整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

オスフェリオン

移植骨採取後はオスフェリオンを!

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昨日の午前は、脛骨骨髄炎に対する掻破洗浄術+自家骨移植術を行いました。
脛骨遠位の腐骨除去後の巨大骨欠損を充填するため、腸骨から海綿骨を大量に採取しました。


最近では同種骨移植を利用可能な施設が増えてきましたが、倫理委員会設置や専用冷凍庫の購入などのハードルが高いので、中小医療機関での導入例はまだまだ少ないのが現状です。


もちろん、今回のような感染症例では自家骨移植がベストです。以前は腸骨からの移植骨採取後にα-TCPやゼルフォームを留置していましたが、今ではβ-TCPを使用しています。


海綿骨のみ必要な場合は、移植骨採取後に顆粒状のβ-TCP(商品名: オスフェリオン)を充填します。内板も含めたcorticocancellous boneの場合は、採骨部に板状のβ-TCPを留置します。


β-TCPを留置することでbone stockが回復するので、腸骨からの自家骨移植を施行する場合には、採骨部にβ-TCPを留置することを忘れないことが肝要だと思います。



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内軟骨腫(enchondroma)に対する腫瘍切除術

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昨日の午後は中節骨の内軟骨腫(enchondroma)に対する腫瘍切除術でした。
中指中節骨の中央から遠位にかけての内軟骨腫で、中指の痛みが持続していました。


基節骨の内軟骨腫であれば背側から進入して伸筋腱を繊維方向にスプリットすればいいのですが、中節骨なのでlateral bandを損傷しないように側方から進入しました。


1.0 C-wireで中節骨の皮質骨をミシン目状にドリリングして、骨ノミを用いて開窓します。内部には糊のような白色の腫瘍があるので鋭匙で掻破します。


内軟骨腫であれば非常にスローグロースです。このため多少腫瘍の取り残しがあっても再発に時間がかかるため、臨床上はさほど問題になることはありません。


掻破した後に骨移植するのですが、昨日はβ-TCP(オスフェリオン)を充填しました。α-TCPの方が取り残した腫瘍の発育を阻害するため望ましいという説もありますが、スローグロースのためβ-TCPを選択しました。




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 骨・軟部腫瘍および骨系統・代謝性疾患 (整形外科専門医になるための診療スタンダード 4)


人工股関節再置換術(ポリエチレンライナー交換)のポイント

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今日の午前の手術は、人工股関節再置換術(ポリエチレンライナー交換)でした。
12年前に施行されたセメントレス人工股関節の症例で、ポリエチレン磨耗による大転子部の骨融解が進行してきたため手術を行うことになりました。


再置換術時の瘢痕組織の量は個人差が大きく人それぞれですが、前回手術時の創がどのような状態かで、ある程度内部の瘢痕組織の量を推定できます。つまりケロイドになっている方は瘢痕組織の量が多いですし、創がほとんど分からないような方は瘢痕組織の量も少ない印象です。


再置換術の際には瘢痕組織の切除が必要ですが、どの程度切除するとよいのでしょうか?切除しすぎると関節が緩くなるので、私は最小限の切除に留めるべきかなと思います。骨表面に少しだけ軟部組織を残しつつ、基本的には骨に沿って切除します。


あと、画像所見よりも骨融解の範囲は広いことが多いので注意が必要です。新しいデブリスが発生しなくなると骨融解の進行も止まるので、基本的にはポリエチレンライナーを交換して骨融解部にオスフェリオンを充填するだけでOKです。


ポイントは単純X線像やCTの画像をよく読影して、再置換術のタイミングを逸しないことだと思います。時期を逸すると骨折を併発したり、全てのインプラントを再置換するハメになります。

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