整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

手技

リハビリテーション科への紹介状作成方法

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日整会広報室ニュース第124号で興味深い記事がありました。東京女子医科大学名誉教授の伊藤達雄先生による「紹介状は書いた医師のレベルが知れる」です。


若手医師の紹介状の内容に対して
苦言を呈しておられ、伊藤先生が推奨している診療情報提供書の記載内容が列記されていました。


患者紹介状は受け取る医師が何科であろうと斟酌せず、

  1. 患者の人柄、職業、家族
  2. 病歴のポイント、当科の診断・検査所見および治療
  3. 入院時と退院時の身体所見の比較、手術所見など
  4. 現在の問題点と今後の治療方針、ゴール設定、患者の希望など


について簡潔・明瞭に記す。重要な画像、検査のコピーを添える。そして自科のみで通じる外国語の略語は絶対に使わない



、とおっしゃられています。①~④すべてを完璧に記載するのは、多忙な臨床では厳しい印象を受けますが、基本的な姿勢としては見習うべき点があると思いました。


おそらく①④に関しては、リハビリテーション科医師の立場から記載された内容と推察しますが、特に②③に関しては簡潔に記載して後医への情報伝達をしたいものです。







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石鹸使用の創洗浄は有害だった?!

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Medical Tribuneに興味深い記事がありました。
創洗浄はタラタラ洗えばよい。石鹸を使うと再手術率が増える! です。


日常診療で外傷をどのように洗ったらよいのか、その解答(FLOW試験)がNew Engl J Med(2015; 373: 2629-2641)に掲載されています。

  • 洗浄の水圧(高、中、低)と再手術率の間に相関はない!
  • 石鹸で洗うと生食で洗うより再手術率が高くなる! 

つまり、「創はふつうに生理食塩水(生食)でタラタラ洗えばよい、開放創1㎝以下なら生食3L、1cm超えていれば6Lで洗浄です。石鹸の使用はやめておきましょう」 ということです。




これは驚きの論文です。今までの常識が覆されました。挫滅創の患者さんが救急搬送されたら、勢いよく水道水で洗浄して、汚染度合いが強いと石鹸を使用することもありました。


正直言って、石鹸を使用した過去の症例の成績が悪い印象はありません。しかし、RCTの結果だけに無視するわけにはいきません。


これからはできるだけ、勢いは付けずに、かつ石鹸は使用せずに創部をしようと思います。しかし、工場内事故などの油成分の多い症例は本当に石鹸無しでいいのかな???


ちなみに、本日手指挫傷の患者さんが受診したのですが、おもわず石鹸での手洗いを指示してしまいました...。一度身についた習慣はなかなか修正できないものです。






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紹介患者さんの返信は郵送で

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先日、近医から紹介された患者さんの返信でトラブルがありました。開業医あてに記載した受診報告書を患者さんが勝手に開封して内容を読んだのです。


なぜ、受診報告書を患者さんが見れたのかというと、近隣開業医への返書では患者さんに受診報告書では手渡していたからです。


受傷から日数が経過していたので、慎重にフォローさせていただきますといった内容だったのですが、「受傷から日数が経過していた」という部分に患者さんが噛みつきました。


内科開業医なので、骨折の発見が遅れるのはある程度仕方ないです。このあたりをしっかりフォローするつもりだったので紹介元には心配ない旨を記載しました。


完全に医師同士のやりとりのつもりなのですが、これを患者さんが見てしまったために話しがややこしくなりました。


患者さんへの手渡しは、事務的には業務省略化の一環なのでしょう。しかし、これでは患者さんにみられる可能性があります。


医師同士のやりとりは医療の門外漢には分からない機微があります。このような無用のトラブルを回避するためには、紹介元への返信は郵送に統一する必要があると思いました。






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褥瘡のポケット切開で悩む

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先日、久しぶりに褥瘡患者さんの診察をしました。通常は院内の褥瘡ラウンドが全ての褥瘡患者さんの治療に対応しています。


しかし、上腕骨内上顆部の骨髄炎を伴う感染性褥瘡だったので、併診依頼がきたのです。3次救急病院時代には頚髄損傷患者さんを複数担当していたので褥瘡も治療していました。


しかし、現在の病院では人工関節全置換術ばかりしているので、褥瘡治療は久し振りでした。診察すると、上腕骨内上顆を中心に巨大なポケットを形成しています。


中枢・屈側方向を中心に 3cmほどの深いポケットなので、内部まで有効に治療できていない印象でした。ポケット開放が必要そうですが、念のためガイドラインを確認しました。


Mindsの記載に目を見張りました。どのような場合にポケット開放すればよいかについては、
エキスパートオピニオン以外にエビデンスはほぼ無いとのことです。







これには驚きましたが、どうみてもポケット内に感染性組織が滞留しているのでポケット開放は必要そうです。そこで、ポケット切開することにしましたが、どう切開しよう...。


前述のように、中枢・屈側方向中心ですが全周性の深いポケットです。最も深いのは屈側ですが、安易にその方向に切開すると、上腕骨の処理が必要になった場合にやっかいです。


そこで、上腕骨の骨髄炎手術を想定して、中枢方向にポケット切開することにしました。最も深い屈側方向に切開すると、次の手を打ちづらくなります。


たかが褥瘡のポケット切開ですが、少し考えさせられました。そして、このあたりの実践的な資料は残念ながら存在しないようです。





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マイナー神経の神経伝導速度は難しい?

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先日、下腿の圧挫による末梢神経障害の症例を診察する機会がありました。受傷後半年ほどなのですが、足背にしびれ感が残存しています。


労災事故がらみだったので、客観的な末梢神経障害についての証明を求められました。足背のしびれている部位を確認すると、どうやら浅腓骨神経領域のようです。


足関節より 2㎝ほど中枢測で tinel like signも認めます。それなら、神経伝導速度で浅腓骨神経損傷を確認できるなと思いましたが、どうやらそうは問屋が卸さないようです。


浅腓骨神経の神経伝導速度など測定したことが無いので、技師さんに確認してみました。浅腓骨神経では刺激点を下腿前方の末梢1/3の部位、導出部位を第3~4足趾基部にとります。


同じ下腿から足部の知覚神経である腓腹神経ではしっかり導出されるようですが、浅腓骨神経では振幅が小さいようでなかなか難しいとのことでした。


安易に測定できます!と言わないで良かった...。整形外科医は単に解剖の知識があるだけなので、このあたりの実践的なノウハウは、技師さんに確認する必要がありそうですね。





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広島大学名誉教授の津下先生による、手の外科における必須の医学書です。特に、「私の手の外科」は津下先生直筆のイラストが豊富で、非常に分かりやすく実践的な医学書です。


 







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