整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

上肢

やむを得ず...LINE で医療相談

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先日の小学生の橈尺骨遠位骨端離開の手術ですが、治療方針決定のために大学の手の外科の先生に画像を確認していただきました。


当然、大学の先生はお忙しいので、おいそれとお伺いするわけにはいきません。しかし、どうしても専門医の意見を聞く必要があったので、やむを得ず LINEで相談しました。



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こんな感じでCTをシネモードで撮影して、その動画をLINEにアップします。これを診ていただくことで、病態を簡単に伝えることが可能です。


動画(
シネモード)
だと非常に病態を伝えやすいので、場末病院にいても大学病院と連携していることを感じます。


大学の先生は激務なのでつまらない症例の相談はご法度です。しかし、自分の手に余る症例に関しては、悩んだ末にやむを得ず...という感じであれば許されるでしょうか???







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久しぶりの AO小創外固定

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先日、小学生の橈尺骨遠位骨端離開の手術を施行しました。橈骨側のみS-H type 2だったので、橈骨に関してはそれなりの解剖学的整復が必要となります。


極度の不安定性があったので、クロスピニングだけでは難しそうです。しかし、掌側プレートを小学生に施行するのは憚れるのでかなり悩みました。


餅は餅屋ということで、大学の手の外科の先生や、元上司の手の外科の先生に相談したところ、たくさんの有益なアドバイスをいただきました。


そのアドバイスの中で創外固定があったので、ありがたく採用することにしました。ただし、AO小創外固定を施行するのは 15年ぶりです。


ロッキングの掌側プレートが普及して以来、AO小創外固定は過去の遺物だと思っていましたが、このような症例ではまだまだ有用であることを学びました。



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術後の単純X線像はこんな感じなのですが、やはり解剖学的な整復位を獲得するのが難しかったです。オープンにすればあっという間なのでしょうが、経皮的には難度が高いです。


ただ、AO小創外固定器の設置自体は全く問題なく施行できました。その理由は、15年前の手術記録に手術のピットフォールを詳細に記載していたからです。


ケアネットでも述べたように、クラウドでデータ管理しているといつでも取り出すことができて非常に便利です。私はアタマが悪いので外部記憶をふんだんに利用しています。






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速効性がある? A1 pulleyのストレッチ!

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先日、くらげ整形外科の山崎先生による、ばね指の保存治療である A1 pulleyのストレッチをご紹介しました。あれ以来、ばね指患者さん来ないかな~と思っていたら来ました!


どれどれと診察すると、環指のスナッピングでした。さっそく、下の図のように、MP・PIP関節最大屈曲、DIP関節伸展位で罹患指と手掌で今日の治療薬(笑)を挟みます。



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この状態で今日の治療薬30秒ほど握ってもらいました。本を握ることで屈筋腱が収縮して、A1 pulley内腔が増大することになるんですよ~と患者さんに説明します。


ストレッチ後に患者さんが環指を動かすと、なんとクリックが軽快しているではありませんか! 自覚症状としては少し残存しているようですが、傍からみると消失しています。


この「A1 pulleyのストレッチ効果」は、かなり速効性があるようです。もちろん、すぐに元に戻るのでしょうが、1ヵ月継続すると治療効果が出てくる気がしました。


ブロックを30秒握るストレッチを 1日10回以上実施することで、治療開始後1~2ヵ月で効果が得られるそうです。忙しい患者さんだったので腱鞘内注射も施行しました。


こちらはもちろん、広島大学の四宮先生の論文に準じて、A1 pulley部の皮下に適当に注射しました。たかがばね指ですが、完全にマイブームになっています(笑)。






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上腕骨内側上顆下端の骨片は骨折なのか?

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先日、12歳の小学生男児が投球後の肘関節内側痛で初診しました。単純X線像を確認すると、上腕骨内側上顆下端の末梢側に骨片(?)を確認できます。


ご存知のように、この所見が裂離骨片なのか骨化障害なのかは議論のあるところです。私自身の理解が不足していたので、思い切って文献を渉猟してみました。


その中で、得心いった文献があったのでご紹介させていただきます。鶴田整形外科の峯博子先生による成長期野球競技者における上腕骨内側上顆下端裂離の病態です。


この研究では、高分解能MRIを用いて、軟骨膜の破断や偏位の有無、および前斜走靭帯(AOL)の信号変化の有無を、健側と比較しています。


結論は、全例(18例)において、軟骨膜損傷およびAOLの信号変化を認めました。つまり、上腕骨内側上顆下端の分離・分節は骨化障害ではなく、AOLを介した裂離骨折なのです。


これまでも現病歴や画像所見の印象から、外固定を用いて新鮮骨折に準じて治療していました。裂離骨片と思われる部分の骨癒合を目指す治療方針です。


ただし、この所見が骨化障害か裂離骨片かは不明だったため、100%の自信を持っていたわけではありません。今回の研究を拝読して霧が晴れた気がしました。







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ばね指の A1 pulleyストレッチ療法

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先日、ばね指の保存治療に関する興味深い研究を拝読しました。千葉大学の山崎厚郎先生による下記の論文です。


A1 pulley stretching treats trigger finger: A1 pulley luminal region under digital flexor tendon traction


最近、ばね指の保存治療として A1 pulleyのストレッチの有用性が報告されるようになりました。今回の研究では、キャダバーを用いてA1 pulleyのストレッチ効果を確認しています。



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上の図のように、MP・PIP関節最大屈曲、DIP関節伸展位で罹患指と手掌でブロックを挟みます。この状態でブロックを握ることで屈筋腱が収縮して A1 pulley内腔が増大します。


この「A1 pulleyのストレッチ効果」は、A1 pulley内腔の拡大によって屈筋腱の滑走性を向上させます。なるほど、言われてみればそのとおりですね!


ブロックを30秒握るストレッチを 1日10回以上実施することで、治療開始後1~2ヵ月で効果が得られるそうです。症状をみながらステロイド腱鞘内注射も適宜追加します。


ばね指の保存治療では、広島大学の四宮先生の論文がトリビアでしたが、山崎先生の論文にも驚かされました。今後はばね指の保存治療の柱にしたいと思います。


ちなみに、山崎先生は 5月に幕張で開業されるそうです。その名もくらげ整形外科。くらげに会えるクリニックというコンセプトに驚きました。一度内覧させてもらいたいものです。






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