整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

手技

陳旧性(?)小児肘内障には要注意!


先日、近所の整形外科開業医から2歳児の診察依頼がありました。
前日、父親に左手を引っ張られてから動かさなくなったとのことです。


そして、当日の午前にその整形外科開業医を受診したのですが、肘内障の整復操作をしてもはっきりとした整復感を得ることができなかったようです。


当院初診時に、患児はある程度左肘を動かしていますが、まだ痛みが残存しているようです。両肘関節に視診上での差異が無いことを確認した上で、小児肘内障の整復操作を施行しました。


何度か繰り返すと、ようやく鈍いクリックを触知しましたがいつもと様子が違います。う~ん、何かおかしい・・・。念のため、もう少し継続すると今度は比較的はっきりしたクリックを触知しました。



城東整形外科の皆川先生の論文にもありましたが、一度肘内障を発症すると輪状靭帯や周囲の軟部組織が腫脹するそうです。


数時間以内に整復されている通常例でも軟部組織が腫脹するぐらいなので、1日経過したものでは相当輪状靭帯周囲が腫脹しているものと推察されます。


このためなかなか輪状靭帯が整復されず、整復操作も一度で完全には成功しなかったのでしょう。診断も含めて1日以上経過している小児肘内障は要注意だなと感じました。




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外国人患者の対応はGoogle翻訳で!


最近、外国人ツーリストの時間外受診の問い合わせが多いです。
宿泊先のホテルからの電話で、夕方以降に多い印象です。


従来は欧米系の旅行者がメインだったのですが、最近ではアジア圏からの旅行者が多くなってきました。彼らの問題点は、日本語も英語も分からない方が多いことです。


ホテルからの問合せの場合、通訳が付かないことがほとんどです。日本語はもちろんのこと、英語もカタコトしか話せない旅行者の対応は、非常に時間がかかってしまいます。


忙しい臨床業務の合間に、そのような外国人旅行者の対応は勘弁してほしいのが本音です。しかし、ひょんなことから言語の問題は簡単に解決できることに気付きました。


それは、Google翻訳を使うことです。2年ほど前までは、まだまだ実用に耐えることのできない、お粗末な翻訳機能しかありませんでしたが、最近では実用に耐えうるレベルに向上しています。


このことに気付いたのは、私が所有・運営している宿泊施設での外国人スタッフとのやりとりの際でした。私は、Facebookの「秘密のグループ」上でスモールビジネスを運用しています。




555 - コピー




上記は、チェックイン時にカードリーダーのトラブルが発生した際の、外国人留学生スタッフと私との間で交わされたやりとりです。このケースで、私はGoogle翻訳を用いて対応しました。



オンラインのチャットで協議する際には、日本語であっても文章を推敲しながら慎重に進めていく必要があります。状況を正確に把握して、論理的に協議する必要があるのです。


しかし、私程度の語学力(TOEIC 740点)では、自分の知っている英語の型に当てはめてしまうため、伝えたいことの核心がぼやけてしまいます。


日本語で考えた論理的思考を正確に伝える手段として、Google翻訳が威力を発揮しました。この経験から、外来のモバイル環境を整備することで、外国人対応が可能なことに気付いたのです。


Wi-Fiが使用できれば、外国人旅行者のスマートフォン端末のGoogle翻訳+音声入力機能で、容易にコミュニケーションをとることができます。これは結構使えるTIPSだと思いませんか?


※ もちろん、医療機関サイドで端末を準備しておくとスムーズだと思います。




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静脈可視装置AccuVeinは有用なのか?


静脈ルートの確保は、医師として習得するべき基本的手技です。
しかし、ときどき前腕に全くルート確保できなさそうな患者さんを散見します。


できれば橈骨茎状突起部でのルート確保は、橈骨神経浅枝損傷を回避するためにも避けたい・・・。このようなケースではAccuVeinという器械があることを同僚に教わりました。



キャプチャ - コピー



Acuveinは、酸素と解離した還元ヘモグロビンを指標として、赤外線と可視光によって体表面から非接触に皮静脈を非接触に可視化します。 これはビジュアルインパクト大ですね!


緊急時、小児、非常に血管が触知しにくい患者さんのルート確保に役立ちそうです。しかし、1台の年間レンタル料は270756円もかかるようです。では、実際にどの程度有用なのでしょうか?


PubMedでAccuveinを検索すると、9本の論文がヒットしました。最も新しい下記の論文のAbstractを読むと、結果はイマイチだったようです。


Peripheral intravenous cannulation with support of infrared laser vein viewing system in a pre-operation setting in pediatric patients.
Rothbart A, Yu P, Müller-Lobeck L, Spies CD, Wernecke KD, Nachtigall I. BMC Res Notes. 2015 Sep 21;8:463. doi: 10.1186/s13104-015-1431-2. 



CONCLUSIONS: In our study we were not able to reduce neither time nor number of attempts until a successful venous cannulation in children using the vein viewer. Given certain limitations of our study as the lack of randomization and no control for inter-operator variability, the conclusions drawn from it are also limited, but by our results laser-supported cannulation cannot be recommended for standard procedures.



最後にはっきりと、スタンダードとしてはお勧めできないと書いてあります。まぁ、考えてみれば結構はっきり見えている血管であっても、血管壁が脆い方のルート確保は容易ではありません。


つまり、いくら血管がはっきりみえても、ルート確保を成功に導く要素はそれだけではないのです。もう少し安価であれば、導入する価値があるのかもしれませんが・・・。





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消毒はヒビテンではなくイソジンで


外来では日常的に膝関節注射を施行しています。
私の場合、待ち時間短縮のために、両膝であれば座位のままFT関節外側から刺入します。


両膝の関節注射では、消毒液の殺菌効果を高めるために両膝を同時に消毒しています。消毒液の殺菌能力が最大限発揮されるには、塗布後数分を要するからです。


さて、先日のことですが何気なく消毒しようとすると、イソジンではなくヒビテンが出てきました。ぼんやりしていたので、皮膚に塗布するまで気付きませんでした(苦笑)。


殺菌能力はイソジンと同等だから問題ないかと思いましたが、これが大きな間違いでした。最初の右膝の関節注射の際には特に問題ありませんでした。


しかし、左膝の関節注射をしようとして、はたと手が止まってしまいました。左膝のどこを消毒したのか分からなくなったのです・・・。


斜めから見てどこかにヒビテンの残像がないかなと探しましたが、はっきりと自信をもって、ココを消毒しました!という確証を持てないのです。


結局、もう一度イソジンで消毒しなおす羽目になってしまいました。ああっ、時間のロスです。関節注射の時には、色が付いているイソジンの方が便利であることを初めて認識しました。


些細なことですが、関節注射や手術の際にヒビテンではなくイソジンが頻用される理由がようやく分かった気がします。やはり、色って重要なのですね。




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U字スプリントの修理は難しい?!


先日、腓骨遠位端裂離骨折の患者さんを診察しました。
私は足関節周囲の外傷ではU字スプリントを使用しています。


今回の方も例に漏れずU字スプリントなのですが、小柄な方のため通常のシーネでは少し幅が広すぎたようです。このため、前方部分が折り返されて下腿前方に当たって痛いとのことでした。


シーネの端が当たって痛い時には、私はこちらで紹介したようにペンチを用いてギプスシーネの角の部分を折るだけで済ましています。 


以前はギプスカッターで角取りしていましたが、粉が飛散するし時間もかかります。フェルトパッド部をめくって、ファイバーグラス部をペンチで折る方法がベストだと思います。



フェルトパッドを剥がすのが面倒なら、フェルトパッド越しにファイバーグラスを折ってもよいでしょう。 これだけでも十分に目的を達成できます。


ただし、今回の方では少し苦戦しました。 シーネの前方部分が折り返されていたため、ファイバーグラスがなかなか折れなかったのです・・・


ファイバーグラス1枚だけなら難なく折れるのですが、 折り返されて2枚になるとなかなか折れないのです。毛利元就の「3矢の教え」を地で行っています(笑)。


苦労して何とか折りましたが、今回に関しては正直言ってギプスカッターの方が楽だったと思います。U字スプリントの意外な落とし穴かもしれません。 





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