整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

下腿

成長軟骨温存のためプレートを選択

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先日、13歳の脛腓骨骨折の方が入院されました。
サッカー中に相手と接触して受傷されたようで、単純X線像では螺旋骨折を認めました。


成人であれば術式で迷うことは無いのですが、単純X線像で骨端線が残っているため検討を要する症例です。ちょうど遠位骨幹端よりも約2cm中枢まで骨折線が及んでいます。


しばらく単純X線像を見ながら検討した結果、今回は骨幹端よりも中枢側のみロッキングプレートで骨接合術することにしました。偽関節が嫌なので、まずはMIPOでトライしようと思います。


背側凸の変形があるため前方からintrafocal pinningで整復・仮固定してから、骨折部を展開せずにロッキングプレートで固定する予定です。


このような症例では骨膜が破綻しているので、骨折部を展開するとあっと言う間に全長に渡って骨折部が露出してしまいます。骨折部の血流温存のためにも可能な限り展開しないつもりです。


もちろん、全く整復位を獲得できなければ、骨折部を展開せざるを得ないですが、まずはintrafocal pinningで整復を行い、年内最終手術を締めくくりたいと考えています。



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下腿三頭筋の筋腱移行部損傷に注意!

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先日、自動車に衝突された30歳台の男性が搬送されてきました。下腿後面の痛みを訴えられていましたが、正面からの視診上は足関節に問題は無さそうです。


足関節の単純X線像でも明らかな骨折を認めなかったので、触診を開始しました。アキレス腱のレリーフは確認できますが、Thompson testは陽性でした。


圧痛点はアキレス腱停止部から12cm程度中枢です。 また同部位に一致して筋肉の陥凹を認めました。これらの所見から、下腿三頭筋の筋腱移行部損傷と診断しました。


ときどき診察する機会がありますが、アキレス腱のレリーフがあることと、足底筋や足趾屈筋の力である程度は足関節を底屈できるので注意が必要です。


部位が腓腹筋損傷と紛らわしいのですが、Thompson testが陽性なので鑑別可能です。治療は、アキレス腱断裂に準じたgravity positionでのギプス固定を行う必要があります。


腓腹筋損傷と思って2-3週の外固定で終了すると著明な足関節底屈力の低下を残します。 病態的にはアキレス腱損傷なので、見逃すとかなりやっかいなことになります。


したがって、私は筋腱移行部損傷を疑う場合は、Thompson testを施行するようにしています。このあたりのピットフォールはあまり教科書には載っていないので注意が必要だと思います。



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脛骨遠位骨端離解の徒手整復の工夫

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昨日の夜診で救急患者さんを受け入れました。
11歳の女児が転倒してから右足関節が痛くて歩けないとのことで救急搬送されたのです。


単純X線像では脛骨遠位骨端離解(Salter-Harris type 2)でした。私の経験症例は転位が10mm未満のことが多かったのですが、今回はめずらしく転位が大きかったです。



AP

LR




来院時にはすでに足関節周囲の腫脹が高度で、局所の重症感がありました。このような状況では、軟部組織が邪魔をして徒手整復が難しい場合があります。


私は透視をあまり見ないで、実際の骨折部に意識を集中させて徒手整復する主義です。整復を一瞬で終わらせるには、骨折部を正確に把握する必要があります。


この場合の工夫として、あらかじめ透視下に骨折部をマーキングしています。今回は胡坐位をとってもらい側面像で整復位を確認するので、足関節内側の骨折部直上にマーキングしました。


骨折部のマーキングよりも少しだけ中枢側で足関節前面からカウンターを掛けながら、踵部を前方方向に力一杯押すと整復されました。一応モニターは見ますが、意識は両手に集中させます。


整復後AP

整復後LR



脛骨遠位骨端離解を完全に整復することは難しく、側面像で2-3mm程度の転位が残存するケースが多い印象です。この程度の転位はある程度許容せざるを得ないのかなと考えています。


整復後は足関節中間位でのギプスシーネ固定を施行します。足関節を背屈する方が骨折部が安定しますが、背屈位までなかなか持っていけないことが多いと思います。



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2名連続のシンスプリント

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今日の午前は外来でした。両下腿遠位内側痛を主訴としたシンスプリントの患者さんがめずらしく2名連続で受診しました。両名とも高校生で競技レベルのスポーツを行っています。


以前にも記事にしましたが、スポーツをする人が下腿の痛みを訴えて受診することがときどきあります。急激な発症でないかぎりは鑑別診断として下記2つが挙げられます。


  1.脛骨疲労骨折
  2.シンスプリント(Shin splints)


上記のうち、ほとんどは②のシンスプリントです。シンスプリントは、脛骨過労性骨膜炎とよばれており、原因は下腿伸筋群の起始部の炎症です。好発部位は下腿遠位1/3の内側です。


両名とも下腿遠位1/3の内側を中心に軽度の腫脹をみとめました。脛骨の軸圧痛や前外側からの叩打痛はありませんでした。単純X線像もやはり特記する所見を認めません。


両名とも発症から2か月程度経過していたので疲労骨折は否定的ですが、発症して間もないのなら疲労骨折(好発部位は脛骨近位1/3)との鑑別は慎重に行うべきだと思います。


初診時には痛みが1か月以上続くようなら再診するようにいつも言っていますが、今のところ『シンスプリントではなく実は脛骨疲労骨折だった!』という症例はまだ経験していません。


治療は、スポーツの練習量を減らす・安静・伸筋群のストレッチです。難治例で扁平足の方には足部アーチサポートが有効な場合もあります。


いつも、シンスプリントの患者さんに鎮痛剤を処方したいと思っていますが、未成年には鎮痛作用はあまり高くないカロナールしか選択枝が無いので処方できていません。。。



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下腿切断術の皮切デザインの工夫

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昨日の午後は、感染性足部壊疽に対して下腿切断術を施行しました。
切断手術の皮切デザインは、創治癒の成否に大きな影響を与えると思います。


私は、背側皮切を大きくしたフィッシュマウス皮切を採用していました。背側が大きいフィッシュマウス皮切の問題点は、腹側と背側の長さが異なるため、縫合部に負担がかかることです。


このため部分的に創縁が壊死して、上皮化するまで1ヵ月程度時間が掛かることが多かったのです。そこで今回は腹側から背側に向かうやや斜めの直線状の皮切デザインを試みました。


例えてみれば竹を斜めに切ったような皮切デザインです。この皮切でも背側皮弁が大きいので、背側の大きいフィッシュマウス皮切と同様に脛骨断端を豊富な軟部組織で覆うことができます。


しかし、問題点として創の両端に大きなドッグイヤーができてしまうことが挙げられます。数ヶ月するとこのドッグイヤーは目立たなくなりますが、美容面では劣ると言わざるを得ません。


創治癒の確実性を取るか、美容面を取るか難しいところです。結局、背腹側の大きさが均等なフィッシュマウス皮切が、そこそこの確実性と美容性を兼ね備えた皮切なのかもしれません。




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