整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

手技

関節注射時の「プスッ」音の習得法

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以前、膝関節注射の際に注射針を抜く際の音で、関節内に入っていたか否かの判断を行っていることをご報告しました。



関節内から勢い良く注射針を引き抜くと「プスッ」という小さな音がします。この「プスッ」という小さな音が聞き取れると、注射針が関節内に入っていたことが分かります。


この「プスッ」という小さな音が発生する原因は、関節内が陰圧であることだと考えています。さて、この「プスッ」音は、教科書等には書かれていません。


私の経験では、聴取できる確率は 60~70%程度です。どのような患者さんや部位で聴取できるのかをまとめてみました。


  • 膝蓋上嚢>肩峰下滑液包>FT関節
  • 正常解剖>OAの強い関節


最も聴取しやすいのは、OA変化の少ない膝関節の膝蓋上嚢から関節注射を施行したときです。この場合には高率に聴取可能なので、そこで「プスッ」音をマスターします。



OA変化の少ない膝関節の膝蓋上嚢で「プスッ」音をマスターした後には、肩関節やOA変化の強い症例にもチャレンジするとよいでしょう。




 


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60歳台でも反応が悪ければ難聴を疑おう

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先日の外来で、60歳台の男性が右肩痛で初診されました。診察したところ、普通に肩関節周囲炎のようです。1週間前の発症なのでどんな治療法も選択できそうです。


治療方針として、

  1.  まずは消炎鎮痛剤で経過観察する
  2.  肩峰下滑液包注射を施行する
を提案しました。


治療方針の説明をし終わったあと、返答を訊こうと身構えていましたが、一向に答える素振りを見せません。おかしいな???インテリジェンスは低くなさそうなのですが...。


何度かうながして、ようやく消炎鎮痛剤で様子をみるという返答を得ました。診察終了後に外で次回受診等の説明をした看護師さんが「あの人は耳が悪いみたいです」と...。


えっ、そうなんだ...60歳台なので耳が悪い可能性を完全に失念していました。これが70歳台後半以降であれば、すぐにピンと来るはずです。


60歳台と言っても、見た目にそれなりのインテリジェンスがありそうな患者さんの反応がイマイチであれば、難聴の可能性があります。注意しなければいけませんね。






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局所静脈内麻酔の備忘録

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先日、久しぶりに局所静脈内麻酔で手術を施行しました。最近、上肢の手術は局所麻酔か全身麻酔で施行するので、局所静脈内麻酔は久しぶりでした。


最初の頃は、局所麻酔用の1% キシロカイン
(10ml)を使用していました。しかし、最近では静注用の2% キシロカイン(5ml) 1A+生食 15ml の合計 20ml にして使用しています。



これだけでは少し効きがですが、局所静脈内麻酔後 5分も待てば、ある程度麻酔が効いてくることが多いです。皮膚切開部のみ局所麻酔を追加するのも良いと思います。


周知のようにキシロカインの極量は8ml / kgです。
体重50kgの患者さんでは極量 400mgです。2% キシロカイン(5ml)に 5000mg × 2%= 100mgのキシロカインが含まれています。



体重50kgの方に対して、最初から2% キシロカイン(5ml) 2A+生食 30ml の合計 40ml を使用すると極量の半分に達します。



これでは少し気持ち悪いので、1A+皮切部の局所麻酔で対応しています。尚、ターニケット開放の 2~3分前から①酸素投与 ②補液スピードアップ をルーチンで行っています。


また、ターニケットも100 mmHgずつ1分毎に下げて行くことにしています。少しオーバーかもしれないですが、キシロカイン中毒を併発するよりはマシかなと思っています。






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局麻の注射そのものが疼痛の原因に?!

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先日、歯医者さんで虫歯の治療をしてもらいました。小さな虫歯の治療だったので気楽に考えて受診しましたが、いきなり歯茎に局麻を施行されてしまいました...。


麻酔されるのは親知らずを抜歯した時以来ですが、やっぱりかなり痛かったです。ただし、虫歯自体の治療は15分程度で終了しました。


歯科医師からは、 3か月後ぐらいに歯石を取りに来てくださいねと言われて終了しました。そんなものかと思って帰宅したのですが、麻酔が切れてからかなり痛くなってきました。


おかしい、虫歯は表面的に削っただけなのに何故こんなに痛いんだ???鏡で口腔内を観察しながら確認すると、どうやら歯ではなく歯茎が痛いことに気付きました。


虫歯周囲の歯茎 4か所に局所麻酔をこってりされたのですが、どうやらコレによる痛みのようです。この局麻の注射部の痛みは数日続きました。


前回の親知らず抜歯の際には、親知らず抜歯後の痛みで注射部の痛みが分からなくなっていたのでしょう。


今回の経験から、痛みを取るはずの局麻注射という行為そのものが、実は疼痛の原因となりうることに気付きました。


切創などでは創部の疼痛で掻き消されるのでしょうが、伝達麻酔等では注意する必要があるかもしれません。自分が患者さんになると、いろいろな気付きがあるものです...。






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困った患者さんのコントロール法

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外来をしていると、こちらの言うことを聞いてくれない患者さんが居て困ることが多いと思います。治りたいんだったら、こちらの言うことを守ってほしい...。


先日、示指基節骨関節内骨折でほとんど転位の無い 70歳台の患者さんが受診されました。これなら保存治療でイケるなと思い、bady buddy fix+シーネ固定としました。


ところが、1週間後の再診予約日に現れず、5週間経過した時点で疼痛が持続するため受診しました。単純X線像では骨折部が転位しており、偽関節化は必至と思われます。


なぜ再診しなかったのかを訊くと、急に仕事が入ったのでシーネを外して患指を動かしていたとのことです。う~ん、まったく病識がありません。


このような困った患者さんにならないように何か良い方法はないかと考えていました。聞く耳を持たない患者さんに何とかこちらの指示を守ってもらう方法は無いものでしょうか?


いろいろ試行錯誤しましたが、最も有効だと感じたのは単純X線像の骨折を300%とかに拡大して患者さんにじっくり見てもらうことです。


「ほ~ら、こんなにずれてるんだよ!」とは言いませんが、言外に主治医の指示を守らなければ大変なことになることを醸し出します。


ただし、可動域訓練等のリハビリテーションが必要な時期にコレをすると、逆効果になるのでご注意を!





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