整形外科医にとって、ヒアルロン酸製剤は非常にポピュラーな薬剤です。外来のある日で、この製剤を触らない日は無いと言っても過言ではないです。
ところが、このヒアルロン酸のシリンジ製剤には、清潔操作を維持する上で、多少の注意点があることを知りました。
シリンジ製剤は完璧に滅菌されているわけではない
ディスポシリンジはパッケージに梱包されているため、一見すると完全滅菌されているような印象を受けます。
しかし、メーカーの説明では完全に滅菌されているわけではないとのことでした。このため、術中に使用する場合には、シリンジ製剤ではない方が安全かもしれません。
多量の薬剤を吸うと不潔になる
スベニールなどにはシリンジに線(ライン)がひかれています。このシリンジまでなら他の薬剤(例えばステロイド)を吸っても問題ないです。
しかし、このラインよりも引きすぎてしまうと、滅菌状態を維持できないそうです。このため、実質的にシリンジを利用して他の薬剤を吸うのはステロイド製剤に限られます。
キシロカインやオムニカインなどを5ccほど混注したい場合には、10ccシリンジで3剤(ヒアルロン酸製剤、ステロイド、キシロカイン)吸うことをお勧めします。
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一般的で使用頻度の高い、鎮痛薬・睡眠剤・感冒薬・胃薬・止痢薬・去痰薬・便秘薬等の薬剤が、全13章にわたって系統立てて書かれています。それぞれの章の最初に、薬剤の分類図が記載されています。各系統間の薬剤の使い分けも平易な文章で書かれており実践的な書籍です。
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