昨日午後は、出張先の病院で手術にはいりました。内容はバイポーラー型人工骨頭でインナーヘッドが脱臼した症例での、アウターヘッド・インナーヘッド交換術でした。


通常、バイポーラー型人工骨頭でインナーヘッドが脱臼することは稀です。昨日の症例はポリエチレンのロッキング機構が破綻していました。脱臼してから結構時間が経っていたようで、荷重部の軟骨および軟骨下骨が欠損していました。


通常であればTHAにコンバージョンするところですが、伝い歩きの80歳台後半の患者さんなのでアウターヘッド・インナーヘッド交換術に留めました。術後単純X線像を確認すると、寛骨臼側軟骨下骨の陥凹部にアウターヘッドが嵌まり込んでいました・・・。股関節の適合性不良が予想される場合には、やはりTHAが望ましいのでしょう。


ちなみに今回の症例は他院で整復?された後に紹介受診したそうです。インナーヘッドが脱臼している単純X線をみたら衝撃的な画像なので俄かには信じ難いですが、ロッキング機構が破綻している場合には意外とインナーヘッドはアウターヘッド内に簡単に整復されるようです(術中に確認済み)。


アウターヘッドのロッキング機構が破綻している場合には、整復したのでハイ終わりではすぐに脱臼します。必ず、観血的手術(THAもしくはアウターヘッド・インナーヘッド交換術)で解決しておく必要があると思います。