整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

クリニック開業

開業医は二兎を追えず?

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最近のクリニック開業のタイプとしては、下記2つのパターンがあります。

  • 専門医制度を重視して、専門医を全面に押し出す
  • 地域ケアシステムを重視して、かかりつけ医を全面に押し出す


どちらかと言えば、専門性を標榜してクリニックを開業する方が多いです。時代の流れと言ったらそれまでですが、第一線レベルの専門性を維持するのは多大な労力を要します。


ひとりの医師が学べる知識量にはおのずと限界があります。24時間勉強に費やしたとしても、膨大な医学知識の大海の前では、全てを学び尽くすことは不可能です。


このため開業医は、かかりつけ医に必要な広い知識を得るために専門外を勉強するか、専門領域の知識を研鑽するかの二者選択を迫られます。


そして、かかりつけ医に必要な広い知識を得るために専門外を勉強していると、いつの間にか、かつての専門領域は時代遅れの陳腐なものと成り果てます。


二兎を追うことは現実的ではないので、いずれかを選択しなければいけません。そして今後の医療政策を鑑みると、開業医はかかりつけ医を志向することが望ましい可能性が高いです。


勤務医の価値観は、医療技術向上にあると思います。このため、ジェネラリストよりもスペシャリストを志向しやすい。しかし医療財政の将来を考えると、厳しいと言わざるを得ません。


開業医が自分の医療の専門性を追求すると、ライバルは医療資源が豊富な大規模基幹病院や専門病院になります。10年ぐらいは対等に戦えても、その先も戦い続けられるでしょうか?


このように考えると、勤務医のマインドはクリニック開業の際には邪魔になるかもしれません。このあたりの気持ちの切り替えが、クリニック成功の秘訣なのかもしれませんね。






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接骨院のスポーツクラブ化

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先日の接骨院の話題は、予想外にアクセス数が多かったです。私は、いくつかのルートから4月以降の接骨院の苦境を聞いていましたが、医師の間では知られていなかったのでしょう。


実は先日のことですが、接骨院関連のセミナーに現役整形外科医として登壇する機会がありました。その際に、柔整師の方とお話しをして感じることがあったのでご報告します。


まず、柔整師の皆さまは非常に実直で真面目な方が多い印象でした。まぁ、そのような方がセミナーに参加されるというバイアスはあると思いますが、なかなか好印象でした。


現在の接骨院の置かれている問題として、下記の2つが挙げられます。
  1.  柔整師数の急増による需給関係の崩壊
  2.  受領委任払い制度に対する規制強化


①②とも、末端の接骨院レベルでは如何とも対処し難い問題です。①は今後数十年に渡って続きます。歯科医や弁護士もそうですが、一度崩れた需給関係は修復不能です。


②は、現在4000億円規模の柔道整復療養費が、受領委任払い制度の是正化によって、3000億円規模に縮小すると言われています。


もともと利益率の低い業界なので、売上が3/4になると耐えきれなくなる治療院が続出することが予想されています。この状況にどうやって立ち向かっていくのか?


そのひとつの解が、自費療養を推進することのようです。治療院のスポーツクラブ化を推進するところが、ポツポツと出始めているようです。


確かに、歯止めのかからない医療財政の悪化を鑑みると、この方向しか生き残る道は無さそうです。涙ぐましい努力を拝聴していると、これは他山の石かもしれないと気付きました。


もしかすると、我々の業界に訪れる苦境を10年ほど先取りして接骨院業界が経験しているのかもしれません。。。





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接骨院のビジネスモデル崩壊

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柔道整復療養費審査委員会の審査要領が改正されました。今回の改正案は、平成29年4月から実行に移されています。具体的には、下記の事項を重点的に審査しています。

  1.  多部位
  2.  長期又は頻度が高い施術


①は、同一施術所における同一患者の負傷と治癒等を繰り返す施術、いわゆる「部位転がし」です。②は、同一施術所における同一患者に対する月10回以上の施術です。


これらは、昔から柔道整復師業界で行われていた受領委任払い制度の欠陥を突いた不正請求の代表例ですが、ついに厚生労働省と会計検査院が、是正に本腰を入れ始めました。


その影響は劇的で、今後1/2~1/3の治療院が廃業することになろだろうと言われています。まさに受領委任払い制度によるビジネスモデルが崩壊しようとしているのです。


整形外科医の多くは、冷ややかな目を注いでいるでしょう。確かに、これまでの状況は異常で、国民の大切な財産である医療費が、ほとんど野放しのまま食い荒らされていました。


このため、状況の適正化は望ましいことであると考えています。ただ、私は一般整形外科医と同じ観点から、この劇的な変化を眺めているわけではありません。


正直に言うと、私は柔道整復師および治療院に対してニュートラルな立場です。もちろん、酷い治療レベルの柔道整復師や、不正請求に関しては苦々しく思っています。


しかし、柔道整復師の全員がそうではなく、彼らの多くは真面目に仕事をしています。特に整形外科医が取りこぼしている患者さんを救っているのは、彼らであることが多いのです。


昔に所有していた物件のテナントで、治療院が盛業していました。その関係もあり、何度か治療院を訪れたのですが、なかなか良い仕事をしています。



そんな彼らの業界は、存亡の危機に瀕しています。受領委任払い制度によるビジネスモデルの崩壊が静かに(?)進行しているのです。慎重に状況の推移を見守りたいと思います。





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2025年問題を考える

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2025年問題をご存知でしょうか? 2025年は、総人口が減少する中でも増加していた75歳以上の高齢者人口が減少に転じる見込みとなる年です。


人口問題は、医療・投資・不動産に対して、極めて大きな影響を及ぼします。過去2回ほど、高齢化社会の極期以降は、高齢者さえも居なくなっていくことをご報告しました。





そして、高齢化社会といっても、全国一律に人口が減っていくわけではありません。人口構造の推移は、下記のように地域ごとに大きく3つのタイプに分けられます。

  1.  都市型
  2.  地方都市型
  3.  過疎地型


①は、東京都に代表されるタイプで、現時点での人口がピークで、緩やかに総人口が減少します。一方、75歳以上の高齢者人口は急激に増加します。


②は、長野県に代表されるタイプです。すでに人口のピークが過ぎて、緩やかに総人口が減少しています。75歳以上の高齢者人口は緩やかに増加していきます。


③は、秋田県に代表されるタイプです。すでに人口のピークが過ぎて、急激に総人口が減少しています。75歳以上の高齢者人口も緩やかに減少していきます。


医師の立場からは、自分の診療圏が上記の3つのいずれのエリアにあるのかは熟知しておくべきでしょう。そしてクリニックを開業する場合、②のエリアは要注意です。


②→③に移行するタイミングがいつごろになるかは、クリニックの寿命に関わってきます。 そこまで超長期で考える必要はないと思う方が大半でしょう。


しかし、going concernを前提にするならば、検討項目のひとつにするべきです。特に継承まで見据えると、避けては通れない問題だと思います。





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生き残れる医師の3タイプ

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週刊ダイヤモンドの2016.12.17号に興味深い広告記事がありました。
医学部医療人への道 テクノロジーの進化が医者の働き方を変えてゆく です。


日本医療政策機構という民間シンクタンクの理事をされている宮田俊男先生への取材記事のようです。ちなみに、私は日本医療政策機構のことを全く知りません。


遠くない未来、ビックデータや人工知能(AI)の進化で、テクノロジーに任せられる領域が多くなり、人間でしかできない作業だけが残されます。


医療の世界では、診療履歴・遺伝子情報などがビックデータに蓄積され、究極の個別化医療へと進んでいきます。


記事の中で、宮田先生はこのようなテクノロジーの進化のために、これからは下記の3タイプの医師しか生き残れないだろうとおっしゃられています。

  1. 家族や地域にコミットするかかりつけ医
  2. 匠の技を持つ職人的な医師
  3. マネジメント能力をもつ医師


まず①ですが、普段から家族の健康状態や生活環境などをよく把握して、いざ病気になったときに適格な判断をしてゆく役割が期待されるとおっしゃられています。


しかし私が感じたのは、このようなジェネラルな立場の医師が真っ先にAIに置換されるのではないかという疑念です。


コミュニケーションの大事さが強調されていますが、果たしてコミュニケーション能力に長けた医師と幅広い病気を自動で診断するAIとでは、どちらに患者さんのニーズがあるでしょうか???


②に関しては、まさにその通りだと思います。特に外科系・循環器内科・消化器内科のスペシャリストの持つ匠の技を、AIに置換することは困難を極めると思います。確実に生き残るでしょう。


次に③ですが、これは医師でなくても問題ないような気がします。むしろ、プロ経営者が医療機関のトップに立って組織を運営する方が結果を出せるのではないでしょうか。


この際にポイントになるのが、どこまでトップの権限を強化できるかだと思います。この点さえクリアされれば経営者が医師である必要性は低いと思います。


ここまで、「生き残れる医師」に関してやや否定的な意見を述べてきましたが、宮田先生は2016年11月1日に地域密着医療のクリニックを開業されたようです。


「生き残れる医師①」を自ら体現しようとしています。つまり、宮田先生は自分の予想に基づいて行動をおこしました。決して軽々しい予想ではなく、自分の将来を賭けての予想なのです。







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