整形外科医のブログ

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手術直前の熱発にどう対応する?

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手術当日に患者さんが熱発することはときどきあります。このような時にどのような対応をすれば良いのでしょうか?


私はの場合は、予定手術と準緊急手術の2パターンに分けて考えています。まず両パターンとも診察して本人の様子を確認することは必須です。


通常は熱発しているだけで症状に乏しいことが多いです。この場合、THA や TKA などの予定手術の場合では血液生化学検査、胸部Xp、インフルエンザ迅速検査を行います。


検査結果がほぼ正常の場合には、ご本人およびご家族と協議して当日の手術を施行するか否かを話し合います。多くの患者さんは当日の手術を望まれる印象があります。


スキップした場合には 1週間ほど待機しますが、あまりに待機時間が長いと患者さんもイライラするので注意が必要です。


一方、大腿骨近位部骨折のような準緊急手術の場合には、SaO2をはじめとするバイタルが安定しているようであれば、38度オーバーでも手術を敢行することにしています。


さすがに呼吸状態が不安定な場合には止めますが、呼吸状態が安定していれば決行です。待機してもロクなことはないので、この場合だけは主治医としてリスクを取ります。


重度の肺炎を併発しているのでなければ、手術を施行すると解熱していくことが多いです。
幸い不測の事態は発生していませんが、いつもヒヤヒヤしています。


カラーバス効果かもしれませんが、手術当日の熱発は比較的多い印象です。患者さんの精神状態も関係しているのでしょうか???


主治医としては悩みどころですが、無用なリスクは取らないものの、患者さんのために必要なリスクは取りに行くバランス感覚が重要かなと考えています。






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体温の日内変動

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高齢者の熱発は要注意です。免疫力の低下した高齢者が熱発することは、ただならぬ事態が進行している可能性があるからです。


しかし、入院患者さんで夜間のみ熱発するパターンはどう考えるべきなのでしょうか? 一般的に、弛張熱(日差が1℃以上で最低体温が37度以上)では何らかの感染を疑います。


この場合、最低体温が37度以上がミソなのですが、一般的には昼間の体温を無視して、夜間に37度台後半以上の熱発があると弛張熱と言いがちです。


このような昼間は平熱で夜間のみ発熱するパターンを「弛張熱」と判断するのは間違いの元かもしれません。何故なら、体温は下のグラフのように変化するからです。



グラフ:健康な人の1日の体温リズム



上記は、テルモのサイトから引用したグラフです。就寝するまでは比較的高温の時間が続きます。このグラフをみると、体温測定の時間が準夜帯の場合は高温になりがちです。


翌日の熱型表をみると夜間に熱発したように見えますが、測定時間が21~22時などでは正常範囲の方でも弛張熱と判断してしまうリスクがありそうです。


特に普段は午前もしくは午後の 1検だったものが、何かの拍子に 1日 3検体制になると、ことさら夜間の高温が強調されてしまう可能性があります。


もちろん、多くの場合は本当に熱発しているのですが、ときどき実は正常範囲内の体温日内変動だったというオチもありそうなので注意が必要だと感じました。







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冠動脈ステントはステンレスなのか!

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いきなり自分の知識の無さをさらけ出すタイトルで恐縮です...


先日、腱板損傷疑いの 70歳台の患者さんが初診されました。外傷歴はないですが、drop arm sign陽性です。そして頚部から上腕の疼痛・しびれも併発しています。


年齢から考えて非外傷性の腱板損傷を最も疑ったのですが、頚椎症性筋萎縮症である可能性も全否定はできません。そこで、まずは肩関節MRIを施行することにしました。


ところが、20年前に心筋梗塞で冠動脈ステント留置の既往歴がありました。留置後3カ月以内のMRIは避けた方が無難です。しかし、20年前のステントは大丈夫なのでしょうか???


調べてみると、日本では1994年から保険適応のもと、冠動脈ステントが使用されています。材質はステンレスであり、MRIもバッチリ対応しているとのことでした。


私は、冠動脈ステントはMRI対応なので、てっきり材質がチタン製だと思っていました。ところが、日本への導入時からステントの材質はステンレスのようです。


なるほど、それなら冠動脈ステントに関しては、留置後3カ月以内でなければどのような症例であっても MRIは対応していることになります。勉強になりました。





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血清アミラーゼが上昇したら?

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入院中の患者さんで、ときどき血清アミラーゼが高値を示すときがあります。びっくりすることが多いのですが、下記のような症例に多い印象を受けます。

  • 高齢者
  • 術後1週間以降の亜急性期
  • 症状は特に無し
  • 何もしなくても自然軽快


先日もTKAの術後2週間でいきなり血清アミラーゼが上昇した症例がありました。ご本人にお伺いしても腹部症状や口腔内症状も含めて特に所見はありません。


このような場合には、アミラーゼのアイソザイムを測定すればよいのですが、結果が出るまで数日かかるので、本当に緊急性のあるときには役に立ちません。


内科医師にお伺いしたところ、このようなケースでは下記のような対応をすればよいと教えていただきました。

  1. LDHをはじめとする胆管系酵素上昇の有無
  2. 腹部CT施行
  3. 口腔周囲症状の有無
  4. 口腔内の清潔度の確認
  5. CEAやCA19-9などの精査


上記は主に、膵臓と唾液腺の疾患の精査です。意外だったのは口腔内が清潔でない患者さんはアミラーゼが高値になりやすいことです。唾液腺が閉塞しやすくなるからです。


⑤のCEAやCA19-9はアミラーゼ高値が続けば調べてみてもよいでしょう。無症状の症例での多くは、自然に軽快することが多いのでそれほど焦る必要はなさそうです。






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PE疑い=造影CT+ヘパリン静注!

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先日、入院中の患者さんの状態が急変したことがありました。下肢の術後患者さんでリハビリテーション中に突然意識が消失したようです。


このような状況では、整形外科医であれば深部静脈血栓による急性肺血栓塞栓症(PE)を疑うと思います。では、次の一手はどうすればよいのか?



急性肺血栓塞栓症を疑うときには、こちらでまとめたようにやるべきことは2つです。

  • 造影 CT施行
  • 直ちにヘパリン 3,000 ~ 5,000 単位(または80 単位/体重1kg)を単回静脈内投与


この患者さんの主治医は上司の先生でしたが、報告を受けてすぐに上記指示を出していました。さすがです。


私はブログを書く際にまとめたので、このあたりの知識をよく知っているのですが、普通はなかなかとっさに出てこないと思います。


いずれにせよ、急性肺血栓塞栓症を疑い=造影 CT+ヘパリン3,000 ~ 5,000 単位 と覚えておきましょう。







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