整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

テニス肘

テニス肘は軟式テニスでも発生する!

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先日、外来をしていると、中学生が右肘の外側部痛で初診しました。
診察すると、テニス肘(上腕骨外上顆炎)のようです。


しかし、ここで問題(?)が発生しました。この子は中学校の部活で「テニス」をしていますが、硬式テニスではなく、軟式テニス(ソフトテニス)なのです。


えっ、軟式テニスでも「テニス肘」って発症するの? ご存知の方が多いと思いますが、軟式テニスはテニスと似て非なるスポーツです。


バックハンドで打球する際に、テニスでは手関節の伸筋群にストレスが加わりテニス肘が発症します。しかし、軟式テニスでは手関節の屈筋群を使って打球します。


このため、私は軟式テニスではいわゆる「テニス肘」は発症しないと思っていました。しかし、目の前の患者さんは明らかに「テニス肘」です。文献を漁ったところ、下記の文献がヒットしました。

  • 【上肢のスポーツ障害 その診断と治療】 テニス肘の診断と治療 
  • Author:薄井 正道(東北海道病院) 
  • Source:Orthopaedics(0914-8124)16巻2号 Page35-41(2003.02) 
  • 論文種類:解説/特集


札幌医科大学の薄井先生の論文を拝読すると、どうやらテニス肘(上腕骨外上顆炎)はテニスだけではなく軟式テニスでも発症するようです。う~ん、まさに目からウロコです。


上記論文によると、薄井先生の疫学調査では30歳台で軟式テニスを開始した女性22名中15名(68.2%)でテニス肘の発生をみたそうです。


未だにテニス肘発症のメカニズムについては統一した見解が無いようですが、薄井先生はテニス肘の発症には把持動作における手関節伸筋群の収縮が関与すると推察しています。


いずれにせよ、テニス肘が硬式テニスのみならず軟式テニスでも発生することは、私にとってトリビアでした。しかし、よく考えると患者さんの大半はテニスをしない中高年の方ですね。。。




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テニス肘ではなく関節リウマチだった!

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今日の午前はアルバイト先で外来をしていました。
先々週、20歳台の女性が3ヶ月前から続く右肘から前腕の痛みを訴えて初診されました。


最初は、上腕骨外上顆炎(テニス肘)の印象を受けました。chair test、Thomsen test、middle finger extension testを施行すると全て陽性です。単純X線像も異常所見なしです。


少し若いですがそれほど疑問にも思わず上腕骨外上顆炎と診断して、テニス肘サポーターを装着してもらいました。しかし、テニス肘サポーターはあまり効果が無いようです。


橈側手根伸筋のあちらこちらを圧迫して至適位置を探りましたが、なかなか除痛を得られるポイントが見つかりませんでした。その時、ふと肘関節に伸展制限があることに気付きました。


肘関節の可動域は100-10-0です。しかもよく見ると関節の腫脹まで認めるではないですか!朝のこわばりや他の関節の腫脹・圧痛は無かったのですが、RAの精査を行うことにしました。


そして、今日はその結果を説明する日だったのですが、抗CCP抗体が強陽性でした・・・。
2010 ACR/EULAR RA新分類基準では5点ですが、関節リウマチである可能性が濃厚です。


ご本人に説明して関節リウマチの治療を開始する方向としました。それにしても、当初は関節リウマチの可能性を全く念頭に置いていませんでした。


下手にテニス肘サポーターを関節直上に装着していたら、痛みが緩和されて肘関節腫脹に気付かなかった可能性が高いです。普段診慣れた疾患にも落とし穴があることを痛感しました。




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