金持ち父さん貧乏父さんをご存知の方は多いでしょう。
本日は、金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラントについての記事です。








この書籍には、キャッシュフロー・クワドラントという収入形態を4つのマトリックスに分ける考え方が紹介されています。



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著書中には上のような図が多用されています(実際は違う図です)。4つのマトリックスのうち、左半分は自分が働かなければ収入も得ることができない職業です。


EクワドラントやSクワドラントは、労働と収入の関係が1:1です。時給800円のマクドナルドのアルバイトも時給20000 円の医師も同じ立場で、異なる点は時給単価だけです。


医療業界に当てはめると、勤務医はEクワドラントで開業医はSクワドラントです。開業医の方が収入が高そうに見えますが、自分が働けなくなると収入が途絶えてしまいます。


一方、4つのマトリックスの右半分は自分が働かなくても収入も得ることができる職業です。働かなくてもよい理由は、収入を得る仕組みや権利を所有しているからです。


医療業界に当てはめると、病院長や多施設展開クリニックの院長はBクワドラントです。I
クワドラントに当てはまる存在は、日本の医療業界ではなさそうです。


さて、普通の人は、4つのクワドラントの中のひとつに属しています。例外は不動産投資を行っている人です。不動産投資はBもしくはIクワドラントです。


私の考えでは、自己資金のみで融資を受けていない物件を所有している人はBクワドラント、融資を受けている人はIクワドラントです。


4つのクワドラントの右側であるBクワドラントやIクワドラントは敷居が高そうに見えますが、不動産投資をしているだけでどちらかに入れるので、意外と簡単です。


とはいうものの、不動産投資は右側のクワドラントでは例外的に敷居が低いです。この敷居の低さのために、キャッシュフロー・クワドラントを意識する人は不動産投資に走ります。


ここまでをまとめると、「お金持ちになるには不動産投資をしましょう」で終わってしまいます。ちょっと簡単過ぎますね(笑)。


日本を含めて世界中で不動産投資が盛んなのは、資産形成をおこなうにあたって不動産投資が最も手軽で成功率が高いからです。


しかし、簡単であるということは、それだけ旨味が少ないことの裏返しです。プロを志向して売却での利益を追求しないかぎり、不動産投資そのものの収益率は高くありません。


しかし、プロでさえも不動産市場のトレンドを捉えて上手に波乗りし続けることは難しいです。特に、不動産は金融資産と異なり「売り」から入ることができません。


このため、不動産価格が下落局面に転ずると厳しい状況に陥ってしまいます。不動産ばかりに集中すると資産形成においてバランスを欠いてしまうことになりかねません。





ここで、キャッシュフロー・クワドラントをもう一度考えてみましょう。本当に右半分のBクワドラントやIクワドラントは理想的な状態なのでしょうか?


例えば左半分のEクワドラントやSクワドラントであっても、こちらの方が収益性の高い人がいます。例えばダルビッシュはBやIではなく、Eクワドラントが最も高収益でしょう。


また、私の経験では、Iクワドラントで成功するためには、相当の才能が必要である印象です。感覚的には上位10%程度に入っていないと厳しいと言わざるを得ません。


不動産投資はセオリーに従えばある程度の結果を予測できます。しかし、金融資産投資では才能・精神力・資金力での総合力勝負となります。正直言って成功は容易ではありません。


Bクワドラントはビジネスなどの仕組み以外にも著作権、特許などの権利収入も該当します。Bクワドラントは、4つのクワドラントの中で最も魅力的に見えます。


しかし、実際にこのクワドラントで成功するためには、かなりの才能・労力・運が必要です。私は、小さなビジネスをいくつかと、著作権、意匠権を所有しています。


しかし、ビジネスはもちろんのこと、著作権や意匠権(特許権)であっても、所有しているだけでは大した収益を生み出すわけではなく、マーケティングが重要となります。


また、ビジネスに関しては仕組みを作り上げる過程が尋常でないほど辛く苦しい事件の連続です。仕組みが回り出すまでに、数々の困難をひとつひとつ乗り越える必要があります。


この過程は面白くて非常に刺激的ですが、ときどき吐きそうになります(笑)。正直言って普通の人にはなかなか勧められません。


また、自分ではBクワドラントだと思っているビジネスも、客観的にみるとSクワドラントであるというオチが付きがちです。人を使って仕組みを回すのは本当に難しい。。。


このように、私は4つのクワドラント全てに現在進行形で属している珍しい存在です。そして、どのクワドラントが一番居心地良いのでしょうか?


私の出した答えは、気楽さではEクワドラント、収益性ではIクワドラント、楽しさではSもしくはBクワドラントです。4つとも捨てがたい! というのが本音です。






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