整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

外傷

なぜ Intrinsic plus positionが重要なのか?

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手指の骨折の治療において、関節拘縮は ADL機能障害に直結します。このため、関節拘縮を併発しないように注意しながら治療を行う必要があります。


それには、まず手指関節の解剖を理解する必要があります。MP関節の側副靭帯は、伸関節伸展時には弛緩し、屈曲時に緊張します。


一方、PIP関節では、伸展・屈曲位にかかわらず弛緩しません。関節拘縮をきたさないためには、側副靭帯が弛緩することを避ける必要があります。



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これらのことから、手指拘縮の予防には、MP関節・PIP関節の側副靭帯が共に緊張する「MP関節屈曲位+PIP・DIP関節は伸展位」の Intrinsic plus position となるようにします。 


単に Intrinsic plus positionを丸暗記するのではなく、どうして Intrinsic plus positionで固定するべきなのかを理解して実践することが重要ではないかと感じました。







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腓骨筋腱脱臼のMRI所見

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先日、腓骨筋腱脱臼の症例の相談がありました。
MRIを撮像したので確認してほしいとの依頼でしたが、私の目には一見正常に見えます。



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しかし、習慣性脱臼なので、患者さんはかなり困っているとのことです。う~ん、これは困ったなと思って関節のMRIを紐解くと、MRIの所見がしっかり載っていました!








なるほど、よくみるとOden分類のType 1に該当するようです。上腓骨筋支帯の下に仮性嚢(赤矢印)を認めます。



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足の外科医師にとっては常識なのでしょうが、私レベルの一般整形外科医師ではなかなかこの所見を読影するのは難しいですね。。。


こういう時に、辞書的な医学書は役に立ちます。少しお高めですが、関節と脊椎に関するMRIの辞書的医学書は必須だなと思いました。




ドローンって結構アブナイ!

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先日の外来で、手指切創の患者さんを診察しました。カルテを読むと、受傷機転が「ドローンのローターに指を巻き込まれて受傷」とありました。


ドローン、ですか。。。創傷部位を確認すると腱損傷は無いものの、かなり派手にやられていました。ドローンって、結構危ないじゃないですか!


知り合いの間でも、最近はドローンがブームになっています。全国各地でドローンのセミナーが開催されているそうで、日本でもかなり普及しているのでしょう。


しかし、この患者さんは、趣味でドローンを飛ばしているわけではなく、なんとドローンを使って空中撮影する仕事をしているとのことでした。


何でも映像関係の職種で、半年前にもドローンでケガをしたそうです。この手の職種の方が多く住むエリアなので、他では珍しいドローン関連外傷が多いのでしょう。


ドローンなんて実用化はまだまだだと思っていましたが、現実にそれを生業としている方が存在することに驚きました。


ドローンが飛び交うようになると、この手の外傷が頻発することが予想されます。ドローンは結構危険なモノであることを、社会は認識するべきなのかもしれませんね。





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オーストラリア理学療法協会のスポーツ理学療法士による実践的な教科書です。
治療的テーピングの概要を学ぶことができます。



 






子供の踵部外傷は要注意!

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先日、自転車の車輪に足を巻き込まれたお子様が初診しました。この手の事故は本当に多いと思います。創部が派手なので、親御さんも真っ青になってしまいます。


足関節から足部にかけて強い捻れの力が加わるため、脛骨遠位端の若木骨折や脛骨遠位骨端離開を併発することが多いので注意が必要です。


踵部が自転車の車輪に巻き込まれるということは、かなり強力な捻れの力が足部に加わることになるので骨折を併発してもおかしくないのです。 


多くの患児は、踵部の挫傷(創)を併発しています。 そして、踵部やアキレス腱部の挫傷(創)は小児といえどもなかなか治癒しないので、結構長い間通院している印象を受けます。



踵部やアキレス腱部は、小児であっても治癒し難い部位です。この部位の外傷はdegloving損傷と類似の病態なのかもしれません。


このことを念頭に、きっちりと段階を踏んだ創処置を行うべきだと思います。夜診などで日替わり担当医に任せきりだと、いつまでたっても治癒しないケースが多いです。 


私は、初診でこの手の患児を診た場合、責任を持って創が治癒するまでコミットし続けます。面倒ではありますが、誰かが責任を持たなければなかなか治らないので。。。





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豊富な図や画像が提示されているため、ほとんどの骨折や脱臼に対応することが可能です










肘関節脱臼で靭帯はどうなっている?

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先日、肘関節脱臼の患者さんが初診されました。他院で徒手整復および固定を施行されていますが、徒手整復後の単純X線像で関節内に小骨片を認めました。



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念のためにMRIを施行しました。結果は上の画像です。はっきりとした骨軟骨損傷は認めなかったため、外側側副靭帯起始部の裂離骨片だと診断しました。


何気なく眺めていると、ふと内側側副靭帯(MCL)や外側側副靭帯(LCL)が損傷していることに気付きました。肘関節脱臼後のMRIなので、考えてみれば当たり前です。


でも本当にそうでしょうか? 肘関節脱臼は、O'Driscollの報告以来、肘関節の後外側回旋不安定性と関連して認識されるようになりました。


O'Driscollの説では、①外側側副靭帯が断裂 ②前方および後方関節包断裂 ③内側側副靭帯が断裂 ④肘関節脱臼 という受傷機転です。


このためO'Driscollの説では、肘関節脱臼には外側側副靭帯損傷と内側側副靭帯損傷が必発です。ただし実際の臨床では、肘関節脱臼=内側側副靭帯損傷か否かは明らかではありません。


このため、肘関節脱臼の際に、内側側副靭帯損傷はどうなっているのだろう? という疑問がわたしにはずっとありました。それに対する回答が今回のMRIにありました。


もちろん、n=1なので今回の認識が一般的なのか否かは判定できません。しかし、曲がりなりにもO'Driscollの説を支持する画像所見だったので、私もそういう認識でいようと思います。




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