整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

頚椎

第1胸椎側面像のトリビア

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先日、頚部痛で受診された患者さんの単純X線の側面像をみて、アレっと思いました。この方は第1胸椎まで確認できます。その第1胸椎に、私の目をひく所見があったのです。



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頚椎前弯消失以外には、明らかな異常所見は無さそうです。しかし、第1胸椎の椎体の上2/3に硬化したような所見(?)を認めます。今まで、この部分を意識したことはありません。



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はじめは骨腫瘍かも? と思いましたが、どうもそんな感じではなさそうな所見です。注意してみてみると、他の人でも同様の所見がありました。


椎間関節まで硬化しているように見えるのですが、他の人の椎間関節も同様の所見なので、どうやら正常解剖のようです。調べてみると、この硬化像(?)は第1肋骨頭でした。


普通の方は、肩が邪魔になって第1胸椎まではっきり見えることが少ないです。このため、第1胸椎椎体レベルでの第1肋骨頭の存在に、今まで気が付かなかったようです。


う~ん、恥ずかしいことです。私にとっては、今更ながらのトリビアでした。きっと、皆は分かっているんだろうな・・・





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自治医科大学准教授の星地先生の経験・知識を余すところなく収めたサブテキストです。定番と言われている教科書に記載されている内容は素直に信じてしまいがちですが、実臨床との”ズレ”を感じることがときどきあります。このような臨床家として感じる、「一体何が重要なのか」「何がわかっていないのか」「ツボは何なのか」を自らの経験に基づいて完結に述べられています。








                        

脊椎外科の必須分野

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私は関節外科医なので、脊椎外科には疎いです。
日進月歩で進化するホットな領域なので、付いて行くことさえ難しいです。


特に場末病院勤務では、自分の専門分野以外の領域の最新知見を得ることは一苦労です。しかし、整形外科専門医を名乗る以上は、表面的な知識だけでも知っておく必要があります。


現時点で、整形外科専門医である以上、脊椎外科領域において誰もが表面的には知っておく術式や内固定材料として、私の独断と偏見では下記が挙げられると思います。
 


  1.  頚椎前方除圧固定術
  2.  頚椎椎弓形成術
  3.  PLIF
  4.  TLIF
  5.  XLIF
  6.  OLIF
  7.  X-core
  8.  BKP 
  9.  腰椎後方固定術
  10.  腰椎後方除圧術


私自身は①②⑨⑩しか経験が無いため、③~⑧は完全にアウェーの分野です。特に、内固定材系は、実物さえ見たことがありません。


素人でも理解できるような、分かりやすい教科書や参考サイトがないかなと思っていたら、とぜんな脊椎外科医のブログ という脊椎外科に特化したサイトを教えてもらいました!


初めてこのブログを見たときは、非常に視認性の良いまとまったサイトだと感じました。まじめにコツコツと脊椎外科に関する有用な知見を分かりやすく発信されています。


こういうレベルの高いサイトが増えてきていることは非常に喜ばしいことです。脊椎外科に限らず、各分野のスペシャリストによる素晴らしいサイトがどんどん増えればよいですね。





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頚椎前方の巨大骨棘では嚥下障害も

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先日、高齢者の頚椎の単純X線像を撮影した際に、おやっ?と思う所見がありました。側面像でC2-5椎体前方にくちばし状になった巨大な骨棘があるのです。


骨棘自体はサイズが大きいだけで腫瘍性ではなさそうです。ただ、サイズが異常に大きいため、食道の軟部陰影がかなり前方に圧排されていました。


患者さんの症状は上肢の神経根症だったのですが、画像の異常さが際立っています。いわゆる、強直性脊椎骨増殖症(ankylosing skeletal hyperostosis)です。



キャプチャ - コピー

(Bhiken Naik et.al.Dysphagia, Obstructive Sleep Apnea, and Difficult Fiberoptic Intubation Secondary to Diffuse Idiopathic Skeletal Hyperostosis, Anesthesiology 5 2004, Vol.100, 1311-1312.)


そして、上の画像のように食道を圧排することで、嚥下障害をきたすこともあります。念ためこの患者さんに確認すると、確かによくむせるとおっしゃられていました。


ASHに嚥下障害を併発した状態は、フォレスター病と呼ばれています。嚥下障害の原因としては珍しいですが、巨大過ぎる頚椎前方の骨棘ではフォレスター病も念頭に置く必要があります。


経年的に増悪するので、嚥下障害をきたしている症例では頚椎前方の骨棘切除術が必要となります。ただし、高齢者が多いので、術後の呼吸不全に注意が必要です。


ちなみにASHは、骨に付着する全身の靭帯や腱の骨化を呈するびまん性特発性骨増殖症(DISH:diffuse idiopathic skeletal hyperostosis)の一部分症として認識されています。





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整形外科を志すなら、キャンベル(Campbell's Operative Orthopaedics)は必須でしょう。ペーパー版以外にも、DVDやe-ditionもあって便利です。更にKindle版は約30% OFFで購入可能です。このような辞書的な医学書は、電子書籍と相性が良いと思います。










駄ネタ: 美人もさほどトクではない?

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先日のアルバイト先で、とんでもなく美人の患者さんが受診されました。ああ、世の中にはこんな人も居るんだなと思いながらも、いつものように問診をとりました。



単純X線像の撮影のために診察室から出ていくと、看護師さんが「女優さんみたにキレイでしたね~」と言うほどです。どうやら女性目線でも相当な美人のようです。


「あれだけ美人だったら、きっと生きていく上でトクなんでしょうね」と言うので、ついつい私も「一度みたら忘れられないぐらいですからね~」と相槌をうちました。


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その後の診察で、神経根症に対してリリカを処方するべきか否かを悩みました。発症からある程度日数が経過していたので、思い切ってリリカを試してみることにしました。


すると、リリカは手持ちがあるとおっしゃられます。ふ~ん、どこで処方してもらったんですか?と軽い気持ちでお伺いすると、ナント「1年前にこの病院で処方してもらいました」とのことです。



「えっ、そうなんですか?」と過去カルテを開きました。この病院では初期設定で単年度のカルテしか開かないのです。しかも「先生に、処方してもらったんですよ」とおっしゃられます・・・



ああ、確かに反対側ですが今回と同じような症状で、同じような治療戦略を展開していました。。。「それでは、その手持ちのリリカでいきましょう」としどろもどろの対応です。



これだけの美人にも関わらず、私は全く覚えていませんでした(笑)。「一度みたら忘れられないぐらいですからね~」って何ですか? と看護師さんからもおちょくられる始末です。


確かに目の保養にはなりますが、どうも思っていたほど美人の効能は高くないようです。







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自治医科大学准教授の星地先生の経験・知識を余すところなく収めたサブテキストです。定番と言われている教科書に記載されている内容は素直に信じてしまいがちですが、実臨床との”ズレ”を感じることがときどきあります。このような臨床家として感じる、「一体何が重要なのか」「何がわかっていないのか」「ツボは何なのか」を自らの経験に基づいて完結に述べられています。








                        

上位胸椎には危険がいっぱい?!

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先日、2週間前に出現した夜間の背部痛が主訴の30歳台半ばの患者さんが初診されました。最初は内科を受診して胸部XpとCTを施行されましたが、特記する所見がありませんでした。


1週間しても痛みが続くため内科を再診されました。その時点で内科から整形外科に紹介されたのですが、胸椎の単純X線像ではpedicle signも含めて何も所見がありません。


実は私も30歳台半ばぐらいからときどき夜間の背部痛で就寝中に起きてしまうことがあります。私の場合、肩甲背神経痛なので、きっとそれなんだろうな・・・と思いました。


しかし、何故かちょっと嫌な感じがしたので、念のために胸椎MRIを施行することにしました。結果説明を受けに再診された際、その患者さんのMRIを見て驚きました。


何と、第4胸椎の椎体に派手な骨融解像を認めるではないですか!しかし、よくみると椎体前方には液体成分の貯留を認めます。軽度の炎症所見亢進もあるので感染かもしれません。


上位胸椎の再建が必要になりそうなので、市中病院の手に負える症例ではありません。あっさり基幹病院に紹介しました。初診から10日間の短い期間だけ私が診たことになります。


今回の症例を経験した教訓は、上位胸椎に関しては肩関節が邪魔になって単純X線像での診断が困難であることです。正面像でpedicle sign(-)でも全く安心できません。


特に上部の背部痛に関しては、積極的に胸椎のCTやMRIを施行してもよいのかもしれません。少なくとも私は今後そうしようと思いました。




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ガイドラインに準拠してわかりやすくコンパクトにまとまった良書です。概論が最初の30ページ程度なので、これはあらかじめ通読するとよいでしょう。各論は原発性骨腫瘍、腫瘍類似疾患、転移性骨腫瘍、軟部腫瘍、骨系統疾患、代謝性骨疾患の6章に分かれています。各章とも疾患ごとに、豊富な写真でわかりやすく解説されています。







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