整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

手技

マイナー神経の神経伝導速度は難しい?

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先日、下腿の圧挫による末梢神経障害の症例を診察する機会がありました。受傷後半年ほどなのですが、足背にしびれ感が残存しています。


労災事故がらみだったので、客観的な末梢神経障害についての証明を求められました。足背のしびれている部位を確認すると、どうやら浅腓骨神経領域のようです。


足関節より 2㎝ほど中枢測で tinel like signも認めます。それなら、神経伝導速度で浅腓骨神経損傷を確認できるなと思いましたが、どうやらそうは問屋が卸さないようです。


浅腓骨神経の神経伝導速度など測定したことが無いので、技師さんに確認してみました。浅腓骨神経では刺激点を下腿前方の末梢1/3の部位、導出部位を第3~4足趾基部にとります。


同じ下腿から足部の知覚神経である腓腹神経ではしっかり導出されるようですが、浅腓骨神経では振幅が小さいようでなかなか難しいとのことでした。


安易に測定できます!と言わないで良かった...。整形外科医は単に解剖の知識があるだけなので、このあたりの実践的なノウハウは、技師さんに確認する必要がありそうですね。





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広島大学名誉教授の津下先生による、手の外科における必須の医学書です。特に、「私の手の外科」は津下先生直筆のイラストが豊富で、非常に分かりやすく実践的な医学書です。


 







自分のスキルアップ vs チームビルディング

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整形外科の場合、だいたい卒後10~15年ぐらいすると医師としての力量はひとつのプラトーに達することが多いと思います。


もちろん、その人が置かれている環境でかなり差はありますが、ある一定のレベル以上は環境よりも才能に依るところが大きいことが原因だと感じています。


同じだけハードワークしても自分の力量が上がらなくなったとき、人はどのように感じるのか? 私の場合は医師としてのブラッシュアップに対する情熱が薄れた気がします...。


このようなことを公にすると各方面からお叱りを受けそうですが、決して医師として怠け者になったわけではありません。


興味の対象が個人のスキルアップからチームビルディングに変化したと感じています。上級医師のトップダウンですべてを決める方式からの(ある程度の)転換です


もちろん、自分がプレーイングマネージャーとして動くことが短期的には最も効率良く間違いがありません。しかし、それではいつまで経っても ×1にしかなりません。


一方、下級医師やパラメディカルの実力を底上げすると、レバレッジをかけることが可能です。つまり、×1が  ×3~5になるイメージです。


その際に重要なことは「何度も同じことを指摘する
」だと思います。1回言っただけで理解してもらおうとすると必ず失敗します。私は10回ぐらい同じことを言い続けます。


明らかに短期的には自分でやった方が早いのですが、最終到達点を高く設定するならチームビルディングは避けては通れないと考えています。


自分の技量をアップする vs 他の医師に(おいしい?)仕事を譲るであれば、最近の私は後者の選択肢を採りがちです。もしかしたら本当に怠けているだけかもしれませんが(笑)。







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爪外傷はアロンアルファで「瞬間的」に治す

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先日、久し振りに足趾の爪外傷の患者さんの治療を行いました。母趾末節骨開放骨折に併発しており、足趾の爪は中枢側と末梢側で割れていました。


周知のように、爪はシーネのような役割を果たします。したがって、爪が割れていても、可能なかぎり抜爪しない方が骨癒合率も高まり、患者さんのADLも向上します。


このような爪外傷を治療する機会は、整形外科医よりも救急科や外科の医師の方が多いかもしれません。そしてありがちなのは爪を抜爪してしまうことです。


爪が無いと末節骨の偽関節化率が高まり、また爪変形もきたしやすくなります。このような症例では、私は爪をアロンアルファなどの瞬間接着剤で割れた爪表面を修復しています。


 
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(ファミリー薬局から抜粋)



爪甲が爪床から剥がれていない場合、アロンアルファなどの瞬間接着剤で割れた爪表面を修復すると、あっという間に爪が「治るのです。


爪甲が爪床から剥がれている場合であっても、できるだけ抜爪しません。剥がれかかった爪を周囲に縫合した後、アロンアルファで爪甲の修復を行います。


手の爪は1日あたり約 0.1mm伸びます。つまり1ヵ月で約 3mmしか伸びません。このため抜爪すると完全に生え変わるのに約 3~6ヵ月も掛かります。


更に、足趾では1年近く掛かってしまうのです。その間爪が無い生活を送らなければいけないので、患者さんのADL上も快適とは言い難い状況になります。


具体的な手法は下記のごとくです。
  1. 割れた爪同士をぴったり合わせる。
  2. 2つの爪の間から血液もしくは淡血清の滲出液が爪表面に漏出するので、ガーゼ等でふき取って爪甲表面を乾いた状態にする
  3. 瞬間接着剤を爪が割れている部分に塗布する
  4. 瞬間接着剤が固まるまで数分間は爪をぴったり合わせたまま圧迫力を加え続ける


ピットフォールは、①瞬間接着剤が固まるまで数分間かかること ②塗布する瞬間接着剤の量が多いと爪郭にこぼれたり固着するのに時間がかかるので少なめにすること です。






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治療系運動器エコーの書籍教えてください!

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先日、日整会誌94:445-446 2020に掲載されていた、
城東整形外科の皆川洋至先生による「運動器エコーによる整形外科診療革命」序文を拝読しました。


いつもの日整会誌の雰囲気ではなく、小説っぽい雰囲気で興味深かったです。情熱的に書かれているので、思わず運動器エコーへの興味を掻き立てられました。



医師国家試験に登場する変形性関節症や変形性脊椎症は,日常診療で数多く遭遇する。しかし、変形があっても全く痛くない人は数多く存在する. 痛くて受診した患者たちの痛みが消えても、変形自体が変わらない事実を大半の整形外科医が気付いている。しかし、視覚化s された変形以外に患者を納得させる手段がない。病態に合わせた治療が重要なことは知っている。しかし、実際には診断が違っても治療は一緒、「はい、痛み止め NSAIDs」。急性期に NSAIDsが効果を発揮しても、慢性痛には効かない。NSAIDs の1カ月投与が打つ手のない医師の悲痛な叫び声に聞こえる。リリカ、弱オピオイドのトラムセットが医者を救う、患者ではない。副作用たっぷりの薬を平気で漫然投与、増量投与すること自体が保存治療の行き詰まりを物語る。画像に異常があれば異常所見を病名とし、異常所見がなければ病歴を病名とする。病態を無視した病名が治療に役立つことはない。打つ手なく暗闇をさまよっていた医師に、かすかな明かりを灯したのが超音波ガイド下注射だった。保存治療革命の始まりである。



う~ん、なかなかウマいことおっしゃられています。たしかにNSAIDsで効果の無い症例はプレガバリンや弱オピオイドしか手がありません。保存治療のレパートリーは少ないです。


今回の序文を拝読して、超音波ガイド下のハイドロリリースの必要性を感じました。そこで Amazonで書籍を検索しましたが、あり過ぎて分かりません...。


ハイドロリリースや治療系の運動器エコーでお勧めの書籍があれば、是非教えていただきたいと思います。おススメ書籍があればコメントしてもらえれば助かります!






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新型コロナ感染症で手荒れ問題が解決

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新型コロナウイルス感染症対策で日常診療の風景も一変しました。以前は、マスクをすることに抵抗感のあった医師も多かったですが、今ではマスク装着は常識です。


これ以外にも、

  1. 外来中にゴーグルをかける
  2. 外来中は手袋を常用する
ということも浸透してきました。


①に関しては、ゴーグルが曇ったり、モニターで画像閲覧するときに細部が分かりにくいので私はあまり実施していませんが、②手袋に関してはいつも装着するようになりました。


以前から、頚椎の診察で Spurling testを実施する際に、患者さんの頭を触るので手指がベトベトになることが問題でした。頻回に手洗いすることになり、手指荒れがひどくなります。


手洗いの回数を減らすために、Spurling testを実施して、その後に頚部の触診をすることで、油成分を患者さんの服で拭くという姑息な手段を弄していました(苦笑)。


しかし、外来中に手袋を常用するようになって、この問題は一気に解決しました。手袋を装着しているので、何度でも手荒れを気にせず手洗いできるからです。


以前は、外来中に手袋をしてキーボードを叩くのは「変な人」っぽいイメージでしたが、新型コロナウイルス感染症で市民権を得た気がします。この点は新型コロナの効用ですね。







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