整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

救急

こむら返りは熱中症の可能性も!

このエントリーをはてなブックマークに追加


先日、大腿部こむら返りの患者さんを診察する機会がありました。この患者さんは大腿部のこむら返りを主訴に整形外科受診していました。


他院でロキソニンを処方されて帰宅したのですが、すぐにこむら返りが再燃して、こちらに受診しました。当初は整形外科疾患のようだったので、私が診察することになりました。


体を触ると熱かったので、こむら返りではなく熱中症だなとピンときました。体温を測ると、あんのじょう38度近くあります。


現病歴は、昨日のフットサル後から出現したこむら返りでしたが、数日間かけて進行する熱中症(熱けいれん)もあるようです。


内科医師が診ればすぐに熱中症だと気付くかもしれませんが、整形外科医では「こむら返り=熱中症の可能性」という思考回路が出来ていない人が多い印象です。



ロキソニンで様子みましょうと言って帰してしまうと大変なことになってしまいます。整形外科医と言えども熱中症患者を診る可能性はあります。


夏真っ盛りの今の季節は、私たち整形外科医も熱中症のことをアタマの片隅に置いておく必要があると感じました。






★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★

 
初学者が整形外科の外来や救急業務を遂行するにあたり、最もお勧めの書籍です


    



急性血管閉塞にはマイルドなタイプも!

このエントリーをはてなブックマークに追加


先日の外来で、70歳台の方が左下肢痛・しびれで初診されました。なんでも自動車を運転していた際に、突然左下肢に疼痛としびれが発症したとのことです。


一応、独歩で入室してきたのですが、問診票の「1時間前から」という記載にくぎ付けになりました。このような突然の発症はロクなことがありません。


整形外科医として、まず考えることは下肢痛・しびれが血管性か否かということです。今回の患者さんは下肢といっても臀部からの疼痛・しびれでした。


それなら腰椎由来の可能性が高いと思うところですが、ソックスを脱いでもらって両足を比較すると、明らかな左足が蒼白です。足背動脈も左側は触知できません。


コレはまずいなということで循環器内科に紹介すると、すぐに造影CTが施行されて左大腿動脈の急性血管閉塞という診断がつきました。


以前にも急性大腿動脈閉塞を経験しましたが、その症例は七転八倒の疼痛で尋常じゃない病態であることが一目瞭然でした。しかし、今回は曲がりなりにも歩行可能でした...


緊急で血栓除去術を行うとのことですぐに転院されましたが、ちんたらやっていたら危なかったのでゾッとしました。


「急性血管閉塞=七転八倒の症例ばかりではない」という経験を積ませていただきました。やっぱり臨床はコワいですね。







★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★

 
初学者が整形外科の外来や救急業務を遂行するにあたり、最もお勧めの書籍です


    



閉鎖孔ヘルニアを見た!

このエントリーをはてなブックマークに追加

先日、突然の左股関節部痛を主訴に80歳台の高齢女性が初診されました。そこそこの認知症があるため転倒の既往の有無は不明です。


この時点で、整形外科医ならほぼ大腿骨近位部骨折を疑うことでしょう。臨床的にはその判断で9割以上間違いではありません。


しかし、今回の症例では単純X線像では明らかな骨折をみとめませんでした。フフッ、それなら関節内血腫の確認だ! と CTを施行しましたが、どうやら血種が無いようです。



3 - コピー



この所見ではMRIを撮像しても大腿骨近位部骨折の可能性は低そうだな・・・と判断しました。しかし、認知症がある割には尋常ではない痛がりようです。


気持ち悪かったので、とりあえず入院してもらうことにしました。入院時検査では血液生化学検査も正常範囲内です。


まぁ、しばらく様子をみようと思っていると、同僚の整形外科医から「ヘルニアがある!」と指摘を受けました。


ヘルニア??? よ~く見ると、CTの恥坐骨の間の閉鎖孔よりやや表層に、エアを伴った楕円状の腸管影を認めるではありませんか!!!


外科医にコンサルトすると、たしかにコレは閉鎖孔ヘルニアとのことでした。骨盤CTを撮像すると、骨条件より分かりにくいですが閉鎖孔ヘルニアでした。



2 - コピー




鼠経ヘルニアは比較的よくみかけますが、閉鎖孔ヘルニアは初めてです。どおりで痛いはずです。認知症の方が、安静時にまでメチャメチャ痛がるのは尋常ではありません。


よく、こんなモノをみつけたなと、同僚医師に関心しました。ちなみにCPKは正常範囲内でした。発症間もないので動きがなかったのでしょう。


明朝まで放置していたら、腸管壊死に至っていた可能性が高いです。それにしても思わぬところに落とし穴があるものです。






★★ 医学知見探求サービス ★★


医学知見を医師ユーザー同士で発信・共有するコミュ二ティに参加しませんか? 

quotomy - コピー


「医師と医学知見との出会いを再定義する」 Quotomy(クオトミー)は、臨床現場で働いていると個人で医学知見をキャッチアップすることが難しい、という臨床医の切実な痛みから誕生しました。


忙しい日常の中で、医学知見を得たり、発信したりすることが難しくなっています。 時間的・地理的制約のために、学会や勉強会への参加もできない環境で働く医師もいます。


知への探求を諦めていませんか?


抄読会をする感覚で、Quotomyで論文を読んだ感想や気づきをシェアしましょう! お気に入りのユーザー同士はフォローでき、お互いのアクションを確認できます。


Quotomyは現在ユーザー登録受付中です!
登録は こちら からお願いします。



アナフィラキシーの初期対応

このエントリーをはてなブックマークに追加

日本医師会から送られてきた資料の中に、注射剤によるアナフィラキシーにかかる死亡事例の分析 という小冊子がありました。以下要約します。




【アナフィラキシーの認識】
アナフィラキシーはあらゆる薬剤で発症の可能性があり、複数回、安全に使用できた薬剤でも発症し得ることを認識する。


【薬剤使用時の観察】
造影剤、抗菌薬、筋弛緩薬等のアナフィラキシー発症の危険性が高い薬剤を静脈内注射で使用する際は、少なくとも薬剤投与開始時より5分間は注意深く患者を観察する。


【症状の把握とアドレナリンの準備】
薬剤投与後に皮膚症状に限らず患者の容態が変化した場合は、確定診断を待たずにアナフィラキシーを疑い、直ちに薬剤投与を中止し、アドレナリン 0.3 mg(成人)を準備する。


【アドレナリンの筋肉内注射】
アナフィラキシーを疑った場合は、ためらわずにアドレナリン標準量 0.3 mg(成人)を大腿前外側部に筋肉内注射する。


【アドレナリンの配備、指示・連絡体制】
アナフィラキシー発症の危険性が高い薬剤を使用する場所には、アドレナリンを配備し、速やかに筋肉内注射できるように指示・連絡体制を整備する。


【アレルギー情報の把握・共有】
薬剤アレルギー情報を把握し、その情報を多職種間で共有できるようなシステムの構築・運用に努める。




アナフィラキシーショックに遭遇する可能性は誰でもあるため、上記の6つの提言はしっかり覚えておく必要があります。


最後に、小冊子に記載されていたアナフィラキシーショックの初期対応が記載された図を転載しました。普段から体が自然に動くように理解しておきたいものです。




555 - コピー


医療事故の再発防止に向けた提言 第3号 より転載






★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★


 
一般的で使用頻度の高い、鎮痛薬・睡眠剤・感冒薬・胃薬・止痢薬・去痰薬・便秘薬等の薬剤が、全13章にわたって系統立てて書かれています。それぞれの章の最初に、薬剤の分類図が記載されています。各系統間の薬剤の使い分けも平易な文章で書かれており実践的な書籍です。









姉妹本に『類似薬の使い分け』があります。こちらは全15章からなり、降圧剤、抗不整脈薬、狭心症治療薬、脂質異常症治療薬、糖尿病治療薬、消化性潰瘍治療薬、鎮咳薬、皮膚科疾患治療薬、抗菌薬などが1章ずつ割り当てられています。








医療者としてのテロへの対応法 その2

このエントリーをはてなブックマークに追加


先日の東京医科歯科大学 救急災害医学分野の大友康裕教授による、テロへの対応 ― 爆傷外傷を中心に のつづきです。




爆傷患者受け入れ上の注意点

近隣で爆弾テロが発生し、多くの爆傷外傷患者を収容することになった場合、受け入れ医療 機関として認識しておくべき点は下記のごとくです。


1. 現場トリアージは正しく判定できない

2. 現場の危険性を考慮して、搬送受け入れは即決回答する

意図的なテロの場合、ほとんどの事例で第2、第3の爆弾が仕掛けられています。現場は非常に危険な状況となっており、現場への滞在時間の延長は2次被害のリスクを増大させます。


3. 放射線検知を忘れない

爆弾に放射性物質を混ぜ込んだDirty Bomb の可能性を常に念頭に置いておきましょう。爆弾テロ現場からの患者を診療する前に、かぶった粉塵の放射線検知を実施します。


放射性物質の有無にかかわらず、粉塵の吸入自体にも長期的な呼吸器障害が報告されているので、爆傷患者を診察する際にはN95マスク を装着しましょう。


4. 初めに受診する軽症例に忙殺されない

海外の報告では、爆弾テロ発生後に近くの救急医療機関を最初に受診する患者は、自力移動可能な軽症者で、それは発災10~15分後と非常に早いです。


気が付いたら救急外来に大量の軽症患者が待っている状況となります。軽症患者の診療に忙殺されていると、その後に重症例が搬送されてきます。


初期の軽症例に医療資源をすべて費やすことなく、その後来るであろう重症患者の受け入れ体制を整えておく必要があります。


5. 病院のセキュリティを確保する

医療機関はテロのターゲットとなります。このため「病院が狙われる」ということを念頭に置 いておくことが必要であります。





★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★

 
初学者が整形外科の外来や救急業務を遂行するにあたり、最もお勧めの書籍です


    



アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

医療研究を身近な存在とし、医療の未来を作る


管理人の著書

161228 【書影】医師の経済的自由
管理人によるケアネット連載コラム
log_carenet

医師のためのお金の話

管理人による m3.com 連載コラム
管理人も参加しているオンラインサロン
勤務医のための資産形成マニュアル
築古木造戸建投資マニュアル

医師のための築古木造戸建投資マニュアル 1
REITで実践する不動産投資セミナー
190122
医師のための 金融資産形成術


配送無料! 医学書 購入サイト
プロフィール

自由気ままな整形外科医

・医学博士
・日本整形外科学会専門医
・日本リウマチ学会専門医
・不動産投資家
・超長期金融資産投資家
・ビジネスオーナー
・宅地建物取引主任士

QRコード
QRコード
記事検索
メッセージ
免責事項
免責事項に関して明示することで、当ブログの利用者は以下の事項に同意した上で利用しているものと考えます。 ここに書かれる意見には管理者のバイアスがかかっています。 利用者が当ブログに掲載されている情報を利用した際に生じた損害等について、当ブログの管理者は一切の責任を負いません。 また、当ブログの情報は、あくまでも目安としてご利用いただくものであり、医療行為は自己責任で行ってください。 また、当ブログは医療関係者を対象にしています。それ以外の方が、当ブログの情報から自己判断することは極めて危険な行為です。 必ず医療機関を受診して専門医の診察を受けてください。 当ブログの内容は、予告なしに内容を変更する場合があります。