整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

外来診療の気付き

現病歴をまとめるのは意外と難しい

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私は腰痛持ちです。
ときどき軽い腰痛を自覚しますが、基本的には経過観察です。


ところが先日、いよいよ疼痛が増悪してきたため腰椎MRIを施行することにしました。軽くセルフ問診してみたところ、意外なほど現病歴の的を得ていないことに気付きました。


例えば、腰痛で受診した患者さんには「いつから痛いですか」「どの部位が痛いですか」「だんだん痛みがひどくなってきていますか」等をルーチンで聴取します。


外来では時間があまり無いので、これらの質問に対して「あーでもない、こーでもない
」という優柔不断(?)な患者さんには、正直に言ってイライラします。


しかし、イザ自分が答えようとすると、「えっ、いつから痛いかな???」「痛みの度合いは悪くなっているとも言い切れないないな・・・」と、かなり優柔不断です(笑)。


よく私は「痛いのは1ヵ月前からですか? 3ヵ月前からですか? 半年前からですか?」とマシンガンのようにまくしたてますが、自分の立場ではいつからか分からないです。。。


なるほど、患者さんの身になると、
現病歴をよどみなく教科書的に答えることはできないと考える方が自然なのかもしれません。







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自治医科大学准教授の星地先生の経験・知識を余すところなく収めたサブテキストです。定番と言われている教科書に記載されている内容は素直に信じてしまいがちですが、実臨床との”ズレ”を感じることがときどきあります。このような臨床家として感じる、「一体何が重要なのか」「何がわかっていないのか」「ツボは何なのか」を自らの経験に基づいて完結に述べられています。








                        

服で拭く(ふくでふく)

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外来診察で困ることのひとつに診察後の手洗いがあります。ベストの手洗い頻度は、患者さんの診察毎でしょう。


しかし、午前だけで30回以上も手洗いしていると、時間がもったいないし、手指が荒れてしまいます。何か良い手はないかな・・・


考えた結果、患者さんの服で拭くということを実践しています。例えば、Spurling testやJackson testを行う時には、患者さんの頭頂部から前額部を押さえる必要があります。


50~70歳台の男性では、この部分は皮脂でべっとりなりがちです。。。そこで、最初にSpurling testやJackson testを行い、その後に頚椎から肩背部の触診を行います。


頚椎から肩背部は衣服で覆われているので、指先についた患者さんの皮脂は、患者さん自身の衣服で綺麗に除去されます。


もともと患者さんの皮脂なので、患者さんの衣服に付着するのは、そんなに悪いことではないだろうという理屈です。


診察後、一目散に手洗いするのも何だか申し訳ないし、かと言ってそのままキーボードを触ると医療衛生上良くありません。


手洗い時間・患者さんの体面・自分の手指の荒れ防止のために、実践していますが、いかがなものでしょうか? もちろん、理想は診察毎の手洗いではありますが。。。





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急性期脳神経疾患の対応法

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高齢の患者さんを受け持っていると、ときどき入院中に脳梗塞を発症することがあります。これ、結構焦りますね。。。


このような場合、整形外科医としてどのように対応すればよいのでしょうか? 近くに神経内科医や脳神経外科医が居れば、即診察依頼で問題ないです。


しかし、常に専門医が居るわけではありません。小規模な場末病院や、中核病院であっても夜間帯には、専門医に相談できないこともあります。


そのような時のために、整形外科医であっても最低限知っておきたいことをまとめてみました。脳神経系疾患を疑えば、まず施行する検査は、頭部CTであることは論を俟ちません。


この時点で脳出血は診断できます。しかし、早期の脳梗塞は、頭部CTでは診断できません(少なくとも非専門医レベルでは)。このため、次に施行する検査は頭部MRIとなります。


脳神経外科医の先生にお伺いしたところ、頭部MRIの撮像法は下記の順番で施行するべきだと教えてもらいました。


  1.  拡散強調画像(Diffusion weighted image: DWI)
  2.  MRA
  3.  FLAIR(Fluid Attenuated Inversion Recovery)




① 拡散強調画像(DWI)

超急性期(約1時間)の脳梗塞でも描出可能です。位置決めから撮像終了まで約5分なので、救急の現場でも非常に有用です。


② MRA

閉塞血管の診断に用いるため、①DWIに引き続き撮像します。DWIは約7分で撮像が終了します。ここまでで、位置決めから約12分経過しています。


③ FLAIR

②MRAまでで終了しても良いのですが、FLAIRだけなら3分で完了するので撮像しておきましょう。くも膜下出血(SAH)の診断に有用です。ここまでの合計は約15分です。




急性期の脳神経疾患は、時間との戦いです。また、患者さんの状態も不安定なので、短時間でたくさんの情報を得ることができる検査を優先させる必要があります。



まとめ

脳神経疾患を疑えば、神経内科医もしくは脳神経外科医にコンタクトをとりながら、同時に下記検査依頼を行いましょう。救急のABCはもちろん最優先です!

  1.  頭部CT
  2.  頭部MRI(DWI → MRA → FLAIR)






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自ら実験台になりターニケット体験

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私は、できるだけ患者さんに苦痛を与えないことをモットーにしています。そんなの当たり前じゃないか! と怒られそうですね(笑)。


整形外科の手の外科領域の小手術には、腱鞘切開術や手根管開放術があります。私は、両手術とも局所麻酔+ターニケット無しで施行する場合が多いです。


しかし、手根管開放術で横靭帯の遠位端をしっかり切離できているかを確認する際に、ターニケット無しでは難しいことが時々あります。


このようなケースでは、あっさりターニケットを使用してサクッと終わった方が患者さんに与える苦痛は少ないのではないのか? と思うようになりました。


しかし、局所麻酔の手術でターニケットをすると結構苦痛を与えてしまいそうです。そこで、実際に自分で上肢のターニケットを巻いてみました。


結論的には10分ぐらいは余裕です。ターニケットを巻いている部分が少々痛いですが、心配していた虚血によるターニケットペインは10分ぐらいでは大丈夫でした。


これなら手根管開放術もあっさりターニケットを巻いた方が良さそうです。患者さんにもよりますが、安全・確実な手術のためには局所麻酔+ターニケットもアリだと思いました。


ただし、下肢のターニケットは話が別です。下肢はターニケット直後から文字通り「足の置き場がない」痛みと気持ち悪さに苛まれます。


下肢では局所麻酔下でターニケットを巻く機会はあまりないですが、上肢とは別モノと考えた方が良いと思います。






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手指の石灰沈着性腱炎

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先日、母指のCM関節痛が主訴の患者さんが初診されました。母指CM関節症だろうと思っていましたが、発症が急激で疼痛が高度であることが少しひかっかかりました。


単純X線像を確認すると、母指CM関節の関節裂隙は保たれています。あれ~おかしいなぁと思っていると、大菱形骨の横に丸いものがあります。



KIMG1853 - コピー



3秒ほど考えていると、これは母指CM関節症ではなく、長母指外転筋腱停止部に発症した石灰沈着性腱炎ではないか? という推論に至りました。


結晶性関節炎という可能性もありますが、部位と石灰の形状を考えると石灰沈着性腱炎である可能性の方が高いと考えます。かなり痛いようなので、消炎鎮痛剤を処方しました。


それにしても石灰沈着性腱炎はいろいろな部位にできるものです。私が今まで経験した石灰沈着性腱炎は、下記のごとくです。




大きな石灰化では存在感がありすぎて、逆にそれが石灰沈着であることを見落としてしまいがちです。このあたりが石灰沈着性腱炎のポイントではないかと考えています。





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