整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

手技

電子タバコの益害を考える

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骨折治療を行う上で、喫煙習慣はやっかいなモノのひとつです。ヘビースモーカーは本当に骨癒合しない・・・ 


先日、やや骨癒合が不良な骨折治療中の患者さんから、電子タバコ(Electronic Cigarette; EC)はどうなんでしょう? という質問がありました。


私は喫煙者ではないのでECを全く知りませんでした。そこでECについて少し調べてみました。まず、ECの目的は下記2点です。

  1.  ニコチンとタールの人体への暴露量を減らす
  2.  喫煙を放棄させる


①に関しては、従来の燃焼タバコと比べて人体への悪影響は明らかに減っています。タバコの害悪は主にニコチンとタールに起因しますが、ECにより両者とも暴露量を減らせます。


ニコチンへの暴露量を劇的に減らすことが可能なので、(表面的には)骨癒合への悪影響は従来の燃焼タバコよりも少なそうですね。


しかし、ECで使用するe液中の添加物と香味料には有毒なものが含まれており、これについての検討は十分とは言えません。


ニコチンやタールの暴露量低減には明らかな効果がありますが、これをもってECは安全とは言い切れない問題があるのです。


②に関しては、ECはニコチン置換療法の一環を担う方法として、タバコ喫煙を放棄させる器具として期待されています。しかし、12%程度しか効果を期待できないそうです。


一方、未成年者の安易なEC使用が本格的なタバコ喫煙を誘発する可能性が指摘されており、この問題は今後検討していく必要があります。


最近のトピックスとしては、英国では2015年から全喫煙者に従来の燃焼タバコを止めてECを始めるキャンペーンを開始したことが挙げられます。


この決定には賛否両論がありますが、禁煙の成否は喫煙者の精神力次第という多数の研究結果から、ECで喫煙者の健康被害を最小限に食い止めようとする興味深い試みです。


結果が出るのはずいぶん先のことになりそうですが、禁煙は無理だから、せめてECで健康被害を最小限に食い止めようという考え方が正しいのか否かの結果が俟たれます。







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素晴らしい! 創傷処置ガイドライン

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2017年7月に日本皮膚科学会から、創傷・褥瘡・熱傷ガイドライン第2版が公表されました。このガイドラインは、無料ダウンロードできます。


  1.  創傷・褥瘡・熱傷ガイドライン 創傷一般
  2.  創傷・褥瘡・熱傷ガイドライン 褥瘡
  3.  創傷・褥瘡・熱傷ガイドライン 糖尿病性潰瘍・壊疽
  4.  創傷・褥瘡・熱傷ガイドライン 膠原病・血管炎にともなう皮膚潰瘍
  5.  創傷・褥瘡・熱傷ガイドライン 下腿潰瘍・下肢静脈瘤
  6.  創傷・褥瘡・熱傷ガイドライン 熱傷


今回のガイドラインは「創傷一般」「褥瘡」「糖尿病性潰瘍・壊疽」「膠原病・血管炎にともなう皮膚潰瘍」「下腿潰瘍・下肢静脈瘤」「熱傷」の6つで構成されています。


私たちの日常診療で最もお世話になるのは創傷一般ガイドラインです。このガイドラインの中で、私が目についた点は下記のごとくです。

  • 動脈性血流障害の創傷では、創部を乾燥させるDry gangrene化を図るケースがある
  • 過剰な肉芽を収縮させる目的で副腎皮質ステロイド外用薬を短期間使用することもある
  • 褥瘡では、洗浄剤で創周囲皮膚を洗浄した方が治癒期間を短縮できる
  • 糖尿病や末梢動脈疾患に伴う下腿潰瘍では足浴よりシャワー浴の方が患肢の予後が良い
  • 広く抗菌作用を有して耐性菌の発生が稀な銀含有ドレッシング材(ハイドロサイト等)が有用


嬉しい点は、商品名を併記している表があることです。巻末ではなく途中に記載されていることが残念ですが、いずれにせよ創傷処置の道しるべになるガイドラインだと思います。







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犬咬創の初療はどうする?

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先日、犬に咬まれた患者さんが初診されました。
飼い犬にやられたそうで、狂犬病の予防接種は受けているとのこです。


ちょうど手背に径5mm程度の咬創がありました。神経・腱損傷はなさそうなので、純粋に犬咬創の治療がメインとなります。


このような垂直型の咬創の場合には、内部に細菌の培地が形成されやすいです。サーフロー等をもちいて咬創内部を洗浄しても、全ての細菌を除去することは不可能です。


このため、いかにして内部が細菌の培地化しないようにするのかがポイントになります。この目的達成のためには、洗浄よりもドレナージが推奨されます。


しかし、径5mmほどの咬創ではドレーン留置やタンポン挿入は不可能です。このような場合には、こちらのようなナイロン糸でのドレナージが有効です。


この手法を知ってからは、ほぼ全例に近いほど咬創の患者さんに対して施行しています。一度、咬創に感染を併発すると治療に難渋しがちです。


転ばぬ先の杖ではないですが、動物の咬創の場合には、ナイロン糸による簡便で安価なドレナージ法を実践することを強くお勧めします。





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術中使用した尖刃の有効利用法

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先日、術後に興味深い風景を拝見しました。
整形外科の四肢手術ではストッキネットを使用します。


術後は直剪でバサバサ切ることが多いですが、結構分厚くてストレスフルです。靴下のように脱がすことも可能ですが、包帯がまくれたり、イソジンが付着してしまいます。


重大な問題ではないことと、術直後にしかストレスを感じないので長年放置していました。しかし先日の手術で、ストッキネットを使用済みの尖刃で切っている風景を見ました。


体表側から天井に向かってサクサクと切ることにより、ストレスなくストッキネットを除去できました。う~ん、これはウマい工夫です。


術中に使用済みの尖刃なので、特に新たな費用発生はないです。問題点は少し危ないことですが、これも気を付けていれば大丈夫です。


ちなみに尖刃で切るのはストッキネット根元のクルクル丸まっている部位のみでOKです。ここさえ切れれば、後は直剪で切る方が安全で楽だからです。





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謝意はできるだけ皆の前で!

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先日、話題にした 院内のよくある風景:各科の確執 の続編です。
各科の確執があると日常診療でロクなことがありません。


医師個人が嫌な思いをするだけでなく、患者さんやコメディカルまで不利益を被ります。このため、良い人間関係を築きたいものです。前回のエントリーでは下記3点を挙げました。


  1.  他科医師からの依頼にはできるだけ誠意をもって対応する 
  2.  こちらからお願いするときには、必ず直接状況を説明して頭を下げてお願いする 
  3.  廊下ですれ違えば、常に挨拶をする 




そして、上記に加えて上手に「謝意を伝える」ことも重要です。謝意は自分の心の中にしまっておくべきものではありません。上手に相手に伝えてこそ価値が発揮されます。


私が常に心掛けているのは、感謝の気持ちを抱いたら、できるだけその気持ちを効果的に相手に伝えることです。


そして、最大限効果を発揮するのは、大勢の医師やコメディカルの前で謝意を伝えることです。ギャラリーが多ければ多いほど、より効果的です。


シャイな人は、廊下ですれ違いざまに謝意を伝えるのがやっとかもしれません。しかし、せっかく謝意を伝えるのであれば、大勢の前で伝える方が明らかに効果的です。


逆の立場を考えてください。大勢のコメディカルの前で謝意を伝えられることほど気持ち良くなる場面は、そうそう無いことが容易に想像できると思います。


そして、コメディカルに対しても医師同士の人間関係が良好であることをアピールできるので一石二鳥です。最初は恥ずかしいかもしれませんが、実行することを強くお勧めします。





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