整形外科医のブログ

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全身管理

HbA1cが 15%だと痛みを感じない?!

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先日、HbA1cが15%もあるシビアな糖尿病患者さんの手術がありました。これだけコントロール不良の患者さんをみるのは久しぶりです。ちなみに前回の方は突然死しました...。


さて、いくらHbA1cが極度に悪くても、やらなければいけない骨折です。嫌々ながら手術を行いました。患者さんの退室後に麻酔科医師に術中どんな感じだったのかを確認しました。


すると、術中は麻酔深度を浅くして鎮痛薬を全く投与しなくても、ほとんど血圧に変化が無かったようです。う~ん、たしかに術前からほとんど痛みを訴えていなかったな...。


術翌日、患者さんに創部の痛みがあるのかを確認しましたが「全然痛くない」そうです。これって、いわゆるシャルコー関節みたいなものでしょうか???


疼痛をほとんど感じないのは患者さん的にはラクなのでしょうが、主治医としては気持ち悪いことこの上無しです。


この患者さんは 1年前まで近医で経口血糖降下薬を処方されていたようです。このため糖尿病が増悪してからそれほど時間が経っているわけではなさそうです。


それでもこれだけの感覚障害を併発しているのですから、血糖コントロールがいかに重要かが良く分かります。他山の石として、人工関節希望の糖尿病患者さんに啓蒙しよう。






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低体温症では手術延期が無難

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周術期の低体温は忌避するべき状態です。周術期低体温による術後合併症には下記のようなものがあります。


  • 感染率上昇
  • 心疾患リスクの増加
  • 出血および輸血の必要性の増加
  • 薬物代謝・覚醒遅延
  • 皮膚障害・褥瘡


主治医として特に憂慮される点は感染率上昇でしょう。消化器外科の待機的結腸直腸手術の研究では、正常体温群と比較して約 4倍もの感染率上昇を認めました。


かなり前のことですが、真冬に病院の空調設備が故障したために病室の気温が低下してしまい、出室前に低体温をきたしてしまった症例がありました。


やむを得ないこととは言え、そのまま手術を施行した場合には種々の合併症を併発するリスクが高まります。判断が難しかったですが、手術を延期したことがありました。


病室の温度コントロールができない状態というのは頻回にあるわけではないですが、特に冬場にそのような事態が発生した場合には慎重な対応が必要だと思いました。






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口腔ケアは歯の無い人でも誤嚥性肺炎予防になる

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最近受け持ち患者さんで誤嚥性肺炎になった方が居ました。そこで誤嚥性肺炎の予防について調べてみました。誤嚥性肺炎予防のためには下記3つがポイントとなります。

  1. 口腔内の清潔を維持してきれいな唾液を出すようにする
  2. 嚥下反射と咳嗽反射の改善
  3. 誤嚥する量をできるだけ少なくする


①②の両方を解決する手段は口腔ケアです。具体的には歯ブラシで食後5分行います。口腔ケアで口腔内の清潔が保たれますが、義歯を使用していても誤嚥性肺炎予防に有効です。


その理由は、口腔ケアをすることで嚥下反射や咳嗽反射を促進するサブスタンスPという伝達物質が分泌されるからです。


これ以外にも、唐辛子の辛味成分であるカプサイシンもサブスタンス P分泌を促進します。唐辛子やコショウが誤嚥性肺炎予防に有効とは驚きました。


に関しては、正常人でも深睡眠時には 45%の人に誤嚥を認めたそうです。このため食事や経管栄養の際にはヘッドアップ45度以上が望ましいです。



恥ずかしながら、経管栄養はチューブが胃の中だから誤嚥なんかするわけないだろと思っていました。しかし、唾液でさえも誤嚥するため、ヘッドアップは有効なようです。


上記のような視点で改めて看護師さんの動きを眺めていると、しっかり誤嚥性肺炎予防対策を行っているようです。どうやら看護ケアの意味を知らなかったのは私だけのようでした。





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整形外科医でもカプノメータは知っておくべき!

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日本医師会雑誌の 2021年7月号の特集は、鎮静についてでした。総論を拝読していると、カプノメータの話がありました。恥ずかしながらカプノメータは初めて知りました。



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カプノメータとは、呼気に含まれる二酸化炭素ガス分圧を測定するモニターです。気管チューブと人工呼吸器回路の間に設置して呼気終末二酸化炭素ガス分圧を測定します。


鎮静に際しては、カプノメータとパルスオキシメータの両方で呼吸状態を監視する必要があるそうです。素人的には、パルスオキシメータだけではダメなのかという疑問が湧きます。


調べてみると、カプノメータは換気のモニターであることに対して、パルスオキシメータは酸素化のモニターに過ぎないことが理由でした。


酸素化できていれば OKではないのか?と思う人も多いことでしょう。例えば酸素化した状態で挿管した場合、食道挿管してもパルスオキシメータではすぐに反応しないそうです。


このため、パルスオキシメータが降下する頃にはすでに手遅れになっています。一方、カプノメータは換気のモニターなので、食道挿管も瞬時に判断できます。


このように鎮静での呼吸管理に際しては、カプノメータの方がパルスオキシメータよりも有用なのです。他科のこととは言え、カプノメータの存在を知らないとは不覚でした...。






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ベテラン医師の言うことは聞いておけ!

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先日、受け持ち患者さんの回診をしていると、何となくボーッとしていることに気付きました。居合わせた看護師さんが、検温の際に SaO2が 90%しかなかったと言っています。


ご本人に「息苦しくないですか~」と訊いても「しんどくない」とのことです。しかし、何となく普段と違った印象を受けます...。


脳梗塞があったら嫌だなと思って四肢を診ましたが、自動運動は可能です。何となくボーッとして呼吸機能がイマイチな病態は???


さしあたって胸部CTを撮像することにしましたが、何となく頭部も撮像しておいた方がよい気がしたので、ついでに撮像してみました。


すると、橋出血があるではないですか!!!ビジュアル的に衝撃的な所見だったのですが、なぜか意識障害や四肢麻痺はありません。


後から考えると、何となくボーッとしているのは意識障害の亜型なのかもしれませんが、あの状況で頭部CTを撮像しようと思ったのは我ながら奇跡に近かったです。


定石で考えると胸部CTだけのはずですが、なぜ頭部CTまで撮像したのか? その理由は何となくの胸騒ぎでした。よくベテラン看護師さんの言うことは聞いておけと言われます。


私は忠実にベテラン看護師さんの意見には従うのですが、それはかれらの経験を信頼しているからです。しかし自分の勘も彼らに相当するレベルかも? と思うようになりました。


よく考えると、すでに卒後 20年以上も臨床にどっぷり浸かっているので、自分も「大ベテラン」です(笑)。ベテラン看護師さんだけでなく、自分の胸にも訊いてみよう...。





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