整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

足部

子供の踵部外傷は要注意!

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先日、自転車の車輪に足を巻き込まれたお子様が初診しました。この手の事故は本当に多いと思います。創部が派手なので、親御さんも真っ青になってしまいます。


足関節から足部にかけて強い捻れの力が加わるため、脛骨遠位端の若木骨折や脛骨遠位骨端離開を併発することが多いので注意が必要です。


踵部が自転車の車輪に巻き込まれるということは、かなり強力な捻れの力が足部に加わることになるので骨折を併発してもおかしくないのです。 


多くの患児は、踵部の挫傷(創)を併発しています。 そして、踵部やアキレス腱部の挫傷(創)は小児といえどもなかなか治癒しないので、結構長い間通院している印象を受けます。



踵部やアキレス腱部は、小児であっても治癒し難い部位です。この部位の外傷はdegloving損傷と類似の病態なのかもしれません。


このことを念頭に、きっちりと段階を踏んだ創処置を行うべきだと思います。夜診などで日替わり担当医に任せきりだと、いつまでたっても治癒しないケースが多いです。 


私は、初診でこの手の患児を診た場合、責任を持って創が治癒するまでコミットし続けます。面倒ではありますが、誰かが責任を持たなければなかなか治らないので。。。





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紛らわしい! 第5中足骨基部の骨端

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先日の外来で「右第5中足骨基部骨折」の小学生の患者さんが再診しました。数日前に他の整形外科医師が診断したようで、足関節フリーの足部のみのシーネ固定をされていました。


第5中足骨基部骨折なのに、足関節フリーのシーネ固定とは妙だな???と思いながら診察すると、第5中足骨に腫脹・圧痛がありませんでした。確認したら下記の画像でした。



AP - コピー

斜位 - コピー



確かに右第5中足骨基部の骨端は、左側と比べて大きいです。そして、骨端離開である可能性も否定はできません。しかし、腫脹や圧痛が全くないので、同部位の骨折は否定的です。


丹念に調べると、足部外側痛ではなく、足関節外側靭帯部の腫脹・圧痛が著明でした。どうやら今回は第5中足骨基部骨折ではなく、足関節外側靭帯損傷だったようです。


いずれにせよ、足関節がフリーの固定では意味がないので、U字スプリントを作製しました。数日前に処置料を算定しているので、今回はもちろん無料でということになります。


看護師さんに訊くと、そこそこベテランの医師だそうですが、そんな医師でも今回のようなピットフォールに陥ってしまいました。やはり身体所見を丹念に取ることが大切だと思いました。





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こんなところにも石灰沈着性腱炎が!

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先日、基礎疾患てんこ盛りの易感染性の入院患者さんが、突然足底部の疼痛を訴えました。疼痛の程度がかなりキツく、足底部を中心に著明な腫脹・熱感・発赤を認めました。


むむっ、もしや蜂窩織炎では???  抗生剤を投与しなければ! という考えが一瞬頭をよぎりましたが、念のために単純X線像も撮影しておこうと思い直しました。



LR




上記が、その結果です。踵骨の足底側に帯状の石灰沈着像を認めました。こんなところにも石灰沈着性腱炎が! 敢えて病名をつけるなら、石灰沈着性足底腱膜炎でしょうか。


体表に近いところの石灰沈着性腱炎は、腫脹や発赤をきたしやすいですが、よもや足底腱膜炎で発赤まできたすとは思いませんでした。


足底の蜂窩織炎であれば、治療が厄介だなと思っていましたが嬉しい誤算です。疼痛で苦しむ患者さんには申し訳ないと思いつつも、ホッと胸を撫で下ろした一日でした。






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脛腓間スクリューの抜釘時期

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足関節脱臼骨折では、Lauge-Hansen分類が有名です。この分類のPEでは、脛腓骨間の下腿骨間膜が断裂しているため、脛腓間スクリュー(positioning screw)が必須です。


脛腓間スクリューを使用する目的は、断裂した下腿骨間膜の修復ですが、最も重要なことは遠位脛腓靭帯の解剖学的修復です。靭帯が修復されるまでスクリューは必須です。


それでは、脛腓間スクリューを抜釘する時期はいつごろがよいのでしょうか?荷重歩行によって、脛腓間スクリューが破損する可能性は約30%と高率です。


スクリューの破損を恐れていると、いつまで経っても荷重歩行を開始できません。そうなると骨萎縮や関節拘縮が進行して足関節機能が低下します。


脛腓間スクリューを抜釘する時期を考える上で、何を最優先させるかがポイントになります。やはり最優先は、遠位脛腓靭帯および下腿骨間膜の解剖学的修復です。


遠位脛腓靭帯および下腿骨間膜破損が、再度破綻しないようにするためには、最低でも3ヵ月経過してから脛腓間スクリューを抜釘するのがよいといわれています。


手術後1~2ヵ月では、脛腓間の靭帯構造が再度破綻する可能性があるからです。もちろん、脛腓間スクリューを留置したまま荷重歩行を開始するので、折損リスクが高まります。


しかし、遠位脛腓靭帯および下腿骨間膜の解剖学的修復が最優先課題なので、脛腓間固定スクリューが折損するリスクには、ある程度目をつぶるしかないのが現実です。





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ショパール離断も瘢痕治癒可能だが・・・

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4か月ほど前に、糖尿病性前足部壊疽症例に対するショパール関節離断術を施行しました。血液透析中の方なので、基礎条件が非常に悪いです。


本来であれば、初回手術から下腿切断術を選択するところですが、ご本人およびご家族のたっての希望で、ショパール関節離断となりました。


案の定、術後は創が嘴開してしまい、内部から膿が漏出する状況になりました。感染制御のために、創を完全にオープンにしました。ショパール関節レベルでぱっくり開いている状態です


普通なら下腿切断術を検討するところですが、患者さんは「踵」を残すことに執念を燃やしています。そこで、時間は掛かりますが創処置を続けて瘢痕治癒するのを待つことにしました。 



この状態で、本当に創処置だけで瘢痕治癒するのでしょうか?高齢透析患者さんの糖尿病性足部壊疽という劣悪な条件にも関わらず、約4ヵ月で創が上皮化して瘢痕治癒しました。


実際に施行した処置は、①微温湯での10分間の足浴 ②ブロメライン軟膏塗布 です。この一連の処置を毎日施行することで、4ヵ月かかりましたが瘢痕治癒に至りました。


患者さんは喜んでいますが、主治医としては少し複雑な気持ちです。このような「贅沢」 な治療が、本当に許されるのだろうか? という疑念を抑えることができないのです。


オプジーボ問題でも議論されたように、有限の医療資源の適正配置は喫緊の課題です。『人の命は地球より重い』は、偽善ではないかと悩んでしまうのです・・・
 





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