関節リウマチの治療において結核の除外診断は必須ですが、日本ではBCGの影響でツベルクリン反応があまり意味のある検査ではありません。したがって、クォンティフェロン(QFT)を施行している施設が多いと思います。そして、2012.11.13からT-スポット®.TBが利用可能になりました。
従来のQFTは採血後に速やかに検査をする必要があります。したがって予約検査となる施設が多く、使い勝手が悪い印象でした。これに対してT-スポット®.TB は、採血後32時間まで検査が可能なため、平日なら予約なしで施行可能です。
T-スポット®.TBは、結核菌やBCGワクチン以外のほとんどの抗酸菌とは交差性を示しません。T-スポット®.TBの感度は97.5%・特異度は99.1%と報告されています。QFTは感度が90%台前半・特異度は99%です。したがって、T-スポット®.TBの特異度はQFTと同等で、感度はQFTを上回ります。注意点はQFTと同様で、結核の既感染でも陽性となることです。
気になる保険点数ですが、初回630点なのでQFTと同額です。手技の簡便さや良好な感度を考えると、今後急速に普及するだろうと思われます。関節リウマチの診療においても有用なツールの登場ですね。
★★★ 管理人 お勧めの医学書 ★★★
初学者が関節リウマチの治療体系を俯瞰するにあたり、最もお勧めの書籍です
関節リウマチ治療実践バイブル
クォンティフェロン
昨日、de novo B型肝炎について書きましたが、もっとキツイ逃げを打っているところがあることを思い出しました・・・。それは、MTXを販売している製薬会社です。周知のようにMTXは関節リウマチのアンカードラックなので、これがないと治療が成り立ちません。
MTX投与前に肝機能異常や感染症の有無を確認しておくことは常識です。しかし、最近(2012年7月)になって、MTX投与前には結核の既往を調べるためにクォンティフェロン(QFT)および胸部CTまで施行しろという文章が添付文書に記載されてしまいました。”適宜”施行という表現ですが定義があいまいなので、呼吸器内科専門医でないかぎりは義務化されたに等しいと思います。
司法を通じてではありますが、一製薬会社の独断で、膨大な数の関節リウマチ患者さんのほぼ全員にクォンティフェロンや胸部CTを施行することを強制するのはいかがなものかと思うのは私だけでしょうか??? 厚労省の見解をお伺いしたいところです。。。
そもそも同一成分なのにメソトレキセート(41.3円)の約7倍の薬価(299.5円)を製薬会社は享受しています。おいしいところだけ取って、マズイところは何でもかんでも国民へツケ回しするのは止めてもらいたいものですね・・・。
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