整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

スポーツ

STIRで腸脛靭帯炎を可視できた!

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3月から、ランニング時の右膝外側部痛が主訴の40歳台前半の男性を経過観察しています。
初診時の身体所見から腸脛靭帯炎と判断して経過観察していました。


しかし、しばらく安静にしても症状が軽快しないため、患者さんの希望にしたがって右膝関節のMRIを施行することにしました。



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上記の画像は、この患者さんのMRIです。コントラストがはっきりし過ぎて分かりにくいですが、外側の腸脛靭帯の大腿骨外顆部直下にSTIRで高信号領域を認めます。


矢状断でみると膝関節内に関節液の貯留はほとんどないので、腸脛靭帯の大腿骨外顆部直下の高信号領域は腸脛靭帯炎の所見と矛盾しません。


今まで、腸脛靭帯炎に対してMRIを施行したことは無かったのですが、STIRのように炎症に対して感度の良い撮像法では僅かな炎症であっても鋭敏に検出できるようです。


もちろん、医療費の問題から腸脛靭帯炎の全例にMRIを施行するなどもってのほかですが、診断に困ることが万が一にもあるようであれば、MRI(特にSTIR)は有用かもしれません。






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スポーツ整形外科医も楽じゃない・・・

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先日、スポーツ整形外科の先生とお話する機会がありました。
この先生はかなりの実力の持ち主で、海外からも手術を受けにくるプロ選手が居るほどです。


さて、この先生が勤務する病院の近くに、とある競技で全国屈指の強豪校があります。必然的にその高校で手術が必要な選手は、この先生に紹介されて来ます。


一般的に強豪校では怪我人が絶えません。したがって、スポーツ整形外科医的にはお得意さんなのですが、この強豪校の監督の態度に立腹されていました。


この監督は、手術を受けた選手に術後後療法を守らせず、すぐに競技復帰させてしまいます。このため選手生命を絶たれる生徒が続出するのですが、この監督は全くお構いなしだそうです。


この監督にとってはチームの成績と自分の知名度向上が最優先で、選手生命は二の次なのです。スポーツ推薦で入学してくる生徒にとって、監督は絶対権力者です。


このため、
選手を使い捨て」するような感覚でチームの運営をしているのかもしれません。少なくとも傍から見ていると、そのような印象を受けるとのことでした。


私自身は、競技レベルの選手の親御さんと付き合うのが嫌なのでスポーツ整形外科とは距離を置いていますが、選手にとっては親だけではなく監督さんも問題になることがあるようです。



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価値感の違いに愕然

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先日、外来をしていると中学生の男児が手指の骨折で受診されました。
前日に近くの整形外科医クリニックを受診して基節骨斜骨折でシーネ固定を受けていました。


昨日に近医を受診したのに、何故こちらを受診したのかを尋ねると、前医からシーネ固定期間が3週間と言われたが、もう少し固定期間が短くならないのかと思って受診されたそうです。


単純X線像では長い斜骨折で手指の短縮および回旋転位を認めました。う~ん、これは手術適応と言っても過言ではありません。


正直に、付き添いの親に病状となぜ手術が必要なのかを説明しました。しかし、訊かれることは「どちらの治療法の方が早く治りますか?」の一点張りです。


どうも、この方の中では2週間程度の固定期間を予想しているらしく、早く子供を野球に復帰させたい一心のようです。「早く治して復帰させて」と連呼して、ちょっと雲行きが怪しいです。


「1ヶ月野球に早く復帰するのと、その後の一生をまっすぐな指で生活していくことのどちらが大事すか?」と言っても、「復帰時期をできるだけ早く・・・」としかおっしゃりません。


もしかしたら、外固定期間の短縮を期待して他院を受診したら、逆に更に時間のかかる手術治療を勧められて混乱したということが本当のところかもしれません。


しかし、スポーツで競技レベルの中高生は、両親が治療に聞く耳を持たないケースが結構多い印象です。子供に対する愛情は理解できますが、考え方が偏っているのは問題だと思います。



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轢音を発する肩甲骨(弾発肩甲骨)

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今日の午前は外来でした。
30歳台前半の弾性が1年前から続く投球動作時のゴリゴリ音を主訴に初診されました。


この方は競技レベルでの野球を続けているとのことでした。診察すると確かに右側の投球動作時に肩甲骨下角付近で轢音を触知します。自発痛や圧痛等は特に認めません。


単純X線像では明らかな異常所見を認めませんでしたが、身体所見から弾発肩甲骨(snapping scapula)と診断しました。私自身はここまではっきりとしたsnappingを初めて診ました。


弾発肩甲骨とは、肩関節運動の際して肩甲骨と胸郭との間で不適合が生じて轢音を生じる状態のことを言います。原因は①骨性 ②筋肉軟部組織性 ③滑液包性 に分けられます。


最も多いのは骨性で、肩甲骨や肋骨に発生した良性骨腫瘍によるものが報告されています。診断は単純X線像およびCTで、骨性の場合には原因が判明します。


単純X線像やCTで原因がはっきりしない場合には、透視下に肩甲骨と肋骨の動きを観察すると、轢音の原因が分かることがあるようです。今日の方は②もしくは③です。


治療は、①骨性の場合には腫瘍切除等の観血的手術を、②筋肉軟部組織性や③滑液包性では保存治療が推奨されています。


今日の方は、投球動作時の轢音がすごいので放置しておくと筋肉が切れてしまうのではないか?と心配になって受診したとおっしゃられていました。


①以外での弾発肩甲骨は根治が難しいですが、轢音はそれほど心配無いことを説明すると安心して帰られました。整形外科の疾患にも、いろいろあるものです。



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2名連続のシンスプリント

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今日の午前は外来でした。両下腿遠位内側痛を主訴としたシンスプリントの患者さんがめずらしく2名連続で受診しました。両名とも高校生で競技レベルのスポーツを行っています。


以前にも記事にしましたが、スポーツをする人が下腿の痛みを訴えて受診することがときどきあります。急激な発症でないかぎりは鑑別診断として下記2つが挙げられます。


  1.脛骨疲労骨折
  2.シンスプリント(Shin splints)


上記のうち、ほとんどは②のシンスプリントです。シンスプリントは、脛骨過労性骨膜炎とよばれており、原因は下腿伸筋群の起始部の炎症です。好発部位は下腿遠位1/3の内側です。


両名とも下腿遠位1/3の内側を中心に軽度の腫脹をみとめました。脛骨の軸圧痛や前外側からの叩打痛はありませんでした。単純X線像もやはり特記する所見を認めません。


両名とも発症から2か月程度経過していたので疲労骨折は否定的ですが、発症して間もないのなら疲労骨折(好発部位は脛骨近位1/3)との鑑別は慎重に行うべきだと思います。


初診時には痛みが1か月以上続くようなら再診するようにいつも言っていますが、今のところ『シンスプリントではなく実は脛骨疲労骨折だった!』という症例はまだ経験していません。


治療は、スポーツの練習量を減らす・安静・伸筋群のストレッチです。難治例で扁平足の方には足部アーチサポートが有効な場合もあります。


いつも、シンスプリントの患者さんに鎮痛剤を処方したいと思っていますが、未成年には鎮痛作用はあまり高くないカロナールしか選択枝が無いので処方できていません。。。



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