが「あの人は耳が悪いみたいです」と...。


えっ、そうなんだ...60歳台なので耳が悪い可能性を完全に失念していました。これが70歳台後半以降であれば、すぐにピンと来るはずです。


60歳台と言っても、見た目にそれなりのインテリジェンスがありそうな患者さんの反応がイマイチであれば、難聴の可能性があります。注意しなければいけませんね。






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