血液透析施行例での関節リウマチ治療 その1 のつづきです。


まず、MTX投与不可なので代わりとなるDMARDsを検討しました。透析例でも使用可能なDMARDsとしては、アザルフィジン(SASP)やアラバ(LEF)があります。LEFは間質性肺炎が怖いので、まずはSASPを投与開始してみました。DIを参照したところ、透析例でも減量の必要性は無いとのことです。


次に生物学的製剤のスイッチングについて検討しました。レミケード(INF)、アクテムラ(TCZ)、オレンシア(ABA)、シンポニー(GLM)などの投与間隔の長い製剤は、週3日の透析毎に除去されてしまうため効果の持続を期待できません。投与間隔が最も短い製剤はETN 25mgです。


この方にはETNが一次無効であったので再開するのもどうかと思いましたが、ETNは中和抗体が無いので試してみる価値はあるかなと思いました。


そして現在、この方が最も困っているのは、左膝関節と両肘関節痛です。単純X線像ではそれぞれ高度の関節破壊を認めます。立位もままならない状態なのでADLの改善には人工膝関節全置換術(TKA)が望ましいと考えました。


血液透析施行例での関節リウマチ治療 その3 につづく


※ 2013.4.25追記
生物学的製剤に透析性はありません。したがって、通常通りの使用方法が可能です(MTXが使用できないため、選択できる薬剤が限られます)。尚、感染のスクリーニングおよびモニタリングには十分に留意するべきです。詳しくはこちらをご覧ください