整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

頚椎

頚胸移行部棘突起骨折をclay shoveler’s fractureと言うのか!

このエントリーをはてなブックマークに追加


先日、外傷後に後頚部痛が残存しているという患者さんのご家族から、個人的に相談を受ける機会がありました。受傷時の単純X線像をみると、C7、T1棘突起骨折があります。



666 - コピー




最終的に、両方の棘突起は偽関節となったようです。偽関節部の疼痛が残存しているのでしょうとお伝えしましたが、念のため脊椎外科医の先生に画像をみてもらいました。


このような下位頚椎~上位胸椎の棘突起骨折は、clay shoveler’s fractureと呼ばれているそうです。何度も同部位の棘突起骨折を診ていますが傷病名があることを初めて知りました。


clayは粘土ですが、シャベルで作業するときなどに肩甲帯の筋肉へ負荷がかかった際に、その付着部である棘突起が骨折するという病態が傷病名の由来とのことでした。


その他の原因として、交通外傷などで頚椎の屈曲方向に外力が加わった際の棘突起の剥離骨折や、過伸展による陥没骨折という発生機序も報告されているそうです。


ほとんどの症例で保存治療で改善しますが、痛みが残存して棘突起骨片の摘出手術を必要とする例も存在するとのことでした。
clay shoveler’s fracture...勉強になりました!






★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★


自治医科大学准教授の星地先生の経験・知識を余すところなく収めたサブテキストです。定番と言われている教科書に記載されている内容は素直に信じてしまいがちですが、実臨床との”ズレ”を感じることがときどきあります。このような臨床家として感じる、「一体何が重要なのか」「何がわかっていないのか」「ツボは何なのか」を自らの経験に基づいて完結に述べられています。








                        

ようやく分かった! Modic変性のMRI所見の意味

このエントリーをはてなブックマークに追加


先日、大学の会合に出席したのですが、闖入者が
延々と個人的発言を続ける珍事がありました。退屈のあまり、持参していた日本整形外科学会雑誌をパラパラ流し読みしていました。



すると、徳島大学の西良教授による腰痛の教育研修講演が目に留まりました。闖入者の小者っぷりにうんざりしていたこともあり、椎間板性腰痛に引き込まれました。


2016年に山口大学から報告されたように、整形外科医がきっちり診察すれば、腰痛の 80%は診断可能です。そして腰痛の原因のひとつとして椎間板性腰痛があります。


診断の決め手は MRIの HIZ(high signal intensity zone)とModic changeです。HIZは画像的にも分かりやすいので、日常診療でも注意して確認しています。


一方、Modic changeを知らない人はあまり居ないと思われますが、恥ずかしながら私は Type 1~3の違いを理解していませんでした。


Type 1は T1WIで低信号+T2WIで高信号、Type 2はT1WIで高信号+T2WIで高信号、
Type 3はT1WIで低信号+T2WIで低信号です。


病理学的意味を考えずに丸暗記していましたが、どうやら、Type 1は炎症、Type 2は炎症が収まったあとにできる脂肪髄、Type 3は硬化像とのことでした。


なるほど、そういう一連の変化ということであれば、MRIの所見を丸暗記する必要さえありませんね! 勉強になりました。







★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★


自治医科大学准教授の星地先生の経験・知識を余すところなく収めたサブテキストです。定番と言われている教科書に記載されている内容は素直に信じてしまいがちですが、実臨床との”ズレ”を感じることがときどきあります。このような臨床家として感じる、「一体何が重要なのか」「何がわかっていないのか」「ツボは何なのか」を自らの経験に基づいて完結に述べられています。








                        

ストレートネックの疫学調査

このエントリーをはてなブックマークに追加


先日、いわゆるストレートネックについて調べる機会がありました。ストレートネックは俗っぽい言葉であり、正確にはもちろん「頚椎前弯の消失」です。


日常臨床で、比較的よくみかけるストレートネックですが、その頻度はどの程度なのでしょうか?おそらく整形外科外来で診る頻度は、一般よりも高いことが予想されます。


医中誌ウェブでストレートネックを検索すると 20ほどヒットしました。ストレートネックという俗称でもヒットすることに少々驚きましたが、その中に頻度の調査がありました。




脳ドックを受検して頸椎X線(正面、側面像)を撮像した631人(男女比303:328、38~79歳)をストレートネックの調査対象とした。

頸椎X線の所見分類では、異常なし444例(70.3%)、日常生活指導156例(24.7%)、経過観察20例(3.1%)、要精密検査1例(1.7%)であった。

日常生活指導と判定した156例中、ストレートネックは54例(男女比29:35、平均53.2歳)で全受検者の8.6%を占めた。


脳ドックにおける頸椎X線写真の所見 特にストレートネックについて
Author:梶田 泰一先生(国立病院機構名古屋医療センター 脳神経外科)



上記の文献によると、ストレートネックの頻度は約 8.6%とのことでした。自分の経験を照らし合わせるとすこし少ない印象ですが、実際にはこんな感じなのでしょう。


世間一般ではストレートネックは悪者っぽいイメージで語られることが多いですが、実はそこそこの数の人がストレートネックであり、決して珍しいものではないことを学びました。






★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★


自治医科大学准教授の星地先生の経験・知識を余すところなく収めたサブテキストです。定番と言われている教科書に記載されている内容は素直に信じてしまいがちですが、実臨床との”ズレ”を感じることがときどきあります。このような臨床家として感じる、「一体何が重要なのか」「何がわかっていないのか」「ツボは何なのか」を自らの経験に基づいて完結に述べられています。








                        

軸性疼痛の原因は未だ明確ではなかった!

このエントリーをはてなブックマークに追加

最近では脊椎手術を自分で執刀することがなくなりましたが、いくつか疑問点を残したまま関節外科医に特化してしまいました。


脊椎手術における疑問点のひとつが、頚椎椎弓形成術後の軸性疼痛です。以前、頚椎症性脊髄症の症例で選択的椎弓形成術(skip laminectomy)で頑固な軸性疼痛を経験しました。


Monthly Orthopaedics Vol.33(3) の「頚椎術後軸性疼痛の診かた」によると、軸性疼痛の原因はC2やC7棘突起に付着する筋群が原因となっている可能性があるとのことです。


軸性疼痛の臨床症状は下記のごとくです



  1. 生じる部位は頚部から肩・肩甲骨にかけて
  2. 愁訴の表現は、痛み、こり、はり、硬直感、牽引感、絞扼感
  3. 触診しても筋緊張が強いわけではない
  4. 離床直後、座位開始時~2週間ごろに発症
  5. 座位や立位で増強し、臥位で軽快する
  6. 座位であってもベッド柵にもたれかかるとさほど痛くない


実際に私が経験した症例は、④術翌日の離床時発症で、①②③⑤はまさにその通りでした。臥床していると症状が無いのですが、座位になると強い疼痛が発生しました。


このため、リハビリテーションが進まずに苦労した記憶があります。当時は今のように鎮痛剤のレパートリーも多くなかったので、SSRI等の処方でしのぎました。


基本的には低侵襲手術では軸性疼痛を併発しにくいと言われていますが、私の症例は skipだったので、C2,7とも侵襲が及んでいませんでした。


軸性疼痛がある程度軽快するまで1ヵ月以上かかりましたが、併発すると結構厳しい印象を抱いています。脊椎関係では未だ未解決の合併症があるようですね...。





★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★


自治医科大学准教授の星地先生の経験・知識を余すところなく収めたサブテキストです。定番と言われている教科書に記載されている内容は素直に信じてしまいがちですが、実臨床との”ズレ”を感じることがときどきあります。このような臨床家として感じる、「一体何が重要なのか」「何がわかっていないのか」「ツボは何なのか」を自らの経験に基づいて完結に述べられています。








                        

腰痛症例では確認したい Modic分類

このエントリーをはてなブックマークに追加


椎間板性腰痛は、椎間板および椎体終板軟骨に分けて考えます。MRIで椎間板変性を認める症例は多いですが、すべてに腰痛があるわけではありません。


それでは、椎体終板軟骨はどうでしょうか? 椎体終板軟骨の MRIの評価では Modic分類が有名です。恥ずかしながら、Modic分類は最近まで知りませんでした(苦笑)。


T1強調画像で椎体終板に低信号領域を認めるものは Modic Type 1、高信号領域を認めるものは Modic Type 2です。Modic Type 1は腰痛との関連性が示唆されています。



333




上図は L5椎体終板に T1強調画像で椎体終板に高信号領域を認めるため、Modic Type 2に分類されます。実際、この方は腰痛で悩んでいるわけではありません。


私が研修医の頃は、Modic Type 2をみて、もしかして化膿性椎間板炎?!と思ったこともありました。今にして思えば恥ずかしいかぎりですが、MRIの読影も日進月歩です。





★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★


自治医科大学准教授の星地先生の経験・知識を余すところなく収めたサブテキストです。定番と言われている教科書に記載されている内容は素直に信じてしまいがちですが、実臨床との”ズレ”を感じることがときどきあります。このような臨床家として感じる、「一体何が重要なのか」「何がわかっていないのか」「ツボは何なのか」を自らの経験に基づいて完結に述べられています。








                        
アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

医療研究を身近な存在とし、医療の未来を作る


管理人の著書

161228 【書影】医師の経済的自由
管理人によるケアネット連載コラム
log_carenet

医師のためのお金の話

管理人による m3.com 連載コラム
管理人による幻冬舎ゴールドオンライン連載
管理人も参加しているオンラインサロン
勤務医のための資産形成マニュアル
築古木造戸建投資マニュアル

医師のための築古木造戸建投資マニュアル 1
REITで実践する不動産投資セミナー
190122
医師のための 金融資産形成術


配送無料! 医学書 購入サイト
プロフィール

自由気ままな整形外科医

・医学博士
・日本整形外科学会専門医
・日本リウマチ学会専門医
・不動産投資家
・超長期金融資産投資家
・ビジネスオーナー
・宅地建物取引主任士

QRコード
QRコード
記事検索
メッセージ
免責事項
免責事項に関して明示することで、当ブログの利用者は以下の事項に同意した上で利用しているものと考えます。 ここに書かれる意見には管理者のバイアスがかかっています。 利用者が当ブログに掲載されている情報を利用した際に生じた損害等について、当ブログの管理者は一切の責任を負いません。 また、当ブログの情報は、あくまでも目安としてご利用いただくものであり、医療行為は自己責任で行ってください。 また、当ブログは医療関係者を対象にしています。それ以外の方が、当ブログの情報から自己判断することは極めて危険な行為です。 必ず医療機関を受診して専門医の診察を受けてください。 当ブログの内容は、予告なしに内容を変更する場合があります。