整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

上肢

橈骨遠位端の骨欠損は恐れるに足らず

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先日、橈骨遠位端骨折術後患者さんの掌側プレートを抜釘しました。初回手術から約1年経過しています。



術後側面 - コピー


術後正面 - コピー



かなり粉砕が高度であったため、初回手術では骨欠損部に人工骨(β-TCP)を多量に充填しました。かなりの骨欠損だったので、術後も恐る恐る診ていた記憶があります。


そして、約1年で抜釘術を施行しました。側面から観察すると、かなり人工骨が吸収されて
いますが、正面ではプレートが邪魔でいまいち分かりませんでした。



抜釘後側面 - コピー



抜釘後正面 - コピー




いよいよ抜釘して人工骨の状態の全容が解明されました。あれだけあった人工骨が約1年でかなり吸収されて自家骨に置換されていることが分かります。


この患者さんは70歳台後半の方で、骨粗鬆症がベースにあります。それにもかかわらず、橈骨遠位端骨折では、おどろくほど骨形成が盛んなようです。


今回の経験から、多少の骨欠損は問題無いことが分かりました。高度の骨粗鬆症症例は骨欠損が大きくなりがちですが、プレート固定をきっちりできれば恐れるに足りずのようです。






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掌側プレート上に正中神経が・・・

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タイトル違いで恐縮ですが、拙書 医師の経済的自由 の増刷が決定しました! 今回は第3刷とのことで、本当にありがたいかぎりです。


医師としてのキャリアを楽しみながら経済的自由に到達する選択肢があることを、できるだけ多くの医師に知っていただきたいと考えています。今後ともよろしくお願いいたします。



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最近、立て続けに橈骨遠位端骨折の掌側プレートの抜釘術がありました。橈骨遠位端骨折の掌側アプローチは、さほど解剖学的に難しいものではありません。


しかし、抜釘では少し注意するべき点があるように感じたのでご報告します。通常、橈骨遠位端に掌側からアプローチする場合、FCRと橈骨動脈の間から進入します。


このため、橈骨動脈の存在には気を遣うものの、正中神経や長母指屈筋腱が術野に出てくることは、あまりありません。しかし、抜釘時には、進入路が瘢痕化して癒着しています。


実際のところは分かりませんが、内部が瘢痕化する過程で正中神経や長母指屈筋腱が瘢痕組織に引っ張られて、通常よりも橈側に偏移していることが多い印象です。


前回皮膚切開→進入路で展開していくと、思いがけずに正中神経が目の前(!)に出てきて、冷や汗をかく場面が何度かありました。


有るはずが無いと思っているモノが有ると、予想外の医療事故につながる可能性があります。橈骨遠位端骨折の掌側プレートの抜釘時には、正中神経に要注意だと思いました。





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手根管症候群を保存療法で治そう!

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手根管症候群の保存治療って、案外難しいと思います。困ったら手術すればよいという意見もありますが、若年者の手根管症候群はどうでしょう?


若年者の手根管症候群は大半が産褥期ですが、そうではない患者さんも散見します。いくら簡単な手術とはいえ、若年者に手術を施行するのは少し抵抗があります・・・


そこで、保存治療と格闘するのですが、なかなか決定打は無いという実感です。手根管症候群の本態は屈筋腱滑膜炎です。このため保存治療の目的は、いかにして滑膜炎を抑えるかです。


屈筋腱滑膜炎を制御することが治療目的となるので、プレガバリン投与でしびれを緩和する等の行為は治療ではないと考えています。私が実践しているのは下記の手順です。


  1.  外固定
  2.  手根管内ストロイド注射


まず最も手軽な、手関節の夜間シーネ固定から治療を開始します。この際のポイントは、手関節をやや背屈させて固定することです。中間位固定よりも症状緩和効果を期待できます。


1~2週間様子をみて改善が無ければ、手根管内へのストロイド注射を施行します。この際、皮内針(27G針)を長掌筋腱の尺側から手根管内に注射するとよいでしょう。


夜間シーネ固定も併用して、更に1~2週間様子をみて様子を見ます。若年者の場合は、この治療法で何とかしのげることが多いです。


若年者の手根管症候群は何かと気を使いますが、なんとか泥縄式(?)で対応しているのが現状です。もう一手ほど、何か効果的な治療があればなと感じています。。。





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ディピュイトレン拘縮の術前計画

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先日、ディピュイトレン拘縮の手術がありました。ザイヤフレックスによる酵素注射療法も登場しましたが、高度のディピュイトレン拘縮は手術療法の適応です。


手術療法においては皮膚切開のデザインが問題になります。いかにして肥厚した手掌腱膜を効率的に切除するのか。。。皮膚切開のデザインは重要なポイントです。


執刀直前にアドリブで皮膚切開のデザインする外科医が多い中、熟練の手の外科医は、術前に撮影した患者さんの手掌の写真に、あらかじめ皮膚切開のデザインをしていました。



65 - コピー




こんな感じの画像を手術室の壁に貼って、それを見ながら手掌に皮膚切開のデザインをしていました。う~ん、素晴らしい工夫です。目から鱗でした。


私は、骨折手術や人工関節手術では術前に画像所見を念入りに見て術前計画を練りますが、手の外科のような軟部組織手術ではぶっつけ本番が多いです。


しかし、熟練の手の外科医は違うようです。私にとってディピュイトレン拘縮は最もやりたくない手の外科手術のひとつですが、今度施行する際には参考にしようと思いました。





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手指骨折後に抜釘するのか?

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先日、Profyle Comboを用いて中節骨骨折の骨接合術を施行した患者さんから、抜釘術を行うのか? という質問を受けました。



う~ん、なかなか悩ましい質問ですね。。。私は上肢の骨接合術後は、橈骨遠位端骨折の掌側プレートを除いて、基本的には抜釘しない方針です。


先日は、舟状骨骨折術後の抜釘について話題にしました。舟状骨では物理的に抜釘することが非常に難しいので施行していません。しかし、中節骨はどうでしょうか?


前腕部と異なり手指では軟部組織が薄いため、low profileな内固定材料とは言えども、ある程度は手指の可動域に影響を及ぼします。


抜釘術自体も物理的に難しくないため、手術を施行するメリットとデメリットを勘案すると、手指の骨折では抜釘術はアリかもしれません。


そこで、何人かの手の外科医師にヒアリングしてみました。結果は、抜釘するという手の外科医が多かったです。


同一大学の同門医師であるというバイアスが掛かっていますが、手指骨折で用いたProfyle Comboは抜釘する医師が多いようです。私もその方針を踏襲しよう。。。





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