先日、上腕骨近位端骨折の手術がありました。
今回は前立ちで手術に参加したのですが、シーツ掛けで興味深い手法を目撃しました。


執刀医の医師は同じ大学の同門なのですが、医局人事でローテーションしてきた病院が全く異なるため、私とは異なるカルチャーで育っています(笑)。


私のしる限りでは、シーツを留める方法は、下記のいずれかです。

① シーツ鉗子を使う
② シーツ用のテープを使う
③ 絹糸等で患者さんに縫い付ける


しかし、この医師はスキンステープラーでシーツを留めていました。シーツ越しに患者さんの皮膚にステープラーを打つのではなく、シーツ同士をステープラーで留めていました。


一箇所に付き、2~3のステープラーで留めるだけですが、迅速・手軽・しっかりとシーツ同士を固定することができていました。


そして、①のように大きな異物がイメージに映ってしまうことはなく、②よりは安価で、③のように患者さんの皮膚を傷めることもありません。


これはなかなか秀逸な手法だと思いました。病院の垣根を越えて異なるカルチャーに遭遇することは、お互い良い影響を与え合うため多様性の観点からも推奨されると思います。



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