先日、膝関節内側側副靭帯損傷(MCL)の患者さんを診察しました。
幸いMCLの単独損傷であったため外固定での保存治療となりました。
MCL損傷単独損傷では膝関節軽度屈曲位として大腿部から下腿遠位までのシーネ固定で十分です。しかし、実臨床において下肢シーネをしっかりと作成することは意外と難しいです。
大腿部をしっかり固定するためにはそれなりの幅のあるシーネを作成する必要があるのですが、成人の大腿部を十分に被覆できる幅の既製品のシーネが無いためです。
理想を言えば大腿周径の半分の幅のシーネが必要です。しかし、最も大型のシーネでも成人の大腿周径の1/3程度しか幅がありません。
このような場合、面倒なのですが私は下肢ギプスを巻くようにしています。一旦ギプスを巻いてから、その場でギプスをカットしてシャーレにします。
こうすることで成人の大腿であっても周径の半分の幅を確保できるため、十分な固定性のある下肢シーネを作成することが可能となります。
コストはギプスもシーネも同じ点数なので、患者さんの医療費負担は変わりません。私の手間は増えますが、既製品による中途半端な下肢シーネよりも数段治療効果が期待できます。
成人の膝関節内側側副靭帯損傷の治療は単純ですが、どうせ治療するのなら多少手間がかかってもギプスをカットしたシャーレで本格的な膝関節固定を心掛けたいものです。
★★★ 管理人 お勧めの医学書 ★★★
初学者が整形外科の外来や救急業務を遂行するにあたり、最もお勧めの書籍です
整形外科研修ノート (研修ノートシリーズ)
シーネ
先日のことですが90歳台後半の超高齢者の膝関節周囲骨折に対してギプスシーネを巻きました。ほぼ寝たきりの方で、骨折の転位も少なかったので保存治療を選択しました。
ほとんど動いていない方だけあって下肢の軟部組織が非常に少なく、大腿骨両顆・腓骨頭・足関節両顆などが非常に出っ張っている「るいそう」体型でした。
受傷直後は局所が腫脹しているのであまり問題無いのですが、局所の腫脹が軽減してくるとギプスシーネの角が当たって褥瘡を併発するケースが出てきます。
以前は、ギプスシーネの角が当たって褥瘡を併発しそうな場合にはギプスカッターで角取りしていました。しかし、最近はペンチを用いてギプスシーネの角の部分を折るだけで済ましています。
フェルトパッド部をめくって、ファイバーグラス部をペンチで折るのがベストですが、フェルトパッドを剥がすのが面倒なら、フェルトパッド越しにファイバーグラスを折ってもよいでしょう。
ギプスカッターで角取りするよりも、ファイバーグラスの角を折る方が時間の節約ができる上、ギプスの粉が飛散しないので後片付けも楽です。我ながらお勧めの方法だと思います。
★★ 管理人お勧めの医学書 ★★
オーストラリア理学療法協会のスポーツ理学療法士による実践的な教科書です。
治療的テーピングの概要を学ぶことができます。
DVDで学ぶ 理論と実践!治療的テーピング
今日の午前は外来でした。
脛骨遠位骨端離開で保存治療を行っている患児がいます。
私は、上腕骨顆上骨折や脛骨遠位骨端離開などの、隣接関節の角度を至適に保つことで整復位を維持できる可能性が高い骨折は、ギプスではなくギプスシーネ固定を選好しています。
そして、同一シーネを4~6週間利用することが多いです。このような場合、局所の腫脹が軽減してくるとギプスシーネの角が当たって痛いと訴えるケースが出てきます。
この患児もギプスシーネで保存治療をしていますが、本日の診察の際にギプスシーネの中枢側の角が下腿に当たって痛いと訴えました。皮膚が少しだけ発赤しています。
以前は、ギプスシーネの角が当たって痛い場合にはギプスカッターで角取りしていました。しかし、最近ではペンチを用いてギプスシーネの角の部分を折るだけで済ましています。
フェルトパッド部をめくって、ファイバーグラス部をペンチで折るのがベストですが、フェルトパッドを剥がすのが面倒なら、フェルトパッド越しにファイバーグラスを折ってもよいでしょう。
ギプスカッターで角取りするよりも、ファイバーグラスの角を折る方が時間の節約ができる上、ギプスの粉が飛散しないので後片付けも楽です。我ながらお勧めの方法だと思います。
★★ 管理人お勧めの医学書 ★★
オーストラリア理学療法協会のスポーツ理学療法士による実践的な教科書です。
治療的テーピングの概要を学ぶことができます。
DVDで学ぶ 理論と実践!治療的テーピング
アクセスカウンター
- 今日:
- 昨日:
- 累計:
管理人によるケアネット連載コラム
管理人による m3.com 連載コラム
管理人による幻冬舎ゴールドオンライン連載
人気記事
管理人も参加しているオンラインサロン
勤務医のための資産形成マニュアル
カテゴリ別アーカイブ
QRコード
お気に入りリンク集
記事検索
免責事項
免責事項に関して明示することで、当ブログの利用者は以下の事項に同意した上で利用しているものと考えます。 ここに書かれる意見には管理者のバイアスがかかっています。
利用者が当ブログに掲載されている情報を利用した際に生じた損害等について、当ブログの管理者は一切の責任を負いません。 また、当ブログの情報は、あくまでも目安としてご利用いただくものであり、医療行為は自己責任で行ってください。 また、当ブログは医療関係者を対象にしています。それ以外の方が、当ブログの情報から自己判断することは極めて危険な行為です。 必ず医療機関を受診して専門医の診察を受けてください。
当ブログの内容は、予告なしに内容を変更する場合があります。