整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

股関節

特発性一過性大腿骨頭萎縮症で難渋?

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先日、特発性一過性大腿骨頭萎縮症(Transient osteoporosis of the hip; TOH)の症例を診察しました。TOHは比較的珍しい疾患といわれていますが、ちょくちょくお目にかかります。



T1WI - コピー


T2STIR - コピー



今回の方は50歳台男性で、1ヵ月前から誘因なく出現した右股関節部痛のために初診されました。上図のごとく右大腿骨近位部にT1WIで低信号、STIRで高信号領域を認めます。


TOHは、1959年にCurtissによって、妊婦の股関節に疹痛と単純X線上で骨萎縮を生じた3症例として初めて報告されました。


TOHの原因に関しては,、Sudeck骨萎縮説、閉鎖神経圧迫説、静脈圧迫説、一過性股関節炎説などの諸説が述べられていますが、未だ定説はありません。


発症後2~6ヵ月で自然に軽快することが多いため、部分免荷などで経過観察するべきだと言われています。しかし、私が診ている症例には、6ヵ月しても疼痛不変の方がいます。。。


曲がりなりにも私は股関節外科医なので、特発性大腿骨頭壊死症や急速破壊型股関節症を誤診する可能性は低いと思っているのですが・・・


単純X線像でも大腿骨頭の骨萎縮が高度になってきているので、そろそろ何らかの手を考えなければなりません。う~ん、どうしたものでしょう?






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日整会による疾患別書籍発刊を希望!

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私は股関節外科医なので、外来では変形性股関節症の患者さんを診察する機会が多いです。末期の患者さんでも疼痛や跛行が高度でない場合には、1年に1度のフォローです。


しかし、患者さんによっては、手術を受けるか否かを
1年間も逡巡するという方がいらっしゃいます。先日もそのような患者さんが外来受診されました。


私にとってTHAはありふれた手術ですが、その患者さんにとっては、一生に1~2度の大きな決断を要するイベントです。


このため、診察前にしっかり勉強している方が多く、先日の患者さんは書店で購入した変形性股関節症の本を持参してきました。


「どれどれ」と内容を確認して、思わず「う~ん」と唸ってしまいました。全体の80%は、海千山千の都市伝説的な怪しげな情報だったのです。



まともと思われる手術治療のパートも、THAとキアリ骨盤骨切り術の紹介のみでした。何故キアリが? と不思議に思うと、監修者が某大御所先生だったので納得です(笑)。


こんな怪しさ満載の本が、堂々と書店で売られているようです。これではネット情報と大差ありません。たしかに股関節学を購入しても、一般の方はチンプンカンプンでしょう。



それから少し考えたのですが、日整会がイニシアチブをとって、一般の方向けの本を出版すればよいのではないかと思いました。


場末病院勤務の一整形外科医としては、一般の方向けの疾患別書籍の発刊を希望します。このような地道な患者教育によって、日本の医療は良くなる気がします。





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大腿骨頚部骨折後偽関節のTHA

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先日、大腿骨頚部骨折後偽関節に対する人工股関節全置換術(THA)がありました。まだ60歳台ですが、既に寛骨臼側にOAも認められたため他院から紹介されました。



術前 - コピー




何故こうなってしまったのか疑問でしたが、半年ほど痛みに堪えて歩行していたとのことです。紹介時には、歩行不能となって1ヵ月が経過していました。悩ましい。。。


人工骨頭置換術でお茶を濁す手も無きにしも非ずですが、年齢が若いことと今後の活動性を考えて、セオリー通りにTHAを施行することにしました。


しかし、この手の症例は、骨質が極端に悪いことが多いので要注意です。私は基本的にセメントレス派ですが、念のためセメントTHAもバックアップして手術に臨みました。


案の定、骨質が非常に不良で、寛骨臼のリーミングもほんの数秒で内板まで到達してしまいました。軟骨下骨をある程度温存するつもりでしたが、感覚が分かりませんでした。


大腿骨も骨質不良でしたが、一応セメントレスステムでラスピングしてみました。意外とプレスフィットしたので、そのままセメントレスステムで終了しました。



術後 - コピー




終わってみると、意外にも寛骨臼・大腿骨側ともセメントレスでしのぐことができました。あ~、よかった。カチカチのOAと比べると、このような症例は非常に緊張します。


いつも思うのですが、このような症例はできるだけ避けたいところです。まぁ、誰かがしなければいけないわけですが。。。







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内固定材料別のTHA難易度

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タイトル違いで失礼します。昨日ブログ内で告知したオンラインサロンですが、いきなり13名の先生方から入会申し込みがあり、総勢40名を超える大所帯になりました。


もともとすごい先生方がたくさん居ましたが、すごい能力や経歴を持った先生方が加入されて「ごった煮感」が更にパワーアップされました。



この方は私よりも結果を出しているのでは??? と感じる先生も散見されるので、私もやる気スイッチを入れて再始動しようと思います。


それにしても、世の中広いモノですね。少なくとも自分の周囲ではお目にかかったことのないような先生方が、全国に散らばっていることは大きな発見でした。


もちろん、今から自分のキャリアを考えたり資産形成を始めようという先生も多数居られます。ご興味のある方は、是非 こちら をのぞいてみてくださいね!



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最近、大腿骨近位部骨折後のTHAがいくつか続きました。
再置換術が難しいのは当然ですが、外傷後のTHAもなかなかクセモノのことが多いです。


私の独断と偏見で、術前に使用されている内固定材料の種類別のTHAや人工骨頭置換術の難易度を考察してみました。結論から言うと下記のごとくです。




髄内釘(short nail) > CHS > CCS / ハンソンピン 



手術の難易度としては、概ね上記だと感じています。髄内釘が最も難しい一方で、CCSでは通常に近いTHAや人工骨頭置換術であることが多いです。


髄内釘が難しい理由は、ネイル周囲に形成されたpedestalが邪魔をして、大腿骨髄内の至適位置にリーミングやラスピングすることが難しいからです。


CHSではラグスクリュー部にpedestalを形成しますが、大きな問題になることはありません。CCSやハンソンピンではCHS以上にpedestalによる問題が発生する確率は小さいです。


もちろん、頚部骨折といえども大腿骨近位の軟部組織は瘢痕化しているため、手術操作には慎重さが求められることは言うまでもありません。






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初学者がTHAの治療体系を俯瞰するにあたり、最もお勧めの書籍です


    




石灰沈着性中殿筋腱って結構痛い!

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先日の外来で、3日前からの激烈な股関節および臀部痛の50歳台半ばの女性患者さんが初診されました。右股関節部を軽度屈曲した状態で入室されました。


この肢位はちょっと嫌ですね。思わず、腸腰筋膿瘍を連想してしまいました。おそるおそる単純X線像を確認すると、な~んだコレかと安心しました。



88 - コピー




右大腿骨大転子部のやや中枢側に線状の石灰沈着を認めます。いわゆる石灰沈着性中殿筋腱炎ですね。以前にMRIで発見した症例はありましたが、単純X線像では初めてです。


ちなみに、私が今まで経験した石灰沈着性腱炎は、下記のごとくです。見ていただければ分かりますが、本当にいろいろな部位に発症するようです。


    


いずれの症例も、発症時の症状はかなり激烈です。重篤感は無いけど疼痛の訴えが高度な症例では、鑑別診断のひとつに石灰沈着性腱炎を挙げてみてもいいかもしれませんね。






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