整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

社会

就業が全く不可能な期間とは?

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診断書作成の際に、左下欄の「就業が全く不可能な期間」「業務及び日常生活に支障がある期間」について記載する場面が多いと思います。


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一見、「就業が全く不可能な期間」「業務及び日常生活に支障がある期間」は議論の余地が無いように見えますが、具体的にどのような状態が「就業が全く不可能」なのでしょう?


整形外科の場合、左上肢の半肢ギプスなら右利きの事務員であれば就業可能なのではないのか? 考えるほど分からなくなったので少し調べてみました。


下記は、ライフネット生命からの抜粋です。





就業不能状態とは、つぎのいずれかの状態に該当することをいいます。
(1)病気やケガの治療を目的として、日本国内の病院または診療所において入院している状態
(2)病気やケガにより、医師の指示を受けて自宅等※で在宅療養をしている状態

※ 「自宅等」は、日本国内に限ります。また、老人福祉法に定める有料老人ホームおよび老人福祉施設ならびに介護保険法に定める介護保険施設等を含みます。

<在宅療養とは>
病気またはケガにより、医師の医学的見地にもとづく指示を受けて、軽い家事
(注1)および必要最小限の外出(注2)を除き、自宅等で、治療に専念することをいいます。なお、軽労働または座業(注3)ができる場合は、在宅療養をしているとはいいません。 

(注1) 簡単な炊事や衣類程度の洗濯等のことをいいます。
(注2) 医療機関への通院等のことをいいます。
(注3) 軽労働とは梱包(こんぽう)、検品等の作業のことをいい、座業とは事務等のことをいいます。






私は「就業が全く不可能=入院中」という認識でしたが、自宅に軟禁されている状態も就業が全く不可能な状態に該当するのですね。勉強になりました。


職種にも寄りますが、上肢骨折でギプス固定されている程度では「就業が全く不可能」な状態には該当しないようです。もちろん、寿司職人では就労不能という判断でしょう。








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今年の10連休をどうしのぐ?

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周知のように今年のゴールデンウィークは10連休です。サラリーマン的な感覚では10連休は良いものです。しかし医療機関にとって、これほど長期連休は大きな問題となります。


10日間も業務が止まってしまうと、その間に患者さんの容態が悪くなったり、外傷患者さんの手術ができなくなってしまうため、医療現場は大変なことになってしまいます。


もちろん、国レベルの目線では医療現場の末端のことなど検討するはずもありません。しかし医療業界の場末に身を置く者としては、10連休というのは由々しき問題です。


10連休の間の対応は医療機関によってまちまちですが、一般的に公的病院では経営陣の力が弱いため、現場の判断に任せるという訳の分からない状況が多発しているようです。


例えば、整形外科として全休にするのか、○○に外来をするのか、手術日を設けるかなどという判断を任されるというわけです。


経営陣が判断するのではなく、一部門レベルが医療サービスを提供するのか否かを決めるという、なかなか馬鹿馬鹿しい茶番劇が全国的に繰り広げられているようです。


傍から見て、誰が好き好んで看護部や事務部といったパラメディカルを敵に回して、連休中に業務を行いましょう! と言うんだろうかという気がします。


それぐらいの責任は上層部がとって欲しいものです。さて実際的には、 4月30から5月2日の間にちょこちょこと外来や手術を行う施設が多いように聞いています。


これはこれで結構なのですが、比較的直前になるまで本決まりしないので、現場の医師としてはなかなか大変なことです。


10連休というのはめったに無い長期休みなのですが、医療機関にとっては試練の期間になるのは間違いないです。そう言いながら私は海外に脱出するのですが・・・





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大学の医師はすごい!

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先日、救急で
大腿骨近位部骨折の患者さんが入院されました。問診を取っていると、どうやら母校の大学の複数科でフォローされているようです。


少しややこしそうな基礎疾患だったので、診療情報提供書を取得する必要があると考えました。高齢者の大腿骨近位部骨折では、可能な限り早く手術をする必要があります。


しかし、大学でどのような治療をされているか不明であったため、迂闊に手を出せる状況ではありません。


そこで、手術時期が少し遅れることを覚悟しながら、18時頃に地域連携室を通して大学に診療情報提供書を依頼しました。


すると驚くべきことに、同日の 19時頃に大学から 2通の診療情報提供書が届いたではありませんか! 複数科からの診療情報提供書なので本当に驚きました。


こんなにも迅速に対応していただいたことに驚きましたが、この話を大学から出張してきている医師にお話ししたところ、そんなの当たり前だと言われました。


今回のようなケースでは、ボトルネックは大学の地域連携室だそうです。ボトルネックである大学の地域連携室が 18時の時点で稼働していたことが一番大きかったようです。


担当医師が院内に居ても大学の地域連携室は 17時で終業のため、実質的に外部との連絡はは遮断されてしまいます。


しかし、この日は偶然にも大学の地域連携室はその時間帯でも稼働していたようです。幸運が重なって、この患者さんは翌日に無事手術をすることができました。


この件で、改めて大学で勤務している医師への畏敬の念を抱きました。やっぱり大学の先生方はすごいなぁ・・・







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世間は意外なほど医師に飢えている?!

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ときどき、当ブログに医薬品や医療機器についてのインタビュー依頼があります 。えっ、ブログ経由でそんな依頼が来るの? と思う方が多いかもしれません。


しかし実際には、わりと結構な頻度でその手の依頼があります。匿名でやっている泡沫ブログにもかかわらず、意外なほどお声がかかるのです。


普段、私たちは医療業界にどっぷり浸っているため、身近に医師が居ることは当たり前の状況です。このため医師に対して何のプレミア感も無いです。


しかし、世の中では現役医師は大変なプレミア感があります。 医療機関の外では、一般の方はなかなか現役医師にアプローチできないのです。


そしてコンサルティング会社に限らずマスコミでも同様です。知り合いに芸能プロダクション経営の人がいますが、医師としてのテレビ出演オファーされたこともあります。


勤務医の私には何のメリットも無いため断ったのですが、開業医であればあえて顔出しするという手もあります。


それほど、マスコミといえどもリアルな医師との接点は少ないようです。このような状況は普通の医師には分からないので、遠い世界の話だと感じているかもしれません。


かく言う私も、医療業界の外に医師とのコネクションを求める要望がたくさんあることに気付いたのはごく最近のことです。


そして、このことに気付くと、あとは積極的に医療業界外とのコネクションを育んでいくという戦略になります。現在注力中のスタートアップも同じ戦略で顧客を開拓しています。


私は医療業界外からオファーがあった場合には、可能なかぎり迅速かつ懇切丁寧な対応を心掛けています。相手が驚くほどのスピード感で仕事するとグングン身近な存在になります。


先方の要望に可能な限り応えることによって、私が外の世界と医療業界とのハブになります。そうすることで次々と依頼が舞い込むので、私にとっても非常に良い話だからです。


このように、普段私たちが過ごしている医療業界は、他の業界から見ると閉じた世界で非常にアクセスし難いのです。このことに気付くと飯の種がどんどん蒔かれます。



追伸: 商用で御用の方は、当ブログのメッセージよりドシドシご連絡ください!






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所得格差とがん死亡率の関係

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米国がん協会(ACS)のがん統計 2019年版によると、米国のがん死亡率はピーク時の 1991年から 2016年までの 25年間で 27%も低下したそうです。


一方、人種や民族による差は縮小傾向にあるものの、社会・経済的な階層による格差は拡大しているとのことでした。


過去 20年間のがん死亡率の低下は、主に喫煙率の低下と早期診断・早期治療の進歩によるものと推定されています。


特に、肺がんは男女とも急速に死亡率が低下しており、男性では 1990年~2016年の間に48%、女性では 2002年~2016年の間に 23%の低下がみられました。


同様に、乳癌では 1989年~2016年に 40%、前立腺癌は 1993年~2016年に 51%、そして大腸癌では 1970年~2016年に 53% も死亡率が低下しました。




予防可能な癌の死亡率は社会・経済的階層による格差が進行


簡単に予防できる癌では、社会・経済的な階層による死亡率の差が顕著でした。具体的には下記のごとくです。最富裕地域に対する最貧困地域の死亡率は下記のごとくです。


  • 女性の子宮頚癌による死亡率: 2倍高い
  • 男性の肺がんと肝がんによる死亡率: 40%高い
  • 大腸がん: 35%高い


一方、膵臓癌や卵巣癌などの予防や治療が困難な癌では、社会・経済的階層による格差は小さいか存在しなかったそうです。


このように、米国においては社会・経済的階層の格差拡大に伴って、がん死亡率も格差が拡大しているようです。おそらく、日本でも進行している可能性が高いと推察します。


このことから分かることは、公衆衛生学的な知識や検診などの予防治療を積極的にできる経済力があれば癌はある程度防げるということです。


個人レベルで国家的な大きな話はすることはできませんが、せめて自分の身に資する行動(生活習慣を改善する、検診を受ける等)をとりたいと思いました。






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