骨粗鬆症の治療は整形外科医にとっての基本です。現時点で使用できる骨粗鬆症治療薬は、ビスホスホネート、デノスマブ、テリパラチド、SERM、ビタミンDやK製剤です。


このうち、デノスマブに関しては少し注意が必要です。デノスマブは、低カルシウム血症の回避に注意がいきがちですが、不用意な投薬中止は危険であることを認識するべきです。


デノスマブは、投薬中止によって新規多発脆弱性骨折の発生が報告されています。これはデノスマブの薬効消失の際に、急激な骨吸収亢進が起こるためです。


新規多発脆弱性骨折の発生予防には、ビスホスホネートを投与して急激な骨吸収亢進を防止する必要があります。


デノスマブの問題点は、使用期限の規制や長期連用によるプラトー化が無いことです。中止基準が無い上に、中止による有害事象発生があるので細心の注意が必要です。


このため、来院中断や他疾患による中止などで中途脱落が予想される患者さんには、最初からデノスマブの治療を行うべきではないと考えています。





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