整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

βラクタム系

アミノグリコシド系抗生剤の相乗効果

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敗血症を来たす重症感染症では抗生剤の選択や投与方法が最も重要なポイントとなります。整形外科領域では人工関節置換術後感染や化膿性脊椎炎などが該当します。


最もよく使用される抗生剤はセフェム系抗生剤などのβラクタム系抗生剤ですが、重症感染症や混合感染症ではセフェム系抗生剤のみでは治療が難しいケースも散見されます。


そのような時、アミノグリコシド系抗生剤と併用すると相乗効果を期待できます。アミノグリコシド系抗生剤はタンパク合成阻害薬で、濃度依存性に効果を発揮するのでTDMが望ましいです。


アミノグリコシド系はβラクタム系などの細胞壁作用型抗生剤との相乗効果を期待できますが、投与順序が重要で① アミノグリコシド系抗生剤 ② βラクタム系抗生剤 の投与順となります。


例)
 ① トブラシン(TOB) 240mg + 生食100ml  30分でdiv
 
  2時間後に
 
 ② パンスポリン(CTM) 1g + 生食100ml  1時間でdiv


尚、アミノグリコシド系とβラクタム系を混ぜると配合変化を起こして活性が低下するため、βラクタム系抗生剤を投与開始するまで2時間程度開けることが望ましいです。



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 症状と患者背景にあわせた頻用薬の使い分け―経験とエビデンスに基づく適切な処方





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       類似薬の使い分け―症状に合った薬の選び方とその根拠がわかる



周術期のセフェム系抗菌薬の投与方法

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先日、人工関節全置換術後の術後抗生剤投与が査定されてしまいました。私は、CEZ 1g×3回×2日間をルーチン的に投与していますが、1日3回は多いと指摘されました。


術後2日間という投与日数が多過ぎるという指摘であれば、反論しにくいので飲まざる得ないです。しかし投与回数への指摘だったので再審査請求することにしました。


再審査請求の文面は下記の如くとしました。


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セフェム系などのβラクタム系抗菌薬は、最小発育阻止濃度(MIC)を超える薬物濃度時間依存性の抗菌薬です(Time above MICタイプ)。したがって、βラクタム系抗菌薬は、MICを超える血中薬物濃度を維持する必要があります。


セフマゾンの半減期は約2.5時間なので、正常腎機能の方において1日2回投与ではMICを超える血中薬物濃度を維持できません。したがって、感染に対して脆弱な人工関節置換術後に対する周術期のセフマゾン投与では、1日3回投与が妥当な投与回数だと判断いたしました。

 

βラクタム系抗菌薬はTime above MICなので、分割投与が原則(1日2回投与よりも3回もしくは4回投与が理想的)です。薬物動態・薬力学に基づいたセフマゾン投与回数の妥当性につき、再度御検討いただけますよう何卒お願い申し上げます。


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CEZの3回/日投与が否定されるのは心外ですが、投与日数に関しては1日(もしくは24時間以内)でもよいかもしれません。これについては私の中で、今後の検討課題です。


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