整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

骨粗鬆症

イベニティでも非定型大腿骨骨折を併発しうる?

このエントリーをはてなブックマークに追加


先日、大腿骨頚部骨折にたいして人工骨頭置換術施行した症例で、
大腿部痛を訴える症例がありました。骨粗鬆症が高度だったのでイベニティ→BP製剤にスイッチしたところです。


大腿部痛を訴えて近医を受診したのですが、その際の担当医から「非定型大腿骨骨折の疑いあり」と言われたとのことで、患者さん家族が怒鳴り込んできました...。


大腿骨の単純X線像では、ステム先端の皮質骨がやや肥厚しています。これ自体はよく外来でみかける所見であり、何故この所見で非定型大腿骨骨折なのか理解に苦しみます。


診察すると、どうやら腰椎由来の臀部から大腿部痛のようです。まだ、BP製剤は1回しか服用してもらっていないので、非定型大腿骨骨折はないだろうと思いました。



しかし、その開業医はそこそこベテラン医師なので、もしかしたらイベニティでも非定型大腿骨骨折は発生するのかも? と心配になりました。


製薬会社に問い合わせたところ、BP製剤の長期服用例で報告があったようですが、イベニティ単独ではないようです。そりゃそうだな
...。


もちろん、非定型大腿骨骨折自体が原因不明であり、半数以上は BP製剤服用歴は無いため、BP製剤の長期服用が無くても発生する可能性はあります。


今回患者さんに怒鳴り込まれて、改めて非定型大腿骨骨折症例の対応は難しいと感じました。まぁ、今回は誰が見ても非定型大腿骨骨折ではないのですが...。







★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★


豊富な図や画像が提示されているため、ほとんどの骨折や脱臼に対応することが可能です








骨代謝マーカーはどれがよい?

このエントリーをはてなブックマークに追加

整形外科外来をしていると骨粗鬆症患者さんが非常に多いです。骨粗鬆症は内科でいう高脂血症患者さんのようなものなので、基本的には時間をかけることはしません。


侵襲的な検査はできるだけしない方針なので骨代謝マーカーもあまり測定しません。それでもときどき骨代謝マーカーを測定することがあり、下記の2つが重要だと思っています。 

  • 骨吸収マーカー(TRACP-5b)
  • 骨形成マーカー(BAP) 


しかし、最近は以前にも増して骨代謝マーカーを測定しなくなりました。何故なら、イベニティという万能薬(?)が出たので骨代謝を考える必要性が低下したからです。


もちろん、骨代謝マーカーをまったく測定しないわけではありません。ご存知のように、骨代謝マーカーは動的なマーカーで、現時点での骨代謝状態を鋭敏に反映します。


静的な指標である骨密度(BMD)との最大の相違点はリアルタイムなことです。 骨代謝マーカーが臨床で求められている役割は、①骨代謝状態の評価 ②薬物治療の評価です。


長期間フォローしている症例では、基本的には骨密度で現状の確認をしながら、骨代謝マーカーで骨密度が今後どのように変化していくかを予想して治療方針を決めています。







★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★


 
一般的で使用頻度の高い、鎮痛薬・睡眠剤・感冒薬・胃薬・止痢薬・去痰薬・便秘薬等の薬剤が、全13章にわたって系統立てて書かれています。それぞれの章の最初に、薬剤の分類図が記載されています。各系統間の薬剤の使い分けも平易な文章で書かれており実践的な書籍です。









姉妹本に『類似薬の使い分け』があります。こちらは全15章からなり、降圧剤、抗不整脈薬、狭心症治療薬、脂質異常症治療薬、糖尿病治療薬、消化性潰瘍治療薬、鎮咳薬、皮膚科疾患治療薬、抗菌薬などが1章ずつ割り当てられています。








骨粗鬆症性疼痛の原因は?

このエントリーをはてなブックマークに追加

外来で診る高齢患者さんは慢性的な腰背部痛を訴える方が多いです。特に陳旧性の多発性脊椎圧迫骨折のある方に多い印象です。


このような慢性的な腰背部痛は、骨粗鬆症性疼痛だと思いますが、その原因はいったい何なのでしょうか? 疑問に思ったので文献を渉猟してみました。


椎体内の微小骨折、脊椎アライメント不良、脊椎の不安定性、骨粗鬆症そのものの痛み等の諸説がありますが、基本的にはまだ原因は分かっていないようです。


一方、PTH製剤やイベニティなどの抗スクレロスチン抗体製剤を投与すると、これらの慢性腰背部痛が軽快することはよく経験します。


骨密度が上がったり骨質が改善すると腰背部痛が軽減する症例では、骨粗鬆症そのものが痛みを生じさせているのかもしれません。


骨粗鬆症の治療は高血圧症などの内科的慢性疾患と同様に思いがちですが、無症状である高血圧症などと異なり、慢性腰背部痛という症状を軽減させる可能性があります。


PTH製剤や抗スクレロスチン抗体製剤は高価な治療薬ですが、慢性腰背部痛を軽減させる可能性を説明すると乗り気になる患者さんが多いので、決めゼリフに使用しています。







★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★


 
一般的で使用頻度の高い、鎮痛薬・睡眠剤・感冒薬・胃薬・止痢薬・去痰薬・便秘薬等の薬剤が、全13章にわたって系統立てて書かれています。それぞれの章の最初に、薬剤の分類図が記載されています。各系統間の薬剤の使い分けも平易な文章で書かれており実践的な書籍です。









姉妹本に『類似薬の使い分け』があります。こちらは全15章からなり、降圧剤、抗不整脈薬、狭心症治療薬、脂質異常症治療薬、糖尿病治療薬、消化性潰瘍治療薬、鎮咳薬、皮膚科疾患治療薬、抗菌薬などが1章ずつ割り当てられています。








YAM値だけではなく SDにも注意を払おう!

このエントリーをはてなブックマークに追加

先日、骨密度(BMD)について考える機会がありました。
大腿骨でT値(YAM値)71%(-2.5SD)・Z値 89%(-0.7SD)という症例です。


周知のように、同年代で比較する場合にはZ値を参照にします。この数字をみて、同年代の89%程度の骨密度だから平均と比べて著しく劣っているわけではない、と私は考えました。


しかし、他の整形外科医に、上記主張は統計学的に考えると誤りであると指摘されました。Z値も重要ですが、同年代比較では標準偏差(SD)で考える方が望ましいとのことです。


たしかに、集団の中での位置を考える際には標準偏差で評価する方が妥当です。本症例では、Z値 89%に対して標準偏差は
0.7SDです。


この数字は集団の下位約 25%に位置することになります。この結果は、医学的に考えても同年代より明らかに骨粗鬆症が高度といえます。


Z値が 89%なので同年代比で著しく劣るわけではないイメージですが、実際には下位 25%なのです。これからは T値や Z値だけではなく、
標準偏差にも注意を払おう...。







★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★


 
一般的で使用頻度の高い、鎮痛薬・睡眠剤・感冒薬・胃薬・止痢薬・去痰薬・便秘薬等の薬剤が、全13章にわたって系統立てて書かれています。それぞれの章の最初に、薬剤の分類図が記載されています。各系統間の薬剤の使い分けも平易な文章で書かれており実践的な書籍です。









姉妹本に『類似薬の使い分け』があります。こちらは全15章からなり、降圧剤、抗不整脈薬、狭心症治療薬、脂質異常症治療薬、糖尿病治療薬、消化性潰瘍治療薬、鎮咳薬、皮膚科疾患治療薬、抗菌薬などが1章ずつ割り当てられています。








骨代謝マーカーの臨床的意義を再考

このエントリーをはてなブックマークに追加

先日、前医からの引継ぎ患者さんの診察を行いました。治療内容は骨粗鬆症です。骨粗鬆症の治療は医師によって好みが分かれるため、ときどき驚かされることがあります。


今回の症例は閉経期女性で、YAMがやや低値を指摘された女性の経過観察でした。前医は骨代謝マーカー(TRACP-5b)で1年に一度フォローされていたようです。


カルテにはYAM値の情報がなく、延々とTRACP-5bの数値だけが記載されています。なぜ無治療の患者さんに骨代謝マーカーの定期フォローなのでしょうか???


ご存知のように、骨代謝マーカーは動的なマーカーで、現時点での骨代謝状態を鋭敏に反映します。静的な指標である骨密度(BMD)との最大の相違点はリアルタイムなことです。


骨代謝マーカーが骨粗鬆症の臨床で求められている役割は、①骨代謝状態の評価と②薬物治療の評価です。侵襲を伴う検査なので、一般的には②薬物治療評価がメインだと思います。


このため、更年期とはいえ無治療の患者さんに対して定期的にTRACP-5bを計測し続ける意義は小さいのではないかと考えています。


もちろん、骨吸収マーカーである
TRACP-5bが急激に高値になれば、薬物治療を開始するきっかけになるかもしれませんが、医療経済的にはいかがなものかと感じています。





★★ 医学知見探求サービス ★★


医学知見を医師ユーザー同士で発信・共有するコミュ二ティに参加しませんか? 

quotomy - コピー


「医師と医学知見との出会いを再定義する」 Quotomy(クオトミー)は、臨床現場で働いていると個人で医学知見をキャッチアップすることが難しい、という臨床医の切実な痛みから誕生しました。


忙しい日常の中で、医学知見を得たり、発信したりすることが難しくなっています。 時間的・地理的制約のために、学会や勉強会への参加もできない環境で働く医師もいます。


知への探求を諦めていませんか?


抄読会をする感覚で、Quotomyで論文を読んだ感想や気づきをシェアしましょう! お気に入りのユーザー同士はフォローでき、お互いのアクションを確認できます。


Quotomyは現在ユーザー登録受付中です!
登録は こちら からお願いします。



アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

医療研究を身近な存在とし、医療の未来を作る


管理人の著書

161228 【書影】医師の経済的自由
管理人によるケアネット連載コラム
log_carenet

医師のためのお金の話

管理人による m3.com 連載コラム
管理人も参加しているオンラインサロン
勤務医のための資産形成マニュアル
築古木造戸建投資マニュアル

医師のための築古木造戸建投資マニュアル 1
REITで実践する不動産投資セミナー
190122
医師のための 金融資産形成術


配送無料! 医学書 購入サイト
プロフィール

自由気ままな整形外科医

・医学博士
・日本整形外科学会専門医
・日本リウマチ学会専門医
・不動産投資家
・超長期金融資産投資家
・ビジネスオーナー
・宅地建物取引主任士

QRコード
QRコード
記事検索
メッセージ
免責事項
免責事項に関して明示することで、当ブログの利用者は以下の事項に同意した上で利用しているものと考えます。 ここに書かれる意見には管理者のバイアスがかかっています。 利用者が当ブログに掲載されている情報を利用した際に生じた損害等について、当ブログの管理者は一切の責任を負いません。 また、当ブログの情報は、あくまでも目安としてご利用いただくものであり、医療行為は自己責任で行ってください。 また、当ブログは医療関係者を対象にしています。それ以外の方が、当ブログの情報から自己判断することは極めて危険な行為です。 必ず医療機関を受診して専門医の診察を受けてください。 当ブログの内容は、予告なしに内容を変更する場合があります。