今日の午前は人工膝関節全置換術(TKA)でした。
一般的には、THAと比べて術者の技量の差による影響が少ない印象ですが、実は結構奥が深いと思います。たしかに経験年数が浅くてもそれなりには終了できますので、THAのようにどうしようもない状況に陥る可能性は低いです。


ただ、エキスパートの手術を見ていると、明らかに手術の際の視点が違います。
つまり、”鳥の目で術野全体を俯瞰できるかどうか”が、技量の差に直結します。


TKAではアライメントが非常に重要なので、少し離れたところから下肢全体のアライメントのチャックを何度も行います。普通の術者では、距離感でいうと50cmぐらいなのですが、エキスパートでは2mぐらい離れたところから全体のバランスを俯瞰するイメージです。また、しつこいぐらい靭帯バランスを確認します。


あまり成書には書かれていませんが、TKAでは20段階ぐらいのチェックポイントがあります。
それを一つ一つ着実にクリアしていくことで、確実なインプランテーションが可能となります。