整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

肩関節

それは”できもの”ではありません(笑)

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先日、80歳前半の方が肘のやや近位に ” できもの ” ができたとのことで初診されました。
診察すると、肘関節から約5cmほど中枢側に径5cmほどの腫瘤があります。


数日前に気付いたとのことですが、特に痛みは無いとのことでした。整形外科医なら見た瞬間に分かると思いますが、これは上腕二頭筋腱断裂です。


特に重い物を持った記憶も無いとのことですが、上腕近位の結節間溝に圧痛があります。通常は少し重い物を持ったりした後から軽度の脱力感が出現して気付くケースが多いです。


高齢者に多いため手術を選択することはほとんど無いです。若年者であれば筋力が若干低下するため手術を行う場合があるそうですが、少なくとも私は経験ありません。


確かに肘の近くにコブのようなものがあると見た目に悪いです。しかし、少なくとも悪いものではないということを説明したところ安心して帰られました。


入室から説明が終わって患者さんが退出するまで2分ほどでした。何か治療をしたわけではないですが、患者さんの満足度が高い(?)疾患だと思いました。



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鎖骨遠位端骨折にクラビクルバンド?

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先日のことですが外来をしていると鎖骨遠位端骨折の患者さんが紹介受診されました。
単純X線像では骨折部の転位を認めます。う~ん、これは手術適応です。


しかし、ご本人は手術が嫌とのことで、偽関節覚悟で保存治療を選択されました。そして、何気なく骨折部をみると、クラビクルバンドを装着していました。


鎖骨遠位端骨折にクラビクルバンド?? と思いましたが、前医の処置なので何も言いませんでした。後医は
前医での詳細なやりとりを知らないのに、安易な治療の批判は避けるべきです。


しかし、一般論として鎖骨遠位端骨折にクラビクルバンドは意味が無いと思います。敢えて言うなら、ストラップ部分で鎖骨中枢側を上から押さえ込むことに意義があるぐらいでしょうか?


渉猟したかぎり、鎖骨遠位端骨折に対する保存療法でクラビクルバンドが有意に有効であったという報告は無いようです。


論理的に考えても、三角巾を使用して患側上肢を持ち上げることで、鎖骨遠位端骨折部にかかるストレスを軽減する方がまだマシな治療法ではないかと思います。


転位のある鎖骨遠位端骨折は基本的に手術適応だと思いますが、偽関節になってもそれほど支障をきたさないので、患者さんとよく相談して治療方針を決定することが望ましいと思います。



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10歳台の鎖骨遠位端骨折の治療

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先日、下の画像のような 鎖骨遠位端骨折の10歳台の患者さん に保存治療を選択したことをお伝えしました。


受傷時 - コピー




受傷後5週の時点の単純X線像では、下の画像のように早くも鎖骨遠位端の骨折部に仮骨形成を認めました。この時点で軽度の圧痛のみ残存している状態でした。



受傷後5週 - コピー




その後、3週間だけ三角巾+バストバンド固定を継続しました(合計8週間)。可動域制限も無かったのでスポーツだけ制限して、受傷後12週の時点で最終確認を行いました。


単純X線像では完全に骨癒合しており、健側と比べても差異が分かりませんでした。全くリハビリテーションを行っていないにも関わらず、可動域制限もありません。


今回の経験から、10歳台であれば保存治療という選択肢も可能であることを強く確信しました。ただ、偽関節化したときの対応は、骨移植術が必要となるためやっかいです。


このあたりの匙加減が難しいと思うのですが、特に10歳台の女性においては可動域制限も併発しにくく美容面でのメリットも大きいので、まずは保存治療を選択するのも一法かなと思います。



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肩の乱刺法(もどき)の実際

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先日、肩関節の石灰沈着性腱板炎に対する乱刺法の記事を書きました。
実際に外来で乱刺法(もどき)を施行するためのポイントを記載します。


まず本来の乱刺法は、エコーもしくは透視下に施行します。確実に沈着している石灰を捕らえる必要があるからです。しかし、実臨床では時間が無いので、そこまでできないことが多いです。


このため、前回もお話したように肩峰下滑液包注射の際についでに乱刺法を施行することになります。この際には石灰が腱板のどの部位に沈着しているのかを判断する必要があります。


この際に有用なのが、単純X線像の Scapular Y view です。Scapular Y view を確認することで石灰が沈着している部位を、ある程度判断することが可能となります。


これに加えて、注射のエントリーポイントを前外側にします。通常の肩峰下滑液包注射は後外側から刺入することが多いと思います。


しかし、後外側からでは石灰沈着部に到達することが難しい場合があるので、肩関節鏡のように前外側から針を刺入することで石灰沈着部位への到達を容易にします。


単純X線像の Scapular Y view を依頼するときの注意点ですが、都道府県によっては肩甲骨の病名を要求される場合があります。


不幸にして単純X線像の Scapular Y view に肩甲骨のレセプト病名が必要な都道府県で働いている場合には、「肩甲部痛」などという訳の分からない病名をつける必要があります。


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石灰沈着性腱板炎に対する乱刺法

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先日、アルバイト先に新しく赴任してきた、専門が肩関節の医師と話しをしました。
肩関節は整形外科の中では比較的マイナーな分野なので、専門医師の数が少ないです。


このため、日常診療で肩関節に関して疑問点が出てきたときにも、気軽に質問することができる医師が居なかったので、私としては非常に助かります。


早速、何点か温めていた(?)疑問点を御伺いしました。その中のひとつが石灰沈着性腱板炎に対する「乱刺法」についてでした。


肩関節の解剖は、表層から ① 肩峰下滑液包 ② 腱板 ③ 肩関節 の順になります。このうち、石灰が沈着するのは①と②の間、もしくは②の中になります。


乱刺法の目的は、①の肩峰下滑液包と石灰の間を交通させて吸収を促進することです。分かりやすく言うとブスブスと針先で肩峰下滑液包の腱板側を刺すことで滑液包に穴を開けるのです。


針先で開けた滑液包の穴を通じて、腱板上もしくは腱板内に沈着した石灰が滑液包内と交通することで、石灰の吸収が促進されます。


本格的に施行するにはエコーもしくは透視下に針を刺しますが、多忙な外来中に施行することは現実的ではありません。このため肩峰下滑液包への注射の際、ついでに行うことが多いです。


この場合、針が細いのでどうしても効果が限定的です。針が細い分を回数でカバーしようと欲を出すと腱板を傷つけて痛みを増強させる原因となります。この点には注意が必要でしょう。



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