整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

関節リウマチ

意外とコワい! IgA血管炎

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先日、親戚の子どもに下肢の紫斑と両膝関節・足関節の関節痛が出現しました。整形外科医であれば問診だけでIgA血管炎(ヘノッホ・シェーンライン紫斑病)を想起するでしょう。



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IgA血管炎の患児は関節痛を主訴に整形外科を初診するケースがありますが、両下肢の紫斑から IgA血管炎を疑い、そのまま小児科へ紹介してしまいます。


その後、患児がどのような経過を辿るのかは今までフォローしたことがありませんでした。机上の知識では、予後良好なので経過観察のみというイメージです。


今回は親戚の子どもだったので、その後のフォローも一緒にしました。すると、今まで思っていたのとは異なる経過を辿るではありませんか!


まず、下肢のみであった紫斑は上肢や臀部にも出現しました。また手関節や肩関節まで腫脹して痛がります。そして、両手に著明な浮腫が出現しました。


小児科では溶連菌感染が原因の可能性が高いと言われて抗生剤を処方されました。安静入院を勧められましたが、自宅での安静を条件に逃れたそうです。


1週間ほどで教科書に記載されているとおり症状は軽快しましたが、なかなか激烈な経過です。正直言って、IgA血管炎に対する認識が変わりました。


症状が消失しても、遅発性に腎障害が発生することがあるので、発症後2か月程度は尿潜血や蛋白尿の有無を定期的に外来でフォローする必要があるそうです。


今までは小児科に紹介してハイ終了で終わっていたのですが、その後の経過がこんなにシビアだとは思ってもいませんでした。IgA血管炎恐るべしですね。。。







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Crowned dens syndrome を見た!

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Crowned dens syndrome(CDS)をご存知でしょうか? CDS は、頚椎歯突起周囲に発生した結晶性関節炎(偽痛風発作)です。


発熱、炎症反応の高値、頚部痛が主な症状なので、髄膜炎との鑑別診断が必要です。先日、90歳女性の CDS を経験しました。



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CT の冠状断では、上記のように軸椎歯突起後方に淡い石灰沈着をみとめました。なかなか派手な石灰沈着です。




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矢状断では歯突起を取り囲むように石灰沈着していることが分かります。血液生化学検査では炎症反応が亢進していますが、その割には全身状態が良くて重篤感はありませんでした。


項部硬直やケルニッヒ徴候は認めず、悪心・嘔吐もありません。環軸関節が炎症の主体なので、頚椎の回旋制限が強かったです。


高齢者に突然発症する後頚部痛は比較的多い印象です。CDS を疑っても比較的軽度な症状の場合には、わざわざ CTまで撮像しないことが多いです。


しかし、今回は頚椎回旋時痛が高度なので思い切って撮像してみました。トラムセットで様子をみていると、数日で症状が軽快しました。







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痛風は食生活よりも遺伝の影響が大

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週刊ダイヤモンド2018.12.1号に興味深い記事がありました。
痛風は ” ぜいたく病 ” ではない です。




世に「ぜいたく病」とやゆされ、同情どころか、からかうネタにされかねない痛風。ところが痛風の原因である高尿酸血症は、食生活より遺伝子変異の影響の方が大きいことがわかってきた。


血中尿酸値と遺伝的なプロフィル、そして食生活との関連を分析した結果、血中尿酸値の高さに関連する食べ物として、ビール、リキュール類、ワイン、ジャガイモ、 家禽類(鶏肉など)、ジュース類、 肉類(牛・ブタ・ラム)の7種類 が特定された。しかし、これらの食品単独での血中尿酸値への影響は、1%にも満たなかったのである。


多少なりとも影響が認められたのはビールなど酒類だった。 「ちなみに血中尿酸値を下げる食べ物は、卵、ピーナツ、シリアル、 スキムミルク、チーズ、全粒粉のパン、マーガリン、非かんきつ系の果物だったが、こちらの影響度も1%未満だった。


「対照的に、高尿酸血症をもたらす遺伝子変異の影響は、23.9% とはるかに大きいことが示された。 研究者は「高尿酸血症は食事より遺伝子変異の影響によることを示した初めての試験」としている。




実際、外来で患者さんを診ていると、痛風(高尿酸血症)は生活習慣病とは言えないと感じています。確かに大量飲酒の患者さんは該当しませんが、頻度的には半分程度の印象です。


むしろ、お酒は一滴の飲まないにもかかわらず、高尿酸血症の方は多いです。このようなことは臨床家の間では常識だと思いますが、意外と研究されていなかったんですね。


灯台下暗しとはまさにこのことです。私たちが常識だと思っていることでも、研究されていないことは意外と多いのかもしれないと感じました。






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周術期の生物学的製剤の休薬期間

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関節リウマチ患者さんの周術期の薬剤投与について調べてみました。
出典は、手元にある下記のガイドラインです。





人工関節手術を生業にしている私にとって、最も興味があるのではTHAやTKAの周術期にMTXや生物学的製剤を投与中止する必要があるのか否か? です。下記にまとめます。


  • MTX:12mg / 週以下では継続投与が望ましい。12mg / 週超では個々の症例で判断
  • 生物学的製剤:半減期を考慮した休薬


MTXに関しては継続なので簡単ですが、生物学的製剤の「半減期を考慮した休薬」はちょっと難しいですね。


これに関しては、国立病院機構九州医療センター リウマチ・膠原病センター 宮原寿明先生のこちらの発表がよくまとまっています。表のみ抜粋しました。



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(九州医療センター 宮原寿明先生の2017年 第18回博多リウマチセミナーより抜粋)




各生物学的製剤の休薬期間をいちいち調べるのは億劫なので、今後は宮原先生の資料を参考にして術前休薬期間を決定したいと思います。







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肺炎後には生物学的製剤でフォロー

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先日、関節リウマチで生物学的製剤を投与中の患者さんが肺炎を併発しました。易感染性の基礎疾患をもっている患者さんなので、肺炎の再燃を繰り返しています。


前回は入院する必要があるほどの肺炎だったので、生物学的製剤を一旦中止しました。中止期間は約2ヵ月なのですが、この間に関節リウマチの症状が再燃してしまいました。


2ヵ月なので当たり前と言えば当たり前なのですが、肺炎がなかなか軽快しないため、ずるずると生物学的製剤投与再開を引き延ばしていたのです。


こちらでもご紹介したように、肺炎を併発した関節リウマチ患者さんの治療には細心の注意が必要です。基本的には、免疫調整薬はセーフですが、免疫抑制薬はアウトです。


MTXをはじめとする免疫抑制薬は、1度でも重症肺炎を併発した患者さんには使いづらいです。このため、臨床所見をニラミながら生物学的製剤再開の時期を図ります。


肌感覚で言うと、重症肺炎等の併発リスクは、MTXなどの免疫抑制薬よりも生物学的製剤の方が低い印象です。


このため、かなりドキドキしながらではありますが、肺炎後の患者さんにはMTX投与は控えつつも、生物学的製剤を再開して関節リウマチのコントロールを行っています。






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