整形外科医のブログ

投資の成功によって30歳代で経済的自由を達成しました。 医師起業家として年商10億円企業を目指して日々奮闘中

トラムセット

駄ネタ: トラムセットで軟便が治った!

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今日の午前は外来でした。
数年来の腰痛で困っていた患者さんに対して、前回診察時にトラムセットを導入しました。


現在、眠前1錠投与なのですが、腰痛はかなり緩和されたようです。
それは良かったとお話しつつ、便秘や嘔気などの副作用の有無を確認しました。


すると、今まで軟便で困っていたようなのですが、
この薬(トラムセット)のおかげで軟便が治った!とおっしゃられました。


面白半分に、「腰痛がましになったことと、軟便が治ったことはどちらが嬉しいですか?」と訊いたところ、「軟便が治ったことの方が嬉しいかもしれません・・・」とおっしゃるではないですか(笑)。


当たり前のトラムセットの作用ではあるのですが、
さすがにこのようなコメントをもらうのは初めてだったので驚きました。


トラムセットは鎮痛効果だけではなく、実は”止痢剤”として作用を期待してもよいのかもしれません。特にお腹が弱くて下痢がちな方には、便秘傾向になることはむしろ好ましいことのようです。



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 一般的で使用頻度の高い、鎮痛薬・睡眠剤・感冒薬・胃薬・止痢薬・去痰薬・便秘薬等の薬剤が、全13章にわたって系統立てて書かれています。それぞれの章の最初に、薬剤の分類図が記載されています。各系統間の薬剤の使い分けも平易な文章で書かれており実践的な書籍です。


                      

 症状と患者背景にあわせた頻用薬の使い分け―経験とエビデンスに基づく適切な処方





姉妹本に『類似薬の使い分け』があります。こちらは全15章からなり、降圧剤、抗不整脈薬、狭心症治療薬、脂質異常症治療薬、糖尿病治療薬、消化性潰瘍治療薬、鎮咳薬、皮膚科疾患治療薬、抗菌薬などが1章ずつ割り当てられています。


                       


       類似薬の使い分け―症状に合った薬の選び方とその根拠がわかる



腎機能に優しい整形外科医

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先週の土曜日は、腎機能障害を避けるための消炎鎮痛剤の選択についての講演を拝聴してきました。土曜日の夕方からはちょっと辛かったですが、非常に有意義な講演内容でした。


まず腎機能についてはCcrで評価することがベストではありますが、24時間もしくは2時間の尿を溜める必要があり、一般的には簡易なeGFRを使用することが多いと思います。


eGFRは体表面積が1.73㎡の標準的な体型(170cm、63kg)に補正した場合のGFR(mL/分/1.73m2)が算出されるため、体格の小さな人では腎機能が過大評価されるので注意が必要です。


次に、腎機能悪化要因として下記のような項目が挙げられます。

・ 高齢者
・ 脱水
・ CKD
・ 高血圧症
・ 糖尿病
・ 利尿剤投与
・ ARB投与
・ NSAIDs投与


上記から、基本的にNSAIDsの長期投与は避けるべきです。更に言えば、COX-2阻害剤といえども腎障害をきたしうるので、どのようなNSAIDsであっても長期投与は原則避けるべきです。


やむを得ず長期投与する場合は、血液生化学検査で腎機能の確認が必須です。腎機能障害とは関係無いですが、ロキソニン3錠×3か月で30%に消化管潰瘍を併発すると言われています。


では、どのような鎮痛剤を処方すればよいのかというと、アセトアミノフェンが第一選択薬だそうです。トラムセットのようなオピオイド配合剤は第二選択薬となります。


もちろん短期的に鎮痛したい場合にはNSAIDsでよいと思いますが、数週以上にわたる投与になりそうであれば、アセトアミノフェンやオピオイド配合剤を検討するべきだそうです。



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トラムセット無効例はPMRも考慮

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今日の午前はアルバイト先での外来でした。70歳台の女性が頚部から両肩関節部の痛みで1ヵ月ほど通院しています。単純X線像上では特記する所見が無く、肩関節周囲炎と診断しました。


肩関節周囲炎の治療では鎮痛が重要なので、各種の消炎鎮痛剤投与や肩関節注射(肩峰下滑液包内注射も含む)を施行しましたが全く効果がありません。


おかしいな?と思ってトラムセットを投与しました。3錠まで増量するとそれなりに痛みが軽快したので様子をみていましたが、また痛みが増悪したとのことで本日受診されました。


高齢の患者さんでトラムセットも効かないような保存治療に抵抗性の項部~肩痛は、リウマチ性多発筋痛症(polymyalgia rheumatica; PMR)であることがあります。


思い切って採血したところ、ESRが50mm/hと異常亢進していました。PMRの診断基準にはいくつかありますが、私はリウマチ病学テキストに掲載されている診断基準を使用しています。


1.  両側の肩甲骨の痛み、またはこわばり感
2. 発症後2週間以内で症状が完成
3. 発症時の赤沈値が40mm/hr以上
4. 朝のこわばりが1時間以上
5. 年齢が65歳以上
6. 抑うつ状態あるいはさらに体重減少
7. 両側上腕筋の圧痛


上記のうち3項目以上を満たすもの、もしくは1項目以上を満たし臨床的にあるいは病理的に側頭動脈に異常を伴うものをprobable PMRとします。


今回の方は診断基準の4項目を満たしたのでPMRと診断しました。早速、
プレドニン(PSL) 10mgから投与を開始しました。PMRであれば劇的に症状が軽快するので次回診察が楽しみです



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  初学者が関節リウマチの治療体系を俯瞰するにあたり、最もお勧めの書籍です


                   
    
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頚椎症性神経根症の治療は苦手です

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今日の午前は外来でした。
毎週、新患を診察していますが、頚椎症性神経根症の方の診察では少し悩むことがあります。


身体所見から頚椎症性神経根症の診断は容易ですが、治療は意外と難しいと思います。私の場合、初回はリリカ (75mg)1C夕食後 + ロキソニン 3錠で治療を開始しています。


これで症状がましになる方は1/3程度です。初回で薬物治療に全く反応しない方は、リリカを300mgまで増量しても、最終的には1/2程度の方しか症状が軽快しない印象です。


つまり、2回目の診察でおおよその治療経過の予想が見えてしまうのです。リリカ無効例はトラムセットにスイッチしますが、リリカ同様に量を逓増するので受診回数が多くなります。


薬物治療が無効な方は、念のためMRIで精査しておきたい気持ちになります。何か重大な病態を見逃している可能性があるからです。


しかし、受診回数が増えると患者負担が増えるので、MRIまで施行すると気の毒になります。MRIを撮像しても、ほとんどの場合は治療方針が変わらないので申し訳なく思ってしまうのです。


もちろん、神経の圧迫度合いはMRIでしか判定できないので難治例では必須の検査だと思いますが、検査結果に関わらずほとんどの場合は治療方針が変わらないのが辛いところです。


このような自分の心の中での葛藤を日々繰り返しているので、頚椎症性神経根症の患者さんの診察や治療には少々苦手意識を持っています。少し気にし過ぎなのかもしれませんね。



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       類似薬の使い分け―症状に合った薬の選び方とその根拠がわかる



「眠前」が夜とは限らないですね

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薬剤の服用方法は、今日の治療薬 などを見れば簡単に確認できます。用法用量がはっきり記載されているので、何も考えずに画一的にそのまま処方してもあまり間違い無いと思いがちです。


先日、50歳代後半の慢性腰痛症の方にトラムセットを処方する機会がありました。私は、トラムセットを導入する際には副作用対策で
眠前1錠から投与開始しています。


いつも通り、「では眠前1錠から始めましょう」と言って1回目の診察を終了しました。特に副作用が出現することがなかったので2錠に増量したところ眠気を訴えられました。


やはり、副作用が出たかと思っていたのですが、話をしていて何かしっくり来ないモノを感じました。そこで、よくよく問いただすと職業が夜勤なのでこの方の眠前は午前6時ごろだったのです!


そして午前11時に起床して朝食(?)を摂るのが正午ごろとのことでした。このようなシフトが週に3~4回あるので、トラムセットの服用時間が毎日まちまちなのです。


患者さんからすればドクターの言うとおりにトラムセットを服用していただけのことなのですが、これではランダムに服用しているのと変わりありません・・・。


今回の方はやや極端なケースでした。しかし、ひとくくりに「眠前」や「朝食後」といっても、その方の「眠前」や「朝食後」が、私達の想像する時間と大幅に異なる可能性があることに気がつきました。




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