整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

外傷

ドローンって結構アブナイ!

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先日の外来で、手指切創の患者さんを診察しました。カルテを読むと、受傷機転が「ドローンのローターに指を巻き込まれて受傷」とありました。


ドローン、ですか。。。創傷部位を確認すると腱損傷は無いものの、かなり派手にやられていました。ドローンって、結構危ないじゃないですか!


知り合いの間でも、最近はドローンがブームになっています。全国各地でドローンのセミナーが開催されているそうで、日本でもかなり普及しているのでしょう。


しかし、この患者さんは、趣味でドローンを飛ばしているわけではなく、なんとドローンを使って空中撮影する仕事をしているとのことでした。


何でも映像関係の職種で、半年前にもドローンでケガをしたそうです。この手の職種の方が多く住むエリアなので、他では珍しいドローン関連外傷が多いのでしょう。


ドローンなんて実用化はまだまだだと思っていましたが、現実にそれを生業としている方が存在することに驚きました。


ドローンが飛び交うようになると、この手の外傷が頻発することが予想されます。ドローンは結構危険なモノであることを、社会は認識するべきなのかもしれませんね。





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子供の踵部外傷は要注意!

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先日、自転車の車輪に足を巻き込まれたお子様が初診しました。この手の事故は本当に多いと思います。創部が派手なので、親御さんも真っ青になってしまいます。


足関節から足部にかけて強い捻れの力が加わるため、脛骨遠位端の若木骨折や脛骨遠位骨端離開を併発することが多いので注意が必要です。


踵部が自転車の車輪に巻き込まれるということは、かなり強力な捻れの力が足部に加わることになるので骨折を併発してもおかしくないのです。 


多くの患児は、踵部の挫傷(創)を併発しています。 そして、踵部やアキレス腱部の挫傷(創)は小児といえどもなかなか治癒しないので、結構長い間通院している印象を受けます。



踵部やアキレス腱部は、小児であっても治癒し難い部位です。この部位の外傷はdegloving損傷と類似の病態なのかもしれません。


このことを念頭に、きっちりと段階を踏んだ創処置を行うべきだと思います。夜診などで日替わり担当医に任せきりだと、いつまでたっても治癒しないケースが多いです。 


私は、初診でこの手の患児を診た場合、責任を持って創が治癒するまでコミットし続けます。面倒ではありますが、誰かが責任を持たなければなかなか治らないので。。。





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肘関節脱臼で靭帯はどうなっている?

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先日、肘関節脱臼の患者さんが初診されました。他院で徒手整復および固定を施行されていますが、徒手整復後の単純X線像で関節内に小骨片を認めました。



AP - コピー



念のためにMRIを施行しました。結果は上の画像です。はっきりとした骨軟骨損傷は認めなかったため、外側側副靭帯起始部の裂離骨片だと診断しました。


何気なく眺めていると、ふと内側側副靭帯(MCL)や外側側副靭帯(LCL)が損傷していることに気付きました。肘関節脱臼後のMRIなので、考えてみれば当たり前です。


でも本当にそうでしょうか? 肘関節脱臼は、O'Driscollの報告以来、肘関節の後外側回旋不安定性と関連して認識されるようになりました。


O'Driscollの説では、①外側側副靭帯が断裂 ②前方および後方関節包断裂 ③内側側副靭帯が断裂 ④肘関節脱臼 という受傷機転です。


このためO'Driscollの説では、肘関節脱臼には外側側副靭帯損傷と内側側副靭帯損傷が必発です。ただし実際の臨床では、肘関節脱臼=内側側副靭帯損傷か否かは明らかではありません。


このため、肘関節脱臼の際に、内側側副靭帯損傷はどうなっているのだろう? という疑問がわたしにはずっとありました。それに対する回答が今回のMRIにありました。


もちろん、n=1なので今回の認識が一般的なのか否かは判定できません。しかし、曲がりなりにもO'Driscollの説を支持する画像所見だったので、私もそういう認識でいようと思います。




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非開放性ボタンホール変形の治療

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先日、アメフト部の学生が、中指のボタンホール変形で初診しました。3ヵ月ほど前の練習中に中指を突き指したそうです。


そのまま放置していたところ、徐々にPIP関節が曲がってしまったので思い切って受診したとのことでした。診察すると、既にPIP関節に屈曲拘縮を併発しています。


開放性の伸筋腱中央索損傷が原因であるボタンホール変形では、手術治療が第一選択です。しかし、非開放性の伸筋腱中央索皮下断裂症例では、保存治療を選択することが多いです。


今回の症例の場合、既にPIP関節の屈曲拘縮を併発しているので、まずはPIP関節の拘縮を改善する必要があります。その後に、PIP関節を伸展位に固定するスプリントを常用します。


装着期間は4週程度でOKという文献が多いですが、その程度の期間では少し不安を感じます。腱性マレットに準じて8週間ほど固定した方が安心な印象です。


しかし、今回の症例は既に拘縮をきたしていることから考えても、保存治療ではなく手術治療も検討するべきかもしれません。ボタンホール変形に対する手術法はたくさんあります。


最も有名なのはMatev法です。Matev法では、両側の側索を段違いで切離して、短い一方を中央索に移行し,長い一方を交叉して他方の側索の末梢に縫合して終末腱を延長します。


このように、非開放性のボタンホール変形は伸筋腱中央索の皮下断裂であるため、開放性のボタンホール変形と少し治療方針が異なるので注意が必要だと思います。




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単純X線検査なしで治療する恐怖

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先日の外来で、足関節を捻転した若年女性が初診されました。
では、単純X線像を撮影しましょうと言ったところ、「妊娠している可能性がある」とのことです・・・


詳細にお伺いすると、しばらく生理がきていなくて市販の妊娠検査薬は陽性だったとのことです。う~ん、これは妊娠している可能性が高そうです。


足関節は外果周囲の軽度の腫脹・圧痛および内果の圧痛を認めます。内果には腫脹はなく、ATFLやCFLの圧痛は軽度です。軸圧痛はありません。


印象としては、足関節脱臼骨折である可能性は低く、もし骨折があったとしても転位はほぼ無さそうです。一応、足をひきずりながらも歩いて受診されています。


一方、この方が妊娠していると仮定すると、最も放射線被爆が問題になる時期にさしかかろうとしています。この場面では単純X線検査を施行するか否かの判断が難しいです。


客観的にみると、きっちりプロテクターを着て撮影すれば放射線の影響は最小限に抑えることは可能であり、この撮影のために胎児が流産したり障害を持って生まれる可能性は低いです。


しかし、自然経過の場合でも流産や障害児が生まれる可能性はあります。もしも、そのような転帰をとった場合には、この女性は大きな精神的トラウマを抱えてしまうことになります。


このあたりのことを正直に説明した上で、単純X線像を施行するか否かについて話し合った結果、今回は単純X線検査を施行せずに骨折に準じてU字スプリントで治療することにしました。


印象としては骨折ではなく足関節靱帯損傷なのですが、万が一骨折があった場合を考えて3週間免荷としました。何が正解かは分かりませんが、おそらく問題なく治療できると思います。


一方、今回のように単純X線検査なしで治療するのは、暗闇の中でモノを探すような感覚に陥りました。やはり、単純X線像が無いと治療を行う上で非常に不安になります。


良く考えてみると、この状況は接骨院の置かれている状況です。彼らはこんなコワい状況でよく商売しているなと感心しました。私ならコワくて精神的にもたないです(笑)。


おそらく、コワさを知らないからできているのでしょう。そういえば先日、接骨院でマッサージ(?)を受けた直後から四肢麻痺が出現した患者さんの救急要請があったことを思い出しました。


このあたりの話は整形外科医なら誰もが知っていることだと思いますが、世間的にはあまり話題に上りません。きっと闇に葬り去られているんでしょうね・・・




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