整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

上肢

治療よりも患者ニーズを汲み取ろう!

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先日、脳梗塞後の上肢不全麻痺のために手指拘縮になっている患者さんの診察依頼がありました。手指の屈曲拘縮が強く、爪が手掌に食い込んでいるためです。


診察すると、かなり関節拘縮もきたしていそうです。用手的には2横指ぐらいまで伸展できますが、かなり厳しい状況です。


う~ん、困ったな...。すでにOTが介入しているのですがあまり効果が無いようです。そうなると手術治療もしくはボトックス注射でしょうか???


手術治療といっても、切腱術はまだしも Z延長などは大袈裟な気がします。悩んだ末にボトックスでお茶を濁すのがベストでは?という結論に達しました。


私自身はボトックス注射の経験はなく、上肢のボトックス注射は難しいと聞いています。このため、ボトックス注射の経験が豊富な医師にお願いすることにしました。


この医師が入念に診察してコメディカルのニーズを探ったところ、どうやら手指拘縮そののもよりも爪を切れないことで困っているようです。


そうであれば、爪切りの際だけ手指を手掌から挙上できればよいという結論に達しました。そうであれば、手術治療以外の選択肢もあります。


この先生が考えたのは、爪切りの時だけ尿道バルーンを手指と手掌の間に挿入してバルーンを膨らますだけです。非常にシンプルですね!


私が関心したのは、手指拘縮をどうやって治療しようではなく、本当の患者さんのニーズを汲み取って適切な対応を提案したことです。う~ん、勉強になりました。







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「痛くない」腱鞘内注射のコツ

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先日、大学の手の外科の先生から、ばね指に対する腱鞘内注射で興味深いお話をお伺いしました。それは「痛くない」腱鞘内注射のコツです。


腱鞘内注射は痛いことで有名です。施行前に患者さんにあらかじめ痛いことを言うのですが、実際に施行しても痛いので患者さん的には嫌な注射です。


ところが、
腱鞘内注射をそれほど痛くなく施行することが可能だそうです。その手法とは、手指の基部側面から刺入して、基節骨の背腹中央にコツンと針先を当てます。


基節骨に針先を当ててから少し引き抜いて、やや掌側に向けて針先を腱鞘内に進めます。針先が腱鞘内に到達した時点で薬液を注入するという手法です。


なぜ痛みがマシなのかというと、手指の側面は手掌と比べて知覚神経の密度が低いからだそうです。というか、手掌には異常なほど多くの知覚神経終末が集中しています。


このため、手掌に注射を施行するとトンデモなく痛いのです。手掌を回避するだけで、
腱鞘内注射がずいぶん楽になります。なるほど、患者さんには朗報の手技ですね!








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肩鎖関節脱臼骨折を診た!

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先日、珍しい(?)骨折を経験しました。
転倒してから左肩が挙がらないという主訴で受診された患者さんです。


単純X線像では鎖骨遠位端骨折のようです。遠位骨片が小さいので、念のために3D-CTを撮像してみました。すると、どうやら肩鎖関節の関節内骨折のようです。



222 - コピー



しかし、私はいまだかつて肩鎖関節脱臼骨折をみたことがありません。そのような骨折型が存在しても不思議ではないのですが、不思議と診たことはなかったです。


半信半疑で手術を施行しましたが、やはり肩鎖関節の鎖骨側が上方に脱臼していました。術野から鎖骨の肩鎖関節関節面がニョキっと出てきたときには、さすがに少し驚きました。


骨癒合さえすれば予後は良いのでしょうが、遠位骨片が小さくて母指の爪甲ぐらいしかありません。遠位骨片の幅も薄いので骨癒合するか否かが
少し心配です。







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豊富な図や画像が提示されているため、ほとんどの骨折や脱臼に対応することが可能です








患者さんとの会話で症状を覚えよう!

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私は何らかの症状を抱えている患者さんには、どのような時に痛いのかをできるだけ具体的に訊くようにしています。


その行為はもちろん診察の一環ですが、できるだけ詳細に症状について訊き出す大きな理由のひとつは、自分自身の記憶を強化するためです。


例えば手関節の TFCC 損傷の場合、疼痛のために回内が制限されるケースが多いです。画像所見だけでは回内か回外かは判断できないです。


しかも TFCC損傷の患者さんはそれほど数が多くないので、回内か回外のどちらだったかな? と忘れてしまいがちです。


このような時、患者さんのとの会話を思い出して、TFCC患者さんは「やかんのお茶を注ぐ時に痛いんですよ」と言っていたなと言うことを思い出すと「回内」となります。


整形外科領域の疾患は膨大ですが、特徴的な症状を自分の頭にインプットするためにも患者さんとの会話で得た印象的な内容を記憶しておくのも有効な方法だと思います。





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ボクサー骨折のカンタン整復法

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先日、ボクサー骨折の患者さんを診察しました。
転位が大きかったので整復が必要でした。


整復方法なのですが、教科書的にはMP関節およびPIP関節を 90度に屈曲して、PIP関節部を背側へ押すことで整復固定すると記載されていることが多いです。


しかし、実際にはこの手技ではなかなか徒手整復できません。私は、結構転位しているボクサー骨折であっても、とりあえず長軸方向に牽引してみることにしています。


この単純な方法でキレイに整復されることが多いです。こちらの方が患者さんに与える苦痛も少なく、あっさり確実に整復できます。


その後の固定肢位が問題ですが、私はMP関節・PIP関節ともに軽度屈曲位でシーネ固定しています。MP関節およびPIP関節を 90度に屈曲して1ヵ月固定とかはしんど過ぎます...。


ご存知のようにボクサー骨折は不安定性が強いので、この肢位で再転位をきたすようであれば経皮的骨接合術の適応だと考えています。





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