整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

関節リウマチ

外来でのセルフ診断当てクイズ

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先日、興味深いことを経験しました。
偶然なのですが、2名連続で右手背の腫脹・疼痛を主訴に若年女性が初診されたのです。


両者とも発症が3日前で身体所見も酷似していたので、一瞬ですが「何かの疾病が流行しているのか?」と疑心暗鬼になりました。もちろん、そんな疾病は存在しません
(笑)


さて、診断なのですが、それぞれの症例について推測してみました。症例①は20歳台だったので、伸筋腱炎もしくは
関節リウマチを疑いました。


血液生化学所見はCRPのみ軽度上昇です。単純X線像を施行すると診断は一発でした。示指MP関節の結晶性関節炎ですね。エコーではMP関節水腫を認めました。痛そう...。



22 - コピー




症例②なのですが、発赤度合が強かったので蜂窩織炎を疑いました。しかし、問診で毎日ビールを4缶(!)飲んでいることに気付いたので軌道修正です。そう、痛風発作ですね。


血液生化学所見はCRPのみ軽度上昇です。UA値は3.2mg/dLとかなり低値です。ますます痛風発作っぽいですね。


そんな感じで結果的には両方とも最初の診断予想を外しましたが、久しぶりに外来を楽しむことができました。臨床ってなかなか面白くて良いものですね。







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豊富な図や画像が提示されているため、ほとんどの骨折や脱臼に対応することが可能です








Booleanは医師ではない!

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関節リウマチの寛解基準では、ACR/EULARによる2011年版寛解基準が有名です。この寛解基準は、Boolean型定義やBoolean寛解と呼ばれており、下記のごとくです。


  • 腫脹関節数 ≦ 1
  • 圧痛関節数 ≦ 1
  • 患者疾患活動性全般評価(VASで0~10cm) ≦ 1 
  • CRP  ≦ 1



かなり厳しい寛解基準なので
「Boolean先生、コレはちょっとキツイですよ~」と思っていました。しかし、Boolean=医師ではないようです。


医師でないどころか、ヒトでさえないようです。関節リウマチの論文を作成している人が言っていたのですが、どうやら Booleanは数学の概念のようです。


Boolean logicは、George Boole氏という英国の数学者が提唱した数学の古典理論です。そんな数学的な論理を応用した寛解基準が、Boolean型定義というわけです。


実際、私自身はアホなので、ACR/EULARによる2011年版寛解基準の中で Boolean logicがどのように応用されているのか理解していません(笑)。


それでも、Boolean=医師ではないという事実は、私にとってトリビアでした。






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関節リウマチの不勉強を反省

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自分のバカさを理解しているので、時間のあるときに Monthly Book Orthopaedicsを乱読するようにしています。今回は、Vol.32(13) のリウマチ薬物療法の基本的な考え方 です。


2010年の ACR/EULAR RA分類基準や T2T recommendationsから、2011年の ACR/EULAR 寛解基準、EULAR recommendation 2016 updateまで体系的に網羅されています。


これに加えて、日本の実情に即した JCRによる関節リウマチ診療ガイドライン2014が紹介されています。以下で、私が見落としていた点を備忘録
として記載します。




de novo肝炎について


全例で HBs抗原のスクリーニングを行うことは当たり前ですが、HBs抗原が陽性の場合には専門医(消化器内科)を紹介すると記載されていました。


あれっ、
HBs抗原陽性患者さんには、HBe抗原、HBe高麗、HBV-DNA定量を測定し、基準値以上の場合は、主治医にて核酸アナログ製剤処方する、じゃなかったのか???



上記はどうやら日本肝臓学会の古いガイドラインだったようです。たしかに整形外科医がよく分かっていないのに、バカ高い核酸アナログ製剤を処方するのもどうかと思います。


HBs抗原陽性症例を消化器内科医師に紹介するだけなのは楽でいいですが、消化器内科医師といっても肝臓専門とは限らないので、本当にこんなのでいいのでしょうか?


まぁ、最近では B型肝炎症例はすべて公的基幹病院の膠原病内科に紹介するようにしているので、今後は大手を振って紹介できます...。




MTX、バイオ製剤、JAK阻害剤治療開始時のスクリーニング検査


必要に応じてですが、T-スポットやβ-D-グルカンに加えて、抗MAC-GPL IgA抗体も測定とありました。そうか、肺MAC症も除外診断しなければいけないんだな...。




ちょこちょこ抜けている知識があったので、こりゃマズイなあと感じました。全然アップデートできていなかったようです。不勉強を反省ですね。






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関節リウマチ医のプレゼンス低下が続く?!

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リウマチ NEWS LETTER 64をパラパラ流し読みしていると、興味深い記事を拝読しました。松山赤十字病院リウマチ膠原病センターの押領司先生による勤務医からの視点です。


お題は「急性期病院における自己免疫疾患診療の利点と難しさ
」です。急性期病院の利点は下記のごとくです。

  • 各種検査を迅速に実施できる
  • 他科との連携が速やかにできる


ほとんどの医師は大規模基幹病院の勤務経験があると思うので上記は納得できるでしょう。一方、自己免疫疾患診療の難しさがあるとは思ってもいませんでした。


その難しさとは、経営的な観点では自己免疫疾患診療は大きな役目を果たすことができない点だそうです。急性期病院では、経営の観点で外来患者数を減らす動きが強まっています。



このことは、外来診療がメインとなる自己免疫疾患診療には逆風になります。そして最大の難しさは、患者さんがよくなるほど入院が減り医業収入が減少することです。


外来患者さんのアウトカムが向上すると、入院が減るため医業収入が減少して逆風になります。更に院外処方に切り替わると、ますますその傾向が強くなります。


まさに小児科が低収益だと叩かれるのと同じ構図が繰り返されているようです。少なくとも現在の状況では、自己免疫疾患診療のプレゼンス低下は避けがたいと言わざるを得ません。


自己免疫疾患診療は膨大な知識が必要なので、医師の中の医師であるという認識を抱いていましたが、どうやら院内でのプレゼンスとは別問題のようです。


医業収入なんて関係ない!患者さんがよくなればいいんだ! というスタンスではやっていけないところが大人の事情ですね...。


生物学的製剤全盛の風潮からは想像しにくいですが、製薬会社の隆盛と反比例して、自己免疫疾患診療科の地盤沈下は進行しているようです。






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胸鎖関節部腫脹を甘く見るな!

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先日、外来で右胸鎖関節腫脹の患者さんが受診しました。単純X線やCTでは右胸鎖関節症(SAPHO症候群)のようでした。


もちろん、これ自体は特に珍しいわけではありません。しかし、だからと言って安易に考えるのは禁物だと思っています。


なぜなら、つい先日診察した患者さんは乳がんの骨転移だったからです。この患者さんも右胸鎖関節の腫脹を主訴に受診されました。特筆すべきはそこそこの疼痛もあったことです。


単純X線では鎖骨近位の一部に骨融解像を疑う所見がありました。驚いてCTを施行したところ、比較的境界明瞭ではあるものの背側皮質の一部が欠損している所見がありました。


MRIでも転移性骨腫瘍疑いです。乳がんの既往があったため外科に紹介したところ、やはり乳がんの骨転移とのことでした。


単なる胸鎖関節症だと思っていたら痛い目に会うところでした。臨床には本当にさまざまな落とし穴があります。気を付けなければ、、、と改めて思いました。






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ガイドラインに準拠してわかりやすくコンパクトにまとまった良書です。概論が最初の30ページ程度なので、これはあらかじめ通読するとよいでしょう。各論は原発性骨腫瘍、腫瘍類似疾患、転移性骨腫瘍、軟部腫瘍、骨系統疾患、代謝性骨疾患の6章に分かれています。各章とも疾患ごとに、豊富な写真でわかりやすく解説されています。







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