整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

クリニック開業

接骨院のスポーツクラブ化

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先日の接骨院の話題は、予想外にアクセス数が多かったです。私は、いくつかのルートから4月以降の接骨院の苦境を聞いていましたが、医師の間では知られていなかったのでしょう。


実は先日のことですが、接骨院関連のセミナーに現役整形外科医として登壇する機会がありました。その際に、柔整師の方とお話しをして感じることがあったのでご報告します。


まず、柔整師の皆さまは非常に実直で真面目な方が多い印象でした。まぁ、そのような方がセミナーに参加されるというバイアスはあると思いますが、なかなか好印象でした。


現在の接骨院の置かれている問題として、下記の2つが挙げられます。
  1.  柔整師数の急増による需給関係の崩壊
  2.  受領委任払い制度に対する規制強化


①②とも、末端の接骨院レベルでは如何とも対処し難い問題です。①は今後数十年に渡って続きます。歯科医や弁護士もそうですが、一度崩れた需給関係は修復不能です。


②は、現在4000億円規模の柔道整復療養費が、受領委任払い制度の是正化によって、3000億円規模に縮小すると言われています。


もともと利益率の低い業界なので、売上が3/4になると耐えきれなくなる治療院が続出することが予想されています。この状況にどうやって立ち向かっていくのか?


そのひとつの解が、自費療養を推進することのようです。治療院のスポーツクラブ化を推進するところが、ポツポツと出始めているようです。


確かに、歯止めのかからない医療財政の悪化を鑑みると、この方向しか生き残る道は無さそうです。涙ぐましい努力を拝聴していると、これは他山の石かもしれないと気付きました。


もしかすると、我々の業界に訪れる苦境を10年ほど先取りして接骨院業界が経験しているのかもしれません。。。





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接骨院のビジネスモデル崩壊

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柔道整復療養費審査委員会の審査要領が改正されました。今回の改正案は、平成29年4月から実行に移されています。具体的には、下記の事項を重点的に審査しています。

  1.  多部位
  2.  長期又は頻度が高い施術


①は、同一施術所における同一患者の負傷と治癒等を繰り返す施術、いわゆる「部位転がし」です。②は、同一施術所における同一患者に対する月10回以上の施術です。


これらは、昔から柔道整復師業界で行われていた受領委任払い制度の欠陥を突いた不正請求の代表例ですが、ついに厚生労働省と会計検査院が、是正に本腰を入れ始めました。


その影響は劇的で、今後1/2~1/3の治療院が廃業することになろだろうと言われています。まさに受領委任払い制度によるビジネスモデルが崩壊しようとしているのです。


整形外科医の多くは、冷ややかな目を注いでいるでしょう。確かに、これまでの状況は異常で、国民の大切な財産である医療費が、ほとんど野放しのまま食い荒らされていました。


このため、状況の適正化は望ましいことであると考えています。ただ、私は一般整形外科医と同じ観点から、この劇的な変化を眺めているわけではありません。


正直に言うと、私は柔道整復師および治療院に対してニュートラルな立場です。もちろん、酷い治療レベルの柔道整復師や、不正請求に関しては苦々しく思っています。


しかし、柔道整復師の全員がそうではなく、彼らの多くは真面目に仕事をしています。特に整形外科医が取りこぼしている患者さんを救っているのは、彼らであることが多いのです。


昔に所有していた物件のテナントで、治療院が盛業していました。その関係もあり、何度か治療院を訪れたのですが、なかなか良い仕事をしています。



そんな彼らの業界は、存亡の危機に瀕しています。受領委任払い制度によるビジネスモデルの崩壊が静かに(?)進行しているのです。慎重に状況の推移を見守りたいと思います。





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2025年問題を考える

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2025年問題をご存知でしょうか? 2025年は、総人口が減少する中でも増加していた75歳以上の高齢者人口が減少に転じる見込みとなる年です。


人口問題は、医療・投資・不動産に対して、極めて大きな影響を及ぼします。過去2回ほど、高齢化社会の極期以降は、高齢者さえも居なくなっていくことをご報告しました。





そして、高齢化社会といっても、全国一律に人口が減っていくわけではありません。人口構造の推移は、下記のように地域ごとに大きく3つのタイプに分けられます。

  1.  都市型
  2.  地方都市型
  3.  過疎地型


①は、東京都に代表されるタイプで、現時点での人口がピークで、緩やかに総人口が減少します。一方、75歳以上の高齢者人口は急激に増加します。


②は、長野県に代表されるタイプです。すでに人口のピークが過ぎて、緩やかに総人口が減少しています。75歳以上の高齢者人口は緩やかに増加していきます。


③は、秋田県に代表されるタイプです。すでに人口のピークが過ぎて、急激に総人口が減少しています。75歳以上の高齢者人口も緩やかに減少していきます。


医師の立場からは、自分の診療圏が上記の3つのいずれのエリアにあるのかは熟知しておくべきでしょう。そしてクリニックを開業する場合、②のエリアは要注意です。


②→③に移行するタイミングがいつごろになるかは、クリニックの寿命に関わってきます。 そこまで超長期で考える必要はないと思う方が大半でしょう。


しかし、going concernを前提にするならば、検討項目のひとつにするべきです。特に継承まで見据えると、避けては通れない問題だと思います。





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生き残れる医師の3タイプ

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週刊ダイヤモンドの2016.12.17号に興味深い広告記事がありました。
医学部医療人への道 テクノロジーの進化が医者の働き方を変えてゆく です。


日本医療政策機構という民間シンクタンクの理事をされている宮田俊男先生への取材記事のようです。ちなみに、私は日本医療政策機構のことを全く知りません。


遠くない未来、ビックデータや人工知能(AI)の進化で、テクノロジーに任せられる領域が多くなり、人間でしかできない作業だけが残されます。


医療の世界では、診療履歴・遺伝子情報などがビックデータに蓄積され、究極の個別化医療へと進んでいきます。


記事の中で、宮田先生はこのようなテクノロジーの進化のために、これからは下記の3タイプの医師しか生き残れないだろうとおっしゃられています。

  1. 家族や地域にコミットするかかりつけ医
  2. 匠の技を持つ職人的な医師
  3. マネジメント能力をもつ医師


まず①ですが、普段から家族の健康状態や生活環境などをよく把握して、いざ病気になったときに適格な判断をしてゆく役割が期待されるとおっしゃられています。


しかし私が感じたのは、このようなジェネラルな立場の医師が真っ先にAIに置換されるのではないかという疑念です。


コミュニケーションの大事さが強調されていますが、果たしてコミュニケーション能力に長けた医師と幅広い病気を自動で診断するAIとでは、どちらに患者さんのニーズがあるでしょうか???


②に関しては、まさにその通りだと思います。特に外科系・循環器内科・消化器内科のスペシャリストの持つ匠の技を、AIに置換することは困難を極めると思います。確実に生き残るでしょう。


次に③ですが、これは医師でなくても問題ないような気がします。むしろ、プロ経営者が医療機関のトップに立って組織を運営する方が結果を出せるのではないでしょうか。


この際にポイントになるのが、どこまでトップの権限を強化できるかだと思います。この点さえクリアされれば経営者が医師である必要性は低いと思います。


ここまで、「生き残れる医師」に関してやや否定的な意見を述べてきましたが、宮田先生は2016年11月1日に地域密着医療のクリニックを開業されたようです。


「生き残れる医師①」を自ら体現しようとしています。つまり、宮田先生は自分の予想に基づいて行動をおこしました。決して軽々しい予想ではなく、自分の将来を賭けての予想なのです。







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クリニックM&A(継承)考えようかな

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私は、いつも ” 勤務医最高!" と思っています。
しかし、意外にも私は将来的にクリニックを所有したいと考えています。


「クリニックを開業する」ではなく、「クリニックを所有する」というところがミソです。クリニックを所有したい理由はいくつかありますが、その主なものは下記の3つです。

  1.  持分なし医療法人を利用した相続対策
  2.  ビジネス・ポートフォリオの幅を広げるため
  3.  収益不動産としてのクリニック


結構ドン引きされそうな理由かもしれませんね(笑)。もちろん、地域への貢献なども理由として挙げられるでしょうが、先端機器を利用できる勤務医として働いているので説得力に欠けます。


やはり、クリニックを所有するからには経済的なメリットを語らないのは片手落ちではないでしょうか。しかし、上記のような考え方をしている医師は、あまり居ないのではないかと思います。


まず①ですが、持分なし医療法人は、公益財団法人ほどではないものの、一般社団法人や一般財団法人より設立が難しいです。何といっても「医師」でなければ設立できませんから。


現時点で最強の相続税対策は持分の無い一般社団法人ですが、富裕層が猫も杓子も一般社団法人に群がっているため、将来的には税法の抜け道が塞がれることは必至でしょう。


しかし、医療法人や公益財団法人は規制の網がら逃れる可能性があります。何故なら誰でも設立できる一般社団法人と異なり、設立のハードルが比較的高いからです。


このため、現在勤務医であっても、子供が医学部合格に成功すれば、相続対策の一環で持分なし医療法人を買収することを検討してみると面白いかもしれません。


②に関しては、鳥なき島のコウモリの話に通じます。参入障壁の高い業界はそれだけで魅力的です。参入障壁の無い海千山千の猛者が跋扈する業界で勝ち残るのはかなりしんどいです。


私のビジネスは、不動産賃貸業、旅館業、空室対策支援事業などですが、前2者は競争相手の(経営的な)レベルがさほど高くない人が多い業界なのでオペレーションが楽です。


これらに、参入障壁の高いクリニック経営を加えれば、ビジネス・ポートフォリオの幅が広がります。ただし、後述のクリニック買収価格の相場を考えると、高利回りとは言い難いです。


③に関しては、好立地にあるクリニックは収益不動産としても魅力的です。クリニックからの収益を基に銀行融資をひくことが可能なので、普段手が出せない地価の物件でも購入可能です。


好立地のクリニックは集患に有利なので、クリニックの収益性にも資することになります。やはり、クリニックの成功では、立地が最優先される要因だと思います。


では、一般的にクリニックのM&A(継承)では、どの程度の価格で取引されているのでしょうか?相対取引で個別性も高いことから一概には言えませんが、概ね下記が相場のようです。




クリニックの売買価格 = 不動産価格+設備資産価格+のれん代



のれん代は、医業収益(レセプト)の3ヵ月分と言われています。医業収益経常利益率は概ね25%程度なので、レセプト3ヵ月分(3/12)は、クリニックが1年間に稼ぎ出す利益に相当します。


例えば、医業収益1億円のクリニック(テナント物件)では、約2500万円の利益となります。ここから院長に給与を2000万円支払うと手元には500万円残ります。


レセプト3ヵ月の2500万円で購入できれば、利回りは500万円÷2500万円=20%です。自分がクリニックで働くのなら利回り100%ですが、人を雇うと20%なので高利回りとは言い難いです・・・


ここまで書いてクリニックのM&Aに対する熱が少し冷めてしまいましたが、好立地のクリニックを購入できるチャンスがあれば、チャレンジしたいと思います。




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