整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

股関節

外反股では高度過前捻に注意!

このエントリーをはてなブックマークに追加


先日、ちょっと難しい人工股関節全置換術(THA)がありました。
大腿骨頚部の過前捻症例です。


股関節の単純X線正面像で、大腿骨が高度の外反股でした。これはもしかして大腿骨近位の骨切り術を併用する必要があるのかも・・・



66 - コピー



しかし、3D-CTを施行すると、高度過前捻のために大腿骨が外反してみえたようです。計測上は、大腿骨頚部前捻角が70度でした。大腿骨頭が前方に向かっているのが分かります。




22 - コピー



ZedHipで作図すると、S-ROM-A以外では、セメントステムも含めて対応不可能でした。proximal sleeveがあらぬ方向を向いているのが分かります。


この手術は、米国出張の前日だったのでかなり緊張しました。絶対に下手は打てないからです。結果的には予定通りの手術で終わったので、安心して米国へ旅立つことができました。


現地で、たまたまご一緒だった がみたけ先生 に、
セメントステムでこのような過前捻症例に対応できるのかをお伺いしましたが、やはり難しいでしょうとの回答でした。


これほど高度の過前捻股はそれほどありませんが、術前単純X線像で外反股の場合には、頚部過前捻が存在する可能性を念頭に置いて慎重に術前計画を練る必要があると感じました。








★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★

 
初学者が股関節外科の基礎および治療体系を学習するにあたり最もお勧めの書籍です。日本を代表する執筆陣が股関節外科に関するあらゆる事項を、非常に分かりやすく解説しています。この1冊があれば股関節外科のほぼ全ての疑問点を解消できると思います。


         




ニュージャージーでの備忘録

このエントリーをはてなブックマークに追加


何気にブログを更新しているのですが、実は米国のニュージャージーに滞在しています。ありがたいことに、THAユーザーの声を届ける会(?)に参加させていただいているのです。



3333 - コピー





開発拠点で、工場の見学や新製品の説明、そして Mako という手術用ロボット手術ユニットの試用をさせていただきました。


ツアーの中で、興味深かったのは Trident の後継機種である Trident 2 と Mako systemでした。本日は備忘録第一弾として、Trident 2 について書き留めてみたいと思います。


Trident HA cupはセメントレスTHAの中で最高峰のインプラントのひとつだと考えていますが、これだけ優秀なインプラントの後継機種にはどのような改良点があるのでしょうか?


  1.  3D-printed Tritanium と HAのバリュエーションがある
  2.  カップサイズは42mmから
  3.  48mmから36mm骨頭を使用できる
  4.  スクリュー刺入角度が37度に拡大
  5.  スクリューを振ってもヘッドの出っ張りが少ない
  6.  ドリルの切れ無ささは改善(?)


主な変更点は上記のごとくです。日本の実績からは、他社を含めて 3D-printed cup はビミョーな感じですが、HAのバリュエーションもあるようなので問題はなさそうです。


一方、Trident HA cup 最大の欠点(?)であるインサートのロッキング機構はマイナーな変更に留まっている印象です。実際にやってみないと分かりませんが、どうなのでしょうか?


あれだけ素晴らしい Trident HA cup なので、後継機種を出す必要は少ない印象です。しかし、イノベーションを進めるために、敢えて上梓したのでしょう。


Trident HA cup の95点を、97点に持っていくのは至難の業っぽいですが、痒い所に手が届く工夫が随所にみられました。日本での販売開始は来年のようなので楽しみです。






★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★

 
初学者が股関節外科の基礎および治療体系を学習するにあたり最もお勧めの書籍です。日本を代表する執筆陣が股関節外科に関するあらゆる事項を、非常に分かりやすく解説しています。この1冊があれば股関節外科のほぼ全ての疑問点を解消できると思います。


         




特発性一過性大腿骨頭萎縮症で難渋?

このエントリーをはてなブックマークに追加


先日、特発性一過性大腿骨頭萎縮症(Transient osteoporosis of the hip; TOH)の症例を診察しました。TOHは比較的珍しい疾患といわれていますが、ちょくちょくお目にかかります。



T1WI - コピー


T2STIR - コピー



今回の方は50歳台男性で、1ヵ月前から誘因なく出現した右股関節部痛のために初診されました。上図のごとく右大腿骨近位部にT1WIで低信号、STIRで高信号領域を認めます。


TOHは、1959年にCurtissによって、妊婦の股関節に疹痛と単純X線上で骨萎縮を生じた3症例として初めて報告されました。


TOHの原因に関しては,、Sudeck骨萎縮説、閉鎖神経圧迫説、静脈圧迫説、一過性股関節炎説などの諸説が述べられていますが、未だ定説はありません。


発症後2~6ヵ月で自然に軽快することが多いため、部分免荷などで経過観察するべきだと言われています。しかし、私が診ている症例には、6ヵ月しても疼痛不変の方がいます。。。


曲がりなりにも私は股関節外科医なので、特発性大腿骨頭壊死症や急速破壊型股関節症を誤診する可能性は低いと思っているのですが・・・


単純X線像でも大腿骨頭の骨萎縮が高度になってきているので、そろそろ何らかの手を考えなければなりません。う~ん、どうしたものでしょう?






★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★

 
初学者が股関節外科の基礎および治療体系を学習するにあたり最もお勧めの書籍です。日本を代表する執筆陣が股関節外科に関するあらゆる事項を、非常に分かりやすく解説しています。この1冊があれば股関節外科のほぼ全ての疑問点を解消できると思います。


         




日整会による疾患別書籍発刊を希望!

このエントリーをはてなブックマークに追加


私は股関節外科医なので、外来では変形性股関節症の患者さんを診察する機会が多いです。末期の患者さんでも疼痛や跛行が高度でない場合には、1年に1度のフォローです。


しかし、患者さんによっては、手術を受けるか否かを
1年間も逡巡するという方がいらっしゃいます。先日もそのような患者さんが外来受診されました。


私にとってTHAはありふれた手術ですが、その患者さんにとっては、一生に1~2度の大きな決断を要するイベントです。


このため、診察前にしっかり勉強している方が多く、先日の患者さんは書店で購入した変形性股関節症の本を持参してきました。


「どれどれ」と内容を確認して、思わず「う~ん」と唸ってしまいました。全体の80%は、海千山千の都市伝説的な怪しげな情報だったのです。



まともと思われる手術治療のパートも、THAとキアリ骨盤骨切り術の紹介のみでした。何故キアリが? と不思議に思うと、監修者が某大御所先生だったので納得です(笑)。


こんな怪しさ満載の本が、堂々と書店で売られているようです。これではネット情報と大差ありません。たしかに股関節学を購入しても、一般の方はチンプンカンプンでしょう。



それから少し考えたのですが、日整会がイニシアチブをとって、一般の方向けの本を出版すればよいのではないかと思いました。


場末病院勤務の一整形外科医としては、一般の方向けの疾患別書籍の発刊を希望します。このような地道な患者教育によって、日本の医療は良くなる気がします。





★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★

 
初学者が股関節外科の基礎および治療体系を学習するにあたり最もお勧めの書籍です。日本を代表する執筆陣が股関節外科に関するあらゆる事項を、非常に分かりやすく解説しています。この1冊があれば股関節外科のほぼ全ての疑問点を解消できると思います。


         




大腿骨頚部骨折後偽関節のTHA

このエントリーをはてなブックマークに追加


先日、大腿骨頚部骨折後偽関節に対する人工股関節全置換術(THA)がありました。まだ60歳台ですが、既に寛骨臼側にOAも認められたため他院から紹介されました。



術前 - コピー




何故こうなってしまったのか疑問でしたが、半年ほど痛みに堪えて歩行していたとのことです。紹介時には、歩行不能となって1ヵ月が経過していました。悩ましい。。。


人工骨頭置換術でお茶を濁す手も無きにしも非ずですが、年齢が若いことと今後の活動性を考えて、セオリー通りにTHAを施行することにしました。


しかし、この手の症例は、骨質が極端に悪いことが多いので要注意です。私は基本的にセメントレス派ですが、念のためセメントTHAもバックアップして手術に臨みました。


案の定、骨質が非常に不良で、寛骨臼のリーミングもほんの数秒で内板まで到達してしまいました。軟骨下骨をある程度温存するつもりでしたが、感覚が分かりませんでした。


大腿骨も骨質不良でしたが、一応セメントレスステムでラスピングしてみました。意外とプレスフィットしたので、そのままセメントレスステムで終了しました。



術後 - コピー




終わってみると、意外にも寛骨臼・大腿骨側ともセメントレスでしのぐことができました。あ~、よかった。カチカチのOAと比べると、このような症例は非常に緊張します。


いつも思うのですが、このような症例はできるだけ避けたいところです。まぁ、誰かがしなければいけないわけですが。。。







★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★

 
初学者が股関節外科の基礎および治療体系を学習するにあたり最もお勧めの書籍です。日本を代表する執筆陣が股関節外科に関するあらゆる事項を、非常に分かりやすく解説しています。この1冊があれば股関節外科のほぼ全ての疑問点を解消できると思います。


         




アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

管理人の著書

161228 【書影】医師の経済的自由
管理人によるケアネット連載コラム
log_carenet

医師のためのお金の話

管理人による m3.com 連載コラム
管理人も参加しているオンラインサロン
勤務医のための資産形成マニュアル
築古木造戸建投資マニュアル

医師のための築古木造戸建投資マニュアル 1
医師のための 金融資産形成術
医師のための金融資産形成術

タダで自宅を手に入よう!

医師のための収益マイホーム購入マニュアル


配送無料! 医学書 購入サイト
プロフィール

自由気ままな整形外科医


・医学博士
・日本整形外科学会専門医
・日本リウマチ学会専門医
・不動産投資家
・超長期金融資産投資家
・ビジネスオーナー
・宅地建物取引主任士

QRコード
QRコード
記事検索
メッセージ
免責事項
免責事項に関して明示することで、当ブログの利用者は以下の事項に同意した上で利用しているものと考えます。 ここに書かれる意見には管理者のバイアスがかかっています。 利用者が当ブログに掲載されている情報を利用した際に生じた損害等について、当ブログの管理者は一切の責任を負いません。 また、当ブログの情報は、あくまでも目安としてご利用いただくものであり、医療行為は自己責任で行ってください。 また、当ブログは医療関係者を対象にしています。それ以外の方が、当ブログの情報から自己判断することは極めて危険な行為です。 必ず医療機関を受診して専門医の診察を受けてください。 当ブログの内容は、予告なしに内容を変更する場合があります。