整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

学術

国内でもカダバー研修可能なのか!!

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日整会誌93(9)2019のシンポジウムは非常に興味深い内容でした。お題は「カダバー研修の現状と今後の展望」です。


これまで、私はカダバー研修に何度か参加させていただきました。専門分野である THAをはじめ、TKAでも参加歴があります。


すべて海外で実施された研修なので、カダバー=海外でしかできない、と思っていました。ところが、今回のシンポジウムを拝読して非常に驚きました。


なんと、国内でもカダバー研修が可能であり、実際にいくつかの施設で実施されていたのです!わざわざ海外に出向かなくても、国内でカダバー研修ができれば素晴らしいことです。


しかし、実際には各施設でかなり厳格な運用が求められており、実施できるのはマンパワーと臨床的使命を帯びている一部の大学病院に限られているようです。


残念ながら、国内でのカダバー研修が一般的になっているとはとても言えないようです。しかし、少しずつでも国内でカダバー研修が実施できるようになってきたのは良い傾向です。


何と言ってもカダバー研修は、外科医が自分が得意とする手術手技を更に深化させるのに必須と言えるからです。この術野の向こうのどのあたりに血管や神経が存在するのか?


解剖書を紐解けばある程度イメージすることはできますが、本当にそれが正しいのか否かは分からないからです。


国内でカダバー研修が一般的になるのはまだまだ先のようですが、医療技術の向上のためにも、大学病院であればどこでも実施可能なレベルまでどんどん普及して欲しいものです。






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膝蓋骨表面置換はルーチンで?!

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m3に興味深い記事がありました。
TKR、膝蓋骨の表面置換はルーチン実施で再置換リスク減 です。




人工膝関節全置換術(TKR)13万6116例を対照に、膝蓋骨の表面置換に関する執刀医の好みで割り付けた3群のその後の再置換率を比較  膝蓋骨を選択的に表面置換する(10-90%)群は、ルーチンに表面置換する(90%以上)群より膝蓋骨再置換リスクが高かった。このリスクは初回手術後4.5年までが最も高く、最初の1.5年間は306%、4.5年後以降も50%高かった。まれに表面置換する(10%未満)群は90%以上群と比較して、初回手術後1.5年までに膝蓋骨再置換リスクが最も高く、最高482%だった。さらに、あらゆる原因の再置換リスクは、10-90%群が90%以上群より20%高かった。




膝蓋骨の表面置換しない派の私にとっては、気になる記事です。「膝蓋骨再置換リスク」の定義が不明ですが、「初回TKA以降に施行した膝蓋骨に対する手術」と認識しました。


本研究では、ルーチンで膝蓋骨の表面置換を施行した方が成績が良いという結果のようです。しかし、膝蓋骨の表面置換には膝蓋骨骨折や骨折後感染の問題点があります。


このようなリスクを回避するため、私は膝蓋骨の表面置換は施行しない派になったのですが、このあたりの考察も行った総合的な膝蓋骨表面置換の是非を知りたいものです。






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待合室のテレビに注目!

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Medical Tribuneで興味深い記事がありました。待合室で臨床試験の映像を見ると関心が30%増 オーストラリア・2施設のRCT です。下記にある程度要約した文章を転載しました。



 患者や家族が病院の待合室のテレビ画面で、現在その地域で行われている臨床試験の情報を見た場合、見ていない場合と比べて臨床試験への関心が30%高まることが、オーストラリアで行われたランダム化比較試験(RCT)で示された。


救急診療部の待合室に大きなテレビを設置

 臨床試験はエビデンスに基づく医療の基礎であり、医療の進歩の原動力となっている。また、国によってはこうした臨床試験の大半が、税金、市販の医薬品や医療機器の購入、寄付などを通し、一般住民から直接・間接的に資金提供を受けている。また多くの臨床試験では、一般住民の参加が必要である。

 Gunnarsson氏らは、①臨床試験に対する一般住民の関心を推定する②現在その地域で行われている臨床試験の積極的な情報提供について、どの程度の一般住民が認識するのかを明らかにする③大きなテレビ画面を用いた臨床試験の宣伝が視聴者の関心に及ぼす影響を検討する-の3点を目的として、ステップウエッジデザインを用いたRCTを行った。

 テレビは、オーストラリアの2つの公立病院にある救急診療部の待合室に設置した。対象は救急診療部を訪れた患者(18歳以上)と同行した親族や友人とし、患者は自分で来院し(救急搬送は除外)、緊急で処置を受ける必要がなく、待合室で座って待つことができるなどの条件を満たしていることとした。テレビ画面には、両院がある地域で現在行われている臨床試験について、簡単な説明が映るようにし、さらに詳しく知りたい人はウェブサイトやQRコードから情報が見られるようにした。対照群には、テレビ画面を消して臨床試験の情報を見せないようにした。


高齢者、女性も関心強い

 2017年5月23日~11月10日に2,167例が適格基準を満たし、このうち1,501例(69.3%)が調査に回答した。

 解析の結果、介入により、臨床試験に対する関心が有意に高まることが分かり、オッズ比は1.3(95%CI 1.1~1.7、P=0.0063)であった。臨床試験への関心は、女性および年齢が高い者ほど高まることも示された。

 Gunnarsson氏らは「今後の研究では、臨床試験への関心が高まることで、資金提供の増加や、臨床試験に参加するモチベーションの向上につながることが明らかになるかもしれない」としている。



これはなかなか興味深い研究ですね。こういう医学の王道から少し脇に逸れた視点の研究は、肩の力を抜いて読めるので私は好きです。


さて、救急の待合室に設置されたテレビの影響は思いのほか大きいようです。昨今、テレビ離れが指摘されていますが、強制的に待たされる場所では暇つぶしツールになります。


病院や開業医の待合室でテレビが設置されていることは一般的ですが、そこで流す映像が普通のテレビ番組だったら勿体ない話です。


本研究のような地域で行われている臨床試験を流すのは敷居が高いですが、疾患説明や慢性疾患の継続治療の必要性などを流すと、治療継続率向上に資するかもしれません。


最近では動画編集は個人レベルでも簡単にできるようになっており、「そんな時間はもったいない!」という方でも安価に動画編集を請け負ってくれる業者さんが多くなりました。


待合室のテレビは、単なる暇つぶしではなく絶好の集患ツールになるかもしれません。程度の低いテレビ番組を垂れ流すぐらいなら、少しの投資で内容のある動画提供が吉でしょう。






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棘上筋停止部は小結節まで及んでいる?!

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先日、肩関節の棘上筋腱停止部について調べる機会がありました。何となくですが、腱板の構成体のひとつなので、上腕骨大結節にべったり停止している印象がありました。


しかし、肩関節の文献を調べていると、意外にも大結節の前内側に停止しているようです。しかも文献によっては結節間溝をまたいで小結節まで停止部が存在するとのことでした!



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上記は東京医科歯科大学の望月先生による別冊整形外科58:7-10、2010のからの転載なのですが、この文献によると棘上筋停止部は小結節まで及んでいるようです。


大結節にべったり停止しているのは棘上筋ではなく、むしろ棘下筋の方のようです。意外なほど棘上筋は前方にシフトしていました。


私は、上腕骨の小結節に停止するのは肩甲下筋とバカのひとつ覚えのように記憶していましたが、どうやら認識を変える必要がありそうです。






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アカデミア志向の医師はコレを読もう!

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今日は医師として成功するためのコツがあると感じた書籍の書評です。ネットワーク研究者であるバラバシによるザ・フォーミュラ 科学が解き明かした「成功の普遍的法則」です。







本書は、ビジネス本もしくは自己啓発本として発売されているベストセラーです。しかし、その内容はアカデミア志向の医師にとって必須の知識だと思います。


この書籍では下記の5つの成功の公式を提唱しています。いずれも、いわゆるビックデータから導き出された結果です。今までの成功本と異なり、エビデンスレベルが高そうです。


  1. パフォーマンスが成功を促す。パフォーマンスが測定できない時には、ネットワークが成功を促す
  2. パフォーマンスには上限があるが、成功には上限がない
  3. 過去の成功(優先的選択)× 適応度=将来の成功
  4. チームの成功にはバランスと多様性が不可欠だが、功績を認められるのはひとりだけだ
  5. 不屈の精神があれば、成功はいつでもやってくる


おそらく、上記の5つの成功の公式のうち、①③⑤に関しては何のことか分からないと思います。これについては、本書を読んで具体例から理解するしかないと思います。


そして、一見すると内容を理解できそうな②④に関しても、その意味するところはかなり深いです。表面的な文章以上の意味が隠されています。


私が本書を読んでほしいと思う対象は、アカデミアを志す医師です。著者のバラバシ自身が米国の有名大学の教授であり、研究者としての経験や苦悩をネタに本研究を行いました。


成功の尺度は人それぞれかもしれませんが、アカデミアとしての成功の定義も書かれています。そして、①~⑤ともアカデミアとして成功するための公式と思って間違いありません。


私は人生やビジネスで成功する公式を求めて本書を拝読しましたが、ビジネスにおいては①~④が参考になるものの、⑤はアカデミアのための公式だと感じました。


漫然と大学で切磋琢磨するだけでは結果を残せないことが、本書を読むと痛いほど分かります。残念な結果にならないためにも、アカデミア志向の医師には必読の書籍だと思います。






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その指導内容をまとめたものが本マニュアルです。その指導内容をまとめたものが本マニュアルです。既に資産運用をしている方でも、勤務医のアドバンテージを生かした新しい考え方が見つかるかもしれません。

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