整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

関節リウマチ

リウマチ学会雑感

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先週は日本リウマチ学会に出席してきました。
私にとってリウマチ学会は「興味深い整形外科隣接領域」です。


世界中を見渡しても関節リウマチの薬物治療を整形外科医が行ってる国はほとんど存在しません。それほど関節リウマチの領域は奥が深いです。


このため、純粋な薬物治療では、合併症併発時の対応を含めて内科系医師に一日の長があると思います。


しかし、中には優秀な整形外科医がいます。手術などの外科的治療に時間を割かなければいけないハンディを乗り越え、講師として壇上に立つのは並大抵のことではありません。


そんな凄い先生方の講演を拝聴してると、つくづく世の中は広いことを痛感します。そして、内科系医師との講演内容を比較すると、やはり外科医目線からの考察が多いです。


実際の関節や脊椎内の所見を知っているアドバンテージを武器に、関節リウマチの領域でもそれなりの立場を確保している印象です。


関節リウマチの領域では、整形外科医と膠原病内科医といった水と油(?)の存在が、混じり合うことで多様性が維持されているのでしょう。


趨勢として薬物治療は内科系医師の担うことが増加していくと思います。しかし、整形外科医も外科的視点のアプローチを提供することで、良い相互作用が働いていると感じました。




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嗜好品と関節リウマチ発症の関係

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リウマチNEWS LETTER 57に興味深い寄稿がありました。
島根大学内科学第三・准教授の村川洋子先生による「嗜好品や食品と関節リウマチ」です。


歯周病や喫煙によって抗シトルリン化ペプチド抗体 (ACPA)が発病に先行して誘導され、関節リウマチ発病に関与することはよく知られています。


一方、歯周病や喫煙以外の嗜好品や食品によるRA発病や活動性に関するリスクも、デンマークやスウェーデンのコホートで研究されています。




コーヒー

ある前向き研究で4カップ/日以上のデカフェコーヒーの飲用がリスクを上げました。5つの研究のmeta-analysisでもコーヒー摂取が抗体陽性RAの発病と相関がありました。


コーヒー摂取と無関係との報告もありますが、総じてコーヒーの多飲はRA発病リスクとなる可能性があり、家族歴/遺伝素因のある人で注意する必要があるとのことです。




紅 茶

紅茶に関しては、無関係・促進・抑制とのさまざまな報告があり一定していません。




飲 酒

飲酒に関してはACPA陽性RAの発病を抑制することが示された。アルコール 45g/週以上の摂取で、女性のRA発病を半減させ、摂取量に比例して発病のリスクを低下させています。


しかし、患者に対してはMTXをはじめとする疾患修飾性抗リウマチ薬との相互作用や肝毒性を考慮して、各国の機関ではアルコール制限を推奨しています。


例えば、英国ではアルコール週3単位(24g: ビールなら600ml/週)以内なので、飲酒習慣のある患者には辛い制限です。 のんべえの英国人には信じられない摂生ですね(笑)




魚 油

デンマークの前向き研究では、fish oilの多い魚の30g/日以上の摂取が、RA発症のリスクを49%低下させたそうです。


fish oilはオメガ-3脂肪酸が多く含まれますが、この摂取がRA症状を軽減、心血管障害を抑制したという報告もあります。やはり青魚は健康に良いようです。







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オレンシア+プログラフの効果は?

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関節リウマチの患者さんで、慢性腎不全のために血液透析を施行している方がときどき居ます。このような基礎疾患を持っている患者さんの治療は、なかなか厄介です。


慢性腎不全ではMTX禁忌のため、コントロール不良例では生物学的製剤を投与せざるを得ません。しかし、易感染性がベースにあるため、生物学的製剤の選択には細心の注意が必要です。


このようなハイリスク症例では、私はオレンシア(ABA)もしくはアクテムラ(TCZ)を選択しています。やはり、TNF製剤よりも感染に対して安心感があるからです。


運よくこれらの薬剤が奏功すればOKですが、疾患活動性のコントロールが十分できない症例もあります。先日もTCZ → ABAでもコントロール不良な症例がありました。


う~ん、どうしよう。。。いろいろ考えていると、名古屋大学整形外科の石黒教授の講演で、ABAにタクロリムスをオンすると良いとおっしゃられていたのを思い出しました。


藁にも縋る思いでプログラフを追加処方したところ、徐々にですがSDAI、DAS28-ESRとも低下してきました! 患者さんも体が楽になってきたと喜んでいます。


今までプログラフは高価な割には効果が少ない(ダジャレではありません)と思っていましたが、ABA投与例においては検討に値するかもしれないと感じました。





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高齢者はMTXとバイオどちらを削減?

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先日、母校の関節リウマチの先生の講演を拝聴しました。
内容はEULAR recommendations 2016でした。


質疑応答で、高齢者においてはMTXとbDMARD(生物学的製剤)のどちらを先に減量するか? が話題になりました。う~ん、これはなかなか難しいですね。


講師の先生は、MTXを先に減量するとのことでした。これは、bDMARDよりもMTXのSEの方をより警戒しているからです。



一方、医療経済的にはbDMARDを優先して減量するとの選択肢もあります。何を重視するかによって結論は異なります。


この一連のやりとりを拝聴した私の感想は、高齢者ではbDMARDよりもMTXを先に減量するという講師と同じ考えでした。



やはり、80歳を超える高齢者に対してMTXを投与し続けることはかなり勇気が必要です。私の場合、80歳を超えたらMTXからSASPに変更しています。


高齢者へMTXを投与し続けるほどの胆力は、私には無いからです。何となく後ろめたさを覚えながらMTXからSASPへ変更してきましたが、今後は少し気が楽になりそうです。






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EULAR recommendations 2016

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先日、母校の関節リウマチの先生の講演を拝聴しました。
内容はEULAR recommendations 2016でした。


EULAR recommendations 2013との違いを説明していただきましたが、治療推奨6ではPhase1において、MTXに加えてステロイドの併用を強く推奨されるようになりました。


ステロイド投与は、MTX (csDMARD) 開始時や変更時に、30mg程度の量を静脈注射もしくは筋肉注射で投与して、臨床的に可能な限り短期的に減量することが望ましいとのことでした。


特に静脈注射もしくは筋肉注射のステロイドの短期使用が推奨されたのは、MTXの効果発現までの時間をステロイド投与でカバーする目的だそうです。


私はリウマチ専門医を保持しているものの、本職は関節外科医ということもあり、EULAR recommendations 2016をフォローしていませんでした。お恥ずかしいかぎりです。


今回の改訂ではMTX、ステロイド、bDMARD(生物学的製剤)、tsDMARD(JAK阻害薬)の役割が増した一方、MTXを除くcsDMARDが退潮しました。






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