整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

股関節

内固定材料別のTHA難易度

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タイトル違いで失礼します。昨日ブログ内で告知したオンラインサロンですが、いきなり13名の先生方から入会申し込みがあり、総勢40名を超える大所帯になりました。


もともとすごい先生方がたくさん居ましたが、すごい能力や経歴を持った先生方が加入されて「ごった煮感」が更にパワーアップされました。



この方は私よりも結果を出しているのでは??? と感じる先生も散見されるので、私もやる気スイッチを入れて再始動しようと思います。


それにしても、世の中広いモノですね。少なくとも自分の周囲ではお目にかかったことのないような先生方が、全国に散らばっていることは大きな発見でした。


もちろん、今から自分のキャリアを考えたり資産形成を始めようという先生も多数居られます。ご興味のある方は、是非 こちら をのぞいてみてくださいね!



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最近、大腿骨近位部骨折後のTHAがいくつか続きました。
再置換術が難しいのは当然ですが、外傷後のTHAもなかなかクセモノのことが多いです。


私の独断と偏見で、術前に使用されている内固定材料の種類別のTHAや人工骨頭置換術の難易度を考察してみました。結論から言うと下記のごとくです。




髄内釘(short nail) > CHS > CCS / ハンソンピン 



手術の難易度としては、概ね上記だと感じています。髄内釘が最も難しい一方で、CCSでは通常に近いTHAや人工骨頭置換術であることが多いです。


髄内釘が難しい理由は、ネイル周囲に形成されたpedestalが邪魔をして、大腿骨髄内の至適位置にリーミングやラスピングすることが難しいからです。


CHSではラグスクリュー部にpedestalを形成しますが、大きな問題になることはありません。CCSやハンソンピンではCHS以上にpedestalによる問題が発生する確率は小さいです。


もちろん、頚部骨折といえども大腿骨近位の軟部組織は瘢痕化しているため、手術操作には慎重さが求められることは言うまでもありません。






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初学者がTHAの治療体系を俯瞰するにあたり、最もお勧めの書籍です


    




石灰沈着性中殿筋腱って結構痛い!

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先日の外来で、3日前からの激烈な股関節および臀部痛の50歳台半ばの女性患者さんが初診されました。右股関節部を軽度屈曲した状態で入室されました。


この肢位はちょっと嫌ですね。思わず、腸腰筋膿瘍を連想してしまいました。おそるおそる単純X線像を確認すると、な~んだコレかと安心しました。



88 - コピー




右大腿骨大転子部のやや中枢側に線状の石灰沈着を認めます。いわゆる石灰沈着性中殿筋腱炎ですね。以前にMRIで発見した症例はありましたが、単純X線像では初めてです。


ちなみに、私が今まで経験した石灰沈着性腱炎は、下記のごとくです。見ていただければ分かりますが、本当にいろいろな部位に発症するようです。


    


いずれの症例も、発症時の症状はかなり激烈です。重篤感は無いけど疼痛の訴えが高度な症例では、鑑別診断のひとつに石灰沈着性腱炎を挙げてみてもいいかもしれませんね。






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大腿臼蓋インピンジメントの診断

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先日、20歳台後半の男性が、半年前から続く右股関節屈曲時の引っかかり感と違和感を主訴に初診されました。このような症例では、どのような疾患を想定するべきでしょうか?



T2WI - コピー



まず、T2WIの両股関節前額断像です。右大腿骨頚部前方に骨嚢胞形成を疑います。冠状断では、右大腿骨頚部前方の骨嚢胞形成ははっきり分かりませんでした。




STIR  coronal - コピー



次に、STIRの両股関節前額断像です。右大腿骨頚部前方に骨嚢胞を形成していることが、よりはっきりと分かります。ここまでくれば、主訴と併せてFAIであることが分かります。


FAIとはFemoroacetabular impingement の略で、日本語では大腿臼蓋インピンジメントと訳されています。FAIには下記の3つのタイプがあります。

  1.  cam type 
  2.  pincer type 
  3.  combined type(①と②を併せ持つタイプ)



①のcam typeは大腿骨頚部の形態異常で、ペルテス病や大腿骨頭辷り症の後遺症として発症するケースが多いです。


一方、②のpincer type は寛骨臼の前方開角不足が原因です。特に若年男性では寛骨臼の前方開角が小さい傾向にあるので、pincer type のFAIには注意が必要です。




T2WI axial - コピー



今回の症例では、上図のように寛骨臼前方開角がほぼゼロでした。このため、大腿骨頚部前方病変を認めるものの(=cam type)、pincer typeの要素もあり、③のcombined typeとなります。


この患者さんはアスリートではなく、症状は軽度の違和感のみなので、しばらく経過観察としました。尚、治療に関しては、こちらで紹介されているように鏡視下手術となります。






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貧乏ゆすりは変形性関節症にも有効

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Medical Tribuneで興味深い記事がありました。
末期変形性股関節症に貧乏ゆすりが有効 です。


 

進行期・末期の変形性股関節症(股OA)に対する保存療法としてジグリング(貧乏ゆすり様の運動)が有効であるといわれているが、まだ研究報告は少ない。柳川リハビリテーション病院(福岡県)リハビリテーション科の広松聖夫氏は、第90回日本整形外科学会(5月18〜21日)で「ジグリングは、最初、キアリ骨盤骨切り術後の経過不良例に対する後療法として用いていたが、手術に頼らない保存療法としても有効であった」と述べた。


後療法にジグリングを併用  

主に進行・末期の股OAに行われる関節温存手術としてキアリ骨盤骨切り術がある。広松氏らは同手術の成績不良例について、これまで手術手技に工夫を加えて成績向上に努めてきたが、成績不良例をゼロにすることはできなかった。


1970年代にSalterらはCPM(Continuous Passive Motion:持続的他動運動)の概念を生み出し、1980年にウサギの大腿骨非荷重部に軟骨全層欠損を作製し、①ギプス固定群②放置群③CPM群(器具により24時間/日)−に割り付けて観察したところ、CPM群の52%で硝子様軟骨が再生したと報告した(J Bone Joint Surg Am 1980; 62: 1232-1251)。


この研究をヒントに同氏らは、キアリ骨盤骨切り術後の成績不良例にCPMを用いることを考えた。動物実験で示された器具による24時間連続CPMをそのまま臨床に用いることは不可能なため、代替法としてジグリングを後療法に取り入れることにした。そして、2013年には自動ジグリング器を導入した。


同院では、術後の後療法としてジグリングを行う場合、CPMとジグリングを併用してそれぞれ2時間ずつ、家庭でホームエクササイズとして行う場合は1日2時間を目標としたジグリングを行うという。


ジグリングで関節裂隙が開大  

広松氏らは、①2000年以降に同院でキアリ骨盤骨切り術を行った股OA例の385股のうち進行期・末期例で2年以上の経過観察を行い、術直後に関節裂隙の開大が見られない例または経過中に関節裂隙の狭小化が生じた例(92股)②2016年10月末までに人工股関節置換術(THR)を望まない進行・末期の股OA症例のうち、手術をせずジグリングのみで対応し、6カ月以上経過観察できた141股に対するジグリングの効果を検討した。


その結果、キアリ骨盤骨切り術後の経過不良例に対するジグリングにより、65股(70%)で関節裂隙の開大(2mm以上)が見られた。ジグリング有効群と無効群の患者背景の比較では年齢、術前Sharp角、術前Acetabular-Head Index(AHI)などに差は見られなかったが、術前BMIでは有意差が認められ、有効群でやや高かった。


手術せずジグリングのみを行った症例では43股(30%)で関節裂隙の開大が見られた。有効群と無効群の患者背景の比較では年齢、術前Sharp角、術前AHIなどに差は見られなかったが、初診時にroof osteophyte(臼蓋の骨棘)を有する割合は有効群で有意に高かった。


同氏は、内科的合併症のためTHRができずにジグリングを行った股OA末期の女性(71歳)を紹介。ジグリング開始から1年半後に徐々に関節裂隙が開大し始め、2年11カ月時点で良好な関節裂隙の開大が認められた(写真)。その他、手術をしたくない複数の末期股OA患者でジグリングの効果が認められた症例も提示され、糖尿病合併例、脳性麻痺例、関節リウマチ合併例などでも有効であった。


目標は軟骨の再生 

変形性関節症に対する運動療法の有効性についての研究は、膝関節に関するものがほとんどで股関節に関しては研究自体が少なくコンセンサスがいまだ得られていないのが現状である。2014年に世界初のプラセボを対照群とした、股OAの理学療法に対するランダム化比較試験が行われたが、股OAに対する運動療法(筋トレ、ストレッチを主体とした従来の理学療法)は効果がないどころか若干の有害事象が見られたという結果であった(JAMA 2014; 311: 1987-1997)。


進行期・末期股OAの究極の目標は軟骨再生にあり、軟骨再生が得られれば長期的な症状の改善が期待でき、THRの回避にもつながる。広松氏は「ジグリングはシンプルであるが、股OA治療に新たな視点をもたらすものと考えられるが、まだ未知の要素も残されている」とし、「現在、治療効果に影響する因子の検証、JHEQ(日本整形外科学会股関節疾患評価質問票)、関節裂隙の開大を主要評価項目とした多施設共同研究の準備を進めている」と今後を展望した。





これが○○クリニック院長の書いた一般人向け書籍なら、「出た!」と言う感じですが、柳川リハビリテーション病院の医師が日整会で発表しているので重みが違います。


ジグリングに関しては、過去に 貧乏ゆすりが命を救う? でも話題にしたことがあります。見た目は悪いですが、ジグリング(貧乏ゆすり)は身体には良いのかもしれません。


今回は日整会での講演なので注目が集まりましたが、クリニックや接骨院の間ではジグリングが変形性関節症に対して有効な治療法であることは、そこそこ有名だったようです。


もちろん、THAほどの切れ味の良さは到底望めませんが、手術を回避したり先送りしたというニーズに対しては、減量や筋力トレーニングと同様に有効な選択枝のひとつかもしれません。






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電気メスの煙を退治する工夫

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人工股関節全置換術(THA)の寛骨臼内の操作時に、電気メスの焼却で発生する煙のために術野が見にくくなります。


これを回避するために、助手に煙の吸引をしてもらいますが、手がもったいないと以前から感じていました。これを回避するために電気メスに吸引管をくっつけてみました。



キャプチャ - コピー



上図のような、お手製の簡単な工夫です。ちなみに腹腔鏡の領域では、電気メスと吸引が一体化したSurgiwand™ II というディスポーザブル商品が販売されているようです。


電気メスの焼却で発生する煙には発癌物質が含まれているようで、欧米では電気メスと吸引管が一体化した商品は、一般的だそうです。


しかし、今回はお手製のため、どれぐらい操作性が良いのか分かりません。実際に手術を施行した感想は、可もなく不可もなくといったところでした。


まず、最も期待した寛骨臼内の煙の除去に関しては、そこそこ快適な視野を得ることができました。この点に関してはなかなか良かったです。


しかし、電気メスの近くで軟部組織がある状況では、吸引管の先に軟部組織が吸引されてしまい、煙の吸引が停止してしまいます。


このため、結構気をつけて手術操作をする必要があったため、結局は従来のように助手に煙を吸引してもらうより多少マシかな? という程度でした。


日本でも電気メスと吸引管が一体化した商品は使用可能なようなので、費用の問題はありますが、興味のある方は卸さんに確認してみてもよいかもしれませんね。



 



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