整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

全身管理

ごはんを食べていると未来は明るい?!

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先日、相互リンクいただいている「整形外科医のゆるいブログ」で興味深い記事がありました。肺炎患者について思うこと です。



当ブログの肺炎で会話できることは重要! というエントリー関連記事なのですが、言われてみれば「なるほど!」と思わず膝を叩きました。




超高齢化社会でマジで全身状態が悪い患者がドンドン骨折している。

場末病院の悲しさで、仕事の内容がほぼ内科医。

西川先生と同じだよ。

本業がタレントで副業が医者。 俺も本業が内科医で、副業で整形外科医をやっている感じ。

多分、今の30代の整形外科医の先生たちは覚悟しておいたほうが良いよ。

一部の整形外科医を除いて、俺みたいな感じの医者になるから。 今の仕事の半分近くが肺炎、心不全の治療だからな。

ハンプ使って、サムスカ使って。

骨折を伴わない肺炎、心不全は内科医が診て。
骨折を伴う肺炎、心不全は整形外科医が診る。





たしかにな~、と笑ってしまいました。実際、治療のメインは肺炎だけど、骨折しているから仕方なく整形外科主治医(=私)が肺炎治療しているパターンが多いです。





患者の予後の判断材料のひとつとして、患者さんが「飯が食えるかどうか」が一番重要だと思う。

食事を食べられている患者は、整形外科医でもどうにか出来るよね。

当たり前か。

嚥下が悪いのだけはどうにもならない。

外科医の習性で敗戦処理系って苦手なんだよね。

止め時が分からなくてどうしても過剰医療に繋がる。





そして、上記は非常に含蓄があると思います。このことはイメージとしては頭の片隅にありましたが、言われれみて初めて具体的なイメージになりました。


「ごはんを食べることができるか否か」は、患者さんの予後を予測する重要なファクターなんですね。たしかに熱型表で7割以上摂取なら、この患者さんは大丈夫だなと思っていました。


あと、術後感染を疑ったときにも、無意識のうちに経口摂取量を確認していました。THAやTKAの術後で、ときどき38度以上の熱発が続き、創から浸出液が漏出することがあります。


主治医的にはナーバスな気持ちになりがちですが、熱発していても経口摂取量が十分なら、おそらく大丈夫だろうと考えています。


肺炎患者さんでもしっかり会話できていたり、術後患者さんが熱発していても、ごはんをしっかり食べることができていれば、未来は明るいことが多いです。


このように人間としての自然な営みは、実は医療にとって非常に重要な観察項目ではないのかと一連のエントリーを作成・拝読して強く思いました。





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肺炎で会話できることは重要!

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高齢者の大腿骨近位部骨折の治療で悩まされる機会は多いです。骨折そのものというよりも、肺炎等の骨折に併発している疾患が問題となります。


私が先輩医師から教わった理論(?)は、高齢者に肺炎併発 → しんどくてふらついて転倒 → 大腿骨近位部骨折 というパターンです。


このパターンを踏襲している症例では肺炎を発症しているので、手術を施行することが難しくなります。


こうなってくると麻酔科医師との協議になるのですが、誰かがリスクを取る必要があります。手術を敢行するなら主治医と麻酔科医師、待機するなら主治医のリスクとなります。


そして肺炎といっても軽度から重度までさまざまです。重度の肺炎ではさすがに手術を施行しようとは思いません。しかし、軽度の肺炎ではどうでしょう?


私は、手術可能か否かの判断材料のひとつとして、患者さんが「しっかり話をすることができるのか否か」を重要視しています。


重度の肺炎患者さんでは会話をすることもできない一方で、軽度の肺炎では呼吸苦も無いため大きな声でしっかり会話できるからです。


先日も肺炎を併発している超高齢者の大腿骨転子部骨折患者さんの手術可否について悩みました。この方は大きな声でしっかり話すので、思い切って手術を敢行しました。


麻酔科医師には迷惑な話だと思いますが、患者さんのことを最優先で考えるとそのような結論になりました。この判断法の勝率は高く、まだ重篤な状態になった患者さんは居ません。


もちろん、個人レベルのエビデンスの無い経験則であり、今後地雷を踏む可能性もあります。しかし医師である以上、ある程度のリスクを引き受けて治療を行うべきだと思います。





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COPD患者は胸部CTルーチン化を!

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入院時のルーチン検査として、ほとんどの施設で胸部X線像を施行すると思います。これに関して特に異議はないのですが、胸部CTはどうでしょうか?


私は バカなので 整形外科医なので、胸部X線像の読影に自信がありません。はっきりと肺野に浸潤影があるケースを除くと、肺炎の診断さえ下せないと思います。


そのような場末の整形外科医にとって、胸部CTは「救いの神」です。胸部CTさえあれば、肺炎の診断も難無く可能です。


しかし、COPDなどでもともと肺野がボロボロの症例では、術前からある所見なのか術後に新たに発症した所見なのかを迷うことがあります。


このような場合に「術前の胸部CT」があると、発症前との比較が可能なので、ずいぶん助かります。内科医師に診察依頼するまでもなく、自分で肺炎の診断ができるのです。


私は既往歴としてCOPDがあると、入院時のルーチン検査として胸部CTも依頼します。入院時チェックの意味合いもありますが、後々のベンチマークとして施行するのです。


もちろん、何事も無く退院してくれるのが最善ですが、超高齢者に関してはなかなかそういうわけにもきません。


入院時胸部CTというその患者さんにとっての「正常所見」を確認しておくことは、術後合併症への早期対応という観点からも、有用な選択枝ではないかと思います。





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急性肺血栓塞栓症では造影CT+ヘパリン

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一般社団法人 日本医療安全調査機構による、急性肺血栓塞栓症に係る死亡事例の分析を拝読しました。今回の提言では、下記の6つのが記載されています。




【リスクの把握と疾患の認識】     

提言1

入院患者の急性肺血栓塞栓症の発症リスクを把握し、急性肺血栓塞栓症 は “ 急激に発症し、生命を左右する疾患で、特異的な早期症状に乏しく 早期診断が難しい疾患 ” であることを常に認識する。


【予防】 

提言2≪患者参加による予防≫
医療従事者と患者はリスクを共有する。患者が主体的に予防法を実施で きるように、また急性肺血栓塞栓症、深部静脈血栓症を疑う症状が出現 したときには医療従事者へ伝えるように、指導する。     

提言3≪深部静脈血栓症の把握≫
急性肺血栓塞栓症の塞栓源の多くは下肢、骨盤内静脈の血栓である。 深部静脈血栓症の臨床症状が疑われた場合、下肢静脈エコーなどを実施 し、血栓を確認する。

【早期発見・早期診断】
提言4
明らかな原因が不明の呼吸困難、胸痛、頻脈、頻呼吸、血圧低下などを 認めた場合、急性肺血栓塞栓症の可能性を疑い、造影 CT などの実施を 検討し早期診断につなげる。

【初期治療】
提言5
急性肺血栓塞栓症が強く疑われる状況、あるいは診断が確定した場合、 直ちに抗凝固療法(ヘパリン単回静脈内投与)を検討する。

【院内体制の整備】
提言6
急性肺血栓塞栓症のリスク評価、予防、診断、治療に関して、医療安全 の一環として院内で相談できる組織(担当チーム・担当者)を整備する。 必要があれば院外への相談や転院などができるような連携体制を構築する。
  





この中でも特に、提言4と提言5が目を引きました。


まず提言4ですが、急性肺血栓塞栓症発症の数日前に一時的な血圧低下、SpO2 低下、呼吸困難、胸痛、 胸部不快を認めた例や、数日前から頻脈が続いた例が報告されています。


数日前から前駆症状が出現する可能性があるので、術後は手術患者さんの慎重な観察が必要となります。


また、急性肺血栓塞栓症が疑われた場合、造影 CT施行が第一選択です。造影 CT が施行できない場合は心エコーですが、やはり造影 CTのような客観的な証拠が必要なのでしょう。


次に提言5ですが、急変後の救命処置開始より 1 時間~ 2 時間 30 分以内に死に至り、急変から死亡までの時間が短い傾向にあります。


このため急性肺血栓塞栓症が強く疑う際は、初期治療として出血リスクを評価し、直ちにヘパリン 3,000 ~ 5,000 単位(または体重 1 kg あたり 80 単位)を単回静脈内投与します。


ヘパリンは半減期が 1 時間前後と短く、減量・中止することにより 効果の消失が早く、さらに、中和薬(プロタミン)が存在するため出血した際にも 対処することが可能です。


私たちのような整形外科医にとって、ヘパリンをいきなり静注する行為は少し腰が引けます。しかし早期から迅速な治療が必要なので、ヘパリン静注は重要だと思います。



このように急性肺血栓塞栓症が強く疑う場合には、造影CT+ヘパリン3,000 ~ 5,000 単位静注をセットとして考えておくべきでしょう。






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またまた経験! 内臓逆位

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先日、骨折患者さんの術前検査で興味深い経験をしました。この方は、いわゆる「内臓逆位」で、単純X線像では心臓が右側にありました。



g - コピー



上記は、日本心臓財団のHPから転載してきた画像です。実際に私がみた胸部X線像も同じような感じでした。びっくりするぐらい、左右逆の違和感がありました。


術前の心臓エコーでは肝臓が左側にあったようなので、右心臓ではないようです。実は私自身、過去一度だけ内臓逆位の患者さんをみたことがあります。


ブログの日付を確認すると2012.10.19なので、ほぼ5年振りぐらいのことです。一応、過去の自分のブログをみて、肺疾患が無いことだけは患者さんに確認しておきました。


内臓逆位は繊毛の異常が原因となっている可能性が高い現象だそうです。身体的に異常はないようですが、繊毛運動に異常がある場合が多く、気管支炎等に罹患しやすいそうです。


確率的にはかなり低いらしいのですが、私でさえも2例経験していることを考えると、巷で言われているほど珍しいものではない気がします。






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整形外科を志すなら、キャンベル(Campbell's Operative Orthopaedics)は必須でしょう。ペーパー版以外にも、DVDやe-ditionもあって便利です。更にKindle版は約30% OFFで購入可能です。このような辞書的な医学書は、電子書籍と相性が良いと思います。










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