整形外科医のブログ

投資の成功によって30歳代で経済的自由を達成しました。 医師起業家として年商10億円企業を目指して日々奮闘中

トラブル

慎重さと術後リスクの板ばさみ

このエントリーをはてなブックマークに追加


私たち整形外科医は日々たくさんの症例の手術をしています。
手術数が増えると、ある一定の頻度でうまく行かない症例を経験することになります。


骨折などの外傷であれば、ある程度仕方無いですし患者さん自身も納得する場合が多いです。しかし、人工関節や脊椎手術などの予定手術では、なかなかそういう訳にはいきません。


特に働き盛りの壮年の患者さんでは職場復帰の時期の問題があるので、予定どおりに行かないケースでは何かとトラブルの原因となります。


先日、予定手術で免荷期間を少し設けた方がよい症例に遭遇しました。術中所見で骨の被覆がかなり悪かったため、固定性にやや問題があると判断したのです。


2週間ほどの免荷期間を設けて経過観察したところ特に問題無かったのですが、壮年の患者さんにとって2~3週間入院期間が延長することは、結構ダメージが大きいです。


昨今ではあまりに長期休業するとリストラされるリスクもあります。そのような状況は私も充分に理解しているだけに、患者さんだけでなく主治医の私も苦しみます。


患者さんは痛くないので、早く荷重して退院したい一心です。しかし、この要望に負けていつもどおりの後療法を行って、万が一のことが発生すると大打撃となってしまいます。


患者さんとの信頼関係を保ちつつも安全に病院から送り出すために、患者さんからのプレッシャーと術後トラブル発生リスクとの板ばさみになります。


外科医として精神的に辛い状況ですが、ここで患者さんからのプレッシャーに負けてはいけません。全ての状況を最も知っているのは主治医だからです。


もちろん、患者さんの置かれている状況を勘案しつつですが、術後トラブル発生防止を最優先課題にして治療をあたろうと思います。術後トラブルが発生するとお互い不幸ですから・・・




★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★

 
初学者が股関節外科の基礎および治療体系を学習するにあたり最もお勧めの書籍です。日本を代表する執筆陣が股関節外科に関するあらゆる事項を、非常に分かりやすく解説しています。この1冊があれば股関節外科のほぼ全ての疑問点を解消できると思います。


         




他院手術施行症例のトラブル対処法

このエントリーをはてなブックマークに追加


私は回復期病棟の運動器疾患の患者さんも担当しています。
もともとリハビリテーション科の医師が居たのですが、待遇の良い病院へ転職していきました。


やむを得ず、リハビリテーション臨床認定医の資格を持つ私が暫定的に対応することになりました。回復期を担当するのは初めて(といっても既に2年近く経ちますが・・・)です。


当然ですが運動器疾患の患者さんに関しては、リハビリテーション専門医よりも整形外科専門医の臨床能力の方が高いです。しかし臨床能力が高いと過信するのは諸刃の剣だと思います。


回復期リハビリテーションを担当していると、ある一定の割合でトラブル症例に遭遇します。今日も他院で手術された大腿骨頚部骨折患者さんが偽関節であることが判明しました。


臨床的には人工骨頭置換術を施行するしか方法は無いのですが、問題はどこで誰が手術を行うかです。リハビリテーション専門医なら間違いなく急性期病院に送り返すでしょう。


彼らには手術を施行する能力が無いので当然の選択です。しかし、整形外科専門医の場合は悩むところです。もちろん整形外科専門医なら自分の力で最後まで対応することが可能です。


しかし他院で施行されたトラブル症例を簡単に引き受けてしまうと、大きな火種を抱え込んでしまうことになります。せっかく旧知の間柄になった患者さんなので、最後まで診療したいです。


最初の頃は、そういう思いに素直に従って自分でリカバリー手術を施行していました。しかし、リカバリー手術は通常手術よりも条件が悪いので、思ったような結果を得られないことがあります。


そういう経験を何回かすると、やはり役割分担をしっかりする方がお互いのためかなと思うようになりました。したがって最近ではトラブルが発生すれば、全例紹介元に送り返しています。


何が正解かは分かりませんが、私は役割分担をしっかり守る方向に舵を切っているのです。少し消極的過ぎるでしょうか?



       ★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★

豊富な図や画像が提示されているため、ほとんどの骨折や脱臼に対応することが可能です




                         

             
救急・当直で必ず役立つ!骨折の画像診断




患者さんの”ニーズ”を探ろう!

このエントリーをはてなブックマークに追加

今日の午前は外来でした。常勤医が1人減ったため月曜日が1診察体制になったので、可能な限りスピーディーな診察を心掛けています。


診察において心掛けている点は、下記のごとくです。
 ① トラブルを起こさない
 ② 患者さんの”ニーズ”を探る
 ③ 患者さんの満足度を上げる


①に関しては一度でもトラブルに発展すると、それだけで非常に多くの時間を取られてしまいます。入院と違って外来でのトラブル内容は、治療の望ましくない結果よりも、「早く診ろ!」等の患者さんの気持ちが原因となっていることが多いと思います。


治療の望ましくない結果が原因の場合には、少々時間を取られることも致しかた無いですが、心情面の場合には定時診察・丁寧な言葉遣い・目を見て話す等を習慣づけることでかなり回避可能だと思います。


②に関しては意外と重要だと思います。こちらは痛みを取り除いて欲しいから受診していると思いがちですが、「診断書が欲しい」「症状は無いが心配だから来た」「シップが欲しい」という場合も多々あります。


このような方は検査が必要無い場合が多いので、できるだけ患者さんの希望に応えるような診療を進めるべきです。不要な検査を省くことで診察時間を大幅に短縮することも可能です。


③は①や②とリンクします。いくら丁寧に診察したと思っても、患者さんのニーズに合致していなければ満足度は低いです。満足度が低いとトラブルにも発展しがちなので、満足度を上げることは非常に重要だと思います。


ただ、①~③を常に心掛けることで外来診療スピードはアップしますが、患者さんからの人気が高まると返って外来患者数が増え過ぎるというパラドックスに陥ってしまいます。


病院経営を考えると、勤務医は入院患者さんにエネルギーを注ぐことが鉄則なので、状態が落ち着いている外来患者さんは開業医に行っていただくように促すことを忘れてはいけません。



             ★★ 管理人お勧めの医学書 ★★
 


オーストラリア理学療法協会のスポーツ理学療法士による実践的な教科書です。
治療的テーピングの概要を学ぶことができます。



                  
 


          
DVDで学ぶ 理論と実践!治療的テーピング




平日の日勤バイトを持つことのもうひとつの利点

このエントリーをはてなブックマークに追加


管理人の運営するHPで、勤務医で開業医並みに稼ぐというページがあります。
その中で、高所得な勤務医として以下の3つのパターンを挙げています。


  ① (手術症例の)集患能力が高いため、 複数個所の病院から常勤医として給与を得ている
  ② バイト医として生計を立てている
  ③ 民間の小規模病院のため、給与所得が高い +日勤バイトを1日持っている
 ( ④ 一般病院+日勤バイトを持っている )


上記の中では、能力的なハードルが低くく決断しだいで実現可能なので③が最もお勧めです。
そして、そのポイントは平日に研修日を取ることです。


ただし心理的に日赤や医療センターなどの急性期病院へ後戻りできないことが多いので、経験年数10年目以上のある程度の実力と経験を蓄積した医師の選択枝のひとつでしょう。


上記はあくまでもお金に関する点にだけフォーカスした選択枝として提示していたのですが、最近になって同僚の置かれている状況を見て、もうひとつの利点があることに気付きました。


その利点とは、メインの勤務先以外にもうひとつの日勤バイトを持つことが、私達の人生に降りかかる様々なトラブルに対するリスクヘッジになるということです。


例えば、大学医局から意に沿わない異動を提示された時やメインの勤務先での人間関係のトラブルを抱えた時に、もうひとつの日勤バイトを持っていると、そこが緊急避難場所の役割を果たすのです。


もうひとつの日勤バイト先を確保しておくことで、下記の如くのメリットがあります。

 ① 最低限の収入を確保しているので、大学医局やメインの勤務先と対等な立場で折衝できる
 ② 最低限の収入を確保しているので、次の勤務先をじっくり探すことができる
 ③ タイミングが合って勤務条件が良ければ、バイト先の病院の常勤医となる選択枝もある


自らの意志で勤務先の病院を変えることは人生に大きな影響を及ぼすので、どのような理由がある場合でもじっくりと吟味して決めるべきだと思います。そして、そのような不測の事態が発生しても、優良な日勤バイトをひとつでも持っていると非常に有利な状況を確保できるのです。


ただし、注意点がひとつだけあります。日勤バイトの病院が大学医局の関連病院である場合には、緊急避難場所の役割を果たせないという点です。考えてみれば当然のことですね。


日勤バイトを見つけるには民間斡旋業者の助力が必要となります。民間斡旋業者を利用する場合のポイントは
アルバイト基本講座にまとめていますので、参考にしていただければ幸いです。


不測の事態が発生してからでは手遅れなので、あらかじめ優良な日勤バイトを探しておくことを強くお勧めします。皆様のご多幸をお祈り申し上げます!



※ 大学医局やメインの勤務先とは極力良好な関係を維持するべきです。
  あくまで不測の事態に備えてのリスクヘッジとして提案しているだけです。




 ★★ 『 整形外科の歩き方 』でお宝アルバイト獲得のための基本講座を公開中です! ★★


      




アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

管理人の著書

161228 【書影】医師の経済的自由
ビジネスパートナー募集中
産婦人科
株式会社リコー様のインタビュー記事


管理人によるケアネット連載コラム
log_carenet

医師のためのお金の話

管理人による m3.com 連載コラム
管理人による幻冬舎ゴールドオンライン連載
管理人も参加しているオンラインサロン
勤務医のための資産形成マニュアル
築古木造戸建投資マニュアル

医師のための築古木造戸建投資マニュアル 1
REITで実践する不動産投資セミナー
190122
医師のための 金融資産形成術


配送無料! 医学書 購入サイト
プロフィール

自由気ままな整形外科医

投資の成功によって30歳代で経済的自由を達成しました。 医師起業家として年商10億円企業を目指して日々奮闘中

・医学博士
・整形外科専門医
・日本リウマチ学会専門医
・不動産投資家
・超長期金融資産投資家

QRコード
QRコード
記事検索
メッセージ
免責事項
免責事項に関して明示することで、当ブログの利用者は以下の事項に同意した上で利用しているものと考えます。 ここに書かれる意見には管理者のバイアスがかかっています。 利用者が当ブログに掲載されている情報を利用した際に生じた損害等について、当ブログの管理者は一切の責任を負いません。 また、当ブログの情報は、あくまでも目安としてご利用いただくものであり、医療行為は自己責任で行ってください。 また、当ブログは医療関係者を対象にしています。それ以外の方が、当ブログの情報から自己判断することは極めて危険な行為です。 必ず医療機関を受診して専門医の診察を受けてください。 当ブログの内容は、予告なしに内容を変更する場合があります。