整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

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上腕骨外側上顆炎の新しい治療法

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Monthly Book Oethopaedicsの2020年10月号は、上腕骨外側上顆炎の治療でした。ボクシングジム通いで上腕骨外側上顆炎に悩んでいる私にとっては読むべきナンバーです(笑)。


今まで上腕骨外側上顆炎はほぼスルーしていましたが、改めて特集を隅から隅まで拝読すると、知らないことがたくさんあることに気付きました。


まず、治療法として、通常のストレッチやステロイド注射以外にも下記のようなものがあることを知りました。そういえば、開業医の先生の講演で何度か拝聴した記憶があります。


  • PRP療法(多血小板血漿療法)
  • 体外衝撃波療法


PRP療法ですが作製技術は高度ではなく、遠心分離機さえあればPRP作成キットで簡単につくれるそうです。しかし再生医療の一種なので法律に基づいた手続きが必須のようです。


自費なのでそれなりに収益性がありそうですが、スポーツ整形外科を売りにしている施設以外では、勤務医が一から立ち上げるインセンティブはなかなか高まりません...。


体外衝撃波療法は足底腱膜炎が保険適応ですが、上腕骨外側上顆炎にも効果があるようです。基本的に自費になります。こちらも残念ながら勤務先には機器がありませんでした。


私の立場ではハードルが高そうですが、上腕骨外側上顆炎の治療法でストレッチとステロイド注射以外に治療法があることを知って勉強になりました。






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広島大学名誉教授の津下先生による、手の外科における必須の医学書です。特に、「私の手の外科」は津下先生直筆のイラストが豊富で、非常に分かりやすく実践的な医学書です。


 







Plicaによる肘関節滑膜ひだ障害

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上腕骨外上顆炎(?)で苦しんでいます。
週 2回のペースでボクシング&筋トレをしていますが、当日の夜がとても痛いのです。


しかし、この痛みは本当に上腕骨外上顆炎なのでしょうか? 何故なら、Chair testや middle finger ext. testでは微妙に痛いぐらいだからです。


圧痛部位は無いのですが、パンチを繰り出すときや、マシーンで負荷するときには肘関節外側部が痛むようです。いわゆる短橈側手根伸筋腱起始部の痛みではなさそうです。


もしかしたら、広義の上腕骨外上顆炎のなかのひとつである「肘関節滑膜ひだ障害」なのかもしれません。いわゆるプリカ(Plica)が肘関節内にできて、インピンジする病態です。


特に腕橈骨関節にクリックを触知するわけでもなく、また関節水腫もみとめません。しかし、肘関節に負荷をかけたときには肘関節外側に疼痛が出現します。


テニスエルボーサポーターを装着するとそれなりに効果はあります。ダンベルを挙げるときには欠かせません(笑)。やはり上腕骨外上顆炎であることには間違いなさそうです。


もし、プリカによる肘関節滑膜ひだ障害が原因であれば、ストレッチではなく肘関節内のステロイド注射が必要になります。う~ん、テニス肘も奥が深い...。






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自転車ロングドライブの膝外側痛の正体は?

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先日、運動不足解消のために自転車で数十kmドライブしました。私は自転車通勤していますが、こんなに長い距離を走破したのは初めてです。


最初は快調にとばしていたのですが、途中から左膝関節の外側が痛くなってきました。休憩するとすぐに軽快するのですが、自転車をこぎ出すとすぐに痛くなります。


そのうち、膝を曲げて歩くのも困難なほど痛くなってきました。疼痛は膝関節外側なのですが、膝関節水腫はなさそうです。ロッキング症状もありません。


Gerdy結節ではなく、どうやら膝関節外側に圧痛がありそうです。しかし圧痛自体は強くなく、自動・他動運動とも膝関節を動かしたときに抜けるような強い痛みが出現します。


何なんだこの疼痛は??? 半月損傷ではないことは容易に分かりますが、ここまで強烈な痛みをきたす疾患を思いつきません。


膝関節外側の運動時痛...あっ、もしかして腸脛靭帯炎ではないのか? その観点で大腿骨外顆部を押さえるとかなり痛いです! やはり腸脛靭帯炎でした。


帰宅後に調べると、たしかに初心者が自転車でロングドライブすると腸脛靭帯炎を併発することが多いようです。


何とか診断をつけることができて面目(?)を保てましたが、正直言って腸脛靭帯炎がここまで痛いものだと思ってもいませんでした。


帰宅後に3時間ぐらいは寝返りを打つのも一苦労なぐらい痛かったです(苦笑)。腸脛靭帯炎はそんなに痛くないイメージですが、自分の身に起こると考え方が変わりました。


これだけ痛いから患者さんはわざわざ医療機関を受診するんだな...。何事も自分で経験することが大事なんですね。






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腸骨筋起始部の裂離を見た!

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先日、運動会でダッシュした際に左股関節部痛が突然出現したという10歳の児童が初診しました。整形外科医であれば、骨盤周囲の裂離骨折を第一に考えるでしょう。


上記を念頭に置いて単純X線像を施行しましたが、明らかな骨折はなさそうです。単純X線像ではっきりしないので、そんなに大きな問題ではなさそうと判断して経過観察しました。


ところが、1週間しても疼痛がおさまりません。単純X線像を再検しましたが、やはり明らかな骨折はなさそうです。そこで、思い切ってMRIを施行することにしました。



キャプチャ - コピー



画像をみて驚愕しました。こんな所見は初めてみます。どうやら左腸骨筋起始部が腸骨翼から裂離しているようです。一部に血種も認めます。


これぐらいの年齢の児童では裂離骨折となることが多いのですが、骨盤腔内では腸骨が凹になっているので骨折ではなく筋肉起始部が剥がれたのでしょう。


幸い、MRIの画像説明をおこなった受傷後2週間の時点では、症状がかなり軽快していました。結果的には、あと数日待てば良かったのかもしれませんね。





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スポーツ少年が接骨院へ流れる理由

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なぜ、野球肘などの患児が、医療機関から接骨院に流れていくのかについて興味深い話題がありました。


野球肘などのスポーツ障害の治療の基本はノースロー(No Throw)です。もちろん、目的は肘の障害部に負荷をかけないためです。


上腕骨内上顆裂離骨折や離断性骨軟骨炎では、骨癒合までに比較的長期間のノースロー期間が必要です。しかし、この長い期間を指示すると、患児(と親)はソッポを向きがちです。


実際、数カ月も練習から離脱することは、患児や両親にとって耐え難いことは容易に想像できます。しかし、これらの傷病は焦っても早く治ることはありません。


したがって、ノースローを指示せざるを得ないのですが、ただ「ノースロー」といっても患児や両親は納得しません。


このため、通院毎にマッサージしてくれる接骨院へ患児が流れるのです。本来なら医療機関で、ノースロー期間中の下半身ストレッチなどを指導するべきです。


しかし、ほとんどの整形外科医院や病院は、下肢の柔軟性を高める指導は行っていません。患児からすると放置されているように感じるため、手厚い(?)接骨院へ流れるのです。


この話をお伺いしたときに、整形外科診療の難しさを改めて感じました。山のように押し寄せる患者さんを前にすると、一人に割ける時間も限られます。。。


このあたりの匙加減は難しいですね・・・





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