整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

関節リウマチ

周術期の生物学的製剤の休薬期間

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関節リウマチ患者さんの周術期の薬剤投与について調べてみました。
出典は、手元にある下記のガイドラインです。





人工関節手術を生業にしている私にとって、最も興味があるのではTHAやTKAの周術期にMTXや生物学的製剤を投与中止する必要があるのか否か? です。下記にまとめます。


  • MTX:12mg / 週以下では継続投与が望ましい。12mg / 週超では個々の症例で判断
  • 生物学的製剤:半減期を考慮した休薬


MTXに関しては継続なので簡単ですが、生物学的製剤の「半減期を考慮した休薬」はちょっと難しいですね。


これに関しては、国立病院機構九州医療センター リウマチ・膠原病センター 宮原寿明先生のこちらの発表がよくまとまっています。表のみ抜粋しました。



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(九州医療センター 宮原寿明先生の2017年 第18回博多リウマチセミナーより抜粋)




各生物学的製剤の休薬期間をいちいち調べるのは億劫なので、今後は宮原先生の資料を参考にして術前休薬期間を決定したいと思います。







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肺炎後には生物学的製剤でフォロー

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先日、関節リウマチで生物学的製剤を投与中の患者さんが肺炎を併発しました。易感染性の基礎疾患をもっている患者さんなので、肺炎の再燃を繰り返しています。


前回は入院する必要があるほどの肺炎だったので、生物学的製剤を一旦中止しました。中止期間は約2ヵ月なのですが、この間に関節リウマチの症状が再燃してしまいました。


2ヵ月なので当たり前と言えば当たり前なのですが、肺炎がなかなか軽快しないため、ずるずると生物学的製剤投与再開を引き延ばしていたのです。


こちらでもご紹介したように、肺炎を併発した関節リウマチ患者さんの治療には細心の注意が必要です。基本的には、免疫調整薬はセーフですが、免疫抑制薬はアウトです。


MTXをはじめとする免疫抑制薬は、1度でも重症肺炎を併発した患者さんには使いづらいです。このため、臨床所見をニラミながら生物学的製剤再開の時期を図ります。


肌感覚で言うと、重症肺炎等の併発リスクは、MTXなどの免疫抑制薬よりも生物学的製剤の方が低い印象です。


このため、かなりドキドキしながらではありますが、肺炎後の患者さんにはMTX投与は控えつつも、生物学的製剤を再開して関節リウマチのコントロールを行っています。






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成人のヘノッホ・シェーンライン紫斑病

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先日、40歳台の男性が、数日前からの両下腿腫脹と足関節痛を主訴に初診されましました。外傷の既往は特に無いとのことです。


痛風かな?と思って患部を診ると、  両足背全体がびまん性に腫脹しており紫斑がありました。アレッ? と思って下腿をみると、赤い点状の紫斑が多数ありました。



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どこかで見たことのある所見です。しばらく考えていると、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病(Henoch-Schoenlein Purpura; HSP)であることに気付きました。年齢を除けば・・・



HSPは、一度診ると忘れられない特徴のある赤い点状の紫斑です。しかし、通常は小児の疾患なので、成人発症のHSPが存在するのか否かは自信がありませんでした。


診察の合間にこっそり教科書をひも解くと、まれではありますが成人発症のHSPもあるようです。そうであれば、所見からほぼ間違いないでしょう。紫斑は、昨日からだそうです。


ヘノッホ・シェーンライン紫斑病は、何らかのアレルギー反応で小血管に炎症がおこることで発症する疾患です。


全身の小血管に炎症をおこすので、消化管の小血管に炎症をおこすと腹痛、皮下の小血管におこすと紫斑、腎臓の小血管におこすと血尿をきたします。


また半数以上で関節痛をきたすため、今回のケースのように整形外科を初診するケースも多いです。 知らなければ絶対に診断できないですね。


大多数は4-6週間で自然軽快しますが、稀にタンパク尿が続くときは腎症が重症化して腎不全に移行することがあります。発症後1~2ヵ月は尿検査を継続する必要があるそうです。





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免疫調節薬と免疫抑制薬の違い

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先日、生物学的製剤を投与中の関節リウマチの患者さんが、重症肺炎を併発しました。もちろん、生物学的製剤は中止するのですが、DMARDsはどうすればよいのでしょうか?


この場合、DMARDsの種類によって、投与を中止するのか否かを決定します。まず、DMARDsは大きく分けて、その作用機序から免疫調節薬と免疫抑制薬に分類されます。


免疫調節薬(immunomodulaters)は正常の免疫能には影響せずに異常な免疫機能を正常化しますが、免疫抑制薬(immunosuppressants)は全ての免疫機能を抑制します。


結論的には、
正常の免疫能には影響しない免疫調節薬は投与中止する必要性は無いですが、全ての免疫機能を抑制してしまう免疫抑制薬は投与中止する方が望ましいでしょう。



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現在、日本で使用可能なDMARDsの分類は上表のごとくです。この表を用いて、
免疫調節薬と免疫抑制薬の分類を確認しておきましょう。


免疫調整薬でよく使用されているのは、サラゾスルファピリジンとブシラミンです。少し乱暴ですが、その他の薬剤は全て免疫抑制剤だと覚えておきましょう。






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出た! 豆状骨の石灰沈着性腱炎

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先日の外来で、またまた石灰沈着性腱炎の患者さんに遭遇しました!
今回は手関節掌側の豆状骨部です。FCU停止部の石灰沈着性腱炎ですね



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こんな感じで豆状骨の掌側に石灰沈着を認めます。手関節掌尺側を中心にパンパンに腫れていました。しかも、今回は発赤も著明で、一見すると蜂窩織炎です。


石灰沈着性腱炎は、本当に全身のいたるところに発生します。私が今まで経験した石灰沈着性腱炎は、下記のごとくです。





私の勤務しているような中規模病院でも頻回(今回は2週毎!)に発生するぐらいなので、やはり石灰沈着性腱炎は非常にメジャーな疾患なのかなと感じています。






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