整形外科医のブログ

投資の成功によって30歳代で経済的自由を達成しました。 医師起業家として年商10億円企業を目指して日々奮闘中

スポーツ

自転車ロングドライブの膝外側痛の正体は?

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先日、運動不足解消のために自転車で数十kmドライブしました。私は自転車通勤していますが、こんなに長い距離を走破したのは初めてです。


最初は快調にとばしていたのですが、途中から左膝関節の外側が痛くなってきました。休憩するとすぐに軽快するのですが、自転車をこぎ出すとすぐに痛くなります。


そのうち、膝を曲げて歩くのも困難なほど痛くなってきました。疼痛は膝関節外側なのですが、膝関節水腫はなさそうです。ロッキング症状もありません。


Gerdy結節ではなく、どうやら膝関節外側に圧痛がありそうです。しかし圧痛自体は強くなく、自動・他動運動とも膝関節を動かしたときに抜けるような強い痛みが出現します。


何なんだこの疼痛は??? 半月損傷ではないことは容易に分かりますが、ここまで強烈な痛みをきたす疾患を思いつきません。


膝関節外側の運動時痛...あっ、もしかして腸脛靭帯炎ではないのか? その観点で大腿骨外顆部を押さえるとかなり痛いです! やはり腸脛靭帯炎でした。


帰宅後に調べると、たしかに初心者が自転車でロングドライブすると腸脛靭帯炎を併発することが多いようです。


何とか診断をつけることができて面目(?)を保てましたが、正直言って腸脛靭帯炎がここまで痛いものだと思ってもいませんでした。


帰宅後に3時間ぐらいは寝返りを打つのも一苦労なぐらい痛かったです(苦笑)。腸脛靭帯炎はそんなに痛くないイメージですが、自分の身に起こると考え方が変わりました。


これだけ痛いから患者さんはわざわざ医療機関を受診するんだな...。何事も自分で経験することが大事なんですね。






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腸骨筋起始部の裂離を見た!

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先日、運動会でダッシュした際に左股関節部痛が突然出現したという10歳の児童が初診しました。整形外科医であれば、骨盤周囲の裂離骨折を第一に考えるでしょう。


上記を念頭に置いて単純X線像を施行しましたが、明らかな骨折はなさそうです。単純X線像ではっきりしないので、そんなに大きな問題ではなさそうと判断して経過観察しました。


ところが、1週間しても疼痛がおさまりません。単純X線像を再検しましたが、やはり明らかな骨折はなさそうです。そこで、思い切ってMRIを施行することにしました。



キャプチャ - コピー



画像をみて驚愕しました。こんな所見は初めてみます。どうやら左腸骨筋起始部が腸骨翼から裂離しているようです。一部に血種も認めます。


これぐらいの年齢の児童では裂離骨折となることが多いのですが、骨盤腔内では腸骨が凹になっているので骨折ではなく筋肉起始部が剥がれたのでしょう。


幸い、MRIの画像説明をおこなった受傷後2週間の時点では、症状がかなり軽快していました。結果的には、あと数日待てば良かったのかもしれませんね。





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スポーツ少年が接骨院へ流れる理由

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なぜ、野球肘などの患児が、医療機関から接骨院に流れていくのかについて興味深い話題がありました。


野球肘などのスポーツ障害の治療の基本はノースロー(No Throw)です。もちろん、目的は肘の障害部に負荷をかけないためです。


上腕骨内上顆裂離骨折や離断性骨軟骨炎では、骨癒合までに比較的長期間のノースロー期間が必要です。しかし、この長い期間を指示すると、患児(と親)はソッポを向きがちです。


実際、数カ月も練習から離脱することは、患児や両親にとって耐え難いことは容易に想像できます。しかし、これらの傷病は焦っても早く治ることはありません。


したがって、ノースローを指示せざるを得ないのですが、ただ「ノースロー」といっても患児や両親は納得しません。


このため、通院毎にマッサージしてくれる接骨院へ患児が流れるのです。本来なら医療機関で、ノースロー期間中の下半身ストレッチなどを指導するべきです。


しかし、ほとんどの整形外科医院や病院は、下肢の柔軟性を高める指導は行っていません。患児からすると放置されているように感じるため、手厚い(?)接骨院へ流れるのです。


この話をお伺いしたときに、整形外科診療の難しさを改めて感じました。山のように押し寄せる患者さんを前にすると、一人に割ける時間も限られます。。。


このあたりの匙加減は難しいですね・・・





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アキレス腱の筋腱移行部損傷に注意!

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先日、走り出そうとしたときに右下腿後面の痛みが出現したという主訴の40歳台男性が受診しました。その数日前から同部位に違和感があったそうです。


アキレス腱のレリーフは確認できますが、Thompson testは陽性でした。圧痛点はアキレス腱停止部から15cm程度中枢です。 また同部位に一致して皮膚の陥凹を認めました。


これらの所見から、下腿三頭筋の筋腱移行部損傷と診断しました。筋腱移行部損傷は、ときどき診察する機会があります。


しかし、アキレス腱のレリーフがあることと、足底筋や足趾屈筋の力である程度は足関節を底屈できるので注意が必要です。


部位が腓腹筋損傷と紛らわしいのですが、Thompson testが陽性なので鑑別可能です。つまり、下腿三頭筋の筋腱移行部で、それより末梢との連続性が途絶している状態です。


このため、治療はアキレス腱損傷に準じたgravity positionでの外固定を行う必要があります。腓腹筋損傷と思って外固定無しにすると著明な足関節底屈力の低下を残します。


病態はアキレス腱損傷なので、見逃すと陳旧性アキレス腱損傷と同じ状態になってしまいます。治療がかなりやっかいになるので注意が必要です。


私は筋腱移行部損傷を疑う場合は、Thompson testを施行するようにしています。このあたりのピットフォールはあまり教科書には載っていないので注意が必要だと思います。





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どのスポーツが最も寿命を延ばすのか?

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Medical Tribuneで興味深い記事がありました。
最も寿命を延ばすスポーツは? です。


さて、このタイトルを見たときに真っ先に思い浮かべるスポーツは何でしょうか?私が思い浮かべたスポーツは水泳です。


なぜ水泳かというと、関節に対して優しいスポーツであることと、単位時間あたりのエネルギー消費量が高そうなことです。


しかし、結論はテニスだったようです。座位中心で運動不足の人と比べた定期的にスポーツ(8種類)を行っている人における平均余命は、テニスが最も長く9.7年でした。


以下、バドミントン6.2年、サッカー4.7年、サイクリング3.7年、水泳3.4年、ジョギング3.2年、健康体操3.1年、スポーツジムでの運動1.5年でした。なぜ、テニスがトップなのか?


  • 個人スポーツよりソーシャルスポーツ(チームスポーツ含む)の方がより長寿と関連
  • ラケットスポーツがインターバルトレーニングに当てはまるから


インターバルトレーニングとは、不完全な回復を挟んで運動を繰り返すトレーニングのことで、インターバルトレーニングは身体機能強化に効率的であることが知られています。


あくまで考察なので、テニスが寿命を延ばす理由は分かっていません。しかし、この記事をみてテニスを再開しようかなと思いました。アキレス腱を切りそうで怖いですが(笑)。





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