整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

関節リウマチ

単純性股関節炎の自然経過を深く診る

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先日、知り合いから、お子さんの股関節部痛について相談を受けました。朝起きたらいきなり右股関節が痛くなったそうです。


熱発はなく、股関節部痛以外は元気なようです。整形外科医であれば、この時点で単純性股関節炎である可能性が高いと予想がつきます。


実際、経過をみると単純性股関節炎のようでした。普段の外来で単純性股関節炎の症例は比較的高頻度ですが、だいたい初診から数日後に再診して終了というパターンが多いです。


このため、単純性股関節炎の経過はよく知っているものの、症状推移の詳細に関してはあまり深く知りませんでした。しかし、今回は逐一患児の様子を報告してきます(笑)。


あまり無下にできないので、話を聞いていると単純性股関節炎の自然経過が手に取るように分かりました。もちろん、大筋は私たちが外来で診ている流れと同じです。


しかし、例えば1日の中での痛みの増減では、起床時に疼痛が高度である印象を受けました。その後、時間の経過とともに疼痛は軽快して、夕方から夜になるとかなり軽減します。


そして、翌朝には少し疼痛が増悪して1日が始まるというパターンのようです。そうこうしながら、疼痛のレベルは漸減していきます。


なるほど、単純性股関節炎はこのような経過を辿るのか...。起床時に疼痛が増悪するのは関節リウマチのように関節の不動化が原因なのかもしれませんね。






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前腕伸筋群起始部の石灰沈着性腱炎

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先日の外来で、またまた石灰沈着性腱炎の患者さんに遭遇しました!
今回は肘関節外側です。前腕伸筋群起始部の石灰沈着性腱炎ですね


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こんな感じで上腕骨外顆の外側に石灰沈着を認めます。上腕骨外顆部を中心にパンパンに腫れて発赤していました。しかし比較的境界明瞭なので蜂窩織炎とは少し異なります。


石灰沈着性腱炎は、本当に全身のいたるところに発生します。私が今まで経験した石灰沈着性腱炎は、下記のごとくです。





私の勤務しているような中規模病院でも頻回に発生するぐらいなので、やはり石灰沈着性腱炎は非常にメジャーな疾患なのかなと感じています。






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意外とコワい! IgA血管炎

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先日、親戚の子どもに下肢の紫斑と両膝関節・足関節の関節痛が出現しました。整形外科医であれば問診だけでIgA血管炎(ヘノッホ・シェーンライン紫斑病)を想起するでしょう。



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IgA血管炎の患児は関節痛を主訴に整形外科を初診するケースがありますが、両下肢の紫斑から IgA血管炎を疑い、そのまま小児科へ紹介してしまいます。


その後、患児がどのような経過を辿るのかは今までフォローしたことがありませんでした。机上の知識では、予後良好なので経過観察のみというイメージです。


今回は親戚の子どもだったので、その後のフォローも一緒にしました。すると、今まで思っていたのとは異なる経過を辿るではありませんか!


まず、下肢のみであった紫斑は上肢や臀部にも出現しました。また手関節や肩関節まで腫脹して痛がります。そして、両手に著明な浮腫が出現しました。


小児科では溶連菌感染が原因の可能性が高いと言われて抗生剤を処方されました。安静入院を勧められましたが、自宅での安静を条件に逃れたそうです。


1週間ほどで教科書に記載されているとおり症状は軽快しましたが、なかなか激烈な経過です。正直言って、IgA血管炎に対する認識が変わりました。


症状が消失しても、遅発性に腎障害が発生することがあるので、発症後2か月程度は尿潜血や蛋白尿の有無を定期的に外来でフォローする必要があるそうです。


今までは小児科に紹介してハイ終了で終わっていたのですが、その後の経過がこんなにシビアだとは思ってもいませんでした。IgA血管炎恐るべしですね。。。







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Crowned dens syndrome を見た!

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Crowned dens syndrome(CDS)をご存知でしょうか? CDS は、頚椎歯突起周囲に発生した結晶性関節炎(偽痛風発作)です。


発熱、炎症反応の高値、頚部痛が主な症状なので、髄膜炎との鑑別診断が必要です。先日、90歳女性の CDS を経験しました。



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CT の冠状断では、上記のように軸椎歯突起後方に淡い石灰沈着をみとめました。なかなか派手な石灰沈着です。




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矢状断では歯突起を取り囲むように石灰沈着していることが分かります。血液生化学検査では炎症反応が亢進していますが、その割には全身状態が良くて重篤感はありませんでした。


項部硬直やケルニッヒ徴候は認めず、悪心・嘔吐もありません。環軸関節が炎症の主体なので、頚椎の回旋制限が強かったです。


高齢者に突然発症する後頚部痛は比較的多い印象です。CDS を疑っても比較的軽度な症状の場合には、わざわざ CTまで撮像しないことが多いです。


しかし、今回は頚椎回旋時痛が高度なので思い切って撮像してみました。トラムセットで様子をみていると、数日で症状が軽快しました。







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痛風は食生活よりも遺伝の影響が大

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週刊ダイヤモンド2018.12.1号に興味深い記事がありました。
痛風は ” ぜいたく病 ” ではない です。




世に「ぜいたく病」とやゆされ、同情どころか、からかうネタにされかねない痛風。ところが痛風の原因である高尿酸血症は、食生活より遺伝子変異の影響の方が大きいことがわかってきた。


血中尿酸値と遺伝的なプロフィル、そして食生活との関連を分析した結果、血中尿酸値の高さに関連する食べ物として、ビール、リキュール類、ワイン、ジャガイモ、 家禽類(鶏肉など)、ジュース類、 肉類(牛・ブタ・ラム)の7種類 が特定された。しかし、これらの食品単独での血中尿酸値への影響は、1%にも満たなかったのである。


多少なりとも影響が認められたのはビールなど酒類だった。 「ちなみに血中尿酸値を下げる食べ物は、卵、ピーナツ、シリアル、 スキムミルク、チーズ、全粒粉のパン、マーガリン、非かんきつ系の果物だったが、こちらの影響度も1%未満だった。


「対照的に、高尿酸血症をもたらす遺伝子変異の影響は、23.9% とはるかに大きいことが示された。 研究者は「高尿酸血症は食事より遺伝子変異の影響によることを示した初めての試験」としている。




実際、外来で患者さんを診ていると、痛風(高尿酸血症)は生活習慣病とは言えないと感じています。確かに大量飲酒の患者さんは該当しませんが、頻度的には半分程度の印象です。


むしろ、お酒は一滴の飲まないにもかかわらず、高尿酸血症の方は多いです。このようなことは臨床家の間では常識だと思いますが、意外と研究されていなかったんですね。


灯台下暗しとはまさにこのことです。私たちが常識だと思っていることでも、研究されていないことは意外と多いのかもしれないと感じました。






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