整形外科医のブログ

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シーネ固定

橈骨遠位端骨折のシーネ固定範囲は?

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今日の午前は外来でした。
30歳台の方が転倒して手関節の痛みを主訴にして初診されました。


単純X線像では橈骨遠位端骨折でしたが骨質が良好で転位も少なかったため、軽く徒手整復してから前腕から手部までのギプスシーネ固定を施行しました。


橈骨遠位端骨折に対する外固定に際しては、MP関節をフリーにすることが重要だと言われています。確かにギプス固定に際しては、私もMP関節をフリーにすることは重要だと思います。


しかし、橈骨遠位端骨折に対してギプスシーネ固定を施行する場合、MP関節をフリーにするとギプス固定と違って背側に固定性が無いので、骨折部の安定性を保てない可能性があります。


単純X線像でも、MP関節を完全にフリーにするとかなり固定範囲が短くなってしまうことが確認できます。このため私はギプスシーネ固定に限っては、MP関節まで固定範囲を広げています。


正確には基節骨基部ぐらいまでギプスシーネ固定するのですが、幸いMP関節拘縮で困ったことはありません。ギプスシーネ固定に関してはMP関節まで固定しても良いのではないでしょうか?



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腱性マレットの保存治療のコツ

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昨日のアルバイト夜診で、腱性マレットの方が受診されました。3週間前に他の医師にスプリントを処方されたのですが、予約日の都合が悪くなったため私の外来を受診したようです。


一応、スプリントは装着した状態で受診されましたが、よくよく御伺いすると一日のうち何回も着脱していました。そして、スプリントを外した時にDIP関節を動かしていたそうです・・・。


以前、腱性マレットの保存治療についてまとめましたが、これでは何のためにスプリントをしているのか分からないため、もう一度スプリントを装着する期間・目的・注意点を説明しました。


そして注意点に関しては、最初の8週間ほどは一度でもDIP関節を曲げると、その瞬間に腱が剥離するので、もう一度最初から固定期間がリセットされてしまうことを強調しました。


大学の手の外科医師とも話しをしたのですが、やはり腱性マレットに関してはシーネの着脱を患者さんに絶対にさせてはいけないとの結論に到達しました。


この理由は、患者さんだけでDIP関節を伸展位に保ったままシーネを着脱することは不可能だからです。少しでもDIP関節を屈曲すると腱が切れてしまい、一からやり直しとなります。


したがって外来受診の際、医師の監視下にDIP関節を伸展位に保ったまま、アルコール綿花等で患指を清拭するのが最も確実性が高くて理想的だと思います。


なかなかそこまで気が回らないですが、腱性マレットの保存治療ではシーネの着脱を患者さんに絶対にさせてはいけないということが最も大事なポイントだと思います。



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腱性マレットの保存治療

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転位のある骨性マレットの治療は経皮的骨接合術が一般的ですが、腱性マレットの治療は保存治療でかなり機能改善します。そこで腱性マレットの保存治療についてまとめてみました。


私の場合、受傷後4週間はDIP関節やや過伸展・PIP関節屈曲70~90度で掌側からのシーネ固定を行います。いわゆるボタン穴変形のような肢位を敢えて維持するのです。


受傷後4~8週間はPIP関節はフリーにして、DIP関節のみ過伸展位で背側からシーネ固定します。更に受傷後8週間~12週間はDIP関節のスプリントを常用します。


この方法でかなりよく治りますが、ひとつポイントがあります。それは少なくとも受傷後8週間のシーネ固定をしている間は、絶対に患者さん自身でシーネを外させないことです。


受傷後8週間は1回でもDIP関節を屈曲すると、その瞬間に腱が切れてしまい、一からやり直しとなるからです。このことは患者さんにも充分説明して納得していただく必要があります。




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