整形外科医のブログ

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ギプス

膝関節MCL損傷の外固定の工夫

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先日、膝関節内側側副靭帯損傷(MCL)の患者さんを診察しました。
幸いMCLの単独損傷であったため外固定での保存治療となりました。


MCL損傷単独損傷では膝関節軽度屈曲位として大腿部から下腿遠位までのシーネ固定で十分です。しかし、実臨床において下肢シーネをしっかりと作成することは意外と難しいです。


大腿部をしっかり固定するためにはそれなりの幅のあるシーネを作成する必要があるのですが、成人の大腿部を十分に被覆できる幅の既製品のシーネが無いためです。


理想を言えば大腿周径の半分の幅のシーネが必要です。しかし、最も大型のシーネでも成人の大腿周径の1/3程度しか幅がありません。


このような場合、面倒なのですが私は下肢ギプスを巻くようにしています。一旦ギプスを巻いてから、その場でギプスをカットしてシャーレにします。


こうすることで成人の大腿であっても周径の半分の幅を確保できるため、十分な固定性のある下肢シーネを作成することが可能となります。


コストはギプスもシーネも同じ点数なので、患者さんの医療費負担は変わりません。私の手間は増えますが、既製品による中途半端な下肢シーネよりも数段治療効果が期待できます。


成人の膝関節内側側副靭帯損傷の治療は単純ですが、どうせ治療するのなら多少手間がかかってもギプスをカットしたシャーレで本格的な膝関節固定を心掛けたいものです。



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ギプス施行部の体毛が濃くなる理由

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今日の午前は外来でした。
橈骨遠位端骨折の小学生の最終診察を行いました。


関節可動域は問題無かったのですが、ギプスを施行していた部分の体毛が濃くなっていました。経験上、患者さんの年齢が若いほどギプス施行部の体毛が濃くなる印象です。


今日の小学生はギプスを除去して6週間ほど経過していましたが、まだ体毛が濃いままでした。ギプス施行部の体毛が濃くなる理由は諸説あります。


私はギプスを装着することで、体毛の磨耗率が低くなることが原因だと思っています。普段の生活では服や布団などとによる摩擦があるため体毛がかなり磨耗します。


しかし、ギプスを施行することでこれらの外界からの摩擦が減少するため、体毛の磨耗率が低くなるのです。このため立派な(?)体毛がギプス施行部に温存されるという説です。


この説では、ギプスを除去してから数ヶ月もすると服や布団との摩擦によって体毛が元の濃さに戻ることになりますが実際はどうなのでしょうか?


骨癒合後も数ヶ月に渡って患者さんをフォローすることはあまり無いので、実際に体毛の濃さが元に戻るかは確認できていません。機会があれば注意して観察しようと思います。




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病院もギプスシューズを売るべきですね

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今日の午前は外来でした。
足関節外側靭帯損傷の方にギプスシーネを巻きました。当然、靴は履けなくなります。


足関節外側靭帯損傷の場合には免荷の必要性は無いのですが、ギプスシーネのままどこでも歩くと3週間も経つと足底が非常に不潔になってしまいます。


このため、ギプスシーネの汚れを防ぐために松葉杖歩行となるケースが多いです。外来の看護師さんが気を利かせて、病院でスリッパを300円で売っていますと患者さんに言っていました。


長年病院に勤めていますが、ギプス用のスリッパを売っているというのは初耳でした。ほぅ~、と思い観察していると、通常のスリッパを持ってきてギプスシーネ越しに履かそうとしました。


しかし、当然ではありますがギプスシーネが大き過ぎて、スリッパを履くことはできませんでした・・・。病院でもアマゾンで売っているような「ギプスシューズ」を販売するべきかもしれませんね。




       
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小児モンテジア骨折の治療

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昨日の午後のことですが病棟回診をしていると、近くの小学校から遊具から転落した8歳の小学生が肘を痛がっているでの診察して欲しいという電話が掛かってきました。


診察すると肘関節外側から前腕尺側にかけて腫脹があったので、モンテジア(Monteggia)骨折を疑って前腕の単純X線像をオーダーしました。案の定、Bado type 1のモンテジア骨折でした。


新鮮例の場合、整復は比較的容易なので保存治療が可能なケースが多いです。前腕を回外位として骨間膜を緊張させて前腕を長軸方向に牽引しながら尺骨短縮や屈曲変形を矯正します。


同時に母指を用いて脱臼している橈骨頭を押し込むと整復されます。整復後はギプス固定を行いますが、前腕回外位で骨間膜を緊張させて肘関節屈曲位(100度程度)にして固定します。


充分な仮骨形成が見られるまで4~6週間程度ギプス固定を施行しています。私は橈骨頭の再脱臼が怖いので、受傷後1~2週程度は単純X線像での確認を頻回に行っています。


成人のモンテジア骨折では橈骨頭の整復位保持が困難なので手術治療が必要になることが多いですが、小児の新鮮例であれば保存治療が充分に可能だと思います。


尚、陳旧例は治療が厄介です。よく言われるように尺骨骨折に目を奪われて橈骨頭脱臼を見逃しがちなので、尺骨単独骨折では橈骨頭の脱臼が無いかを常に確認する必要があると思います。




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ストッキネットの長さをどうやって測っていますか?

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今日の午前は、出張先での外来でした。
若い方が比較的多い地域で、ギプスを巻く機会が多いです。


ギプスを巻く際には、ストッキネットの長さを適切に切り取る必要があります。些細なことに思えますが、短すぎると固定範囲が短く固定力が弱くなるので意外と重要だと感じています。


今まではストッキネットの長さを測るのに、指を使ってシャクトリムシ(尺取虫)風に測っていました。しかし意外と不満足な長さになることが多いのです。そこで最近では、自分の前腕や下腿を使って長さを計測するようになりました。


具体的には自分の前腕や下腿にストッキネットを当てて、自分にギプスを巻くことをイメージして長さを決定するのです。私は身長が172cmで男性としては平均的なのですが、150cm位の高齢女性でもほぼぴったりの長さになります。


オマエの手足が短いだけだろ(!)と言われるかもしれませんが、意外とどんな人でもほぼ適切な長さになります。同じ要領でギプスシーネ作成時にも自分の手足に当てて、適当な長さに切り取っています。


私は、できるだけ考えることを省略したいので(笑)、重宝している計測法です。


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