整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

頚椎

単純X線像の理想の撮影方向は?

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外来診療で単純X線像の依頼をする場合のパターンは、ある程度決まっていると思います。各医療機関毎のルーチン撮影も存在しますが、その是非について考えてみました。


まず、MRIやCTなどと比べて
単純X線像が有利なのは、動態撮影ができる点です。つまり前屈、中間、後屈位の側面像で撮影した像を比較読影できることが最大のメリットです。


側面像の中間位では問題なくても、前後屈で椎体にすべりが存在することがあります。このすべりが生じるような椎体間不安定性は、脊柱管狭窄を合併しやすいと言われています。


MRIで動態撮影を行うことも可能ですが、収益性は同じなのにコストや時間がかかるため、全ての患者さんに行うことは現実的ではありません。


また、頚椎の単純X線像の場合は、前後屈の動態撮影に加えて、両斜位の撮影が神経根の出入り口である椎間孔の評価に有効です。


一方、腰椎の単純X線像の場合は、分離症は側面像でも分かるため、斜位像を撮影する意味はあまりありません。このため、腰椎は動態4方向で十分と言えるでしょう。


ただ、腰椎に関しては腰痛が骨盤由来のケースもときどきあるので、骨盤正面像は必須だと考えています。


ここまでをまとめると、頚椎は4もしくは6方向、腰椎は4方向+骨盤正面が現在の診療報酬体系にもマッチした理想的な撮影方法ではないでしょうか。






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自治医科大学准教授の星地先生の経験・知識を余すところなく収めたサブテキストです。定番と言われている教科書に記載されている内容は素直に信じてしまいがちですが、実臨床との”ズレ”を感じることがときどきあります。このような臨床家として感じる、「一体何が重要なのか」「何がわかっていないのか」「ツボは何なのか」を自らの経験に基づいて完結に述べられています。








                        

keegan型頚椎症ではALSも鑑別に!

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先日、内科から興味深い患者さんを紹介されました。内科では高血圧でずっとフォローされていますが、最近お箸を使いにくいとのことで初診されました。


70歳台の男性で、診察すると右上肢の方が著明でした。三角筋には軽度の筋萎縮を認めましたが、 右手の背側骨間筋・母指球筋・前腕尺側筋群が高度に萎縮しています。


しかし、右上肢の知覚障害や下肢の痙性も認めませんでした。Spurling test、elbow flex test、Phalen's testはいずれも陰性でした。巧緻機能障害も無さそうです。


何とも不思議な身体所見で診断に困ってしまいました。頚椎症性筋萎縮症の一種なんだろうけど何か違う。。。ふと、以前にも同じような患者さんを診察したことを思い出しました。



たしか、鑑別診断として筋萎縮性側索硬化症(ALS)を挙げるべきだったような・・・。今回は片側性なのでALSは否定的です。


やはり、頚椎症性筋萎縮症を第一に考えるべきなのでしょうが、頚椎MRI・神経伝導速度・針筋電図を施行しつつ、ALSの除外診断のために神経内科医師の診察を仰ごうと思います。





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都市伝説? 外傷性の脳脊髄液減少症

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脳脊髄液減少症という疾患をご存知でしょうか?名前や存在はご存知の方が多いかもしれませんが、実際に患者さんを診て治療を行った経験のある方は少数派だと思います。


かく言う私は、「硬膜に穴があいて脳脊髄液が漏れる疾患なんだろうな」とう漠然としたイメージしかありませんでした。


ときどき、交通事故の「むち打ち症」の多くは脳脊髄液減少症が原因である、という週刊誌のトンデモ記事を見かけることはありますが、他人事というスタンスでした。


しかし、この疾患について相談を受ける機会があったので、調べてみた結果をシェアさせていただきます。


まず、脳脊髄液減少症は、脳脊髄液が脳脊髄液腔から漏出することで減少し、頭痛・めまい・耳鳴り・倦怠感などの様々な症状を呈すると言われている疾患です。


2002年に、当時は平塚共済病院・脳神経外科部長であった篠永医師によって初めて提唱されましたが、しばらく注目を集めることはありませんでした。


しかし、2006年に脳脊髄液減少症を事故の後遺障害として認める司法判断が下された結果、むち打ち症=脳脊髄液減少症という報道がなされて世間の関心が一気に高まりました。


一方、脳脊髄液減少症は国際疾病分類には記載されておらず、現状では保険病名でさえもありません。つまり、脳脊髄液減少症と言われている患者は、日本にしか存在しないのです。


統一的な診断基準が存在しないことも、混乱に拍車をかける原因となっています。また、多くの症例で客観的な画像所見が無いことも、疾患の存在を疑問視する一因となっています。


そして、大きな外力が加わるスポーツ外傷後では、脳脊髄液減少症と診断されることはほとんどないそうです。 なぜか、交通事故でしか発生しないことが問題を複雑にしています。


このようなことが背景にあるため、多くの脊椎外科医や脳神経外科医は、外傷性の脳脊髄液減少症に対しては、その存在自体を疑問視しています。


一方、特発性の脳脊髄液減少症に関しては、少数ではあるものの実際に存在するようです。これらの症例ではブラッドパッチが著効することもあります。なかなか興味深い病態ですね。







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ピップエレキバンのアーチファクト

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先日、胸腰椎圧迫骨折疑いの高齢者に対して、胸腰椎MRIを施行しました。自力歩行可能で、単純X線像でも明らかな骨折を認めませんでしたが、疼痛の度合いから骨折を疑いました。


結論的には第12胸椎圧迫骨折だったのですが、放射線技師さんから謝罪の電話がかかってきました。曰く、ピップエレキバンを貼ったまま撮像したとのことです。


もちろん、問診の段階でこのことは確認済みなのですが、患者さんご本人がピップエレキバンを貼っていることを忘れていたようです。。。こりゃ、どうしようもないですね。


ところで、何故ご本人さえ忘れていたピップエレキバンの存在を、放射線科技師が分かったかというと、下図のようなアーチファクトが発生していたからです。



222 - コピー



一見、なんじゃこりゃという所見ですが、よくよく考えてみるとピップエレキバンを貼付したままMRIを撮像した画像をみるのは初めてです。


あんなに小さな鉄粒でも、大きなアーチファクトができるようです。幸い、患者さんに火傷被害はなかったようですが、高齢者の貼り忘れピップエレキバンは要注意だと思いました。






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有用! MRI適合性検索システム

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熊本大学 医用画像学分野 藤原康博講師のグループは、メディエ株式会社と共同で、国内に流通する医療機器のMRI検査への適合性を検索可能なシステムを実用化しました。


平成29年4月3日から医療機器のMRI適合性検索システムとして運用を開始しているようです。これは、すごいですね! 早速、私も登録してみました。





体内に医療機器を留置した被検者に対するMRI検査への安全性に関する情報を簡便かつ正確に確認することが容易になり、医療安全の向上に大きく貢献できることが期待されます。


ログインして操作性を確認してみました。下図はログイン後の画面です。どうやら体内に留置されている医療機器のかなり詳細な情報が必要そうです。



2 - コピー




実臨床において、MRI施行可能か否かの判定が必要な医療機器は、ほぼ心臓ペースメーカーに限られます。条件付きMRI対応心臓植込み型デバイスが、かなり普及しているためです。


このため、「製造販売元 選択:セント・ジュード・メディカル株式会社」「留置される部位:胸部」として検索してみました。



3 - コピー




ずらりと136件ヒットしました。実際にはペースメーカー手帳をみて確認していく作業が必要ですが、なかなか有用そうです。


実際の操作性は悪くなく、非常にいい感じの検索システムだと思いました。熊本大学の藤原先生とメディエ株式会社に感謝ですね!




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