整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

手技

疼痛の少ない手指麻酔

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m3.comの臨床ニュースで興味深い記事がありました。
指切創処置に疼痛少ない局麻のコツ【JAAM 2017】です。




佐賀大学病院整形外科准教授の園畑素樹氏らが考案した皮線上皮下1回刺入神経ブロック法であれば、指の付け根辺りをつまみ上げて皮線上の皮下に局所麻酔薬を注入すれば効果は腱鞘内ブロック法と変わらないため、さらに疼痛の少ない方法で麻酔が行えるとの見解を示した


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私は、腱鞘内ブロック法を愛用していますが、園畑先生の手法は目からうろこでした。この手法では腱鞘内に注入する必要さえなさそうです。


私は、腱鞘内ブロック法ではバネ指で腱鞘内注射を施行する際に準じて、A1 pulleyに注射していました。よく考えたらA1 pulleyに注射する必要はないんですね。勉強になりました!





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服で拭く(ふくでふく)

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外来診察で困ることのひとつに診察後の手洗いがあります。ベストの手洗い頻度は、患者さんの診察毎でしょう。


しかし、午前だけで30回以上も手洗いしていると、時間がもったいないし、手指が荒れてしまいます。何か良い手はないかな・・・


考えた結果、患者さんの服で拭くということを実践しています。例えば、Spurling testやJackson testを行う時には、患者さんの頭頂部から前額部を押さえる必要があります。


50~70歳台の男性では、この部分は皮脂でべっとりなりがちです。。。そこで、最初にSpurling testやJackson testを行い、その後に頚椎から肩背部の触診を行います。


頚椎から肩背部は衣服で覆われているので、指先についた患者さんの皮脂は、患者さん自身の衣服で綺麗に除去されます。


もともと患者さんの皮脂なので、患者さんの衣服に付着するのは、そんなに悪いことではないだろうという理屈です。


診察後、一目散に手洗いするのも何だか申し訳ないし、かと言ってそのままキーボードを触ると医療衛生上良くありません。


手洗い時間・患者さんの体面・自分の手指の荒れ防止のために、実践していますが、いかがなものでしょうか? もちろん、理想は診察毎の手洗いではありますが。。。





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ノットフリー縫合糸の比較

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THAやTKAの筋膜縫合時にノットフリー縫合糸を使用する施設は多いと思います。現状ではV-LocとSTRATAFIXを選択できますが、どちらを選べばよいのでしょうか。



Vloc - コピー



V-Loc


V-Locは2009年に米国で発売開始された元祖ノットフリー縫合糸です。V-Locの登場で閉創時間が短縮されるようになり世界的に流行しました。V-Locは、棘が片方のみです。







2 - コピー


STRATAFIX


こちらは2017年発売開始の後発ですが、モノフィラメントによる感染性低減を武器にシェアを拡大しています。


表面に抗菌剤がコーティングされていることも、感染予防に大きな力を発揮します。V-Locと異なり、棘が双方向に存在します。




V-Loc と STRATAFIXの比較


いくつかの研究で、どちらも手術時間の短縮には有効なことは示されています。しかし、V-Locは従来型の縫合糸と比較して、感染リスクが少し高かったようです。


V-Locの棘部分が感染の原因となっている可能性があることが示唆されています。一方、STRATAFIXは従来型の縫合糸と同程度の感染率のようです。


これらの研究結果から、ノットフリー縫合糸を使用するのであれば、感染リスクがより低いSTRATAFIXを選択するべきなのかもしれません。







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手指手術のマーキング

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日整会広報室ニュースをパラパラ見ていた時に医事紛争の連載に目が留まりました。
今回は、手術の左右間違いに関する話題でした。


事故自体は平成2年に発生した関節リウマチの指間違いでした。本来なら環指の手術をする予定だったのですが、誤って中指の手術を施行したようです。


連鎖記事の最後に、四肢の手術では患部のマーキングを絶対にするべきと締めくくられていました。私もまさにその通りだと思います。


最近では各医療機関での医療安全に対する意識が高まり、手術部位のマーキングは安全管理上の常識となっています。


脊椎に関しては、マーキングの効果は微妙ですが、少なくとも四肢に関してはマーキングが事故防止の大きな力になると思います。


フムフムと思いながら読了しましたが、ふと今回の症例は手指の間違いであることに気付きました。左右間違いではなく、手指の間違いなのです。。。


う~ん、これはマーキングが少し難しいかもしれません。もちろん、物理的には問題なくマーキングできるのですが、派手に描くと手術の妨げになりかねません。


もちろん、左右間違い以上に手指の間違いは発生しやすいのでマーキングは必須ですが、小さめに描く等の工夫が必要かもしれませんね。いやはや、難しい・・・





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急性期脳神経疾患の対応法

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高齢の患者さんを受け持っていると、ときどき入院中に脳梗塞を発症することがあります。これ、結構焦りますね。。。


このような場合、整形外科医としてどのように対応すればよいのでしょうか? 近くに神経内科医や脳神経外科医が居れば、即診察依頼で問題ないです。


しかし、常に専門医が居るわけではありません。小規模な場末病院や、中核病院であっても夜間帯には、専門医に相談できないこともあります。


そのような時のために、整形外科医であっても最低限知っておきたいことをまとめてみました。脳神経系疾患を疑えば、まず施行する検査は、頭部CTであることは論を俟ちません。


この時点で脳出血は診断できます。しかし、早期の脳梗塞は、頭部CTでは診断できません(少なくとも非専門医レベルでは)。このため、次に施行する検査は頭部MRIとなります。


脳神経外科医の先生にお伺いしたところ、頭部MRIの撮像法は下記の順番で施行するべきだと教えてもらいました。


  1.  拡散強調画像(Diffusion weighted image: DWI)
  2.  MRA
  3.  FLAIR(Fluid Attenuated Inversion Recovery)




① 拡散強調画像(DWI)

超急性期(約1時間)の脳梗塞でも描出可能です。位置決めから撮像終了まで約5分なので、救急の現場でも非常に有用です。


② MRA

閉塞血管の診断に用いるため、①DWIに引き続き撮像します。DWIは約7分で撮像が終了します。ここまでで、位置決めから約12分経過しています。


③ FLAIR

②MRAまでで終了しても良いのですが、FLAIRだけなら3分で完了するので撮像しておきましょう。くも膜下出血(SAH)の診断に有用です。ここまでの合計は約15分です。




急性期の脳神経疾患は、時間との戦いです。また、患者さんの状態も不安定なので、短時間でたくさんの情報を得ることができる検査を優先させる必要があります。



まとめ

脳神経疾患を疑えば、神経内科医もしくは脳神経外科医にコンタクトをとりながら、同時に下記検査依頼を行いましょう。救急のABCはもちろん最優先です!

  1.  頭部CT
  2.  頭部MRI(DWI → MRA → FLAIR)






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