先週末は都内で、現在注力中のスタートアップに関連した医療関係のセミナーを行いました。私は股関節外科医なのですが、セミナーの内容は「腰椎疾患」です(笑)。


専門外なのでイマイチ講演内容に迫力が足りなかったのは否めません。やはり、餅は餅屋に依頼するべきかと反省しました。


さて、その前日、整形外科医のゆるいブログ先生と飲みに行きました。ゆるい先生とお会いするのは、昨年5月の日整会以来です。


ゆるい先生は、不動産投資で成功された勤務医ですが、だいたい私よりも数年アクションが早い方です。例えば、蓄財は3~4年、不動産投資は約2年、私よりも開始時期が早いです。


私が嬉しいのは、2000年台前半の悲惨な不動産市況下で、巨大なリスクを背負って勝負した経験を共有していることです。不遜な言い方をすると、一種の戦友的な感覚でしょうか。


さて、今回1年ぶりにお話しして、実践していることに類似点が多いものの、不動産投資に対する考え方が少し異なることに気付きました。


最も強く感じた違いは「普通の医師は不動産投資のガチンコ勝負で勝てるのか否か?」についての見解です。ゆるい先生は「勝てない」派でした。


私は ? というと「どちらかと言えば難しいけれど、不動産投資の才能がある、もしくはガチンコ勝負を回避すれば勝てる」派です。玉虫色で全方位外交的な迷回答ですね(笑)。


客観的にみて、サラリーマン不動産投資のメインストリームである地方都市・大都市郊外圏の1棟マンション投資で勝つことは、2017年時点では極めて難しいと思います。


ほとんどの医師は、高属性を武器にして金融機関から引き出した融資を、そのまま百戦錬磨の不動産業者や不動産投資家に献上しています。


医師で1棟マンション投資をしている人はたくさん居ます。しかし私の目からみて、本当の意味での「勝者」には、残念ながらほとんどお目にかかったことがありません。


その理由は、やはり不動産投資にかける労力の違いだと思います。プロの不動産業者や海千山千の不動産投資家に対抗するためには、生半可な努力では歯が立ちません。


もともと社会経験に乏しく、本業の縛りで不動産投資に時間を割けない医師は、絶好のカモにすぎないと・・・。この意見には、私も肯定せざるを得ません。


しかし、全く勝ち目がないかと言うとそうではないと思います。ゆるい先生はそのひとつの手段として競売を勧めていますが、私は下記の2つの条件での勝負を推奨しています。

  1.  資産家以外への銀行融資がほとんどストップするような最悪期に投資する
  2.  投資マーケットではなく実需マーケットで勝負する


投資の王道は、上記の①です。成長の止まった社会において、真に不動産投資で成功するにはこのパターンしかありません。この時期には、できるだけ都市中心部を狙いにいきます。


②は競争回避型です。投資家の狙うキラキラしたマーケットを外して、ウマミの無さそうな投資対象を狙います。代表選手は、実需マーケットが存在する郊外型の築古木造戸建でしょう。


一般的には、新築や築浅のピカピカの1棟マンションは憧れの的です。私のような10年来の廃屋好きは、かなり特殊な存在だと自覚しています。でも儲かるのはどちらでしょうか?


まぁ、あくまで私のポジショントークなので話半分に聞く必要がありますが、少なくとも他の人と同じことをしていては、余程の才能が無い限り勝ち残ることは難しいです。


そして、ひとつだけ注意点があるとすれば「1棟マンション投資を実践している = 特別な人間」では決してないということです。


確かに上位20%ぐらいには入っていますが、メインストリームで生き残るのは上位4%だけです。上位5~20%は喰われるだけなので、平常時には投資しない方が正解なのです。


ちなみに、2013年以降の天井圏で物件を掴んだ人が、市場下落に耐え切れなくなって手放す物件を、私は虎視眈々と狙っています。前回は2009~2011年でしたが今回はいつでしょうね。


このあたりの現象を見て、ゆるい先生は「勝てない」と考え、私は「タマムシ色」に考えているのです。同じ現象をみても結論が異なるのは、多様性のなせる業かもしれませんね。





★★ 発刊後3週で増刷決定! ★★
 


当ブログ管理人書き下ろしの書籍が、中外医学社から発刊されました。「経済的に自由な医師」になることで、医師としての充実感と経済的成功を両立できる道があります。


本著では、資産形成論とマインドを学ぶことができます。具体的な手法は勤務医のための資産形成マニュアルに譲りますが、医師に特化した資産形成の入門書として是非ご活用ください!




161228 【書影】医師の経済的自由