整形外科医のブログ

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セレコックス

脊椎関節炎の治療で難渋中・・・

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先日、脊椎関節炎(spondyloarthritis:axial SpA)についてご報告しましたが、COX-2阻害剤(セレコックス)だけでは、なかなか疼痛コントロールが難しい状況が続いています。


う~ん、どうしたものか。。。現時点では脊椎関節炎を完全に治す治療法は確立されていません。そして、疾患活動性は約10年持続するといわれています。


このため治療目的は、疾患活動性が高い時期の症状緩和となります。このあたりはMTX登場前の関節リウマチの治療方針と似ています。つまり、現時点では決定打が無いのです。


治療ではリハビリテーションが大切であり、スポーツや体操を通じて体の柔軟性を維持します。そして、疼痛やこわばりの緩和を目的として、薬物治療を行います。


薬物治療では、骨化抑制作用も期待してCOX-2阻害剤を投与します。特にCRPが上昇している症例では、COX-2阻害剤の継続投与が骨化進行抑制に特に有用であるとされています。


一方、CRP陰性症例では、COX-2阻害剤投与による骨化進行抑制効果をあまり見込めません。COX-2阻害剤といえども、長期投与は腎障害や消化管障害を併発する危険性を高めます。


この観点から、COX-2阻害剤投与は痛みに応じて使用して、痛みが無ければ自己調節で減量、休薬することが望ましいのではないでしょうか。



今回のようにCOX-2阻害剤で制御が難しい症例では、サラゾスルファピリジンなどの内服薬が有効といわれています。ただ、私の少ない経験では著効例はほぼ無かったような・・・


こうなってくると、生物学的製剤の使用を検討することになります。しかし、場末病院で脊椎関節炎に対して生物学的製剤を開始するのは、ちょっと荷が重い気がします。。。






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肘関節脱臼後の仮骨性筋炎

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先日記事にしましたが、肘関節後方脱臼後の高校生を外来で治療しています。
受傷後4週の時点で、90-50-0とかなりの肘関節可動域制限を残していたので、1週間後に再診してもらいました。


肘関節可動域はほとんど改善しておらず、単純X線像上では仮骨性筋炎を併発し始めていました・・・。仮骨性筋炎は、骨折や脱臼に際して関節包や骨膜が骨から剥離して、そこに生じた血腫が骨化することで発生します。


幸い仮骨性筋炎としては軽症の部類ですが、ますます可動域訓練の是非が難しくなってきました。受傷してから5週間経過しているのでこのまま放置しておくと、かなりの可動域制限が残ってしまいます。


仮骨性筋炎にはダイドロネル投与が効果的だと思いますが、脊髄損傷後と股関節形成術後の異所性骨化にしか適応が認められていません。また、小児(さすがに高校生は小児ではないでしょうが)への投与は禁忌です。


ダイドロネルの他には、NSAIDsが有効らしいです。これは、強直性脊椎炎でCox2選択阻害薬(セレコックス)が有効であることと同じ理屈なのでしょう。未成年ではありますが説明と同意の上、投与を開始しようと思います。


他動での可動域訓練は控えつつも、自主訓練ではなく通院での渦流浴と自動可動域訓練を開始しようと思います。やはり肘関節屈曲角度が最低でも115度を越えないと日常生活で支障が残るからです。




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セレコキシブは消化管潰瘍の発症頻度が極めて低いことを確認

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Medical Tribune Vol.46, No.6で、セレコキシブは消化管潰瘍の発症頻度が極めて低いことを確認 という記事がありました。

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セレコキシブは消化管潰瘍の発症頻度が極めて低いことを確認
Sakamoto C ,et al. Alimeny Pharmacol Ther 2013; 346-354.


・ シクロオキシゲナーゼ(COX)-2選択的阻害薬のセレコキシブと、プロピオン酸系のプロドラックであるロキソプロフェンとのRCTを実施した

・ 対象は健康な成人被験者189例

・ 76例をセレコキシブ群(100mg×2回/日)、76例をロキソプロフェン群(60mg×3回/日)、37例をプラセボ群として2週間投与した

・ 主要エンドポイントは内視鏡で確認された消化管潰瘍の発症

・ 消化管潰瘍の発症率は、セレコキシブ群1.4%、ロキソプロフェン群27.6%、プラセボ群2.7%だった

・ セレコキシブ群は、ロキソプロフェン群と比べて潰瘍の発症頻度が有意に低かった


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やはり、COX-2選択的阻害薬は、消化管潰瘍の発生頻度が低いですね。私も最近ではセレコックスを第一選択薬として処方しています。


それにしても、たった2週間のロキソニン処方で27.6%も消化管潰瘍が発生するとは驚きですね。ボルタレンでは相当警戒していましたが、ロキソニンでも注意が必要であることを再認識しました。




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