整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

学術

これは有用! 発表者ツール

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先日、相互リンクいただいているとぜんな脊椎外科医のブログに興味深い記事がありました。知らなかった!英語プレゼン用のカンペ作成。発表者ノートの機能。 です。


私は、発表者ノート機能というところに釘付けになりました。これはすごい機能ですね! 読み進めていくと、とぜん先生はMacユーザーのようです。


私はWindowsユーザーなので、ちょっと難しいかもと思って調べてみると、どうやらWindowsでも発表者ツールというものがあるようです。


こちらのリンクが一番分かりやすかったのでご参考にしてください。この機能があれば、その発表に慣れていなくても、何とかプレゼンテーションできそうな気がします。


聴衆用と同じスライドをみながら発表するときの問題点は、次に来るスライドを予測しづらいことです。現スライドを説明しながら「次は何だたっけ?」と考えるのは難しいのです。


5分ぐらいの発表なら力業で覚えることも可能でしょうが、発表時間が2時間を超えるような講演では、物理的にすべてのスライドを暗記するのは不可能です。


実は11月26日に、品川で長丁場の講演をするのですが、初めて講演する内容なので(というかまだ資料を作成していないです・・・)かなり不安でした。


今回教えていただいた発表者ツールがあれば、初めての講演内容でも何とか乗り切れそうな気がします。とぜん先生、ありがとうございました!







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整形外科を志すなら、キャンベル(Campbell's Operative Orthopaedics)は必須でしょう。ペーパー版以外にも、DVDやe-ditionもあって便利です。更にKindle版は約30% OFFで購入可能です。このような辞書的な医学書は、電子書籍と相性が良いと思います。










傾向スコアを用いた観察研究

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先日、臨床研究における統計の講演を拝聴しました。
演者は、京都大学医学統計生物情報学講座の森田智視教授でした。


一般的に、ランダム化比較試験(RCT:Randomized Controlled Trial)は、観察研究よりも上位評価を受けています。


RCTでは評価のバイアスを避けて客観的に治療効果を評価できるため、群間にバイアスがかかる危険性の高い観察研究よりも信頼性が高いとみなされる傾向にあります。


しかし、医療においては必ずしもRCTは万能ではありません。ご存知のように治験の第III相試験(フェーズ III)ではRCTが基本です。この点に関しては論を俟ちません。


しかし、臨床試験ではバイアスのかからない2群間で比較できるものの、実臨床の場ではバイアスのかからない2群間で治療方法を比較することは倫理的に大きな問題があります。


この問題を解決する手法として注目されているのが、傾向スコア(propensity score プロペンシティースコア)を用いた疫学観察研究です。


性別・年齢・基礎疾患などのさまざまな条件をスコア化して、各治療を受けた患者さん同士をマッチングします。こうすることでRCTのように、バイアスのない2群を抽出します。


傾向スコアを用いることで、実臨床(リアルワールド)でも、RCTのような高い質を持つ観察研究が可能となります。


傾向スコアマッチングの実行方法について解説されたPDFが、森田教授のホームページからダウンロード可能です。興味のある方は是非アクセスしてみてください。




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ガイドラインに準拠してわかりやすくコンパクトにまとまった良書です。概論が最初の30ページ程度なので、これはあらかじめ通読するとよいでしょう。各論は原発性骨腫瘍、腫瘍類似疾患、転移性骨腫瘍、軟部腫瘍、骨系統疾患、代謝性骨疾患の6章に分かれています。各章とも疾患ごとに、豊富な写真でわかりやすく解説されています。







コーヒーって体にいいの?!

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2017年10月5日号のMedical Tribuneで興味深い記事がありました。コーヒーの多量摂取が死亡リスク低下に関連 です。




 コーヒーが、健康的な食生活の一部になるかもしれない。スペイン・Hospital de NavarraのAdela Navarro氏らは、スペインの中年大卒者約2万人を対象とした前向きコホート研究の結果から、1日のコーヒー摂取量が多い人ほど全死亡率が有意に低下することが示されたと、欧州心臓病学会(ESC 2017、8月26~30日)で報告した。この傾向は特に45歳以上で強く見られたという。



地中海諸国で初の大規模調査

 コーヒーの摂取は全死亡率と逆相関することが報告されているが、地中海諸国での調査は行われていなかった。今回の研究は、スペインの中年大卒者2万2,500人以上を対象とした前向き長期コホート研究であるSeguimiento Universidad de Navarra(SUN)プロジェクトの枠内で実施された。解析対象は1万9,896人で、登録時の平均年齢は37.7歳。コーヒー(1杯=1 taza、50cc)の摂取頻度は、ベースライン時に半定量食物摂取頻度調査票を用いて調査した。



コーヒー1日2杯摂取でその後10年間の全死亡リスクが22%低下

 約10年(20万414人・年)の追跡期間中に337人が死亡した。Cox比例ハザードモデルによる回帰分析の結果、1日4杯以上コーヒーを摂取している群では、コーヒーを(ほとんど)摂取していない群に比べて全死亡リスクが64%低下した〔調整ハザード比(HR)0.36、95%CI 0.19~0.70 〕。1日当たりコーヒーを2杯追加摂取するごとに全死亡リスクは22%低下した(調整HR 0.78、95%CI 0.66~0.92)。


 なお、総コーヒー摂取量と年齢には有意な相互作用が認められた(相互作用のP=0.0016)。45歳以上群では、コーヒーを1日2杯摂取することでその後の全死亡リスクが30%低下と有意に関連していた(調整HR 0.70、95%CI 0.58~0.85)。この関連は45歳未満群では有意ではなかった。


 Navarro氏らは「SUNプロジェクトでは、特に45歳以上でコーヒー摂取と総死亡リスクとの間に逆相関が認められた。より高齢者でより保護的な関連が強いためかもしれない」と述べている。 







コーヒー愛飲家にとっては嬉しい報告です。ただ、私の実感としては、コーヒーが体に良いとはにわかに信じがたい話です。


たしかに1日1杯程度のコーヒーでは問題なさそうですが、多量のコーヒーを飲むと胸やけしてしまいます。カフェインの量も多いため、多量のコーヒー摂取は体に悪いのでは???


ただ今回の報告は、中年の大卒者前向きコホート研究です。このため、信憑性はそれなりに高いと考えて良いと思います。


今回の報告でコーヒーが死亡リスクを下げることは分かったので、コーヒー愛飲家として今後期待する研究はコーヒーの至適量です。


さすがにガバガバ無尽蔵にコーヒーを飲むのはいかにも体に悪そうです。指摘量を示してもらえれば、私のコーヒーライフにも一定の歯止めがかかって嬉しいな。。。






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急性肺血栓塞栓症では造影CT+ヘパリン

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一般社団法人 日本医療安全調査機構による、急性肺血栓塞栓症に係る死亡事例の分析を拝読しました。今回の提言では、下記の6つのが記載されています。




【リスクの把握と疾患の認識】     

提言1

入院患者の急性肺血栓塞栓症の発症リスクを把握し、急性肺血栓塞栓症 は “ 急激に発症し、生命を左右する疾患で、特異的な早期症状に乏しく 早期診断が難しい疾患 ” であることを常に認識する。


【予防】 

提言2≪患者参加による予防≫
医療従事者と患者はリスクを共有する。患者が主体的に予防法を実施で きるように、また急性肺血栓塞栓症、深部静脈血栓症を疑う症状が出現 したときには医療従事者へ伝えるように、指導する。     

提言3≪深部静脈血栓症の把握≫
急性肺血栓塞栓症の塞栓源の多くは下肢、骨盤内静脈の血栓である。 深部静脈血栓症の臨床症状が疑われた場合、下肢静脈エコーなどを実施 し、血栓を確認する。

【早期発見・早期診断】
提言4
明らかな原因が不明の呼吸困難、胸痛、頻脈、頻呼吸、血圧低下などを 認めた場合、急性肺血栓塞栓症の可能性を疑い、造影 CT などの実施を 検討し早期診断につなげる。

【初期治療】
提言5
急性肺血栓塞栓症が強く疑われる状況、あるいは診断が確定した場合、 直ちに抗凝固療法(ヘパリン単回静脈内投与)を検討する。

【院内体制の整備】
提言6
急性肺血栓塞栓症のリスク評価、予防、診断、治療に関して、医療安全 の一環として院内で相談できる組織(担当チーム・担当者)を整備する。 必要があれば院外への相談や転院などができるような連携体制を構築する。
  





この中でも特に、提言4と提言5が目を引きました。


まず提言4ですが、急性肺血栓塞栓症発症の数日前に一時的な血圧低下、SpO2 低下、呼吸困難、胸痛、 胸部不快を認めた例や、数日前から頻脈が続いた例が報告されています。


数日前から前駆症状が出現する可能性があるので、術後は手術患者さんの慎重な観察が必要となります。


また、急性肺血栓塞栓症が疑われた場合、造影 CT施行が第一選択です。造影 CT が施行できない場合は心エコーですが、やはり造影 CTのような客観的な証拠が必要なのでしょう。


次に提言5ですが、急変後の救命処置開始より 1 時間~ 2 時間 30 分以内に死に至り、急変から死亡までの時間が短い傾向にあります。


このため急性肺血栓塞栓症が強く疑う際は、初期治療として出血リスクを評価し、直ちにヘパリン 3,000 ~ 5,000 単位(または体重 1 kg あたり 80 単位)を単回静脈内投与します。


ヘパリンは半減期が 1 時間前後と短く、減量・中止することにより 効果の消失が早く、さらに、中和薬(プロタミン)が存在するため出血した際にも 対処することが可能です。


私たちのような整形外科医にとって、ヘパリンをいきなり静注する行為は少し腰が引けます。しかし早期から迅速な治療が必要なので、ヘパリン静注は重要だと思います。



このように急性肺血栓塞栓症が強く疑う場合には、造影CT+ヘパリン3,000 ~ 5,000 単位静注をセットとして考えておくべきでしょう。






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あくびの伝染は仕方ない?!

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ケアネットで興味深い記事がありました。
「あくびが伝染する理由」に新たな手がかり です。




疲れているわけではないのに、近くにいる人があくびをすると自分もあくびをしてしまうのはなぜだろうか。その手がかりとなる研究結果が、「Current Biology」8月31日オンライン版に掲載された。この研究では、あくびの“伝染”を引き起こしているのは、脳の「一次運動野」と呼ばれる運動機能を司る領域である可能性が示されたという。


 今回の研究を実施したのは、英ノッティンガム大学認知神経科学教授のStephen Jackson氏ら。成人36人に「あくびをしたくなっても我慢する」または「あくびをしたければしてもよい」のいずれかを指示した上で、人があくびをするビデオを見てもらった。また、この間、参加者の様子をビデオ撮影し、口を開けてあくびをする回数と、あくびをかみ殺す回数を測定した。さらに、経頭蓋磁気刺激(TMS)を用いて参加者の脳の運動野における興奮性を測定した。


 その結果、ビデオで人があくびするのを見た際にあくびを我慢することは難しく、我慢するように言われるとあくびへの衝動が強まることが明らかになった。また、あくびの伝染のしやすさは人によって異なること、このような現象は一次運動野での興奮性と生理学的な抑制に起因している可能性が示唆されたという。


 あくびの伝染は、反響現象(Echophenomena)の1つと考えられている。反響現象とは相手の言葉や行動を、無意識のうちに真似することで、人間だけでなくチンパンジーやイヌでも見られるという。


 また、反響現象はてんかんや認知症、自閉症、トゥレット症候群など、皮質の興奮性や生理学的抑制との関連が指摘されている病態にもみられる。そのため、これらの病態の理解を深める上でも、今回の研究結果は重要だとJackson氏は言う。なお、同氏らは現在、トゥレット症候群の患者の運動野での興奮性を抑えるとチック症状を軽減できるかどうかについて研究を進めているという。 






たしかに、あくびは伝染しますね。私の場合は、伝染する側ではなく、あくびを伝染させる側ですが(笑)。


あくびの伝染は、反響現象のひとつだそうです。反響現象とは、相手の言葉や行動を無意識のうちに真似してしまう現象のことです。


あくびのような日常的に発生する些細なことでも、実は脳疾患の病態生理を理解する上では重要であることに驚きました。


今日の論文の主旨とは少し異なりますが、あくびの伝染は生理現象であることを主張してみようと思います。身内からの反撃は必至でしょうが(笑)。





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