昨日の午後は、感染性足部壊疽に対して下腿切断術を施行しました。
切断手術の皮切デザインは、創治癒の成否に大きな影響を与えると思います。


私は、背側皮切を大きくしたフィッシュマウス皮切を採用していました。背側が大きいフィッシュマウス皮切の問題点は、腹側と背側の長さが異なるため、縫合部に負担がかかることです。


このため部分的に創縁が壊死して、上皮化するまで1ヵ月程度時間が掛かることが多かったのです。そこで今回は腹側から背側に向かうやや斜めの直線状の皮切デザインを試みました。


例えてみれば竹を斜めに切ったような皮切デザインです。この皮切でも背側皮弁が大きいので、背側の大きいフィッシュマウス皮切と同様に脛骨断端を豊富な軟部組織で覆うことができます。


しかし、問題点として創の両端に大きなドッグイヤーができてしまうことが挙げられます。数ヶ月するとこのドッグイヤーは目立たなくなりますが、美容面では劣ると言わざるを得ません。


創治癒の確実性を取るか、美容面を取るか難しいところです。結局、背腹側の大きさが均等なフィッシュマウス皮切が、そこそこの確実性と美容性を兼ね備えた皮切なのかもしれません。




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