整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

関節リウマチ

関節リウマチ手術変遷の雑感

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またまたタイトル違いで恐縮です。11月14日付けのケアネット週間人気コンテンツで、ナント第1位に輝きました! すぐに首位から陥落しそうなので早めの報告でした(笑)。



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さて、本題です。生物学的製剤の登場で、関節リウマチの治療体系は激変しました。私が医師になった時には、日本ではまだMTX投与さえも認められていませんでした。



たくさんの種類の生物学的製剤を使用えきるようになって、明らかに関節リウマチの機能予後は改善しています。その端的なことは、関節リウマチ手術の内容の変遷です。


2000年台前半までは、THAやTKAなどの大関節手術や頚椎病変に対する固定術が多かったです。寝たきりに近い患者さんが手術によって、ADLを劇的に向上させる様は印象的でした。


しかし、最近ではこれらの大関節や頚椎病変に対する手術はめっきり数が減りました。これは生物学的製剤の登場で関節リウマチのコントロールが容易になったことが原因です。


大関節や頚椎手術が激減する一方で、手の外科や足の外科の手術数は、それほど劇的には減少していません。今では関節リウマチ手術=手の外科手術と言っても過言ではない状況です。


大関節手術や頚椎手術が減少したこと自体は非常に喜ばしいものの、生物学的製剤全盛の現在であっても、手の外科や足の外科領域ではまだ十分に治療効果を得ていないようです。


今年もJAK阻害剤が発売されましたが、整形外科医からみた関節リウマチ治療は、手の外科・足の外科分野の制圧に移ってきているのかなと感じています。





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ブシャール結節の治療法

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先日、ブシャール結節の患者さんを診察しました。
ブシャール結節は、ご存知のようにPIP関節の変形性関節症です。


ヘバーデン結節や関節リウマチほどメジャーではありませんが、ブシャール結節はときどき診察する疾患です。先日の患者さんは、かなり炎症が強い印象でした。



このような指の変性性関節症には、意外と有効な治療法が無いです。関節リウマチの場合にはMTX~生物学的製剤まで、たくさんの治療の選択肢があります。


しかし、指の変形性関節症では、NSAIDsのラインを突破されると、手術以外では有効な保存治療が無いのが現状です。私の経験では、外用剤はほとんど効果がありません。


幸い、先日の方はNSAIDsがそこそこ効いたのですが、いつまでも服用し続けるわけにもいきません。どうしたものかな???


場末病院でブシャール結節に対して人工関節を希望する人は少ないので、NSAIDsを突破されると手詰まり感が滲み出ます。


昔はファルネゾンゲル等のステロイド含有外用剤がありましたが、2017年末には製造中止となるようです。そこそこ効果があった印象なので少し残念です。


現状では、疼痛が強い時には①NSAIDs服用 ②PIP関節のテーピング を併用して急場を凌いでいますが、決め手となる治療を見つけなければならないと感じています。





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石灰沈着性中殿筋腱って結構痛い!

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先日の外来で、3日前からの激烈な股関節および臀部痛の50歳台半ばの女性患者さんが初診されました。右股関節部を軽度屈曲した状態で入室されました。


この肢位はちょっと嫌ですね。思わず、腸腰筋膿瘍を連想してしまいました。おそるおそる単純X線像を確認すると、な~んだコレかと安心しました。



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右大腿骨大転子部のやや中枢側に線状の石灰沈着を認めます。いわゆる石灰沈着性中殿筋腱炎ですね。以前にMRIで発見した症例はありましたが、単純X線像では初めてです。


ちなみに、私が今まで経験した石灰沈着性腱炎は、下記のごとくです。見ていただければ分かりますが、本当にいろいろな部位に発症するようです。


    


いずれの症例も、発症時の症状はかなり激烈です。重篤感は無いけど疼痛の訴えが高度な症例では、鑑別診断のひとつに石灰沈着性腱炎を挙げてみてもいいかもしれませんね。






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初学者が股関節外科の基礎および治療体系を学習するにあたり最もお勧めの書籍です。日本を代表する執筆陣が股関節外科に関するあらゆる事項を、非常に分かりやすく解説しています。この1冊があれば股関節外科のほぼ全ての疑問点を解消できると思います。


         




痛風と誤診するところだった!?

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先日の外来で、50歳台女性が母趾基部の疼痛を主訴に初診されました。診察すると母趾基部の腫脹・発赤・圧痛を認めます。外傷歴はありません。


女性であることが引っかかりましたが、まず痛風発作を疑いました。血液生化学検査ではUA 6.7mg/dlでした。痛風発作中はUAが下がりがちなので、合点のいく数字でした。


何の疑いもなく「痛風ですね」と言いそうになって、単純X線像を見てハッと息を飲みました。それが下の画像です。



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正面像で2つの種子骨の下に何かクルミのような像を認めます。ただ、正面像では正直に言って見逃しかけました。




斜位 - コピー




しかし、斜位像では、種子骨よりも中枢側にはっきりとした石灰沈着象を認めます。これは、痛風ではないかもしれない・・・。


身体所見では、母趾MTP関節を背側から触っても圧痛はないようです。ただし、MTP関節足底側のやや中枢側に激烈な圧痛点があります。




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足部の側面像を撮影して、確定診断にいたりました。長母趾屈筋腱に発生した石灰沈着性腱炎です。う~ん、痛風発作と非常に紛らわしい。


しかし、これを誤診してしまうと、長期間に渡る高尿酸血症の治療を開始してしまう危険性があります。たまたま気付いてラッキーでした。。。





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医師の暴走を止めるには・・・

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先日、40歳台女性が両膝関節水腫で初診しました。
受診目的は「両膝の水を抜いてほしい」です。


診察すると両膝ともパンパンに張っていて、やや白濁した関節液を60mlずつ穿刺しました。問診では関節リウマチに対して某クリニックで「漢方」の治療を受けているそうです。


普段は、近くの病院で1~2週に一度の頻度で関節穿刺を受けているそうですが、その日はたまたま休診だったので、私が勤めている医療機関を受診したようです。 


関節リウマチは、明らかにコントロールされていません。その「漢方」の治療を行う某クリニックには3年ほど通院しているのですが、この1年ほどは同じ状況だそうです。。。


そんなクリニックが本当に存在するのかと思って、外来終了後にネットで調べてみると、確かにありました。全国的に有名なクリニックのようで、唯我独尊な治療(?)を展開しています。


ステロイド剤やDMARDsは全否定で、漢方だけで「完治」 できると謳っています。関節リウマチで「完治」ですか・・・。経歴をみると、さすがにリウマチ専門医ではなさそうです。


かなり遠方にあるクリニックなのですが、交通費も惜しまず定期的に通院しているようです。 う~ん、アナザーワールドが広がっていることを垣間見ました。


ここまでの事実を勘案すると、このクリニックが悪いと思う方が多いでしょう。しかし、私はそうは思いません。何故なら、その患者さんは既存医療に高度の不信感を抱いていたからです。


このような既存医療に不信感を抱く一部の患者さんの熱烈な需要があるために、このクリニックには全国から患者さんが集まってくるのでしょう。 


そして、その一因を作っているのは、営利目的のためには手段を選ばないマスコミの姿勢だと思います。過度の偏向報道や近藤理論礼賛も、売れれば何でもOKだからです。


つまり「エビデンス無視の医療機関」「既存医療に不信感を抱く患者さん」「利益のためには手段を選ばないマスコミ」が三位一体となって、この不幸な状況を作り出しているのです。


もちろん、医療機関は免責ではありません。自由診療はもちろん、保険医療においても、 極端な行動に走る医師のチェック機構が存在しないことは、由々しき問題ではないでしょうか。。。






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