整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

全身管理

PE疑い=造影CT+ヘパリン静注!

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先日、入院中の患者さんの状態が急変したことがありました。下肢の術後患者さんでリハビリテーション中に突然意識が消失したようです。


このような状況では、整形外科医であれば深部静脈血栓による急性肺血栓塞栓症(PE)を疑うと思います。では、次の一手はどうすればよいのか?



急性肺血栓塞栓症を疑うときには、こちらでまとめたようにやるべきことは2つです。

  • 造影 CT施行
  • 直ちにヘパリン 3,000 ~ 5,000 単位(または80 単位/体重1kg)を単回静脈内投与


この患者さんの主治医は上司の先生でしたが、報告を受けてすぐに上記指示を出していました。さすがです。


私はブログを書く際にまとめたので、このあたりの知識をよく知っているのですが、普通はなかなかとっさに出てこないと思います。


いずれにせよ、急性肺血栓塞栓症を疑い=造影 CT+ヘパリン3,000 ~ 5,000 単位 と覚えておきましょう。







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透析手術ではK吸着フィルターを!

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私が勤めている病院は、透析センターを併設しています。
このため、患者さんの中に一定比率で血液透析を施行している方がいます。


透析患者さんは慢性腎不全のため、もともと貧血気味の方が多いです。そのような患者さんに人工関節全置換術を施行すると、どうしても貧血が進行してしまします。


このため、ある程度の他人血輸血を施行せざるを得ません。そして、透析患者さんに他人血輸血を施行すると、血液中のカリウム濃度が上昇します。


カリウム濃度上昇を防ぐため、術翌日の血液透析中に他人血輸血を施行します。これしか方法が無いと思っていたのですが、透析医にカリウム吸着フィルターを教えてもらいました。



b_05_img - コピー


カワスミ カリウム吸着フィルター



カリウム吸着フィルターとは、赤血球製剤中に増加した過剰なカリウムイオンを除去するフィルターです。赤血球製剤中の過剰カリウムを80%以上吸着・除去するそうです。


その仕組みは、陽イオン交換樹脂を介して赤血球製剤中のカリウムイオンをナトリウムイオンと等価置換することで、カリウムを吸着・除去します。


価格は5000円ほどなので、他人血輸血が必要な透析患者さんの手術に際しては、あらかじめ準備しておくことが望ましいと思います。






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ごはんを食べていると未来は明るい?!

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先日、相互リンクいただいている「整形外科医のゆるいブログ」で興味深い記事がありました。肺炎患者について思うこと です。



当ブログの肺炎で会話できることは重要! というエントリー関連記事なのですが、言われてみれば「なるほど!」と思わず膝を叩きました。




超高齢化社会でマジで全身状態が悪い患者がドンドン骨折している。

場末病院の悲しさで、仕事の内容がほぼ内科医。

西川先生と同じだよ。

本業がタレントで副業が医者。 俺も本業が内科医で、副業で整形外科医をやっている感じ。

多分、今の30代の整形外科医の先生たちは覚悟しておいたほうが良いよ。

一部の整形外科医を除いて、俺みたいな感じの医者になるから。 今の仕事の半分近くが肺炎、心不全の治療だからな。

ハンプ使って、サムスカ使って。

骨折を伴わない肺炎、心不全は内科医が診て。
骨折を伴う肺炎、心不全は整形外科医が診る。





たしかにな~、と笑ってしまいました。実際、治療のメインは肺炎だけど、骨折しているから仕方なく整形外科主治医(=私)が肺炎治療しているパターンが多いです。





患者の予後の判断材料のひとつとして、患者さんが「飯が食えるかどうか」が一番重要だと思う。

食事を食べられている患者は、整形外科医でもどうにか出来るよね。

当たり前か。

嚥下が悪いのだけはどうにもならない。

外科医の習性で敗戦処理系って苦手なんだよね。

止め時が分からなくてどうしても過剰医療に繋がる。





そして、上記は非常に含蓄があると思います。このことはイメージとしては頭の片隅にありましたが、言われれみて初めて具体的なイメージになりました。


「ごはんを食べることができるか否か」は、患者さんの予後を予測する重要なファクターなんですね。たしかに熱型表で7割以上摂取なら、この患者さんは大丈夫だなと思っていました。


あと、術後感染を疑ったときにも、無意識のうちに経口摂取量を確認していました。THAやTKAの術後で、ときどき38度以上の熱発が続き、創から浸出液が漏出することがあります。


主治医的にはナーバスな気持ちになりがちですが、熱発していても経口摂取量が十分なら、おそらく大丈夫だろうと考えています。


肺炎患者さんでもしっかり会話できていたり、術後患者さんが熱発していても、ごはんをしっかり食べることができていれば、未来は明るいことが多いです。


このように人間としての自然な営みは、実は医療にとって非常に重要な観察項目ではないのかと一連のエントリーを作成・拝読して強く思いました。





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肺炎で会話できることは重要!

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高齢者の大腿骨近位部骨折の治療で悩まされる機会は多いです。骨折そのものというよりも、肺炎等の骨折に併発している疾患が問題となります。


私が先輩医師から教わった理論(?)は、高齢者に肺炎併発 → しんどくてふらついて転倒 → 大腿骨近位部骨折 というパターンです。


このパターンを踏襲している症例では肺炎を発症しているので、手術を施行することが難しくなります。


こうなってくると麻酔科医師との協議になるのですが、誰かがリスクを取る必要があります。手術を敢行するなら主治医と麻酔科医師、待機するなら主治医のリスクとなります。


そして肺炎といっても軽度から重度までさまざまです。重度の肺炎ではさすがに手術を施行しようとは思いません。しかし、軽度の肺炎ではどうでしょう?


私は、手術可能か否かの判断材料のひとつとして、患者さんが「しっかり話をすることができるのか否か」を重要視しています。


重度の肺炎患者さんでは会話をすることもできない一方で、軽度の肺炎では呼吸苦も無いため大きな声でしっかり会話できるからです。


先日も肺炎を併発している超高齢者の大腿骨転子部骨折患者さんの手術可否について悩みました。この方は大きな声でしっかり話すので、思い切って手術を敢行しました。


麻酔科医師には迷惑な話だと思いますが、患者さんのことを最優先で考えるとそのような結論になりました。この判断法の勝率は高く、まだ重篤な状態になった患者さんは居ません。


もちろん、個人レベルのエビデンスの無い経験則であり、今後地雷を踏む可能性もあります。しかし医師である以上、ある程度のリスクを引き受けて治療を行うべきだと思います。





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COPD患者は胸部CTルーチン化を!

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入院時のルーチン検査として、ほとんどの施設で胸部X線像を施行すると思います。これに関して特に異議はないのですが、胸部CTはどうでしょうか?


私は バカなので 整形外科医なので、胸部X線像の読影に自信がありません。はっきりと肺野に浸潤影があるケースを除くと、肺炎の診断さえ下せないと思います。


そのような場末の整形外科医にとって、胸部CTは「救いの神」です。胸部CTさえあれば、肺炎の診断も難無く可能です。


しかし、COPDなどでもともと肺野がボロボロの症例では、術前からある所見なのか術後に新たに発症した所見なのかを迷うことがあります。


このような場合に「術前の胸部CT」があると、発症前との比較が可能なので、ずいぶん助かります。内科医師に診察依頼するまでもなく、自分で肺炎の診断ができるのです。


私は既往歴としてCOPDがあると、入院時のルーチン検査として胸部CTも依頼します。入院時チェックの意味合いもありますが、後々のベンチマークとして施行するのです。


もちろん、何事も無く退院してくれるのが最善ですが、超高齢者に関してはなかなかそういうわけにもきません。


入院時胸部CTというその患者さんにとっての「正常所見」を確認しておくことは、術後合併症への早期対応という観点からも、有用な選択枝ではないかと思います。





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