東証マザーズ市場に上場するアキュセラ・インク(4589)が酷いことになっています。アキュセラは米国シアトルに本社を置くバイオベンチャーです。


新薬候補の効果が認められないとの報道で急落しており、 2016年5月25日の上場来高値更新した同日から一転して6営業日連続のストップ安となりました。


アキュセラの創業者は慶應義塾大学医学部出身の眼科医である窪田良氏です。窪田氏は大学院時代の基礎研究で培った独自の細胞培養技術をもとに2002年に起業しました。


網膜変性疾患の治療薬の開発を進めており、2014年2月には東証マザーズ市場に上場しています。窪田氏は同じ慶應義塾大学出身のSBIホールディングスCEOの北尾氏と懇意の仲です。


私がアキュセラおよび窪田氏を知ったのは2016.5.28号の週刊ダイヤモンドの記事を読んでからで、それまでは三四会の存在さえ知りませんでした。






慶應義塾大学はすごいなぁ と思っていた矢先の出来事ですが、今回の騒動の原因は、インサイダー取引疑惑です。5月25日に上場来高値更新したものの一転してストップ安となりました。


そして翌日の寄り付き前に新薬候補の効果が認められないとの発表があったのです。残念ながら情報が漏れていたと思わざるを得ません。


また、大株主であるSBIホールディングスCEOの北尾氏が必要以上に買い煽りととらえられても仕方ないコメントを発表していました。


さすがに売却はしていないとの発表はしているものの、このような立場の人はここまで露骨な発言は控えるものです。悲惨な状況も重なり、責任を問う声が出ています。


今回の件で、一部とは言え個人投資家は多額の借金を抱えることになっています。 投資は自己責任ですが、せめて健全でフェアな市場でないと参加者が減少して先細りになってしまいます。


2006年1月のライブドア事件でも同じようなことがあり、新興銘柄は下落を開始しました。リーマンショックもあったため、 マザーズ指数は2800ポイントから90%以上下落してしまいました。


今回は同じようなことにはならないと思いますが、 後で振り返ってみると象徴的な事件として記憶に残ることになるかもしれません。その場合には絶好の買い場がやってくることになります。


現在の東証マザーズ指数は「そーせい」などのバイオベンチャー高騰のため、まだまだ高値圏です。しかし、今後は2006年の再来の可能性もあるため、注視していきたいと思います。





投資家目線で厳しいことを言いましたが、窪田氏の生き様は医師のキャリアとして理想像のひとつだと思います。窪田氏は研究者、臨床医、経営者という3つのステップを踏みました。


研究者時代には緑内障の原因遺伝子を発見し、その遺伝子「ミオシリン」は眼科の教科書にも載っているそうです。そして臨床医時代には1000件を超える手術を行いました。


大学での研究者から臨床医を経て、2002年に起業しています。そして2014年に自ら創業した会社を東証マザーズに上場させることに成功しています。


このような人材を輩出する慶應義塾大学医学部のレベルの高さは、今回の一連の事件がクロだったとしても、輝きを失うことは無いと思います。


上場廃止リスクも燻りますが、窪田氏には「失明の危機に瀕する世界中の患者を助けるには、薬を作って患者に届けるのが一番いい方法」という創業の目的を達成してほしいものです。




★★  医師のための金融資産形成術  ★★


資産家および医師を対象として、2015年10月に開催した本ブログ管理人による 「金融資産形成術セミナー」 の動画、および講演で使用したスライドです。



NY夜景

      



勤務医・開業医の種類に関わらず、医師が資産形成する際には下記の3つを組み合わせることで効率良く資産形成することができます。


1. 医師免許をベースにした人的資産からのキャッシュフロー
2. 不動産からのキャッシュフロー
3. 金融資産投資の技術


①②で得られる安定したキャッシュフローを元手にして、③の金融資産投資技術を用いて資産形成するのです。しかし、多忙な医師が金融資産投資で結果を出すのは難しいのが現実です。


一方、金融資産投資は買値で投資収益性が決まります。 ”多忙な医師がいかにして金融資産を安く買うか?” という命題を解決するため、私は超長期逆張り投資戦略を選択しています。 


今回の「金融資産投資術セミナー」は、資産形成マニュアルで提示した資産形成手法における金融資産投資の各論です。築古木造戸建投資は「守」、金融資産投資は「攻」という位置づけです。


築古木造戸建投資の「守」 と 金融資産投資の「攻」の組み合わせが、安定的な所得のある医師の資産形成における有力な選択肢のひとつと考えています。