生物学的製剤投与後すぐに劇的な効果があった場合には、肺炎などの感染症を併発する可能性があることを警戒するべきです。つい最近もシンポニー(GLM)投与後1週で肺炎を併発した症例がありました。


通常、肺炎を併発すると生物学的製剤だけではなくMTXの投与も中止します。しかし、そのままMTXを投与しないと、関節リウマチが再燃します。MTXはおそるおそる再投与しますが、何故か肺炎を併発する前よりも少ない量で関節リウマチをコントロールできることが少なくないようです。


一方、やはりMTXのみでは炎症をコントロールできない症例では、生物学的製剤投与を検討せざるえません。この場合、初回の生物学的製剤はTNF製剤であることが多いので、非TNF製剤であるオレンシア(ABA)やアクテムラ(TCZ)を選択することが多いです。


しかし、アクテムラは強烈にCRPを抑制するので、肺炎等の感染症が再発したときに発見が遅れる可能性があります。このあたりを考慮するとオレンシアが第一選択になることが多いように思います。これだけ生物学的製剤での治療がメジャーになってくると付随する問題が多くなって難しいですね。